2006年6月10日土曜日

白衣な彼女

 最近買った四コマ。芳文社のも買ったんですが、それよりも前に『白衣な彼女』について書きたいと思いました。だってこないだ話題に出したところだし、それに新刊が出たところでもあるし。

『白衣な彼女』のヒロインは華山桜子。名前こそはお嬢様っぽいけれど、とんでもない乱暴者キャラクターで、『主任がゆく!』の北見主任の同類といえます。そういえば、『白衣な彼女』に北見主任がゲスト出演したことがありましたが(あれ? 逆だっけ?)、同系列のキャラクターと見える二人が共演したとしても決してキャラクターが被っているようには思えず、これはきっとそれぞれがそれぞれに違った味を持っているという証拠でありましょう。そしてこのことは、これら両タイトルにそれぞれの持ち味があるという証拠でもあるかと思います。

(画像はたかの宗美『主任がゆく!』第5巻)

『白衣な彼女』は『みこすり半劇場』掲載の四コマなので、それなりにエロ、それなりに下品にできています。けど、そんなにいうほどでもないかな? 読んでみればわかることですが、エロや下品というよりも、はっちゃけてるという感じの方が強いのですよ。たかの漫画のヒロイン(動物系は除くかな?)は、皆が皆といってもいいかと思いますが、結構はっちゃけていて、それは華山さんにおいても同様。けど、一点違いを見いだすとすれば、華山さんのはっちゃけ方は仕事の方面に向かうのではないということ。超人的有能という設定から彼女は自由であるようなのですね。かといって無能ではない。普通に有能。そういう感じのキャラクターであると思います。

けど点滴台をスケート代わりに走り回ったりするような非常識キャラクターだから、他のたかの漫画を読んで、そうした非常識系大暴れに面白みを感じたという方ならきっと楽しく、面白く読めるかと思います。『主任がゆく!』においては主に東と繰り広げられる男女の能力論争ですが、『白衣な彼女』では傲慢な医者と看護師間に存在する主従関係が問題にされることもあって、けれど鼻につくほどではないから、楽しく読める。職業としての看護師ネタ、エロや下品を含むネタ、そして大暴れはっちゃけネタがバランスよく配置されているから、この辺も読みやすさに繋がる要素なんじゃないかと思います。

けど、あんまりこういうことを考えながら読む漫画じゃないですね。華山、大暴れ、面白いなあ、というような、肩の力抜いて楽しむ、そういう類いの漫画。そしてやはり私は好きです。

蛇足

華山さんと仲のいい同僚、畑中さんがよいです。黒髪、ショート、地味、そんでちょっと猫背? 実にいいキャラクターであると思います。

  • たかの宗美『白衣な彼女』第1巻 (ぶんか社コミックス) 東京:ぶんか社,2003年。
  • たかの宗美『白衣な彼女』第2巻 (ぶんか社コミックス) 東京:ぶんか社,2004年。
  • たかの宗美『白衣な彼女』第3巻 (ぶんか社コミックス) 東京:ぶんか社,2006年。
  • 以下続刊

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