2005年6月30日木曜日

ムーディー・ブルース

 なんと、私にも人並みにボーナスが出たので、ぱあっと使おうと楽器店にいったのでした。まあ、買ったのはギターの弦なんですけどね。ダダリオの、あんまり高くないやつ。

その帰りに、ウッドストックのDVDを買おうとレコード店によったのですが、残念ながらウッドストックは見つからず、代わりに見つけたのがこの『ムーディー・ブルース』DVD。ムーディー・ブルースといえば、私が以前に素晴らしいと絶賛していた『サテンの夜』で知られたバンドです。曲目を見れば、あるよ、Nights In White Satin! こりゃ買わなくっちゃだわと思った。即座に確保しましたね、しましたよ。

私は、何度もいっていますように、遅れてきたロックファンです。その音楽が作られた時代の背景やなんかは、それこそ思い出話や解説に頼るのが関の山で、仕方ありませんよ。生まれる前、物心のつく前のことなんて、いったいどうやって知ればいいってんだ。

ひとつの手は映像でしょう。映像はその作成された時々の雰囲気を非常によく反映して、それは実際『ムーディー・ブルース』もそんな感じであったのでした。

PVが面白いです。なんだか青春懐古調のドラマめいているかと思ったら、やたらと暴力的な映像を使ってみたり(しかもそれがよく聴いていた『クエッション』で驚き!)、けれどそうした作りもまた映像の風合いも、その時代の空気を感じさせてくれるようで、いやもちろん懐かしいなんて思いは私にはないですよ。けれど、そうか、こういう文脈の中に彼らはあったんだというのを、追想するくらいは可能なんですね。

さて、お目当ての『サテンの夜』。これはライブ映像の収録で、フルオーケストラをバックに演奏されるロックの恰好いいことったら! この曲を待っていたのでしょう、喝采をおくる観客をカメラがなめ、弦のトレモロ、ホルンの重奏による神秘的な序奏から白いサテンの夜がはじまります。もう、これだけでも恰好いい。オケを背負ってちっとも負けていないボーカルの力強さは本当に最高で、フルートのソロ、そして再びボーカルに戻って、場は大盛り上がりを見せる! オーケストラによる後奏がドラマティックに曲を閉じ、大観衆の熱狂が演奏者を讚えて — 、屈指の名演です。

0 件のコメント: