2006年9月19日火曜日

The Folk Den Project

 クリスマスのイベントで歌うことになりました。ええーっ、クリスマスのイベント! あんたが!? 似つかわしくないという気も確かにするのですが、けど声をかけてもらったんだもの、仕方がありません。それに、なんとか人前で演奏する機会を持たないことには技術の向上も図れないというわけで、珍しく私はやる気を見せているのです。で、ここで問題が。なんといっても私は別れ歌うたいといわれているような人間で、つまりレパートリーはというとやれ別れだとかやれ悲しさだとか、そんなのばっかり、暗いんです。けどさすがにこれをクリスマスイベントでやるほどに私は神経が太くできてはいません。だから、早急にクリスマス用の曲を探す必要があったのでした。

条件はみっつ:

  1. クリスマスの歌
  2. ポピュラーすぎない
  3. パブリックドメイン!

スタンダードなんだけど、あんまりスタンダードすぎはしないもの。いやあ、むつかしいですね。平たくいえば民謡、トラディショナルを探しているんですけど、残念ながら思うようには見つからず、ようやく見つけたのが、前にもちょっと紹介のOne Hundred English Folksongsに収録のThe Twelve Days of Christmas。この歌、ちょっとした仕掛けがありまして、一日目から歌いはじめて十二日目までクリスマスの贈り物がひとつづつ増えていくという仕組みなのですが、ちょっと楽譜を見ただけではどんな風に歌われているかがわからない、ということでインターネットに解を見つけようとして、その探索のすえにロジャー・マッギンのFolk Denにたどり着いたのでした。

わーお、こりゃ宝の山だぜ! マジでそう思いました。

全曲、演奏がMP3で紹介されているだけでなく、歌詞付き、コードネーム付き、ものによっては楽譜までついてる! わー、ほんとに至れり尽くせりってやつだよ。しかも、演奏がうまいんだ。で、ここで私は無知をさらすのですが、私はこのロジャー・マッギンという人を知りませんでした。トラディショナル系のフォークシンガーなのかなあなんて思ってたら、いやいや、元バーズのリーダーというではありませんか。なんと、そりゃうまいわけだわ。恐れ入ったのでありました。

ここからはリンク先の受け売りですが、このFolk Denという取り組みはフォークソングの口伝を目的に開始されたものなのだそうです。1995年に開始され、2005年(つまり昨年)に十周年を迎えた。その十周年の節目にFolk Denで紹介されたフォークソングを四枚組のアルバムにしたと、そういうことなのだそうです。

しかし、1995年とは気の遠くなる昔です。だって、バーナーズ・リーがWWWを開発したのが1991年、日本における商用利用の開始は1993年ですが、残念ながらそれらは一般のユーザーが簡単に参加できるほど敷居の低いものではありませんでした。私が始めてインターネットに接続したのは1996年ですね。あの、なにもかもがしょぼかったけど、なにもかもが輝いて見えた時代。そのWWW黎明期にすでにFolk Denはあったんだ。そう思うとなんか胸が熱くなってきます。

そんな理由からでしょうが、Folk Denの提供するMP3には音質の劣るものも多く、これの高音質版が欲しいなあなんて思っていた私にはアルバムThe Folk Den Projectの存在はまさしく僥倖でした。これは、買うね。きっと買います。今は残念ながら、日本での取り扱いがなされていないらしく、AmazonでもHMVでも見つけることができません。きっとフォーク系の輸入盤専門店みたいなところでは扱っているでしょうが、私はきっとCD Baby買うなあ。いや、ほんと、このアルバムは買いですよ。フォークソング好きならぜひ押さえておくべき盤、名盤だと思います。

さて、肝心のThe Twelve Days of Christmasですが、この曲、私知ってますね。しかも、めちゃくちゃ有名な曲じゃないですが。で、弱ったことに私の手もとにある楽譜は、おそらくこれのより古いヴァリアントなのです。なにが違うかといいますと、一部歌詞が違う、メロディも違う、コード進行も違うで、まあこれは別の曲と考えてもいいんじゃないかな……。

ロジャー・マッギンを手本にポピュラーなバージョンを習ってもいいかなとは思ったのですが、今回はあえて手もとのシンプルバージョンでいこうと決めました。けど、本当にフォークソングとは奥が深いものであるなと痛感したエピソードでした。

将来のためのリンク

参考

抜粋盤

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