2005年11月20日日曜日

Jack Orion

 ギターをはじめたのは、歌の伴奏をできるようになりたかったからで、けれどはじめに考えていた歌というのは、フランス語の歌 — シャンソンとかあるいは日本のフォークとか。けどフォークはフォークでも、まさかフォークの源流といえる民謡 — フォークソングにたどり着こうとは思ってもいませんでした。

伝承曲といっても私はさほど馴染みがなく、だからCDやなんかで仕入れるばかり。いったい自分の育ってきた地域に伝わる歌ではなく、なんでイギリスなんだといわれればそれは実に謎なのですが、私の聴くフォークソングといえばペンタングルとかになるんですよね。

このアルバム、Jack Orionは、トラッド・ソングのJack Orion聴き比べてみたくて買ったのでした。

歌っているのはバート・ヤンシュ。ペンタングルに参加していたギタリスト/シンガーです。ペンタングルによるJack OrionはアルバムCruel Sisterにも収録されていて、けれどこのふたつのバージョンは、本当に全然違っていて驚かされます。

まず気付かされるのはそのテンポの違いで、ゆったり伸びやかにうたわれるペンタングルのものとは違い、アルバムJack Orionの版は軽やかにずんずんと進んでいく、まさに対照的な表現です。けど、こんなに違っているのに、どちらを聴いてもしっくりと曲にアレンジがあっているんですね。最初はずいぶん違うなあと思ったものでしたが、今となっては、どちらを聴いても違和感なんて感じません。

曲を自分のものにしているからなんでしょう。

バート・ヤンシュによるJack Orionは、ビートも効いたモダンなもので、土俗的な匂いは払拭されています。ペンタングルのものとトラディショナル色の強いもの、そしてこのアルバムでJack Orionを聴いてみて、多分一般に受け入れられやすいのは、これなんじゃないかと思いました。

けど、どれもがそれぞれの魅力を持っているから、一概にこれがいいとはいえなくて、こういう豊かな土壌があるというのはよいことだと思います。

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