2005年8月29日月曜日

D-LIVE!!

  コミック・バトン企画「今おもしろい漫画」第四弾は皆川亮二の『D-LIVE!!』。あらゆる乗り物を乗りこなすマルチドライバー斑鳩悟が、高難度ミッションをクリアしていく乗り物系アクションで、乗り物好きにはもうたまらない設定なんじゃないかと思います。乗り物というのも、四輪二輪にとどまらず、陸海空を制覇して、ジェット、ヘリから鉄道、船舶、潜水艇と、もうなんでもありなんじゃないのか。もしかしたら、この先ロケットやシャトルやなんかを使って宇宙にも進出するんじゃないかという予感さえありますからね。

と、こんな具合に乗り物好きにはどうにも堪えられない面白さがあるのが『D-LIVE!!』なのであります。

私が『D-LIVE!!』を好きというのは、乗り物のほかにもきっとほかにも理由があって、それは多分斑鳩悟のキャラクターに関わっていると思われます。というのは、斑鳩は普段はどうにもぱっとしない高校生をやっていて、 — ってここまでいったらピンと来る人もいるかも知れない! そう、皆川亮二の既刊『スプリガン』を思い出していただきたい。普段はうだつの上がらない学生をやっている御神苗優は、いざ要請あらば世界をまたにかけるS級エージェントとして大活躍して、その姿たるやまさに秘密のヒーローでありました。

そうなんです。『D-LIVE!!』の主役である斑鳩悟も、御神苗になんら変わらぬ秘密のヒーローの輝きをはなっているのですよ! 私はもう、彼の魅力にやられちゃってめろめろ。きゃあ、斑鳩くん、ステキーッ、てなもんですよ。

『スプリガン』では真田柊編が最高に好きといっていた私です。ああ、これでもうわかった人もいるでしょう。私が『D-LIVE!!』で一番好きな話というのは、春日委員長編なんですね。ヒーローの秘密が、こちら側の世界の人間に共有される。本来なら相いれない世界がわずかに重なりあうという、こうしたシチュエーションがどうしようもなく好きなのです。だからもちろん、村田教官編も好きなのですが、けど烏丸教授の里帰り編のほうがもっと好きで、次いで8耐とか、そうそうマン島レースもいいですね。

陰謀とかがからんでくるような話よりも、どうもシンプルな話の方を好む傾向にある私ですが、そんな私でも香川和美二等海曹編には最高に胸躍らせて、いや胸躍らせるのは今こうして名を挙げた話だけではありません。斑鳩が仲間やクライアントと協力しあい、困難を越えようとするその毎回毎回に、私はすっかり心奪われてしまっています。個性的で魅力的なエキスパートたちも、そして斑鳩に関わる普通の世界の側の人たちも、皆とてもあたたかで — このあたりは少年誌的微温といってもいいのかも知れません — 私はすごく気持ちがよいと感じるのです。

以下蛇足の連続:

ケリー・レイヴンウッド少佐が素敵ですね。

どことなく無理しちゃってる烏丸先生も可愛らしくていいですね。

でも、一番かっこいいのは、本気になった斑鳩くんですね。

いや、しかし援竜が出てきたときには、さすがに驚きました。

  • 皆川亮二『D-LIVE!!』第1巻 (少年サンデーコミックススペシャル) 東京:小学館,2003年。
  • 皆川亮二『D-LIVE!!』第2巻 (少年サンデーコミックススペシャル) 東京:小学館,2003年。
  • 皆川亮二『D-LIVE!!』第3巻 (少年サンデーコミックススペシャル) 東京:小学館,2003年。
  • 皆川亮二『D-LIVE!!』第4巻 (少年サンデーコミックススペシャル) 東京:小学館,2003年。
  • 皆川亮二『D-LIVE!!』第5巻 (少年サンデーコミックススペシャル) 東京:小学館,2004年。
  • 皆川亮二『D-LIVE!!』第6巻 (少年サンデーコミックススペシャル) 東京:小学館,2004年。
  • 皆川亮二『D-LIVE!!』第7巻 (少年サンデーコミックススペシャル) 東京:小学館,2004年。
  • 皆川亮二『D-LIVE!!』第8巻 (少年サンデーコミックススペシャル) 東京:小学館,2004年。
  • 皆川亮二『D-LIVE!!』第9巻 (少年サンデーコミックススペシャル) 東京:小学館,2005年。
  • 皆川亮二『D-LIVE!!』第10巻 (少年サンデーコミックススペシャル) 東京:小学館,2005年。
  • 皆川亮二『D-LIVE!!』第11巻 (少年サンデーコミックススペシャル) 東京:小学館,2005年。
  • 以下続刊

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