2007年5月6日日曜日

赤い光弾ジリオン

  ゴールデンウィークも終わりですね。皆さん、どちらかにいかれたりしたのでしょうか? 私はといいますと、えっと、ずっと『ジリオン』見てました。昔、好きだったアニメ。類は友を呼ぶといいますか、私のお友達に『ジリオン』が好きだったという娘さんがありまして、DVD-BOX持っていらっしゃるとか。その話聞いたときに、どうも私は過剰に反応したようで、どの話が好きだった、どうたらこうたら云々、力強くジリオン語りをしたのが訴えたのか、なんとDVD貸してもらえたのですよ! きゃっほう! てなわけで、ここ数日は『ジリオン』三昧。いやあ、『ジリオン』はいいよ。ほんと、あの時分のアニメはよかったなあと、懐古するよな思いに浸る数日でした。

私が『赤い光弾ジリオン』をはじめてみたのは、なんと本放送時ですね。たまたままわしたかなんかなのかな? 日曜の朝、光線銃ジリオンを手にしてのアクションが痛快なアニメ。すっかり引き込まれるままに見ていて、いや、ほんと懐かしい。

ダーティペア』の時にもいってました。こうして全話を見直してみて、なんと私全話見てるじゃありませんか。当時、家庭用ビデオデッキがそれほど普及していたわけでもなく、ましてや中学生だった私に全話録画をできるような甲斐性はなく、だから頼みは再放送だったんですよね。TV-O、テレビ大阪が何度か『ジリオン』をやってくれていたのです。30分のプログラムを25分に切り詰めるために、OPは途中まで、EDは丸ごとカットという非情の再放送ではありましたが、けど内容を見られれば御の字。多分、私の昔のビデオを漁れば、数話分くらいは録画したのが見つかるはずです。まあ、EDはないんですけどね!

『ジリオン』は、私の知るかぎり男二人女一人、三人組の特殊チームが強大な敵に立ち向かうという形式の走りであるのですが、いや、他にもあるのかな? けど、これ以外となると『超音戦士ボーグマン』くらいしか思い出さないけど、いや、きっとあるでしょう(あったら教えてください)。

『ジリオン』ってなにがよかったんだろう。やっぱりキャラクターなのかな、と思うんですが、基本能天気でシリアスの似合わないJJが主人公。脇には、二枚目でクールを気取っているチャンプ、そして女性らしさに強さを秘めたアップルがいて、これにメカニック兼パイロットのデイブ、特殊チームホワイトナッツの長官ゴードとその秘書エイミがいて、このへんがレギュラーキャラですね。で、彼らはもちろん、サブレギュラーの面々、そして敵であるノーザからもいくつも顔、名前が思い出されて、ほら、『ジリオン』といえばバロン・リックスという人も多いはず。リックスは敵ノーザの武将であるのですが、鞭に変わる長剣を手にJJを追う彼の悲壮な姿にしびれた人は少なくないはず。格好良かった。敵が格好良ければ、その敵を向こうに決死の戦いを繰り広げるチームメンバーも当然かっこよく、シリアスを嫌いながら時にシリアスにならざるを得ないという、そういうバランスも含めすごく楽しく、なにより面白かった。

私が『ジリオン』をいい!と思っているのは、チームのそれぞれが、自分にできることを精一杯なそうとする、そういうところがちゃんと描かれていたからじゃないかなと思っていて、メインの三名は当然として、デイブにしてもエイミにしても、マスコットキャラであるオパオパ(そう、『ファンタジーゾーン』のオパオパだ)にしても、皆がそうなんですよね。そして、ゲスト扱いの人たちもそう。あまりに強大すぎる敵ノーザに徹底抗戦をしくマリス軍の兵士たちは、名のあるものもないものも、活路を切り開くべく戦い、ばんばん散っていく。ゲストとしてストーリーに現れて、少なからず主要メンバーに関わった人たちも、ばんばん死んでいく。けど、それがただ戦闘の苛烈さの演出のために死んでいっているわけではなく、その先にある希望をつかむための礎として散っていっていることがわかるから、じんとするし、ほんの数秒、一シーンのできごととしても軽さは感じない。そんな気がするのです。

さて、このDVD-BOXには、後にOVAとしてリリースされた『歌姫夜曲』が収録されておりませんで、友人はこれをレンタル落ち? のビデオで補完したとのこと。だから私も見ることできたのですが、やっぱりビデオとなると画質が落ちます。どうせなら、これもDVDで出してくれよー、と思います。『歌姫夜曲』は『ジリオン』本編を離れての、スチーム・パンクっぽい特別編でありまして、ノーザ側主要キャラも出てくるけれど、みんな擬人化、げふんげふん、人間として描かれています。これが、雰囲気を壊さないいい感じでして、けど雰囲気といえば、ゴード長官の扱いに私は泣きました。いや、ゴード長官、好きなんですよ。堅いおっさん、って雰囲気のあるキャラクターなんですが、それでもやる時にはやるという、そういう存在感があるんですよね。それにラストに向けての流れにおいて彼の果たした役割は決して小さくなく、いやあ、あのシーケンスは泣きますよ。なのに、なんであんなになってるんだー! ちょっと残念。けど、まあいいか。ラストに向けてかっこよすぎた分のおつりと思っておきましょう。

長くなりすぎたな。だから、最後に一点だけ。当初は銀河帝国を打ち立てるべく侵攻を開始したといわれていたノーザですが、回を重ねるごとにそのストーリーが膨らんでいったのか、単純に侵略して征服してというだけが目的でないと語られるにいたって、そしてその目的の正当性あるいは共感性もあれば、あのラストがあれだけの力を持つにいたったのだと思います。全体のストーリーを通して下駄を履かされた感もある主人公たち、何度か起こった奇跡もあり、けれどあのラストがあれば、そうした下駄も奇跡も、すべてが神の意思のもとにあったのだと納得できる。そう、昔のアニメ(まあ今もですが)にあるちょっとしたご都合主義、それらを全部ちゃらにして目をつむらせることのできるほどに強靱なラストでした。正直、名作であると思っています。

というわけで、私は今激しくDVD-BOXが欲しいです。

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