2005年2月9日水曜日

元気爆発ガンバルガー

 中学高校時分の友人から来た年賀状に、『ライジンオー』のDVD-BOXが出ていて昔を思い出しましたと書いてあって、ああ、そうでした。あの頃はその友人と一緒に、勇者シリーズだとかエルドランのシリーズとかを追っていて、楽しかったなあ。と、昔をしばし思い出したのでした。

友人はDVD-BOXを思わず買おうかと思ったけど買えないみたいなことをいっていまして、私はといいますと、『ライジンオー』系列の二作目『ガンバルガー』のDVDを欲しい。そんな風に答えて、そうなんです、制作者をして平成のカルトアニメといわしめた『ガンバルガー』を、私は欲しくてしょうがないんです。今も迷っている最中なんですよ。

『ガンバルガー』は、私にはすごく面白い番組で、過去から綿々と蓄積されてきたヒーロー系ロボットアニメの語法をうまく取り回しましてね、お約束の中に意外性ある展開を見せようという意欲がひしひし伝わってくるところがよかったんですね。普通、合体だとか必殺技の使い回されるカット — バンクシーンを、その回のためだけにいじるということはありませんが、『ガンバルガー』ではそれがあったんですね。思えば、バンクシーンに変更が加えられる(コスチュームが毎回変わるとかですね)ようになったのはこの頃くらいからだったと思うのですが、私にとってはその変更が非常に効果的に使われたのが『ガンバルガー』だったのです。

合体の阻止もありました。合体できないために、普段は合体後にしか使われない武器を、合体前の小ロボット二体で使ったこともありました。こうした、なかなか他では見られないような工夫が、一年間を飽きさせることなく、気持ちいいテンションを持続させていたのですね。

なのに、あんまし人気がなかったってのはなんでだ?

意外性はストーリーにも見られて、けれど私の期待に応えるかのような展開も用意されていて、まさに私好みの作品であったと思います。そもそも、正体を明かしてはいけないヒーローというのは私の大好物でありますし、どたばたご町内ウォーズというのもポイントが高い。敵であるヤミノリウスIII世のキャラクターもいい味を出してて、記憶を失った彼が亜衣子先生への愛に目覚める後半のシーケンスなどは最高でした。

最終話前後の二転三転も素晴らしかった。そして、最終回をもってきっちり物語にけりをつけた潔さもすがすがしかった。あの一年はあの一年で完結して、たるみのない立派な作品になったと私は思っています。

さて、実はこのアニメは音楽もよくて、しかもサントラにしか収録されてないような歌が非常に面白かったんですよ。主人公三人それぞれのテーマソングというのがありまして、歌詞を入れ替えても歌えるようになっているんですね。まあ、説明するのが難しいのでしませんが、大変面白い試みでした。そして、最後のディスクである『歌は綴るよ!』に収録された『風になるとき』は名曲です。脚本家金巻兼一によって作詞作曲されたこの歌は、ひとつの経験を超えてさらに広いフィールドに旅立っていこうとする少年たちを送るのに、ふさわしい歌であったと思います。歌詞、曲ともによく、もしこのアニメが広く知られていたら、今ごろ卒業式の定番曲になっていたんじゃないかという、それくらいの力のある歌なのに、残念ながら知られていません。

くそう、悔しいなあ。

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