2006年9月30日土曜日

RICOH Caplio R4

 旅行に出ていました。国外、中国、四川省は九寨溝。美しい湖が数多くあるということで知られる地です。映画『英雄 / HERO』の撮影地として選ばれた場所でして、ほら、あの湖上での剣戟のシーン。水の碧も深くして、神秘に満ちたあの湖です。そこへいってきました。もちろん写真も撮ってきています。ご興味お有りの方は、どうぞご自由にご覧ください。ただ、全部で六百枚を越えています……。見るだけでも大変だと思います。

全部で六百枚を越えています — 。ほんと、持っていったのがデジタルカメラでよかったと思う瞬間です。使ったカメラはもちろんご存じGR DIGITAL、そしてCaplio R4でした。実はMINOLTA SR-T101も持っていったんですが、こちらは使う機会に恵まれず、結局重い荷物となってしまいました。やっぱり使いかってのいいカメラが二台もあれば、そちらばっかり使ってしまうというのが人情というものなのかも知れません。

さて、いくら景観に勝れた土地にいくとはいえ、カメラを三台も持っていくとは尋常ではありません。ここに私のこの旅行に対する情熱というか期待というかがうかがい知れるのではないかと思うのですが、とにかく撮って撮って撮ってきたわけです。その枚数、最初にもいいましたとおり、六百枚。これだけ撮れば、さすがにGRとR4のそれぞれのよさというのが見えてくる、とまあそんな風に思います。

そもそもGRがあるのにR4を持っていったというのはなぜかといえば、やっぱり広角単焦点のGRでは撮れないものがあるから、ということに尽きるのではないかと思います。歪みの少なく描写力に優れるというGRの個性というのは、ズームができないというデメリットを上回って魅力的であることは間違いないのですが、ですがそれでもやっぱりズームが欲しいというときもあるのです。そうですね、次の写真を見てください。

Huanglong valley

黄龍での一枚ですが、同じ場所からGRで撮るとこうなります。

Huanglong valley

実は一枚目の写真、こういうのはGRでは撮れないのです。GRには光学ズームはありませんがデジタルズームがついています。じゃあそのデジタルズームで撮ったらどうかといえばやっぱり駄目で、というのは、広角レンズは遠近感を強調する効果があるのに対し、望遠レンズは遠近を圧縮する効果を持っているのです。R4で撮った写真では寺院、人、木々が密集しているかのように見えますが、GRではかなりの隔たりがあるように写っています。この違いを実感して、やっぱりズームの使えるカメラもあったほうが便利だなあと、本気でそんなことを思っています。

ただ、これから買うとしたらR4じゃなくてR5かなと思っています。画素数が問題なんじゃないですよ。私が問題にしているのはカメラの操作性です。R4はボタンが押しにくいんです。特に電源ボタン。シャッターボタン左に電源ボタンがあるのですが、本体に埋まり込むようにデザインされているものだから、押すのにかなり気を使うのです。爪あるいは指先の肉で押し込むようにするんですが、あんまりに力を入れてしまうものだから、ボディ上面が軽くしなるのが怖いんです。対してGRはというと比較にならないくらい頑丈にできているし、ボタンも押しやすくできているしで、もしGRの操作性を持ったR4が出たら買っちゃうなあなんて思ったのです。

多分、R4の操作しにくさについては、多くの人が同じように感じたのでしょう。フィードバックを受けてか、R5ではボタンまわりの配置がずいぶん変更されています。電源ボタンはシャッターの右側に移り、しかも円形のGRでも採用されているようなかたちになっています。他にも、ズームアップダウンの位置が変わるなど、これは果たしてよくなったのかどうかわかりませんが、いろいろ見直しがされていて、ただ画素数が増えただけのマイナーチェンジではないと感じさせます。

でも、これはいってはいけないことだとはわかっていますが、いくらR5が操作性を見直したとしても、GRに比べることはできないでしょう。GRにはアジャストダイアルがついていて、これが非常に使い勝手がいいのです。露出のプラスマイナス補正やISOの変更、ホワイトバランスなどなど、気軽に変更できる操作性の高さはR4の追随を許しません。いや、R4もかなりこうした設定の変更はしやすいと思うんですよ。Adj.ボタンを押して変更するというインターフェイスは非常に優れているのですが、でもGRを知っちゃったらなあ……。というわけで、私はR4に関しては、ほとんどカメラ任せのオートで撮っていました。最初はホワイトバランスがオートになり、次いでISOがオートになりました。でも、カメラ任せでも割合にいい感じに写ってくれるから、特にこれで問題はなさそうです。撮影において細かく設定を変えるのもいいものですが、R4に関しては、カメラ任せでぱっと出しぱっと撮るというスタイルがよさそうだと、そのように感じました。そんなわけで、GRにおいてもいつかホワイトバランスをオートにする日がくるかも知れません。

以上、GRの弱点であるズーム機能を補完できるカメラを併用すれば最高なんじゃないか? っていう話でした。ズームの強さに魅力を感じるならR4やR5を、防水性や20mフラッシュに意義を見いだすなら500G Wideが選択肢となると思います。いや、ほんと、冗談抜きでR5が欲しいです。

最後にR4での作例をもう一枚。写真の出来を決するのはカメラの価格ではないということがわかるのではないかと思います。

Jiuzhaigou valley

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