2006年2月17日金曜日

Inspiration

  ああ、やっぱり『鬼平犯科帳』はおもしれえなあ。役者がいいよ。いい役者をそろえて、もうしっかりと作ってあるから、ぐいぐいと引き込まれて、テレビの中の作り事だっていうのについつい熱くなってしまってさ、もういけないよ。

そう、私はテレビドラマの『鬼平犯科帳』が好きでございましてね、もう心底惚れてしまっています。とはいってもとてもとてもDVD-BOXなんかにゃ手が出ず、だからこうしてテレビでスペシャルででもやるとなったら楽しみにして見るといった次第です。

で、今回は『鬼平犯科帳』ではなくて『インスピレイション』。ジプシーキングスの名曲です。

日本においてジプシーキングスは知る人ぞ知るとでもいったらいいのか、人気であるし曲も有名だし、名前は知らなくても聴いたらわかるという人は多いのじゃないかと思います。例えば、かつてビールのCMで使われて大ヒットした『ボラーレ』。しかしそれ以上に知られているのは、『鬼平犯科帳』のテーマ曲として使われている『インスピレイション』なのではないでしょうか。

ジプシーキングスはヨーロッパにルーツを持つグループで、その中心となる楽器はスパニッシュギター。なぜこのような音楽を時代劇の、それも本格時代劇のテーマ曲に選んだのか、そのセンスにはほとほと感服します。ミスマッチのよさなんてものじゃございません。すごくマッチしている。お江戸の暮らし風俗を写しながら、そこにジプシーキングスの『インスピレイション』をあわせる。神妙で美しいパッセージがひとしきり、そこへはじける火花のようなギターの響きが格好良く、しかし私にはなぜこの音楽がこんなに日本の昔の光景に似合うというのかがわからない。けれど、まるでこのために書き下ろしたかのようにぴったりで、すごい、すごい、本当にすごいと思います。

もし私が『鬼平犯科帳』を見ることがなかったら、きっと私はジプシーキングスを今も知らないままにいて、じゃあもしやしたらギターも弾いていなかったかも知れない。ええ、こんな可能性をぐじぐじいってもはじまらないことは承知しています。けれどさ、『インスピレイション』はギターはじめる前からさ、格好いいなと憧れていた曲なんですよ。いつかこんな曲弾ければいいなあと、今でも憧れている曲なんですよ。だから、もしこの曲に出会っていなかったとしたらなんて思うわけなんです。きっと私の人生は、少なからず違っていたはず、そうまでいうほどに『インスピレイション』は私の中に食い込んでいるんです。

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