2008年2月5日火曜日

カラフル曜日

 別に、好きだった漫画の棚卸しをしたいわけじゃありません。けど、今いっておかないと、もう次いついえるかわからない、そんな気がするから、力いっぱいここに書いておこうと思います。ウエクサユミコの『カラフル曜日』が好きでした! いえね、以前『まんがタイムきららMAX』に連載されていた漫画なんですが、これ面白かったんですよ。不幸体質のひよこのもとにやってきたエンゼル。これ、抱き枕といわれてるけど実は別物らしく、しかし神様もなにを考えているんだろう。妙にアダルトっぽいネタが、ポップでキュートなキャラクターの繰り広げるどたばたとした騒動の向こうに見え隠れして、その微妙なバランス感覚、好きだったなあ。そんなこと思いだします。

(画像は『ぐるぐるクリーチャー 第2巻 オボエテロ!』)

エンゼルが抱き枕でなければなんだというのか、それはダッチワイフだなんだっていわれてて、なんと! 抱き枕というのは、伏せ字で表現されたそれを、小学生のひよこが誤って読んじゃったところからきているんですね。さて、おとなしくてちょっとついてない女の子ひよこのもとにはそのエンゼルが一体。妙に要領が悪いというか、やっぱりついてないというか、神父様のもとには三体。こいつら、見た目にはちっこくて可愛いんだけど、口さがないというか、やけに生意気というか、結構トラブルメーカーで、けれどそんなエンゼルがひよこにとっては確かに大切な友達というか、心のよりどころというか、そんなだったのが愛らしく、よかった。けど、神父様にとってはどっちかというと心の重荷というか、振り回されてばっかり。そうしたところも面白かったなあ、そんな感じでした。

記憶が確かなら、生きるのに疲れたひよこは早々に一度死んでるんですよね。死んで生き返ったというか、死んだまま生きているように生活しているというか、ゾンビになったりもしてましたが、見た目可愛いのに、キュートでポップな作風なのに、どことなくシビア、そしてシュール。それは直接的なおかしみ、わかりやすい笑いではなかったかも知れないけど、なんかにやりとさせられるというか、変に癖になる味わいを持っていて、チャンネルのあってしまった人にはきっと強烈に作用したんじゃないかなあと思うんです。そして実際私にはそういう感じで、すごく楽しみにしていたし、すごく大切に思っていた。そうしたら、ある日突然終了。え? なに? えー! ショックでした。あん時は最終回ラッシュとでもいおうか、次々と最終回を迎えるもの続出して、その度にショックで、こんな思いするなら四コマなんぞ読むのやめようか。そこまで思ったものでしたが、けど私も悪いのですよ。

アンケート、出してなかった。私が出さなくても、読者全体の傾向は変わるまい。もしそれで自分の好きだった漫画が終わるとしても、自分は黙って受け入れよう。そう思っていたら、あんまりの最終回ラッシュ。もう、もう、駄目だと思った。そして、声は、声は届けないといけないと、心の底から思ったのでした。

以上、そんなわけで、雑誌のアンケートはすべて出すようにしています。

『カラフル曜日』で面白かった回、割とたくさんあったのですけど、神父様がひよこに世界史を教えるという回、あれはすごかったな。思い出してなおそう思います。ページ数も少なく、本数も限られる四コマで、ヨーロッパ史をばっちり紹介して、それが実にわかりやすく、うわうわ、なにこれ、今までこんなにわかりやすく教えてくれる人はいなかったよ! 感動しました。これは一種の才能だなあ、いやあ面白くなってきたよ、そう思っていたその頃が、私にとっての最初の『MAX』の盛期であったと思います。

その後、四コマにおける精神的冬の時代を迎え、いつしかそれを脱しているわけですが、それでもたまに『カラフル曜日』思い出すこと、例によって例のごとくです。そして、やり残しがあると、人はそれをことさらに苦く感じるのですね。申し訳ない、そういう思いが今もなおくよくよとさせて、いや本当にごめんなさい。もっと早く動けばよかった。こうした気持ちを今なお拭えないんですね。

  • ウエクサユミコ『カラフル曜日』

参考

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