2006年3月31日金曜日

ウルトラマンのできるまで

普段なら絶対見ない類いの番組、『特撮TV大全集』をいうのをなんだか見てしまいましてね、これ『生物彗星WoO』っていうNHK制作の特撮の番宣番組といったらその雰囲気もわかるかと思うのですが、けどしっかり過去の円谷系特撮を扱ってくれていたもんだから食い入るようにして見てしまいました。というと、さも私が特撮に興味があるかのようですが、実はそうでもないんですね。実は、ほとんど覚えていません。ウルトラマンは覚えています。何度も再放送を見ましたから。けどほかので覚えているウルトラマンってほとんどないのです。セブン、好きだったはずなんです。タロウ、一番好きだったはずなんです。歌える歌もあるのですが、なのにほとんど覚えていない。

小学生の頃、クラスの男子が特撮の再放送に夢中であるのを横目に見ながら、馬鹿馬鹿しいと思っていました。それが、あとになってこの手のものへの興味をつのらすことになろうと誰が思ったものか! ああ、そうなのです。私は特撮に関してはまるっきし耳学問なんです。

そんなわけで、私の特撮耳学問の書を二冊ほど。それは実相寺昭雄の『ウルトラマンのできるまで』と『ウルトラマンに夢見た男たち』なのですが、実はこれでもう打ち止めといっていいくらいに私は特撮を知らない。いや、まったく知らんわけじゃないんですよ。バルタン星人は当然として、ダダもわかればジャミラもわかる。キングジョーもエレキングも、きちんと番組を見て、当時の絵本や文庫(コロタン?)を見て覚えたんです。でも、肝心の内容を覚えていない。いや、ウルトラマンは覚えているんです。だいぶあとになって再放送を見ましたから。けれど、その他を覚えていない。

最初に、特撮特番について普段なら絶対見ない類いの番組という表現を用いましたが、見たら懐かしいと思う、けれどそれ以上のなにかを思い出すことができないというジレンマがいやだから見ないんです。でも、見たいんです。本当はこんな特番なんかじゃなくってですよ、本編で見たい。けれど、時間もなければ金もない。見ようと思っても思うようにはいかず、だからこういうものは時間のある学生時分に見とかなければならなかったのだと、今になって後悔する思いです。

ああ、肝心の本について書けなかった。これらの本、ウルトラマンの制作に関わってきた実相寺が、当時を振り返って書いた本で、曳光弾に自前の背広を台無しにされる男の話であるとか、思ったように特撮が成功してしてやったりという気持ち、そしてその逆の悲しさとか、そうしたものがつづられていて、その筆致があたかもその聴き手を前にして語られるかのような躍動、喜びにあふれていたものだから、私はそれを読みながら、より以上に特撮を好きになった、そういう特撮への思いを深めるきっかけとなった好著です。

これらの本が、私が高校生だったころに出た本が、今もまだ入手可能というところを見ても、どれだけ多くの人に愛されているかわかるかと思います。それはひいては特撮を愛する人の多さに繋がるのだろうと思います。

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