2005年2月26日土曜日

白鳥の湖

 『白鳥の湖』に関しては、紹介するべきかどうか、結構悩みました。あまりにも有名なタイトル、あまりにも有名な旋律。あえて自分が紹介する必要もないよなあ、とか思ったんですが、やっぱり紹介するのでした。

『白鳥の湖』は確かに有名な曲ではありますが、けれど知られているのは部分に過ぎないと思ったんですね。情景でのオーボエの旋律は確かに超有名で、じゃあその旋律をのければどうなんだろう &mdash いや、「四羽の白鳥の踊り」とかも申し分なく有名だよなあ。

本当はバレエで見るのが一番よいと思うんですが、私はこれをバレエで見たことがないんですね。人気のある曲だからオケはもちろん、吹奏楽編曲なんかもいろいろあって、プロ、アマ問わずたくさん聴いてはいますが、バレエはない。これはもうまったく画竜点睛を欠いているといわざるを得ないでしょう。

けれど、この曲は音楽だけで聴いても充分に魅力的なんですね。私のイメージではこの曲は非常に暗い、夜の湖に真っ白な白鳥が一羽空を見上げるような厳しい寂しさ。その厳しさというのは、切なさの突き刺さるような旋律、そして悲劇的な終止からイメージされたのだと思います。

そういえば、『白鳥の湖』のラストには悲劇的なものとハッピーなのの二種類があったはず。どっちが一般的なんだろう。いやあ、駄目ですね。こんな基本的なところでつまずいてるようじゃ。

私は常に全曲版、原典版を志向する人間で、これほど美しい部分があるなら、きっと総体はもっと素晴らしいはず、と思うんですね。全部聴きたい、余すところなく聴きたいという欲張りなんです。

だけど私がクラシックのCDを買いはじめた頃はまだ高くて、全曲版を買おうとすれば五六千円は軽く飛んでいく。まだ聴き始めだったこともあって、いろいろな種類を聴きたいという要求もあったことから、全曲版、数枚組のアルバムは自然後回しになっていったのでありました。

けれど、今やCDは随分安くなって、二枚組でも千円台というのも珍しくなくなって、けれどこの頃には私の趣味が変わっていて、マイナーどころを探すようになっていたんですね。だから、全曲版の『白鳥の湖』は持っていません。持っているのは一般に組曲と呼ばれる抜粋だけ。けれどこれでも、充分にチャイコフスキーの音楽の魅力は伝わってきます。

趣味が変わってしまって、ロマン派の音楽にはあまり興味を持てなかった私ですが、聴いて見ればこれらは大変美しいんですね。豊かなオーケストラの響き、美しいメロディ、そして物語性。今なら躊躇なく全曲版を手にすると思います。

『白鳥の湖』の録音では、アンセルメが定評があるんですよね。カスタマーレビューでは省略ありと書かれていて、けどちょっとくらいなら気にしないかなあと思います。ちなみに輸入盤に目を向ければ、プロコフィエフの『ロメオとジュリエット』とのカップリング盤が見つかります。ちなみに国内盤はプロコフィエフの『シンデレラ』とのカップリング。迷うねえ。迷うわあ。

私が持ってるのはカラヤン、ベルリンの盤。これはすごく絢爛で、ものすごく美しい。絶品ですよ。

他にもあったはずなんだけど、よう見つけられんかった。すんません。

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