2008年5月18日日曜日

Filofax Kendal

 手帳問題、一段落いたしました。ええと、買ったんですよ。今なにかと話題のFilofaxです。いや、ほんと、この数日は日ごとに新たな展開があるという、実にエキサイティングな毎日でありまして、発端は14日の水曜日のこと。手帳が欲しいがどんなのがいいのだろうと、ぶらり見回った店頭に発見した茶色の革のシステム手帳。ああ、なんかいい風合いだなあと思ったのですが、値段が少々高めだったので頭を冷やそうと思って、その場は撤退。けれどうっかりブランド名を控えるのを忘れたのですね。だから、翌日木曜日、そのブランドがイギリスのものだったという記憶を手がかりに検索して、FilofaxのKendalというモデルというところまで突き止めました。そしてその翌日、金曜日、RSSリーダが気になるニュースを拾ったのです。

asahi.com:英ブランド手帳、中国製なのに英国旗 不当表示で処分へ - 社会

おーまい、青天の霹靂だ。記事を読むと、輸入代理店が景品表示法違反(原産国の不当表示)の疑いで、公正取引委員会の調査を受けているんだそうでして、つまりは手帳は中国で生産されているにも関わらず、その事実をあやふやにすることで、優良誤認を招く意図があったというのでしょう。確かにあの強気の価格です。Kendal A5でいいますと、イギリスでは77ポンド(15,706.722円)、ヨーロッパでは145ユーロ(23,541.302円)、アメリカでは115ドル(11,986.45円、いずれも2008年5月18日現在)、それがなんで日本だと34,650円にもなるのさって話でして、いやドルは今値を下げていますからあまり参考にはならないとは思いますが、本国イギリスと比べても倍以上。もしこの手帳が本国並とはいわなくとも、ユーロ圏並であったらば、もう少し買いやすかったろうになあと思う気持ちはありまして、それで迷っていた矢先の公取委調査です。ほんと、どうしようかと思いましたよ。

私はこの手帳が中国生産であるとかは割と気にしていなくて、結局はどこで作られていたとしても、きちんとした品質管理体制が整ってたら問題はないわけです。その後調べてみたところ、昔に比べると品質は落ちたなんていわれていまして、そうかあ、だとしたらそれは残念なことです。でももうそれは仕方がないし、たまたま気に入ったモデルであるKendalは2006年の新製品でありますから、質のよかったという十年二十年前のものが手に入ろうわけがありません。じゃあ、まあいいや。あの強気価格で買うことを納得できるのなら買えばいいし、そうでないなら値引きしている店探すなり、個人輸入するなり、はたまた別のブランド、別の手帳選ぶなりすればいいだけの話です。そして私は、店頭購入を選んだのですね。でも、店にいったらこないだは確かに陳列されていた商品が根こそぎ消えていたのには参りました。

Kendal、バインダーはオイルレザーが使われているのですが、そのマットで温かみのある質感が魅力的だと思ったのです。確かにオイルレザーは傷のつきやすい材質で、実際展示品もあちこち触られて、大きなこすり傷がいくつもできていたのですが、逆にそうした傷が風格になってよいなと、そういう印象与えてくれて、実はこれ私にしては珍しいことです。傷なし、綺麗なままがいいと思うような人間だったのですが、ちょっとずつ変わってきているのかも知れません。実際、使っている間にできる傷は、そのものの持つ歴史であると思います。あまりにひどいものは別ですが、大切に、あるいは普通に使っていてできる傷は、私の使い方が刻まれた一種のフィンガープリントでしょう。大量生産品が、他のなにでもない、私の手帳になる。それもまたよいかなと思うのですね。

リフィルはばりばりの欧米仕様で、カレンダーなんかはまさしく日本お断り感が漂っているのですが、そこはまあ気にしません。日本の休日に関してはシールもついてくるから、暇な時に貼ってもいいし、自分で書き込んでもいいし、もうお好きにってところでしょうね。ただ、ちょっと驚いたのが、冒頭に用意されているPersonal Informationに日本語のページが用意されていて、ほー、まったく無視されているわけじゃないんだ。これも、ぼちぼち埋めていこう。ただ私の場合、勤務先住所ががさっと空いてしまうのが空しいところで、いや、働いていないわけじゃなくて、帰属意識が強烈に低いのです。けど、これらの項目見てると、かかりつけ医師や歯科医の欄もあって、このへんは日本人の発想じゃないと思わされます。

さて、こうして手帳を手にして、そこには当座のリフィルが用意されていて、じゃああとは使うだけというところまでこぎ着けました。果たして私はこの手帳になにを書くのでしょう。とりあえず綺麗に行儀よく使うつもりはさらさらありません。とにかくなんでも、覚書を書く、気付いたこと、興味を持って調べたことを書いて書いて書いていくつもりです。アドレスには、コンピュータのAddress Bookから少しずつでも写していくとして、とにかくこの手帳に情報を集約させるのがいいのでしょう。仕事上の気付いたことでも、趣味、日常のなんでも。アイデアから調べものから、気付いただけのことまで、なにでも書くことにしたいと思います。なにか知りたい、思い出したいとなった時、この手帳が助けてくれる、そんな頼もしい相棒、秘書のようになってくれたらどんなにかよいだろうと思うのですね。

ペンは、一応用意したのですが、ペンホルダーにはおさまらないので、ジャケット必須ぽいです。ボーテックスのF字、オレンジ軸にはブルーブラックを入れて、そしてもうひとつ、ボールペン。書く道具もこだわらない。その時その時のベストで、思いついたままに記入、まとめは後日。リフィルを差し替えられる手帳の便利は、あとで編集できることだと思いますから、まずは考えずに書きはじめる。それをやっていこうと思います。

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