2005年12月31日土曜日

Creative Commonsが援助を求めている

Creative Commons援助を求めている

クリエイティブ・コモンズ発起人の一人であるローレンス・レッシグ教授が、彼のBlogでCCへの寄付を呼びかけています。なぜCCが寄付を必要としているかは、29日のエントリで詳しく説明されています。CNET Japan日本語版を提供しているので、興味のある方はぜひご一読ください。

CCは、情報の共有をより柔軟におこなえるよう提唱されたライセンスで、自分の作った知的財産を他人がどこまで自由に利用できるかを、その所有者が自己裁量で決めることができるということを売りとしています。

現在私たちが一般に関わっている著作権は、著作物が作り出された瞬間に自動的に発生するという非常に便利な仕組みであるのですが、その反面、他人に自分の創作物を提供するのを難しくする可能性も持っています。なぜなら、他人がその著作物を複製したり、二次創作物を作成しようとするのを差し止める力を、著作権は持っているからです。

こうした著作権の性質は、私の著作物は私のものだから、他の人が自由に使ってもらっては困るという考えを持つ人にはよいのですが、そうではなくて、私の書いた小説や詩、作曲演奏した歌などを広くいろんな人に知ってもらいたい、自由に使ってもらいたい、と考える人には困ったことになります。というのは、著作権は基本的に、著作者の作品が勝手に使われないようにするためのものだからです。

具体例を出してみますと、最近ポッドキャスティングというのが流行っていますが、このポッドキャスティングというのは大抵無料で提供されています。ポッドキャスティングは音声を提供するものなので、音楽を紹介するような番組が多いのですが、著作権によって守られた音楽が流されることはほとんどありません。というのは、著作権は、ポッドキャスティングのような多くの人に音楽を聴かせるような権利を著作者のものとしているので、ポッドキャスティングにそうした音楽を用いると、使用料の請求がなされる可能性があるからです(そしてその可能性はかなりの確率で実現するでしょう)。

ここでCCの出番です。CCのライセンスでは、非商用の利用なら自由だとか、商用非商用問わず自由だとかいう風に、その曲を作った人の考えで、他の人が自由に作品を利用できる範囲を決めることができるのです。CCライセンスに基づいて公開されている音楽作品はだんだん増えていて、かなりクオリティの高いものも見られます。ポッドキャスターはこうした曲の中から自分の番組の中で使いたい曲を見つけて紹介しています。

ここで勘違いしてはいけないのは、CCはこれまでの著作権と対立しようとするものではないということです。CCは、著作権の下で禁止されているものを、一部開放しようという動きです。どれくらい開放するかは、著作者が決めることができます。完全に自由に使ってもらってもいい(それこそパブリックドメインのように!)ですし、著作者のクレジットをつければ後は自由というのも選べます。非商用なら自由、商用は駄目というのも可能です。さらには、二次創作、翻案、改変の許可不許可も選べます。

これまでの著作権は尊重したうえで、より柔軟に知的財産(著作物)の共有をできるようにしようというのがクリエイティブ・コモンズの考え方なのです。

クリエイティブ・コモンズが、今、支援を求めています。アメリカ国税局が求める公衆からの支援テストをクリアしないと、これからのクリエイティブ・コモンズの活動が、非常に難しくなるかも知れません。詳しくは、レッシグ教授が説明しているので、なんだかよくわからなくても、一度読んでみてください。

必要とする$225,000に、現時点で$7,000ほど足りていません。無理にとはいいません。ですが、もしこのクリエイティブ・コモンズという活動に興味を持っていて、同意する、支援したいという気持ちをお持ちであったら、ぜひ支援していただきたい。

私はもちろん支援しました。Supporters of Creative Commons pageにかたくなそうな日本人の名前を見つけたら、それが多分私です。自分のやらないことを、人にお願いしようだなんて、そんなことはしませんから。もしこの記事を読んで興味を持たれたら、支援、あるいはクリエイティブ・コモンズという考えもあるのだなと記憶にとどめてくださるだけでも充分です。

クリエイティブ・コモンズについて

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