2008年7月1日火曜日

「Lの季節2 -invisible memories-」オリジナル・サウンドトラック

 『Lの季節』の2が出るってよ! ってはじめて聞いた時、どちらかというと乗り気でなくて — 、もちろん興味はありますよ。けどそれよりも怖れの方が強くって、なぜ今更というのがひとつ。なにしろ1999年発売のゲームです。およそ十年が経って、あまりにも状況は変わりました。ゲームを取り巻く状況も変わった。作り手も、たとえオリジナルスタッフ再結集を謳うとしても、以前と同じではありえないでしょう。そして最も問題なのは、私も変わったということです。十年の月日はあまりにも長すぎます。もう私にとって『Lの季節』は思い出で、それも美しい思い出で、だからその思い出が壊れるようなことがあったらあんまりだと思い、怖れたのですね。けれど、登場人物に天羽さん鵜野杜さんを見て、さらに星原さんも見付けて、これは買わないなんてありえない。思い出の後押しを受けるようにして、購入を決定したということを以前お話しました

『Lの季節2』はゲームが限定版と通常版、そしてサウンドトラックが同日発売、最近ではこういうリリースの仕方が多いみたいですね。昔なら、ゲーム出して、人気があるようならサントラだそうというところなんでしょうが、今はもう人気シリーズともなると、最初から予定されている or 同時発売される or 先行発売されるなんてこともあるようで、私みたいなオールドタイプはその状況の変わりように驚かされます。

私が購入したのはもちろん限定版。当たり前です。限定版には前作のガイドブックとサウンドトラックが付いてきて、そのかわり値段がちょっと高め。正直な話、前作を数年にわたってプレイし続けた私にとって、もうガイドブックは必要ない…….。私は一人で自在に泳げるのだ。けどそれでも欲しいというのは、そりゃもう業でしょう。そこに描かれている内容を余すところなく見たい。ファンブックも攻略本も持ってるのに。サントラは、これはちょっと重要かな。『Lの季節』のサントラって主要キャラクターはアレンジ版が収録されてましたから、ゲームオリジナルの音源というとこれが初になるんじゃないかな。てなわけで、実に大期待ですよ。いやね、昔のもろもろにとらわれてるばっかりじゃ駄目っていうのはわかってるんですよ。けど、それでもやっぱり過去作あってのものかなって。作り手もそのへんおわかりなんでしょう? だから、あえて天羽さんや星原さんを出すんでしょう?

サウンドトラックは実は昨日手に入りました。いきなり発送しましたメールが届いて、えーっ! 前倒しでのリリースかと驚いて、でもって手もとにきたら聴きますわな。私の場合、ここでiTunesに登録するために諸情報入力するのですが、そうしたら一部の曲の作曲家のクレジットがなんだか変で、アルファベットで書いてある。読めば、tonkinhouse。ああ、と理解しました。前作の曲をリアレンジして収録しているんですね。そして聴けば、確かに耳に覚えのある曲、曲、曲です。特に印象に深かったのが星原で、なんでだろう、あの人のテーマを聴けば、厳粛というか、そんな気持ちになる。音楽というのは、極めて高度な精神活動の所産でありながら、理性よりも感性に訴えるところが強く、匂いが忘れていた遠い昔を思い出させるように、音楽もまた懐かしい記憶を一度に鮮やかにしてくれるものですね。私にとって、このゲームの人たちは、極めて大切な友人のようであって、そうした人たちに再び会えた。そんな実感を色濃くさせたのは、間違いなく彼女らのテーマであった。そのように思います。

編曲が一新されているから、昔のようであって昔のままではない。この言葉の意味は、ゲームをプレイすればよりいっそうはっきりしてくるのではないかと思われて、私の住む現実の世界では九年、彼女らの暮らす現実界 / 幻想界では一年が経過した、その時間がなにをもたらすのか、怖ろしくもあり、楽しみでもあり。ええ、やっぱりこうして具体的に触れるものが増えていけば、身に心に迫るように実感はいや増して、ざわざわとした胸の騒ぎに穏やかではおられない、そんな気持ちになろうものです。

といったわけで、ここ数週間、数日は、ダイスロールしながらも、過去の記憶を呼び戻す行為にふけっていて、いやなに、凍結されていた時間は、きっかけさえ与えられれば、なにごともなかったように生き生きと色を取り戻して動き出すものですよ。かくして私の心は一年前の事件に立ち返り、そして7月3日には新たな季節に繋がろうとうずうずしています。

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