2005年11月11日金曜日

ガンパレード・オーケストラ 白の章 青森ペンギン伝説

 私は、以前PlayStation.comでハードディスクを買ったから、宣伝のメールが送られてくるんです。このメールというのは、基本的には読んですぐ処分といった類いのものなのですが、今、ゲームから身を離している私にとっては、本当に貴重な情報源でありまして、そんなわけで、かの名作と名高い『ガンパレード・マーチ』の続編(といっていいのかな?)、『ガンパレード・オーケストラ』が発売されると知ることができたのは僥倖でした。

実は以前、『絢爛舞踏祭』の発売もこうしたメールで知って、『絢爛舞踏祭』というのも『ガンパレード・マーチ』の関連作で、で、正直私は買おうかどうか本当に迷って、結局見送ったのですが、レビューを読めばかなりの意欲作みたいじゃないですか。多分、私はそれなりに楽しめるユーザーの資質をもっているのですが、きっとプレイすればおえーってなって、遊べなかったんじゃないかなあ。そんな気がします。

おえーっていったいなんなんでしょう。それはですね、鼻につくんですよ。アルファ・システムのゲームはあるひとつの世界観の中に囲われていて、『幻世虚構・精霊機導弾』とか『式神の城』とか、それで『ガンパレード・マーチ』と『絢爛舞踏祭』。これらのゲームを貫いて飛び交うキーワードを追っていくことで、いつか世界の謎が見えてくる……、んでしょうが、私にはもうお腹いっぱいなんです。

でも、お腹いっぱいでおえーっていいながらでも、それでもアルファ・システムのゲームが発売されるとなると興味がでてしまうのは、ここの作るゲームはかなり面白いことを知っているからなんですね。実際『ガンパレード・マーチ』はそうで、あんまりに評判がいいもんだから、世界の謎なんてまったく知らずにこれを買って、実際その面白さにやられました。何度もプレイして、世界の謎掲示板にも入り浸って(昼夜問わず!)、けれどそれで疲れちゃったんでしょうね。

世界の謎は鼻につきすぎます。理解して欲しいという欲求が前面にたちすぎているというのか、何気ない台詞にキーワードが隠されているとかじゃないんですよ。いきなりぼーんと生のままでキーワードが、本作にまったく関係のないような唐突さであらわれて、いったい今の台詞なに? って、でもクリアには必要かも知れないからメモしておこう。けど、このメモはゲームをプレイする上ではなんの役にも立たず、そうなんですね、世界の謎を追うという知的ゲームに参加してはじめて意味のあるものなんですよ。

それが多すぎる。しかも一作で完結せず、複数のゲームをまたいで展開するものだから、情報量はそもそも膨大で、ゲームに参加すればわかるのですが、情報エリートがすでに山といて、階層を成して、それはもうある種カルトを形成しています。いや、それでもいいのです。カルトを形成するほどにしっかりした構造があるのでしょうし、それはそれでアルファ製の価値なんです。ですが、それを無視する権利も欲しい。無視するのにも無視する努力が、あ、これは世界の謎絡みだと思った瞬間に目を背ける努力が要求されるのはどうかと……。

私が『絢爛舞踏祭』を避けたのは、このことがわかっていたからで、そして、おそらくは見送って正解でした。

『ガンパレード・オーケストラ』は、かなり『ガンパレード・マーチ』に近いゲームのようで、だから、私は悩むのです。ゲームシステムが『ガンパレード・マーチ』で、それがPS2のスペックでもって実現されていて、これは『ガンパレード・マーチ』をよく遊んだ人たちが望んだ理想そのものといってもいい。あの時の、テレビの前で過ごしたときの興奮やわくわくが取り戻せるというのなら、このゲームは買いかも知れない。私はそんな風に思っています。

しかしその反面、『ガンパレード・オーケストラ』 — ガンパレード=第五世界。世界の謎が目の前にちらつきます。私は、世界の謎はむしろトラウマのようになっているのですが、それでもあの夜に立ち会った人間ですから、ちょっとは知っているんです。だから、きっとひとつのキーワードが次々に記憶を掘り起こして、七つの世界に張り巡らされた関係性を思い起こさせるはずで、 — でももうそれはいやなんです。オプションかなんかで、世界の謎関連のワードを表示しないというのをつけて欲しい。本当にそう思います。

これが購入をためらう第一の理由。

『ガンパレード・マーチ』はかなり時間をとられるゲームでした。セーブタイミングは一日が終わったその時で、まあ、一日中訓練するとかしたらあっという間にセーブできるのですが、このゲーム、それじゃ面白くないんです。で、面白さを求めると時間がかかる。それに、戦闘が始まれば、そこからまた時間がかかり、それなりの準備もしてますし、腕にも覚えありでしたから、気分はもういくらでもかかってこい、お代わりだ、お代わりもってこい、てなもんだったんですが、それでも時間はかかる。

私、時間がないんですよ。ここ数年、ゲームをほとんどしていないんですが、だからこのゲームを買ったとしても、一周目すらクリアできず終わる可能性大です。

これが第二の理由。

今度発売される『ガンパレード・オーケストラ』には白の章という副題がついていて、その後に緑の章、そして青の章(青にはあの青は関係しているのか!?)が用意されているのだそうですね。これがなんかいやな予感をひしひしとさせていて、なにがいやなのか。ずるずると引っ張られるようないやな感じが、いやな感じがするんです。マニアなら、三本、限定版で揃えるとでもいわんばかりじゃないか。どうせだったら、三本出すんじゃなくて、三本分を一本にまとめてくれー!

これが第三の理由。

『ガンパレード・オーケストラ』はメディアミックスなんですってね。アニメになって放送中? 実をいいますと、私、メディアミックスって嫌いなんです。なんでか知らんけど嫌いなんです。メディアミックスで展開されたやつで、好きになれたものが過去にひとつでもあったろうか?

これが第四の理由です。

白の章は舞台が青森県だそうですね。何年何月の青森なんでしょうか。青森まで戦線が下がっているということは、熊本は落ちたのでしょうか。あるいは、北からの侵攻を押し返そうとする戦線であるのか。なら緑の章の舞台は? 青の章の舞台は? いずれにせよ、興味は尽きません。

おそらく、私は時間に余裕さえあれば、『ガンパレード・オーケストラ』を買っているでしょう。躊躇もなく、予約したことでしょう。プレイして、悲喜こもごも、いやな気分も味わうかも知れませんが、けれどトータルではプラスになるはずだという確信があります。ですが確信はあっても時間がない。

世の中とはままならないものです。このままならさを受け入れている私なら、あるいは『絢爛舞踏祭』も楽しめるのかも。いや、けどやっぱり時間がない。ままなりません。

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