2005年12月24日土曜日

Levon

  インターネットラジオを流しながらの作業中。男性ボーカルにふと気を取られて、いったいこの歌は誰のなんという歌なのだろう。その頃私が聴いていたラジオは曲名の案内をしていなかったので、わからず仕舞いと思われて、ですが、数週間後だったか数ヶ月後か、あの歌が再び流れて、私はなんとか歌詞を記憶にとどめようとしたのでした。

耳に残った歌詞はChristmas day、そしてNew York Times。私はこれをChristmas Timeと勘違いして、ですが三度目の放送を耳にして、歌詞の断片からついに曲を突き止めることができたのでした。Elton JohnのLevon。日本名は『リーヴォンの生涯』というようです。

『リーヴォンの生涯』の歌詞にChristmas dayが含まれているから、私はこれがクリスマスの日のことを歌った歌と思っていたのですが、歌詞を読めばそうではないことがわかります。クリスマスの日、ニューヨークタイムズが神は死に、戦争が始まったと告げたあのクリスマスの日に、アルヴィン・トスティグは息子に恵まれた。それが、リーヴォン。

傷痍軍人のリーヴォンが生まれたときのこと、今の暮らし、そしてゆっくりと死んでいくまでが歌われていて、この歌のなにが私を引きつけたのか、それは未だにわかりません。歌の力そのものなのかも知れません。注意を払っていなかったときにたまたま流れた、聴き取りも満足ではない英語の歌は、二度目に聴いたときに、今流れているのはあの時の歌であるとはっきりとわかるほどに刻み込まれて、これはやはり歌の力であると思うのです。私は今も満足にこの歌の歌詞を理解できているとはいえず、ですがそれでもなにか清浄なものを感じる。特に取り上げられることのないような男の人生がうたわれることに、なにか表現しづらいパワーを感じるのです。

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