2007年2月8日木曜日

烏丸学園ガンスモーキーズ

  駅前の書店、漫画の棚にたもりただぢという名前を発見して、お、これは私には無視できない名前ではありませんか。こいつは買っておかないといけないなという気になって、最初に見つけたのがSide B。B面っていうことは、つまりは2巻ものってことかと諒解。こりゃSide Aを探さないといけないなあと思って再び棚を見たらば、一冊とんでSide Aがあったのでした。ありがたい。かくして購入と相成ったわけですが、そのたもりただぢって人、いったいどういう人なのか? 私がこの人の名前に反応した理由というのは……。

ずいぶん昔のことなんですが、インターネット上で妙に気になる画像を発見したことがありまして、それはPCゲームのイベントグラフィックと思しいものだったのですが、それがなんだかものすごく気になったのですよ。絵が好みだったんでしょうね。赤毛の女の子が妙に印象的で、私の好みではないはずのキャラクターだというのに、心を捉えて離さなかった — 。

でも、私には手がかりがまったくなくて、なにしろ絵だけですからね、検索するにもキーワードがなく、もうまったく手がないという状況で、一体私はどういう手段を使ったというのか、そのゲームのタイトルにたどり着くことができたのです! あーっ、思い出した。雑誌だよ、雑誌。知人にもらった古雑誌見てたらソフト紹介ページがあって、ページの半分だか四半分だかのスペースの記事、画像を見て、これだーっ、って気付いたんでした。ここまで書けばもう充分かと思いますが、そのゲームの原画を担当していたのがたもりただぢ氏。そう、あの日、あの瞬間にたもりただぢという名前は私にとっての特別になったのです。

いや、これ決して大げさな話でなくて、本当で、結局このゲームが私のはじめて買ったPCゲームになって、しかも手もとにWindows機を用意したのもこのゲームやりたさのためだったんですから、本当に馬鹿にできないインパクトがあったんですよ。

『烏丸学園ガンスモーキーズ』、まったくなんの予備知識もなしに読みはじめて、いやはや驚きました。学園ものでアクションという、よくあるといえばよくある設定で、伝統校の秩序を守るべく強権を振るう生徒会に対し果敢に戦いを挑む少年が主人公。おじさんはちょっと『コータローまかりとおる』を思い出してしまいました。

けど、よくあるといえばよくある設定を駆使して、独特の感じを作ってるというのはいいなと思いました。バトルものをベースに、ロミオとジュリエット的要素が加えられていたり、そうかと思えば至極真っ当なメッセージが高らかに謳い上げられたり、そして独特の世界観、ルール。学生が自分の主張をとおさんとして戦うというその構図に私は『奏(騒)楽都市OSAKA』をちょっと思い出して、けどそうしたいろいろに似ていると感じさせながらも、そのどれとも違っているという、不思議な位置に独自の味わいを持つ漫画であると思います。

他の漫画やノベルとの類似性が感じられるのは、この漫画が採用している設定やなにかというのが、オーソドックスや王道といわれるようなものであるからかと思います。先にいいました、強権的な生徒会や敵味方に分かれて戦うヒーローとヒロインという構図、そしてバトルものといういわばはやりのギミック。こうした要素がこれでもかこれでもかと畳みかけるように押し寄せてくる、その押し寄せようが半端ではなく、あれよあれよという間に話が進んでいくのですが、この力技とも思える見せ方、けれどこれは案外うまいやり方かもなあと思ったのでした。

疑問に対し突っ込んでいる暇がないのですよ。戦いに競技用なぎなたはともかく弓矢はまずいだろうとか、真剣はいくらなんでも言語道断だろうとか(まあでも様式美といえば様式美です)、ゴーグルしてない相手に銃向けちゃ駄目だろとか、そもそもなんで飛び道具のアドバンテージを自ら殺すような近接戦をやるの? とか、いろいろ思うところが出てきたとしても、突っ込む暇がないから気にならない。落ち着いた頃にはもうそうした突っ込みポイントはみんな過去に押しやられてますから、なんとなく丸め込まれた気になってまして、こういう強引さが受け入れられる人なら楽しく読める漫画なんじゃないかと思います。私には、結構面白かった。そうですね、『奏(騒)楽都市OSAKA』に似てるっていうのは、きっとこの強引さなんだと思います。多少のことは力技と疾走でクリアしていくっていうその感じ、まさかたもりただぢの漫画で感じられるとは思いも寄りませんでした。

どうでもいいこと

A面帯には眼鏡+学園ラブコメ+パンチラ・ガンアクションと書かれてましたが、パンチラが売りになるほどのパンチラはなかったと思います。けど眼鏡は本当。主要人物のうち眼鏡着用者は実に過半を越えていると思われます。つうか、実際越えている。

どうでもいいこと2

制服の生地がとにかく厚くて重そうなのがよかった。あと、踏み込み時にスカートの裾が少し折り返る表現、これ結構お気に入りです。裏地が白く見えたりとか、ほんとならあり得ないんですが、けどこれがなんかちょっとかっこいい。

引用

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