2004年10月24日日曜日

ユニバーサルHTML/XHTML

 ノンデザイナーズのシリーズに『ノンデザイナーズ・ウエッブブック』というのもあって、迷わず私は買ったのですが、残念ながらこちらは『デザインブック』以上のものでなく、むしろはるかに劣るものでありました。『デザインブック』は何度も何度も読み直して、人にも随分勧めてきたのだけれど、『ウェブブック』はそうではなかった。『ウェブブック』にはWebの理想というものが見られなかったからです。印刷屋の理論を無理矢理持ち込んでいるみたいになってる恨みがあって、私は深く読み通すことはできませんでした。

じゃあ、Webの理想というのはなんなのだろう。そういった疑問を持たれた方にお薦めしたいのが、神崎正英氏の『ユニバーサルHTML/XHTML』です。

Webの理想 — それはWeb上に存在する情報を効率的に把握し、効率的に利用できる環境にほかなりません。OSや使っているソフトウェアを問わず、どんな環境からでも情報を利用することができるということでありまして、これこそがまさにユニバーサルな情報共有、本来Webはそういう世界であったはずなのですが、なんでか途中から違う方向に行ってしまったのですね。

HTML/XHTMLは情報を共有するのに非常に適したやり方で、なにしろその本質はただのテキストファイルでありますから、WindowsでもMacintoshでもUnix、Linuxからでも、さらには携帯端末からでも利用できる。そして適切なマークアップが行われることで、効率よく情報を仕分けして、取り出して、利用することができるというわけなのですね。加えて、コンピュータが情報を把握できるようメタデータが整備されたならば、その利便性はより高いものとなるでしょう。まさにセマンティックWebの到来なのであります。

とまあ妙に意気込んでしまっていますが、こうした理想が本来Webにはあったのですが、世間巷のWeb関係の本は、視覚的なデザイン — 見た目だけにとどまるものが多すぎて、情報をデザインするということに言及するものはほとんどないというのが現状。セマンティックWebの到来など夢のまた夢なのであります。

近年はBlogブームということもあって、比較的正しいXHTMLで構築されたサイトも増えてきて嬉しいかぎりではありますが、できればツールに頼るばかりではなくて、『ユニバーサルHTML/XHTML』やThe Web Kanzakiで紹介されているような、情報共有と情報利用の利便性を高めるという理想にも触れていただきたいと思う次第であります。

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