2007年7月4日水曜日

ビギニング / めぐりあい

 iTunes Storeから届けられるNew Music Wednesday、今週のトップには機動戦士ガンダムが燦然と輝いて、おお、そういえばBANDAI CHANNELがiTunes Storeにガンダム関係の楽曲を提供するだなんだってニュースやなんかで見ましたなあ。そうかそうか、ニュース見たときには探すのが面倒くさいからといってそのままにしていたのですが、特集ページへのリンク付きで紹介された日には、ちょっと見てみようかなって気にもなりますわね。で、見てみたら、結構な充実? 私はてっきり最初のガンダムしかないと思っていたんです。そしたら、歴代のシリーズがずらりと並んでいましてね、で、最初にチェックするのがΖガンダムなんですよね。でもさあ、なんでか知らんけどΖΖとコンパチにされてるは、主題歌入ってへんはで、こりゃちょっとショックですぜ兄さん。こりゃもうあかんわ、パスパスと思いながら『ファーストガンダム パック - EP』を購入。だって、『ビギニング』に『めぐりあい』が収録されてるってんですよ。こりゃ、あらがえません。私は、私はこの二曲がもう好きで好きでたまらんのです。

ガンダム好きには今更いうまでもないことなんですが、井上大輔の歌うこの二曲、映画になったガンダム第三作目『めぐりあい宇宙編』における主題曲、映画のクライマックスに挿入されて、胸が熱くなるとかなんとか、そんなレベルの話じゃないんですよ。好きとか嫌いとか超越してる。いうならば、私の幼い頃に憧れて夢見た大人の世界の原風景として心の奥にがっちりと食い込んでいる。ガンダムの、アニメの、あの宇宙の青く深い映像のその向こうに咲いて散って、そして思いをつなげあった若者たちのドラマとしっかり抱きあうようにして、私のなかに沈み込んでるんです。分かつことのできないくらいに、焼き付くみたいにして私の心の奥に残っている。ふと、日常の合間にメロディが、歌詞がよみがえってくることがある。その度に私はしんみりとして、けれどそれは弱気になってるんではなくて、涙ぐみながらも私はこれからも生きていけると決意するかのような、そんな思いになれる、そういう歌であるのです。

ガンダムの主題歌といったら、そりゃいうまでもなく『翔べ!ガンダム』なんだけどさ、けれど巷で人気なのは『哀・戦士』みたいで、カラオケでアニソン歌おうぜみたいになったら『哀・戦士』歌うやつはわりといるような気がします。確かに『哀・戦士』もいい歌です。悲壮感漂わせながらも前向きに、顔あげて進んでいこうぜみたいなそんな意気軒昂としたところのある歌、そりゃみんなで盛り上がっていこうぜってときにはこれでしょう。けど、私は、テレビシリーズ見ていたときから主題歌よりもエンディング『永遠にアムロ』の方が好きだったというような子だったから、陰気な小学生だな、けれど好きだったんだから仕方がない。こんな憂鬱質の子供だった私には、ちょっと『哀・戦士』は勢いがよすぎた。だから、劇場版見たら、最後に心に残っているのは決まって『ビギニング』、そして時がすこやかにあたためる愛/そして時がすこやかにそだてる愛のフレーズ、そして『めぐりあい』、誰もひとりでは生きられない — 。

誰もひとりでは生きられない、シンプルにして真実をうがつ一言であると思います。ガンダムの物語の帰結をこの少ない言葉で充分に表現して、そしてそれは当時の若者たちの心情を捉える言葉であったのだと思います。私は、その頃はあまりに幼すぎたけれど、後にしっかりととらわれて、そういう人はきっと少なくないと思っています。自分一人で生きているみたいに、どんどん非人情の側に流れていく私に、そうじゃないんだと呼びかける歌、決して忘れてはならない歌だと思っています。

BANDAI CHANNEL / バンダイチャンネル

引用

  • 井荻麟『ビギニング
  • 井荻麟,売野雅勇『めぐりあい

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

こんばんは

ビギニングは見逃しちゃいました、これ以上は厳しいので少し我慢しましょう。

めぐりあいは、聴いたら当時映画館で見て感動した事まで思い出しちゃって。ジーンと来ちゃいました。こういう記憶ってすごいですよね。

ガンダム関係は封印してたんですが、これを機会に見直して見ようかな?。

matsuyuki さんのコメント...

『ビギニング』は漏らしてしまわれましたか。けど、今こんなこというのもなんですけど、『ファーストガンダム パック』はセットで購入すると800円でした。まとめて買われたらよろしかったのに……。

yujirocketsさんは、劇場版を劇場でご覧になったんですね。それはうらやましいです。私はガンダムで劇場でとなると『逆襲のシャア』しか知らないのです。

劇場で観たというのは、その記憶だけで、その時代に思いを同じくした人たちと繋がっているという実感を持たせてくれるように思います。