2008年6月5日木曜日

たのしいいちにち

 だんだん充実していく、こぐまちゃんの絵本。最初は思い出の絵本『しろくまちゃんのほっとけーき』、次いで『こぐまちゃんいたいいたい』。そして、新たに加わったのが『はじめてのこぐまちゃん』三冊セットです。『たのしいいちにち』、『じどうしゃ』、『どうぶつ』の三冊が一そろいにまとめられているもので、はじめてのと銘打たれているとおり、対象年齢は零歳から。姪は今、一歳半ってところですから、今のこの時期を逃すともう与える機会が永遠に失われる、ってそんなに大げさな話ではないんですが、でもどうせ与えるなら丁度その効果的な時期がいいじゃありませんか。というわけで買ったんですね。

零歳児からということで、内容は極めてシンプルです。『たのしいいちにち』、朝起きてから寝るまでが数葉のイラストで表されていて、あさごはん、はみがき、すなあそび、おふろ、おやすみなさい、五つの場面ですね、左ページにこぐまちゃんが、右ページには歯ブラシ、シャベル、洗面器といった、それぞれの場面で使われる道具が描かれている、これが基本的な構成となっています。

この絵本には、台詞といったものがまったくありません。またストーリーというものもなく、ただ場面が道具とともに淡々と示されるだけ。だから、子供の興味を引くかどうかは読み聞かせをするものの力量次第であるといってよく、子供と一緒にページ見開きに広がる、かわいくカラフルなイラストを見ながら、どれだけ語りかけをできるか、どれだけ物語を紡げるか、その能力が試されるといっても過言ではありません。でも、あんまり難しく考えることはなくて、ええ、大人も一緒に楽しめばいいんでしょうね。子供の頃を思い出して、読み聞かせてもらった絵本のこととか、そして、あさごはんなら、朝ご飯の風景思い出しながら、感じたことを言葉にして、ひとつひとつ伝えていければ素敵だと思います。台詞もなにもないというのは、こぐまちゃんをとおして、私の世界を語りかければいいってこと。ええ、親なら親として伝えたいこの世界のこと、親でなくとも、先に生まれたものとして、後に続くものに伝えたいことを、自由に、それこそアドリブで、即興で、喜びとともに伝えることができたら、どんなにかいいだろうかと思うのですね。

けれど、最近姪は外遊びが好きなんだそうで、絵本の出番は少ないとのこと。でも先日梅雨入りしたから、また絵本を読み聞かせることも増えるでしょう。晴耕雨読、晴れたら外で、降ったら家の中で、その時々の楽しいことをさせてやるのが今は一番なのかなと思います。

  • 若山憲『はじめてのこぐまちゃん』東京:こぐま社,1995年。
  • 若山憲『たのしいいちにち』(はじめてのこぐまちゃんシリーズ) 東京:こぐま社,1994年。
  • 若山憲『じどうしゃ』(はじめてのこぐまちゃんシリーズ) 東京:こぐま社,1994年。
  • 若山憲『どうぶつ』(はじめてのこぐまちゃんシリーズ) 東京:こぐま社,1994年。

0 件のコメント: