2005年7月6日水曜日

振り返るには早すぎる

ミュージカル・バトンというのを見かけることも多くなって、あちこちのBlogやら日記やらPodcastやらで公開されていますね。人の回答を見るというのは結構面白いもので、この人はこんな曲も聴くのかと意外であったりするのが楽しいです。特に問四の「よく聞く、または特別な思い入れのある5曲」というのがいいですね。まあ、答えようとなると簡単でないのもこの設問なんですけど、それだけにみんな苦労するからか、面白いものができるのもこの設問であると思います。

でも、今日はまだ答えやすい設問です。問三「最後に買ったCD」。これはもうなにも考えなくても決まっているものですから、考えたりひねったりする必要がありません。

私の一番最近買ったCDは豊田勇造氏の30周年記念ライブ盤『振り返るには早すぎる』。2005年6月25日土曜の夜、京都方面行き最終列車を待つ阪急十三駅のホームで出会った人が豊田勇造氏。来週、拾得でライブをやるからおいでよと誘われて、いったその拾得にて買ったのがこのアルバムでした。

私は豊田勇造氏のことは、駅で出会ったその日までまったく知らずにいたのですが、けれどライブは本当によかった。なんというんでしょう。拾得という場の持つアットホームな雰囲気、聴衆たちは知らない人とかどうとか関係なく打ち解け合うような親しさがあって、私がこれまでいったどのライブとも違う空気が流れていました。そしてステージがはじまれば、この雰囲気は勇造氏の持つ暖かさみたいなもんもあるんじゃないかと思って、パワフル! クール! そしてリリカル。そこには本当の歌がありました。言葉とメロディが互いに互いを必要として寄り添ってできあがるものが歌であると、私は思わずにはおられませんでした。

アルバムは拾得についたその時にもう買っていて、帰りにサインをしてもらいました。紙ジャケットの飾らぬ三枚組。けれどこれがまたいい。拾得でのライブ音源をメインに編まれているのですが、その日の空気が伝わるようではありませんか。7月の2日に私が体験したような高揚やなにかは、やはりその日にもあったのだと、そしてそれはその日限りの、特別なものであった。そういうライブ感が感じられる好アルバムでした。

収録曲ももちろん素晴らしく、なんだろう、 — これは本当の人間の声です。本当の人間の歌です。

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