2006年1月3日火曜日

アンダルシアの犬 / Un chien andalou

 戌年犬特集三日目です。

本日紹介しますのは『アンダルシアの犬』。オールド映画ファンならご存知であるかと思います。かのシュールリアリズムの巨匠サルバドール・ダリが脚本に関わっていることでも知られるこの作品は、それ以上に、内容のシュールさがものすごく、まさしく強烈なイメージの海。もう、一回見たら忘れられませんから。

内容について触れようと思っても、イメージの断片についてしゃべるのが精いっぱい。だって、ストーリーがあるわけでなく、そもそも各シーン各シーンの連続になんの意味や関連があるかわからない。いや、多分わからなくて正解なんでしょう。それこそ悪夢そのものといった映像世界が広がっています。

私は学生時分にこの映画を何度も何度も見て、それはなんでかといいますと、これはトーキーじゃないんですよ。だからBGMはビデオ制作者次第でありまして、それこそ版によって全然違った音楽がつけられています。音楽によって内容はいかに違って感じられるかというのを知るために、何種類もの『アンダルシアの犬』を見たのでした。けど、どれを見ても内容の強烈さは変わりませんからね。直視しにくい場面もあれば、なんだかシュールさが極まって笑ってしまいそうになるシーンもあって、けど基本的には人間の嫌悪するものがつまってるような映画ですから、見る人は選ぶでしょう。でも、一度でも見たら忘れられない。忘れようとしても忘れられない、まさに名画であると思います。

この映画、たった17分、短い映画です。それに三千円以上を払えるか。私は微妙ですが、でもテレビとかではきっとやらないタイプの映画です(やるとしたらNHK教育とかBSくらいかなあ)。だから、実をいうと欲しいんですよね。たまにはあの強烈なインパクトに触れたいと思うこともあるのです。

あ、そうだ。この映画、タイトルに犬という言葉が含まれてはいますが、本編には犬、出てきませんから。そういうところも含めてのシュールなのでしょう。

DVD

VHS

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