2008年9月22日月曜日

詳説世界史研究 改訂版

 つ、ついに買った。山川出版社の『詳説世界史研究』。もちろん日本史も一緒にさ! いやね、QMAをプレイしてみて、改めて自分が歴史というものをわかっていないと思い知ったわけですよ。まいったなあ。まったく知らないってわけじゃない、変に詳しいところがあったりする、その反面、ちゃんと知っておくべきところを落としている、そういうのが私の常ですが、歴史に関しては落としている方がはるかに大きくて、これはいかん、これはいけません。だから、教科書でも買ってきて復習しようかなあなんていってみたら、山川の参考書がおすすめだ、と教えてくれる人があって、だから買った! たかがゲーム、たかがクイズに必死です。でも、これはクイズのためでもあるけれど、自分を鍛えるためでもあります。歴史の流れを知ることで、今の状勢を少しは把握できるようになるかも知れない。そんな期待もあるものだから、なにを差し置いても歴史を押さえたいと思ったのでした。

しかし、歴史は高校でもやったはずだ。けれど、あれらはちゃんと学んだうちには入っていません。学期学期の試験に間に合わせるための暗記、休みに入る前に揮発する知識でしかない、それがはたして知るということかといえば、否といわざるを得ないでしょう。そう、私は学んでいませんでした。それは、歴史を学ぶということの意味を理解していなかったからにほかならない、今となればそう思います。私が学びに目覚めたのは大学に入ってからですが、語学をやり、そして歴史の重要性を知って、ですがおおまかに、当座必要なところを押さえる程度にとどめたのは、今さらながら失敗ですね。思えば、その時にこうした参考書を使って、しっかり基礎を作っておくべきでした。でも、人生に遅すぎるということはありません。今からでも、押さえられるべきところは押さえておきたい、長くそう思ってきたところに、QMAが背を押した。ええ、本当にいいきっかけを作ってくれました。

私の得意は中世ヨーロッパです。魔女狩り、異端審問、拷問、処刑などなど、暗黒のヨーロッパ中世は知るほどに深く、そして意外と豊かな時代です。そんな時代に生まれたいだなんて、露ほども思わないけれど。領主が、自分の領地を守るため、自分の妻をだしにして放浪の騎士を囲い込んだかと思えば、キリスト教会はローマ帝国の築いた基盤を乗っ取るかたちで版図を広げ、税を徴収、肥え太ったんでしたっけ。そして富が集まるところには文化が興る。聖画、宗教音楽は、中世の思想を反映し、高度に洗練されていきます。ビザンツ、ロマネスク、ゴシック。音楽が花開くのはゴシックくらいですね。ノートルダム楽派、レオニーヌスやペロティーヌスといった作曲家が現れてきます。これ以前に現れる個人の名前は、理論家だとかそのあたりにとどまっていて、いわばゴシックがアノニマスから個人名の現れる時代に移る転換期ということなのでしょう。このあたりは多分この本では触れられない。だから、また別の本で学び直したいところだと思います。

上記の私の中世ヨーロッパ観を見てもわかるとおり、私の知識は大いに偏り、また歪んでいます。いろんなところでつまみ食いした知識を継ぎ接ぎにしているから、所々おかしな接続をしているし、また明らかな誤りなんてのもあって、いわば私は歴史における異端を地でいっている。だからこそこれからの歴史の学びに期待するところ大なのです。

けど、ちょっと読んでみて、確かに面白いんだけど、ひとつの時代が端的にまとめられている、そのまとめから漏れる部分がたくさんあって、それがやっぱりもったいないなあと思います。歴史は事項の羅列なんていわれることがあるけれど、久しぶりにそうした言葉を思い出しました。こうした事項の連なりの向こうに、その時代時代に生きた人たちの暮しや欲望なんてのが見えてくると面白くなるんですが、そうなるには教科書を読み、副読本を読み、ただ知っている、覚えているという状況を抜ける必要があるんでしょうね。副読本は歴史書でもいいし、小説でもいいけど、うまく選ばないと、偽の記憶、嘘の時代感覚を植え付けられるからなあ。てなわけで、これというものが見つかるかどうかはわからないけれど、面白い副読本も探しながら、少しずつ歴史というものを知っていきたいと思います。

で、多分この知識はクイズには役立たないんだろうな! そんな予感がひしひしとしています。

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