2018年4月21日土曜日

『まんがタイムスペシャル』2018年6月号

『まんがタイムスペシャル』2018年6月号、発売されました。表紙は『恋愛ラボ』。もう初夏! 衣替えを描きましてね、強くなりはじめた日射し、木漏れ日を受け、風に髪なびかせる藤姫様、マキの美しさであります。『おにいちゃんと呼ばないで』心も夏服ですよ。『大家さんは思春期!』チエも夏服です。『おにいちゃんと呼ばないで』は移籍新連載の告知カットでもありますね。

『年上の物理女子は可愛いと思いませんか?』。朝永くん。すっかり先輩のこと意識しちゃったんですね。それで、在原業平の和歌に共感してみたり、けど、そうしたもろもろ、湯浅部長が理解しない。いや、そうらそうか。途中まで声に出してたわけじゃないもんな。面白い展開になってきました。先生から、全国高校生ロケット大会に出てみないかといわれて、こういう大会は本当にあるのかな? 打ち上げたモデルロケットから、卵をパラシュートで降ろす大会だっていうんですね。これは卵が割れないように保護材を工夫するとか、そういう方面でのアプローチもありなのかな? さて、この大会、レギュレーションに5名で参加というのがあって、さあ困った。物理部は2人だから、あと3人必要です。でも、ふたりともに誘えるようなどころか、名義貸しを頼めるような友達もいない、って、君ら、ハードな学生生活送ってるな! なるほど、それでこれまで物理部として依頼を受けてきた、その展開が効いてくるわけか! 陸上部の坂田さんにお願いしました。いや、いいですね。この子、いいですよ。また出てくれて嬉しい。ともあれ、陸上部部長に反対されたり、心配されたりという展開。面白かったんですけど、一番よかったの、湯川部長が陸上部部長をやりこめるところですよね。かっこよかったですよ。すかっとしますよ。

『ローカル女子の遠吠え』。うわー、のっけからなんかわかる、わかってしまう。今川義元が再評価されています。静岡の武将なのに家康ほどには人気がない。そうしたことに疑問抱く雲春に、秋津いわく、そんな今川氏だから興味を持ったの。りん子のいう、いますよね、あえて不人気のところを推したくなる性分の人。ああ、いるよね。いますよね。うん、すごくわかるわ。自分は秋津タイプだわ。なんというのだろう、人気が出ていよいよ磐石となりはじめると、ちょっとずつ離れていったりしてね、なんだろうねえ、この性格。いや、これは自分のことで、秋津さんのことじゃあありませんよ。今回、今川義元についていろいろ触れて、けどそれがやっぱり愛知との取り合いになるっていうの、おかしかった。なんでもかんでも、取り合わないではおられないのか。東海三県の話も面白かったです。そうなんだ、東海三県は愛知、岐阜、三重なんだ。関西だと、天気予報で三重が含まれてるから、どうも近畿の印象があるんですけど、そうじゃないんだ、東海なんだっていつも意外に思うんです。ここで雲春のいった伊豆みたいな感じでしょうか。今回のラストの、江戸城にリスペクトのない雲春と、静岡に一切リスペクトのない桐島。このあたりも、もう鉄板のネタになってきてますね。いや、よかったですよ。

『穂積くんは猫に勝てない』。こりゃあ、いいな。シェアハウスの同居人、今日は皆でかけていて、穂積くん、憧れの先輩とふたりきりになるのん!? と思ったら、あら、倉木先輩もおでかけですか。それで猫たちの面倒頼まれることになるんですけど、その奮闘ぶりがおかしくて、いや、穂積からしたら必死だよな。倉木からは、猫のお世話ノートを渡されて、猫の名前も個性も好き嫌いも、ちゃんとわかるようにはなってるんだけど、けど全然それを活かせないっていうのが、あー、そうだよなあ、知識がそのまま役に立つことってないんだよなあ。なんせ、その上、猫だもんなあ。いきなりの緊急ミッション、猫が吐いちゃったの片付けるんですけど、どいてくださいって敬語使ってるのいいよなあ。また猫のケンカにも翻弄されて、開始5分でもうくじけそう。ブブに助けを求めてもそっぽ向かれるし、先輩に連絡しようにも、ブブが電話を隠しちゃう。なんだ、このハードモード。穂積にとってはハードを超えて難易度ナイトメアだろうなあ。慣れないながらも、必死に頑張った穂積、いやあ、もう素晴しかったですよ。熱出るほど、いや、燃えつきて灰になった? いや、でも、ナイスガッツでした! 私は評価しますよ!

『バイトの面接』、ゲストです。いろいろと連載の幅広げるべく、模索しているのでしょうか。バイトというけど、普通の店とかなんかじゃなくて、雪山にて大きな犬を世話する仕事? 求人にはかわいいワンちゃん達の散歩と世話とあったから、いわゆるペットシッターかと思ったら、思ってたようなのと違った。しかも犬じゃない。狼だそう。さらにはクマまで出てくる。サーカスを引退したクマで、人に慣れて、むしろおとなしすぎるくらいのクマ。こうした慣れない動物にかこまれて、世話しようという漫画。でもこれ、主人公が翻弄されてるの、動物たちっていうよりも、仕事の依頼人、ウィスって人ですよね。むしろ動物たちは素直で、すぐにも懐いてくれるという。ええ、このバイトで大変なのはウィスの相手なのだと思います。

  • 『まんがタイムスペシャル』第27巻第6号(2018年6月号)

2018年4月20日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2018年6月号

『まんがタイムきららMAX』2018年6月号、昨日の続きです。

『こみっくがーるず』。かおすちゃんのもとに届いた「くりパのおしらせ」。くりパ? クリスマスパーティか。そうかもうそんな季節なんですね、ってしみじみかおすがいうものだから、すっかり劇中では冬かと勘違いしてしまったけど、いやいや、かおすちゃん、あんた半袖で出歩いてるやん。しかもセミの声とかゆうてるやん。なるほど、くりパとはくりすパーティ。クリスマスではなかったのですね、って、のっけからすごいテンションやな、君! 自分でイベント発生させていくタイプとか、冷静な翼の観察面白く、そして美姫の心情、その複雑さも面白い。さらに、突発デッサンパーティ。琉姫がくりすのスタイル、絶賛して、それ聞いた小夢がショック受けるのね。これ、タイミング抜群だな。テレビアニメで今週やったところを受けてるんじゃないですか。翼がコスプレで勇者を期待して思わずヒロインの衣装着ちゃうハプニングとか、デジタル派のかおすちゃんがダメージ負っちゃうとか、楽しく読んだその果てに怖浦先輩登場。そうだよ、ふーら先輩抜きじゃ駄目だよ、って、この一コマだけか! 新登場人物の個性際だたせて、ちゃんとこれまでのメンバーも押し出して、バランスよく見せてくれるの、大変よかったと思います。

『ぼっち・ざ・ろっく!』。ぼっちちゃん、毎回なんかヘコんでるんだな。でも、憂鬱な月曜日。わかる! 学校はしんどい、いきたくない。わかる! 私も仕事いきたくない! エブリデイ憂鬱! そんなぼっちが学校で友達を作りました。いや? 友達? 喜多ちゃん。ギターを弾く人らしい。華やかな場でたくさんの人に囲まれているその姿に気後れするぼっちだけど、あの窓から覗いてるとこね、うらめしぼっちって、なんだそれ! 勇気出して話しかけたらヒューマンビートボックス。それに、ぶんつくぱーつくって応えてくれる喜多さん、いい人やも知れないですね。途中でうっすらわかってたんですが、この人が例の逃げたギター。弾けるって嘘ついてバンドに入った。ギターのことまるでわかってないってこと見せつけるあの一連の描写、あれはすごかったです。メジャー? マイナー? 野球の話? って、レベル高いわ! しかし、これで喜多さん、逃げたバンドに戻ってきちゃうことになったわけですが、弾けるって嘘ついてたの、ここでばらすのかな? あるいは、あ、あれだ、合体ギタリストだ! いや、普通にギターとボーカルをふたりでそれぞれ担当すればいいのでは? ともあれ、喜多の秘密知ってしまってるぼっち、次回は結構じたばたしてくれそうな予感がありますね。

『ももいろジャンキー』。この漫画、はなちゃんがどんどんキャラクターの幅を広げていって実にいい。はなちゃんはぁ、またふとったからブタのブタやさん。ちいさな妹にそんなこといわれて、しっかりきっちり怒るんだけど、もも、全然こりてないな。話のはしばしにぶたやが登場するのおかしくって、美耶にもブタが好きなのかって勘違いされてしまうとかね、さらになんでブタなのかって理由を美耶、卯月から聞かれて、全然太ってないよって、気にしなくて平気だよって、せっかくそういってもらったのに、まさかの暗黒面。はな、底知れぬ深み感じさせる女でありますね……。今回は、一番まともに見える卯月とか、いたらぬ自分に泣いてしまう美耶とか、見どころいっぱい。そしてしまいには、なんか居酒屋の研修みたいになっちゃうっていうのね、善意からとはいえ、かなりの迷走。★みんな!!ありがとう — !! とか、ほんと、あまりのことに笑わないではおられない、そんな威力ありました。

『私を球場に連れてって!』。まさかのプール回に驚き! この子ら、野球以外の遊びもするんだ、と思ったら、レオナがやっぱり野球にネタを引き戻して、さすがだわ、レオナさん。レオナが野球ならタマは食べ物。流れるプールが流しそうめんに変換されてしまうとか、さすがだわこの子。プールに遊びにきてるのに、レオナの持ってきたボールが野球の硬球とか、プール回、水着回でもやっぱりどこかに野球があって、というか、本当に野球ネタ尽きないなって感心するくらい。猫子の海が苦手な理由が打球を押し戻す海風とかね、あと対岸も埼玉というつっこみとか、本当、野球を軸に展開していくエピソードの数々が、この子たちにとっての野球というもの、その大きさをよくよく感じさせてくれて、そうかあ、決して離れられない、そんな絆めいたもの思わされたのですね。けれど、野球のこと忘れてみんなで遊ぶところもありました。こうやって多様な姿、趣味や嗜好や傾向が見られるの、皆のキャラクター、その奥行きや膨らみ感じさせてくれるもので、実によいと思いました。ラストのくだりもまたよかったですよ。

  • 『まんがタイムきららMAX』第15巻第6号(2018年6月号)

2018年4月19日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2018年6月号

『まんがタイムきららMAX』2018年6月号、発売されました。表紙は『こみっくがーるず』。外でスケッチする翼とかおすちゃん。遠くの景色見ている翼の袖を引いてるかおすの見ているもの、あ、手前にどうもワンコがいるっぽいですよ。あの、可愛いもの見つけたかおすの表情。嬉しそうで、その嬉しさ翼にも共有してもらおうとするかのような行動もまた愛らしい。ええ、かおすちゃん、ちょっとのことで、画面にストーリーが生まれて、これは実にいい感じです。

今月は新規ゲストが3本です。

『つばめしーく!』。一人暮らしをはじめることとなった須藤飛鳥。彼のもとにやってきたのは、アニマロイドと呼ばれる人と動物の特徴をあわせもったロボット、だというのですが、あの暗い部屋でひとり正座して待ってるの、しかも怪しいかぶりものしてっていうの、味わいあっておかしいな。というか、それかぶりものなんだ。鳥型のアニマロイドだっていうのですが、見た目に人と違うところがわからないくらい。家事一般なんでもサポートしますっていうのだけど、飛鳥が有能で、ツバメ型アニマロイド、ルゥの説明ききながらでも、てきぱき家の仕事をかたづけていっちゃうの、実に頼もしい。今の男の子は、家事できるの、普通になってきてるというの、こういう漫画にも反映されていると思っていいのかな。虫が出てきて、ルゥ、苦手だっていうんですが、おや、意外。ツバメは虫をとって食べるのに。全体にあんまり役にたってなくて、むしろお色気で飛鳥の気持ちを揺らすのが仕事といった具合。ちょっと得意の荷電粒子砲、撃ってみてもらいたいですね。

『あくまにラブソングを!』。教会で暮らしているまりあ。教会暮らしの仲間が増えますよ、っていうのですが、その篠ヶ瀬凛華というお嬢さん。どうも中二病ってやつなのですか? まりあのことをルシフェルだって、前世からルシフェルのことを知っているとかね、わけのわからないこといいだして、しかし、これ、まさかラストで本当だったって明かされるのね、えーっ、こっち方面、前世や悪魔っていうのがメインだったんだ! ちょっと驚かされました。まりあ10歳の誕生日、夢を見るんですね。ルシフェルとして覚醒したまりあが、凛華をはべらして、いよいよ快進撃!? と思ったら、愛情過剰に寄せてる凛華のこと、気持ち悪!! って、この展開は面白かったな。でもってしかも、せっかく覚醒したルシフェルなのに、シスターに抱き締められて、愛してるわって、キスされたりなんかして、それで見事に負けちゃうんだ! うん、どうもこの漫画のルシフェル、あかんたれっぽい。この妙に駄目っぽいところ、悪くなかったですよ。

『小町とひとり飯!』。漫画家やってる日暮ひとりは、炊いたご飯を駄目にして、まるごと処分しちゃうような駄目なお姉さん。そんな彼女のもとにやってきたお米の精霊小町。もっと食べ物を大事にしてとお願いするのですが、この小町もたいがい食べ物無駄にしちゃったよね? 米の大切さを説くためにきたというこの子、いざ料理してみるというのだけど、料理の知識とか皆無なのか。粥も炊けない。味付けの概念さえない模様? そんな小町の頑張って作っただし入りの梅粥。あ、これはおいしいってなるのかな? そう思ったら、あかんのか! 塩加減、酷いのか。最近はやりのご飯漫画かなって思ったけど、だいぶテイスト違っていて、このあたり意図して外してきてるのでしょうか。それっぽい、ちゃんとすればおいしくできそうな調理風景描いておいしくしないの、いい差異化だったと思います。

  • 『まんがタイムきららMAX』第15巻第6号(2018年6月号)

2018年4月18日水曜日

DEVILMAN crybaby

 このあいだから、ちょくちょく話題に出しているNetflix。『超高速!参勤交代』を見たのもNetflix。『震える舌』もNetflixでした。最初のうちは、Netflixを利用するつもりではなかったのですよ。なんせHuluに入ってる。dアニメストアも利用している。この上、まだVODサービスを増やす必要があるかね。ええ、あったんですね。あったんですよ。

それは、Netflixオリジナルのアニメーション。どうしても見たい。これを見ないことにははじまらない。もう矢も盾もたまらず、公開開始直前にNetflixの利用を開始。全話が一度に公開されたそのアニメーションを、二日かけて見通して、おおお、これはすごい。ものすごいぞ。圧倒されるにまかせて、見終えたその時にはもう魂が抜かれたようになっていました。

そのアニメとは『DEVILMAN crybaby』。永井豪の漫画『デビルマン』を原作ベースでアニメ化したものなのですが、なんといっても監督が湯浅政明でしょう。この人、アニメ『四畳半神話体系』を作った人。『夜明け告げるルーのうた』と『夜は短し歩けよ乙女』を2017年に公開して、それで年明けすぐに『デビルマン』。もうね、期待するしかないじゃありませんか。この人、ちょっと他にはないようなアニメを作ります。独特の感性が支える世界観に、絵が動いて面白い! という、アニメーションの楽しみの根幹を思い出させてくれるような動画を見せてくれる稀有な才能。これは、『デビルマン』もすごいことになるぞって、もうずっとずっと楽しみにさせられてきて、そしてやっぱりすごかった。ちょっと、こういうの、なかなかほかにないよね。そう思わされるすごいものだったと思います。

1972年に連載の開始された『デビルマン』を、2018年にアニメ化するにあたり、スマートフォンやSNSなど今を感じさせるいろいろを盛り込み、しっかりアップデートしてきたその手腕。さすがのひとことでしたよ。物語がどのように推移していくのか、その基本は原作から外れることなく、しかし湯浅政明の色もしっかりとつけてきているというのもまたすごい。びっくりしましたよね。ラップですよ。ええ!? マジ!? なにこれ!? 最初こそさすがに戸惑いまくったものの、次第に慣れたか自然と受け入れてしまっていて、ラップに託し語られる心情、ちょっとね、あなどってたかも知れない。こんなに揺さぶられるものだとは予想もしませんでした。そして、終盤においての彼らの存在感。したたかに打たれましたね。ええ、『デビルマン』の物語は、人間性の所在を問うものだ、そのように考えている私にとって、社会から排除され、偏見の目を向けられながらも、それでも自身の拠って立つ位置を誤らなかった彼らの存在は大きいものと映りました。

そして、牧村美樹。彼女の存在も大きかった。もちろん、原作においても美樹がどれほど明にとってかけがえのない、大切な人であったか、これでもかと描かれていたわけですが、crybabyにおいては、美樹自身が世界に対し語りかけ、働きかけることで、その変革に寄与することとなる。より一層の主体性を持たされることとなった、そういってもいいでしょうか。美樹が物語上の重要性を増すことで際立つ悲劇性。彼女の行動、そこに浮かび上がる人の心のあり方、共感し理解し、許し合い、受け入れる、そうした強さが鮮やかであればあるほどに、押し寄せるように投げかけられる無理解、偏見、悪意、人の心の影もまた色濃くなって、ああ、こうしたものを日々私も目にし、身近なものとして触れている! ゆえに、crybabyは、今を生きる私たちのための『デビルマン』! まさしく今現在に生起し脈動する『デビルマン』なのだ。そうした思いを強めることとなったのでした。

さすが湯浅政明です。個性的なアニメーション。癖が強いともいいます。好き嫌いもあるでしょう。どうしても、これ受け入れがたい、そういう人もあるでしょう。ですが、よほど嫌いというのでなければ、ご覧いただきたい。そうして、是非圧倒されていただきたいと思うのであります。

2018年4月17日火曜日

震える舌

 一度見てみたいものだ、長くそう思ってきた映画がありました。ネットで話題、ネットで人気のタイトル。やれ鬱映画だトラウマ映画だといわれている映画。ある日、突然自分の娘が破傷風にかかってしまったら……。数日前まであんなに元気だった娘が、日に日に状況を悪化させていく、その様に圧倒させられる一種の恐怖映画。その名は『震える舌』。1980年公開の日本映画です。

一種の恐怖映画というの、どうも公開当時にそういう売り方されていたみたいな話もあるようで、破傷風という、名前こそは知っているけれど、詳しく知っているわけではない病気。そいつに感染するとどんな症状が出て、どんな経過を辿るか。それを、どうだ、これでもか、これでもかと見せつけてくれるんですが、いやもう、映画の中の登場人物、お父ちゃんもお母ちゃんも、どんどん消耗していくのがものすごくって、そして同時に見ているこちらもじわじわと消耗していくというのですね。ええ、これ、単純に怖いというんじゃなくて、こういう状況に立たされてしまった時、いったいどうやって冷静を維持し、苦境を乗り越えればよいのか。いろいろ考えさせられる映画であるんですね。

しかし、考えさせられるのはいいのですが、これ、当時の医療現場って、ほんとにこんな感じだったのかなって思えてきてしまって、いえね、破傷風って感覚の刺激が大敵だっていうんですよ。光が駄目、音も駄目。感覚の刺激が痙攣性の発作を引き起こして、あまりに酷いその痙攣のために脊椎を折って死にいたるケースもあるというんです。うわー、怖い病気だなあ。で、ここまではいいんですが、その破傷風にかかった子の病室ね、なんでそんなセンシティブな患者なのに、普通にお子さんが廊下を行き来したりするような棟に入院させちゃったの? しかも、わりと近くにお子さんたちのいっぱいいる大部屋があったりね、待って? もうちょっと、ほら、こう、隔離病棟みたいなの、あったりしないの? わかんないんですけどさ、もしこれが当時の医療のスタンダードだったのだとしたら、あんまりにまずくない? 途中の遮光カーテンが風でひらひらっていうのも、待って? 窓開けてたの? つうか、あれか。この当時、エアコンがなかったから、夏は熱くて窓閉め切っていられないのか……。

わかんないこといっぱいなんですけど、これが当時の医療の状況だったら、さぞ患者の身内は消耗しただろうな、そう感じさせられて、看護に家族が泊まり込んだりね、今だと無理なんじゃないかな。家族の負担が大きすぎるといいますか、実際、睡眠とらずにいたことで、どんどん精神を消耗させていく。恐怖の妄想に取り憑かれて、もう終わりだって、もう駄目だって、ただでさえよくない状況が、なおさら悪くなっていく。やっぱり人間、ちゃんと寝て、ちゃんと食べないと駄目だなって。精神の均衡を保てず、まともな判断ができなくなってしまうんだなって。そういった教訓も残してくれている映画だと思います。

しかし、この映画、本当に怖いのは、破傷風という病気、かかれば今でもこんななんでしょうか。子供の頃は、泥遊びしてるところで傷作ったりしたら、破傷風が怖いからよく洗いなさいみたいにいわれたの、今でもきっと変わらないと思うのですが、治療の状況とかはどうなんでしょう。今でも、この映画に描かれたのと大きくは違わないのだとしたら、ほんと、冗談じゃないな、怖ろしいなって、ぞっとさせられる。そんな映画であったのですね。主人公家族がそうだったように、いつ自分が当事者になるかわからない、そうしたこと思わせてくれる恐怖があったというのです。

  • 三木卓『震える舌』(講談社文芸文庫) 講談社,2010年。

2018年4月16日月曜日

ガニー軍曹のミリタリー大百科

なんか君、ミリタリー関連のばっかり見とるなっていわれそうですが、いやいや誤解です。たまたまですよ、たまたま。Huluで見ていて面白いのがヒストリーチャンネルのドキュメンタリーです。面白いものはないかなと、適当に映画やらドキュメンタリーやらを眺めていて、これちょっと面白そうじゃないかなと立ち止まってみれば、決まってといっていいくらいヒストリーチャンネル。今日とりあげる『ガニー軍曹のミリタリー大百科』もヒストリーチャンネルのプログラムなんですが、様々な兵器を取り上げて、その進化の様を順にたどって見せてくれるのが面白くって、本当にいいプログラムでした。このプログラムの案内人は、ガニー軍曹ことR・リー・アーメイ。ええ、『フルメタル・ジャケット』でハートマン軍曹を演じてみせた、あのR・リー・アーメイであります。

ハートマン軍曹というと、いかにも気難しそうで、なにかと怒鳴りちらして横暴、理不尽なおっさん、罵詈雑言のボキャブラリーがやたらと豊富でものすごい。そんな印象であったわけですが、ではそれを演じていたR・リー・アーメイとはどんな人なのか垣間見ることのできるようなシリーズでもありました。

いかにもアメリカの保守派といった感じのおっさんですよね。国に誇りを持っていて忠誠を尽くしている、そんなおっさん。兵器の威力に酔いしれ、これこそがアメリカだ! アメリカを守る威力、これこそが兵器だ! と極めてあっけらかんと国への愛を謳い上げる。武器、兵器を手にすれば試さずにはおられないトリガーハッピーぶりが豪快にして爽快で、大量のスイカをぶっとばしてみたり、車を破壊、建物も爆破といった具合に、そこまで、そこまでやっちゃうんだ! と、見てればだんだんおかしくなって笑えてくるんですね。底抜けに明るく、実に楽しそうなR・リー・アーメイ。見てるこちらもどんどん巻き込まれていって、もっと、もっとやってくれ! 過激にやってくれ! エスカレートしちゃうんですね。

このプログラムを見ていると、アメリカのすごさというのを実感させられます。国家としてのすごさというより、個人のすごさといってもいいのかも知れません。番組内で紹介される武器、兵器の数々は、軍が所有しているものもありますが、古いものとなるとたいていが愛好家によって保存、メンテナンスを受けているものとなり、しかもそれらが動態保存されてるものだから、撃てる! 走る! って、ちょっと待って!? 個人で戦車所有してるの!? それが許されてるの!? わけがわからないよ、アメリカ!

こういう番組は、日本じゃきっと作れないなあ。だからちょっとアメリカの豪快さがうらやましくなったりします。兵器を紹介するということは、実際に使ってみるということだ。ターゲットに向けて照準定めたら、後は撃つだけ! その武器というのが、個人所有品から軍のものまで多岐にわたって、って、ちょっと待って!? 軍の備品をテレビプログラムのために動かして、どかんどかん撃っちゃうんだ! 最新鋭中の最新鋭、機密に触れちゃうみたいなものはさすがに登場しないのでしょうが、結構新しいシステムまで紹介してくれて、コンピューター制御の砲撃とかね、ばんばんその威力を見せつけてくれて、これを見たかったんだ! ガニーが本当に楽しそう。しかも、ガニーに兵器のレクチャーする兵士たちも生き生きしてまして、こういう様子も日本のテレビじゃきっと描けないよね。

なににつけてもアメリカ最高! とはいきませんけど、この番組には、アメリカの自由とでもいえばいいのでしょうか、ざっくばらんとして陽気で快活、楽しそう。そういうものが見てとれて、実に面白く兵器の歴史、来し方を知ることができるのですね。素朴なものから精巧精緻な最新鋭までを、ちょっと駆け足でたどっていく。兵器の進化する、その様子に、なるほど、いろいろ感じるものあってよい番組です。

2018年4月15日日曜日

決断

 いい時代になったと思います。HuluやNetflix、dアニメストアといった、定額見放題サービスがいくつも乱立するようになって、ちょっと興味がある、試しに見てみたかった、そういった動画を視聴する機会が格段に増えました。私はレンタルビデオを利用したことがないので、その変化のインパクトは絶大で、家にいながらにして、なんか面白そうなのないかなーって探して見始めるというの、テレビというものの常識がひっくりかえるほどに強烈な体験でした。さて、私がHuluの利用を開始した理由です。ずっと以前から気になってたアニメがありまして、機会があれば一度見てみたいものだ。けれど放送に乗ること、ちょっとないだろうなあ。そう思ってたのが、なんとHuluに入っていた! うおお、これはちょっと1ヶ月のお試し期間利用して見てみようじゃないか。ええ、それが今日とりあげるアニメンタリー『決断』です。

『決断』についてはネットで知ったのです。太平洋戦争についてドキュメンタリータッチで描いたアニメーション。オープニング冒頭のナレーションが奮っていて、引用するとこんな具合。

人生で最も貴重な瞬間、それは決断の時である。

太平洋戦争はわれわれに平和の尊さを教えたが、また生きるための教訓を数多くのこしている。

第1話「真珠湾奇襲」を皮切りに、主要な海戦、陸戦を取り上げ、最後にはポツダム宣言の受諾、敗戦までにいたります。エピソードは、日本が華々しい戦果をあげるものがあらば、逆に手痛くやられてしまうものまでわりと多様にあって、けれど事前に予想していたよりも、勇ましく武功を讃えるものが多かったという印象でしょうか。

これ、1971年のアニメです。生まれる前か! さすがに映像としては古くて、最近のアニメを見慣れた人には魅力的とは映らないかも知れません。ですが、昔のアニメ基準で見ると、かなりの力作であることが見てとれて、これ、もしかしたらスタッフに実際の兵器、艦船、航空機など、見て知ってる人もまだいた時代ならではなのではないか。その偉容、用いられる様、また人物の感情などもろもろ、一種生々しさ感じるところなどある、そんな雰囲気が今となっては新鮮で、そらもう、戦後まだ30年たってませんからね。戦地を経験した人もたくさんいるし、そこそこ若い人でも戦時下の空気を知っている。子供でも、大人から当時のことを聞かされたり、あるいは戦記もの、物語として触れていたりもあったでしょう。

そうした状況あって『決断』のタッチも成立したのではないか。そんな風にも感じられて、また逆にそうした状況であるからこそ、ある種武勇伝に近いものにもなりうるかも知れないな、などと思ったりするところもあって、こういった雰囲気もろもろ含めて、昭和という時代の空気なのかも知れないなんて、そんな思いで見ていました。ある意味、戦争の頃がまだ肌に感ぜられる、そうした社会だったのでしょう。もうこりごりと身に沁みていたり、そうした反面、戦地で活躍する兵士たちへの憧れを禁じえなかったりと、アンビバレントな感情が沸々とわきたっているように感じられたアニメでした。粗野にして率直な感情に後押しされて語られる物語であり、それゆえの生々しさがあった。そんな風にもいえるかも知れません。

2018年4月14日土曜日

ARMS

 ARMS』は、当初からそういう予定があったのかなあ、追加要素がずいぶん多くって、ファイターの追加こそは予想の範囲ではありましたけど、パーティジャックという、スプラトゥーンでいうフェスみたいなもんですかね? そいつが突然開催されるようになったり、またつい最近、4月11日にもダッシュボードという機能が追加されたり。発売後も、どんどん変化、進化しているのであります。

追加された新要素に関しても、実際の状況、使われ方など見て、必要ありと判断したらすぐさま改善を試みようとする、そんな姿勢が見てとれます。それはパーティジャックに顕著なのですが、パーティジャックというのはピックアップされた2ファイターの人気を競う、そういう体裁をとっているイベントです。例えばまさしく今日開催されているパーティジャックではミェンミェンとDNAマンがピックアップされていて、このふたりを使っていると対戦して得られるポイントが1.5倍されます。イベント終了後にファイターごとの勝率が出て、勝ったファイターを応援していた(使ってた)プレイヤーは嬉しい、とこういった感じになってる。当初はこれだけだったのですが、前々回くらいからでしたっけ? ルームごとの勝率を出して、負けているファイターを選ぶとポイントを2倍するようになりまして、人気の偏りがなくなるような工夫、いろんなファイターやアームを使ってもらおうという運営の意思というものが感じられるつくりになっているのですね。

また、多彩なファイター、アーム(武器)を使わせようというだけでなく、プレイヤーのスキルの底上げをはかろうとしている節もあって、このたび追加されたダッシュボード、これに戦術を紹介するコーナーがあったりして、基本のテクニックから、一歩上達するためのTips、そしてファイターごとの特性を活かす戦い方が、動画つきで紹介されているんですね。さらにはこれまでの大会の試合映像も収録されていて、見て学ぶことができるわけですよ。ああ、これはすごい、ありがたい。

こういうのスプラトゥーンでもやってくんないかな。自分でYouTubeでもニコニコでも探せばいいじゃんかって話でもあるんだけど、自分のスキルの底上げもしたいし、他のプレイヤーのスキルもあがって欲しいし、そのためには外部サイトを頼るのではなく、基本的なところはソフト内で完結してほしい、とここまで考えたところで、基本スキルを知るにはヒーローモードが最適というのを思い出したんですが、あれ、やらない人はまったくやらないんですよね。基本的な動きとか紹介されてるから、ひととおりやってみたらっていっても、やらない人は頑としてやらないんですよね。うん、動画があろうと、説明があろうと、見ない人は見ないわ……。

スプラトゥーンとARMSのイベントが同日に開かれるの、勘弁してくれよってずっと思ってましたが、同様の声が多かった? 今回は別日にしてくれてありがたかったです。正直、スプラトゥーンのフェスとARMSのパーティジャックなら、ARMSの方が飽きずにできると感じていて、それは15分ごとにボーナスアームが変更されたり、ポイント2倍や3倍のボーナスタイムがあったりと、単調にならない工夫があることと、ルームに集められたプレイヤーは退出しないかぎり固定されているので、プレイヤーの個性、戦い方の癖みたいなものが掴めてきて、対処法工夫しながらリベンジマッチに熱くなったりできるからじゃないかなあ、なんて思ってます。

スプラトゥーンのフェスは、とりわけソロは、2になって一期一会感が強くなりすぎたから、プレイヤーの個性をつかんで、アシストするとかサポートするとか、そうした結果仲良くなるとか、そういうのなくなっちゃったからなあ。

そういう点では、スプラトゥーンの1にあった楽しみをARMSは残していて、私はそれを楽しみにしているのかも知れません。

2018年4月13日金曜日

超高速!参勤交代

 こないだ見たんです、『超高速!参勤交代』。せっかくNetflixと契約してるんだから、なにかしら見ないとね、そう思っていたところ、たまたま見たいテレビもないからと、前々から目をつけていたこの映画を流してみたら、これがまあ面白い。ノリがいい、テンポがいい、笑える、楽しい、いい映画。もう娯楽に全振りですよね。いかにもなわかりやすい悪役作りまして、ふっかけられた無理難題を知恵と工夫と根性で乗り越える、そんな感じの時代劇であるのですが、なにこれパロディ満載じゃん。ベタな展開だってどんとこいですよ。ほんと、映画ってのはこれくらい気楽に見られて面白おかしいわかりやすいでいいんじゃないかって思わされました。

タイトルが奮っていますよね。お前の藩の報告に疑義があるゆえ、早急に江戸へ参勤せよ。5日以内! って、そんな無理やで。という、その無理をなんとかかんとかして乗り越えようという話。ゆえに『超高速! 参勤交代』。基本、この説明で物語のほぼ全部をカバーしてるくらいにシンプルな話なんですが、シンプルであるがゆえにわかりやすく、途中途中のエピソードもぽんぽんと小気味よく展開して、飽きさせず、最後まで楽しませてくれるって感じの映画だったんですね。

最初、これは史実がベースなのかな? とか思ったんですが、そういうわけではないみたいですね。原作は小説? 原作もかなり面白いみたいなんですが、映画にあったパロディみたいなのとかあるのかな?

映画にはニンジャが出てくるんですが、これがまあベタな忍者で、江戸へと急ぐ一行を妨害してくるその時々に、死して屍拾う者なし、死して屍拾う者なし、って、これ『大江戸捜査網』か! とまあ、こんな具合にパロディ要素があったりして、きっと気づいてない小ネタの類、いっぱいあるんだろうなあ。映画とかドラマとかね、好きでいろいろ知ってる人ならもっと楽しめるのかも、なんて思うところたくさんありました。

でも、こうしたパロディ要素を知らなくても充分に面白くておかしいのが大変よかったです。参勤交代を大幅にはしょりながらも、それらしく装う工夫がもうコミカルで笑わされたりね、きっとこうするんだぜ、って思ったのがそのまんま絵になって見せられたら、やっぱりね、笑っちゃうんですよ。きっとこうなる、そう思ったのをどんと受け止めて、ほら見たいもの見せてやるよ! ってな具合に見せてくれる面白さがあった。演出とか演技も効いてるんでしょうなあ。ちょっと無茶めの展開も悪くない。悪ノリといってもいいのかも知れない、そんな大仰さ、やりすぎ感もありながら、変に感動させようとしたり深刻ぶったりすることがないから、ノセられるままに最後まで一緒に駆け抜けることができた。そんな感触が悪くない映画でしたよ。

2018年4月12日木曜日

『まんがタイムきらら』2018年5月号

『まんがタイムきらら』2018年5月号、昨日の続きです。

『ちっちゃなピアノ教室』。ゲスト掲載はこの3話で終わり? 友達の前以外ではピアノが弾けないつばめの、おともだち帳作戦。うまいこと機能していますよね。双木小乃葉という子がピアノを弾いてほしいといってやってきたのだけど、おともだち帳に記入してないから無理、すなわちこれ会員制? 年会費はいくらなのかという話から、つばめが友達料を請求されてると勘違いしちゃうって流れ、見事でした。つばめの友達、都成梨奈が、つばめの友達づくりの手伝いすべく、暗躍してくれてるんですね。それで小乃葉がやってきた。つばめとの相性もいいみたいで、つばめもリラックスして弾けたようで、でもそれで人がいっぱい集っちゃってというの、まさかロッカーに逃げ込むとか! あの、ひぃ…まだ見てる!? って悲鳴、実におかしかったです。けど、こうして友達またひとり増えましてね、ピアノを習いたいというその子を先生に紹介してって、この一連の描写、つばめと先生の間に信頼関係がちゃんとできてるっていうのも見えて、実によかったです。

『おとめサキュバス』。まさか、今までそんなことになっていたとは、まったく思いもしていませんでした。風の日、ひらりとめくれたスカートの下を垣間見たみちるの一言、なんでパンツはいてないの? なるほど、サキュバスであるふたりにはパンツを履くという文化がなかったわけか。しかも、これだけ人の世界に順応しておいて、その存在さえ知らないという。みちるから説明受けて、キュリアが大ダメージ。対してまるで気にするそぶりさえ見せないルナ。この対照、いい感じでしたね。結局買いにいくことになりました、というのはいいんだけど、パンツ履いてない状態でいきなり下着屋さんって、その前に適当なの買ってしのぐ、とかじゃないんですね。知らないうちはなんでもなかったのに、知ってしまえばもう以前には戻れない。重装備になってるキュリアですよ。下着店での、全然乗り気でないルナの様子も面白かった。乗り気じゃないけど、みちるの悪意にはピンとくるんだ。キュリアと涼香ペアの様子もとてもよくて、ナイスカップリング反応ですよ。ほんと、このふたり、なんか独自の世界を展開するようになりましたね。実によいと思います。

My Private D☆V、『全裸.zip』のみやこです。ということで、イラストも全裸。D☆Vポイントも裸、自然がイチバンときましたよ。しかし、痩せぎすの体、首からかけたタオル。かたわらにはギター、ポータブルプレイヤーで音楽を聞いているのですが、自然がイチバンというとおり、これとなにかを協調するでもない素気なさが悪くない感じでありました。基本、いやらしさがないんですよね。イラストに描かれた子も、中性的といいましょうか、少年のようといいましょうか、さらっとした感触が結構好みであります。

  • 『まんがタイムきらら』第16巻第5号(2018年5月号)

2018年4月11日水曜日

『まんがタイムきらら』2018年5月号

『まんがタイムきらら』2018年5月号、一昨日の続きです。

城下町のダンデライオン』。文化祭に向けて、劇の準備に頑張っているアンジェたちですよ。クラスの皆と親交を深めていくアンジェの様子は、見ていてとても喜ばしいものあって、この子にとってはこういう生活や友達が大切なのだということ、こうして序盤にしっかり描いてみせたのは、ああ、終盤の展開のためなのですね。トラブルで、台無しになってしまった背景大道具。翌日、朝から皆で直そう。しかし間に合うだろうか……、という局面でアンジェの能力が使われるのですが、ああ、壊れたはずの大道具、すっかり元通りになって、けれどこのことをアンジェが自分がやったといわなかったの、能力を隠すためだと思ったら違ったんだ。どんなモノも元に戻すことのできるアンジェの能力は代償として思い出を失ってしまう。この代償のせいで、修復したということも忘れてしまったのか。出てこない劇のセリフ。また親しくなっていたノリとの距離も少し広がっているという、その状況。はたしてアンジェはどれだけのものを失ったのだろう。もうアンジェには、なにを失ったのかということさえわからないということが、なにより悲しいことでありますね。

三者三葉』。大変だ。ただでさえ天使のような葉山ちゃんが、お姉ちゃんのためになることをしたいだなんていいだして、ああ、受験に頑張ってる姉をねぎらいたいのだなあ。なんていい妹。前回などは、葉子様の成長を描いていたわけですが、こうして葉山ちゃんや、いずれは双葉のことも描いていくことになるのかも知れませんね。さて、今回は葉山ちゃんが姉のために夜食を作ることになるんですが、それで双葉に相談したら、カツ丼とかカツカレーとか、めっちゃ重いのが提案されるし、むしろ今回は薗部の提案の方がまともだっていうんですよ。ココア。マシュマロ浮かせればどうですかって、いかにも葉山ちゃんの好きそうなの出してくる薗部、さすがやわ。今回の、葉山ちゃんが料理できないと思われてるところとかに顕著なんですけど、この子たち、ほんとぎりぎりの危険球を投げあってるみたいな対話するんですけど、それが気の置けなさ、親しさを感じさせていいんですよね。そして最後、ココアを用意する葉山ちゃんの失敗、嬉しそうにして、そのまま自分で飲んじゃったりして可愛い。姉にココア持っていって、感謝されて、しみじみ思いを噛み締めてるところなんかも素晴しい。とても美しい姉妹のエピソード、最高でした。

『放課後すとりっぷ』。人間関係、広がっていきますね。白石さんと秋映先輩が中学からの知り合いでした。それで一緒に勉強をしようって話になったりね、というか、秋映先輩が勉強苦手で、白石さんに教えてもらうのだね。でも、わからない時に後輩相手にでも教えを乞えるというのは、とてもいいことだと思う。こんなとこで変にプライド守ろうとして頑なになってもしようがないですもんね。この勉強会に林檎もどうかと誘われて、ああ、林檎は秋映との関係、うまくいってなかったんだ。でも、これをきっかけに仲良くなりたいって、ええ、人間関係が広がっていきますね。次回、勉強会がどうなるか、楽しみでありますよ。

『ぽんこつヒーローアイリーン』。アイリーンが火星に帰るって決めちゃったんだ。アイリーンをダシに、地球に入り浸っていたマリーヌにとっては一大事、っていうんですが、それより問題はメロンですよ。せっかく仲良くなったんだよ? そのアイリーンとお別れしちゃっていいの? ああーっ! とめないんだ。むしろ背を押すんだ。自分は悲しい、別れはつらい、でもアイリーンの決定を尊重して涙の別れですよ。あばっば、もうね、つらい、悲しい。明るくふるまおうとつとめるメロンの、その笑顔が切ない。火星に帰ること、それがアイリーンの悲願であること、わかってたからなんだろうな。そしてアイリーンの火星に帰ろうと決意した理由。前回アイリーンが見た夢、そこで昔の自分に、立派にヒーローやってるよっていえなかった、このためなんだ。でも、そんなアイリーンに、地球でやってきたことは無駄なんかじゃないんだってマリーヌがいってくれたこと、これ、泣けるよなあ。ほんと、アイリーンの頑張ってきた証しであるストーンの数々。いつかアイリーンが、立派にヒーローやってるって昔の自分にも誇れるようになれればいいって、そしてまたメロンとあえたらいいって、願わずにはおられないエピソードでした。

  • 『まんがタイムきらら』第16巻第5号(2018年5月号)

2018年4月10日火曜日

『まんがタイム』2018年5月号

『まんがタイム』2018年5月号、一昨日の続きです。

『ウレ漫とガケ漫』。落ち込む白井っち。それ見て心配してくれる女子高生、春日ちづる。けれど、年頃ゆえでしょうか、きっと失恋したんだって決めつけちゃって、そこからのすれ違いいろいろ、面白かったです。白井は、連載会議の結果、連載を勝ち取れなかったってそれで落ち込んでるんですが、茜の漫画見てね、こういう漫画に憧れるけど、なかなかうまくいかないなんて意味深なこといっちゃうから、ちづるのみならず、茜からも、担当編集瀬戸からも失恋だって思われちゃいましたよ。そこから、やたら気を使われるの、おかしくて、ひとり白井だけ状況わかってない。って、まあわからんよねえ。でも、誤解だってわかってからも、こうして皆が心配してくれたことが白井を元気づけてたっていうのがね、なんかよかったなって思ったんですね。

『瀬戸際女優!白石さん』。白石さん、出演した映画が好評で、15kg増量して臨んだっていう役ですが、その増量も含め、すごい根性だって評価されてるのに、当の白石はというと、太った自分にすっかり慣れちゃって、ダラダラ生活してるっていうのがおかしかった。加えてこの状況をマネージャーさんからも不安視されてるっていうのもおかしかったです。白石、惚れっぽいんですよね。監督の真島のこと好きになっちゃってて、一緒に出掛けることになって喜んでみたりね、でも、真島はそういう気はないみたい。おかしかったの、真島の眼鏡ですよ。眼鏡はずすと、目が3 3になっちゃうんだ! そのギャップにやられてる白石ですが、ほんと、好きになったらあらゆることが評価ポイントになるんだな。でもって、白石、最後には減量成功ですけど、これ、結局恋愛はうまくいかなかったのかな? 次へと移っていくことになるんでしょうなあ。

『はこいり良品』。今回は迷信がテーマですね。マキが財布にヘビのぬけがらを入れていて、お金が貯まるとかいいますよね。これ、いわばお姉ちゃん、お爺ちゃんから迷信いろいろ聞かされてきた、エリート教育の結果であります。日常生活に迷信が紛れこんでた。そういうマキだけど、おかげでいい子にしてたというの、よかったじゃないですか。道踏み外さなくてすんで、迷信様々です。商店街で小さなトラブルが起これば、運気の低下を思い、おはらい、神頼みとくるんですが、いや、ちゃんと体制の見直しとかも検討してるんだから、人事を尽くして天命を待つってやつですよ。マキのいうように、この科学の時代、結局気持ちの問題でしかないのだけど、それで収まるものがあるというのなら、無意味ではないって思うんですよね。今回の話でも、迷信、縁起と理解しながら、ゲンを担いでみたり、ほこらを大切にしてみたりと、そういう気持ちのもっていきよう。うまくバランスとれた、いいエピソードだったと思います。

  • 『まんがタイム』第38巻第5号(2018年5月号)

2018年4月9日月曜日

『まんがタイムきらら』2018年5月号

『まんがタイムきらら』2018年5月号、発売されました。表紙は『スロウスタート』。冠を包みこむようにしている栄依子、ふたりの距離の近さ感じるその様子。これ、紺色の背景も手伝って、まるで夜空に浮んでいるような、ふたり星を眺めるようでもあって、慈しみ語り合うようでもあって、美しいイラストだと思います。紺地に映える金のラインも、またシックでいい趣味だと思います。

スロウスタート』。今回はふにもちの話。ふにもち? 今日はふにもちの特別販売だというのに町内会の会合とかぶってしまって買いにいけない。あまりに落ち込む志温ちゃんにかわって、花名が買いにいくことになったっていうんですが、途中、万年さんが合流。現地では榎並先生、そして冠のふたりに出会う。すごいよ、新機軸だと思った。榎並先生がいて栄依子がいない。冠がいるのに、栄依子がいない! マジかーっ! しかも栄依子、冠から足手まとい、戦力外通告を食らっているという。ほんと、これ、なにごとかと思った。この、榎並先生と話してる時に、そっと他人のふりしてしのいでる万年さんがおかしくて、そして兆野さんと出会った花名、その背後でそっとモブになっていく万年さん。ほんと、これ、おっかしいなあ。他人のふりする万年さんにこころなしかいつもより厳しめの花名。けど、その真意は、万年さんのこと惜しいって思ってたんだなあ。花名が万年さんのことそう思うのもいいことだけど、そうした気持ちを態度で示せるくらいになってることもうかがえて、それもまたよかったなって思ったのでした。

棺担ぎのクロ。 — 懐中旅話』。ああ、いよいよクライマックスなのですね。魔女と出会い、ついに倒れたクロ。これね、クロと先生の関係や、はたしてクロにとって棺はどういう意味を持っていたのか、まさに核心ですよね、踏み込んできているって感じさせられました。そしてニジュクとサンジュの役割といっていいのでしょうか。クロの中のくろいもの、それをニジュク、サンジュに押し付けることになるのか? いや、そうではないんだ。これまで一緒に旅をしてきたこと、クロの荷物を自分たちも持てるよ、そういうふたりの様子はあたかも天上のもの思わせて、そしてクロにかけられた呪いをともに消えていった? あるいは、いつか戻ってくるのか。センのいう、あんなものとはなんだったのか。謎を残したまま、次号最終回。この上にどういう決着を見るのか、ただ後日談を語って終わるとは思えない。しあわせな結末が用意されていたらよいなあって思いますよ。

『がんくつ城の不夜城さん』。まさかの水着回。プールどころか、自室から一歩も出ないで水着回。いや、こうした展開は先達がいますけどさ、今回の状況を引き起こしたのは白仙だったっていうのがおかしくて、白仙自身も水着、不夜城さんの水着を買ってきて、ほぼ無理矢理に着せたのも白仙。で、今回のテーマは水着回。カラーページを貰えたら、狙ってやるといいと思うってね、なるほど、確かに今回は巻中カラー、それで水着回だったっていうわけか……。この、漫画について語られるいろいろと、実際に漫画として展開することがリンクするという構造、この漫画特有というのか、またしてもやってくれたー! ってな面白みがありますね。ところで白仙ちゃん、私みたいなのなんていってますが、それは違いますよ! 白仙ちゃんに好みがあるように、それは人様々なんですよ! とお約束のようなつっこみいれておいて、この漫画終盤に、安易な水着回というか無茶を押し込もうとする不夜城さんの手法にお怒りの羊ケ丘さん。自己言及みたいになってるって思っていいのかな? なんか、変におかしいんですね。

『ゆりどる☆プロジェクト』。アイドルものであります。星咲プロダクションに所属する花森ゆいと音無藍。崖っ縁のふたりにプロデューサーが告げたのは、百合アイドルとしてユニットデビューするというもの。けど、これ、プロデューサーの好み、押し付けてるだけじゃ!? ともあれ、トップアイドルになりたいという藍だけど、この子、歌もダンスもしゃべりも、全部ダメなんじゃないか! よくこの子をユニットに抜擢しようと思ったな! 対してゆいはというと、こちらはなんでもできるのか。でも、門限18時。仕事より、時代劇の再放送を優先する。これ、ふたりともに問題ありなんですね。解雇せず、チャンス与えようと思ったの、温情なのかも知れないなあ……。百合で推すために、いろいろ強引に演じさせるの、ちょっと不憫かもって思ったりもしたけれど、この子らがこのチャンスをものにすることができるならありか? というか、その前に、藍が雰囲気に負けてしまいそうな感じでありますね。

  • 『まんがタイムきらら』第16巻第5号(2018年5月号)

2018年4月8日日曜日

『まんがタイム』2018年5月号

『まんがタイム』2018年5月号、発売されています。昨日発売で、昨日買っていたのだけど、感想を書けない理由があって、一日遅れとなりました。さて、表紙は『おとぼけ部長代理』がメイン。旅館の呼び込みでありますね。法被着まして、手にはタイム旅館の旗。バンザイお出迎え! 楽しい仲間が増えた! との言葉のとおり、他誌から何作も移籍してきましたよ。『銭湯の女神さま』、『おねがい朝倉さん』、『レーカン!』、『モンスターだってうまい飯がたべたい!!』、『軍神ちゃんとよばないで』。移籍タイトルの告知カット、ずらりと並んで壮観です。

『コスプレ先生の絵画教室』。ななみの教室は、一般の美術愛好家のための教室といった感じがあったわけですが、今回は美大志望の高校生を迎えることとなりまして、それ受けてまなが、ガチ勢が来た! って、いや、そうなんだけど、なんか唐突で意外で面白かったです。この教室には石膏像とかない、というのでななみがやっぱりコスプレするんですけど、おお、美大受験しようという人は着眼点が違うというべきか、衣装の素材の描き分けが課題なのでは、なんていってくれちゃって、ななみさん、ほんとにそれ意図どおりでした? ともあれななみの教室は、美大志望の人にとって、気分転換、リフレッシュすることのできる、そんな評価を得たみたいで、この初心に返るというの、実際大切かも知れないなあって思わされたエピソードでした。

『さわらせてっ!あみかさん』。あみか、太ったのか!? というか、筋肉が落ちたのか。これまで入らなかったスカートが入るようになったって喜んでたら、かがりからめりこんでるよって……。やわらか脂肪系のあみかと、しなやか筋肉系のシフォン先生。この対比とか面白かったですね。で、発揮される沙織の変態性。まあ、いつもどおりといえばいつもどおりなんですが、これ、ほら、ゆっくりと右肩上がりでありますでしょう? 初期の沙織と比べたら、もう、とんでもない欲望系女子になってますよね。シフォン先生おすすめの水泳。それはいいんだけど、水着を着るには体形が問題、っていうのでそのための筋トレやってみたりと、今回はほんとあみか迷走系でありましたね。でもって、このあみかの迷走にいろんな人が振り回される。というか、主に沙織か。あの水着のチョイス、欲望に忠実だ! そしてバス子。この人、発想が痴漢のそれだよ! ええ、そのビンタは罰だとお思いなさいね!

『軍神ちゃんとよばないで』。なんだ、これ、アニメのOPかい!? ともあれ、川中島3回目。今回は柿崎が打って出るんだけど、とにかく発想が脳筋、真っ直ぐ、一直線。それでどーんと選んだのが、一番男らしいと判断した相手。罠だといって止める部下を制して現場につけば、いきなり名乗りをあげて一騎討ちを所望する。めちゃくちゃ面白かった。鎌倉時代か! 部下のつっこみも切れがいい。敵方の将、保科正俊も脳筋で、一騎討ちを受けるわ、影武者であることバラしちゃうわと、敵味方問わず飛び交うつっこみの数々がおかしく、しかも本陣に詰める宇佐美定満も遠くからつっこみ。ほんと、テンポよくって、ダイナミックで、脳筋ふたりが一騎討ちにて大立ち回り、豪快で愉快な話だなあ。そう思っていたら、終盤、あの展開でしょう。敵の策に落ちていたことを理解して交渉に持ち込んだ柿崎、これ、ただなんの考えもなしに動いてるわけじゃないのか! って、一気に柿崎の評価が変わった瞬間でしたよ。

『見上げればいつも妹が。』。兄の誕生日。それで遥がプレゼントを用意するっていうんですけど、その過程、大学で友人? の久我さんから同棲している彼氏がいると勘違いされたりね、職場では大杉がやっぱり暴走気味だったりと、こうしたいろいろ面白く、そして遥の選択ですよ。おー、プレゼントいっぱい! って、エプロン、下着に靴下って、日用品いっぱいで、けどこれツブテ嬉しいんだ! とり肉とブロッコリーも嬉しいんだ! こうしたところ、本当に面白い兄さんだなあ。でもね、前回も、そして今回も、遥の様子見てたらね、ツブテのこと、本当に兄とか、でもって弟とか、そういう気持ちでいるって思っていていいんだろうか!? そんな疑問のわく瞬間が多くてですね、いやいや、なんともわかりません。ツブテはもう完全にお兄ちゃん気分でいるみたいなんですが、ふたりのこうしたいろいろ、ギャップ? 今後、より鮮明になっていったりするのかも知れませんね。

  • 『まんがタイム』第38巻第5号(2018年5月号)

2018年4月7日土曜日

ゴールデンカムイ

 アニメになるんだってね、『ゴールデンカムイ』。それで集英社さんがご厚意で、100話だけ無料で読ませてくれるよっていうんで、読みだしたらこれがまあ面白い。母にもね、心暖まるいいお話だよっていってすすめたら、毎日もりもり読んでるからね。ほんと、北海道を舞台に血湧き肉踊る活劇あらば、野趣あふれる山の幸川の幸海の幸を堪能できるグルメ展開までありと、本当に面白くって、そうなんだ、今日は本当は『まんがタイム』の発売日で、当然雑誌を読んで感想書いてってやるはずでいたんだが、買うだけ買って、まだ読めてない。もうどうしようもないので、『ゴールデンカムイ』が面白いということだけ書いて、今日の分にしてしまうしかなくなってしまったんだ。

無料配信期間は4月9日23時までです。

みなもぜひ読もう!

私は当然アニメも見る予定でいます。

  • 野田サトル『ゴールデンカムイ』第1巻 (ヤングジャンプコミックス) 集英社,2015年。
  • 以下続刊