2007年2月18日日曜日

パティスリーMON

  私は結構長期にわたり集英社のレディーズコミック誌『You』を購読していたのですが、この数年ほど、どうにも読める漫画が少なくなってきたと感じるようになってきて、だから購読するのをやめたんです。もう、私は対象層から離れちまったんだなあという一抹の寂しさをともに……。けど、読んで面白いと思う漫画が少なくなったということイコール、雑誌全体がつまらなくなったということでもないから困ります。やっぱりなかには面白いと思える漫画もあって、先を、続きを楽しみにしていた漫画もあったのです。そうした漫画の筆頭がきらの『パティスリーMON』でした。私はこの作者とは『You』で出会って、やっぱりこの人こんなに面白い漫画を描く人なんだと思って、それからは結構なファンでいます。

『パティスリーMON』は、そのタイトルが示すようにパティスリー、ケーキを作り売りするお店が舞台。乙女チック思考の音女ちゃんが昔の家庭教師の先生と再会して、その縁で、パティスリーMONで働くことになりました。そういう漫画なのですが、やっぱりこの漫画の肝というのは、オーナーシェフの大門と元家庭教師の土屋、いい男ふたりの間で揺れ動く乙女心! ってやつでしょうかね。けど、音女心は恋憧れに揺れながらも、お菓子作りというハードな仕事に取り組むに際しては実にしっかりとしているものだから、愛だ恋だと腑抜けたこといってる暇があったらしゃんと仕事せえよ、だなんて感想はあり得ない。仕事に真面目に取り組む姿がきちんと描かれているからこそ、応援したくなるというものなんだと思うのです。

で、問題はどちらを応援したらいいんだろうってことで、ええと、私は大門派なんです。寝癖頭で職場に現れる、ちょっと無愛想、ちょっと頑なそう、けど笑うとすごくかわいい、みたいなそんな男が大門。ちょっとずれたところみたいなのもあるんだけど、そういったところも含めて魅力という、そういう男が大門。堅物でないし、真面目そうだし、結構誠実そうなところもポイント高いし、それに、2巻で明かされる大門の真実。これまでの大門の — 、おおっと、これ以上はネタバレになるからいわねえよ。とにかく、ここで重要なのは私が大門ラブであるということです。

私が『You』の購読をやめた号には、ちょうど第1巻に収録された最後の回が載っていまして、だから第1巻が出たときには第2巻の発売を心待ちにしましてね、この後一体どうなるんだろう! って、だってどんどん大門という男がクローズアップされていって、音女との距離もどんどん縮まって、だから第2巻が出た時には、わー、やったー、って感じだったですよ。というか、なんで毎月出るんだ。いや、嬉しいけど、めちゃくちゃ嬉しかったけど。

第2巻読んで、私はやっぱり大門派です。

  • きら『パティスリーMON』第1巻 (クイーンズコミックス) 東京:集英社,2006年。
  • きら『パティスリーMON』第2巻 (クイーンズコミックス) 東京:集英社,2007年。
  • 以下続刊

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