2009年6月12日金曜日

『まんがタイムラブリー』2009年7月号

毎月13日は『まんがタイムラブリー』の発売日。けど、なぜか今日買えました。なぜか今月は12日発売。例月よりも1日はやく発売されて、土曜に出歩かなくてすんでラッキー、だったのかな? だから、発売日入手圏にお住いの方は、今日買えます。しかし、第2週は配本が休みとか、そういうとりきめでもあるんでしょうか。いやね、芳文社のカレンダーを見てみたら、今週を除いて、きれいに土曜にコミックスやら雑誌やらが発売されるものですから。しかし、来週から連続で、休みの日に出歩かないといけないわけか。ちょっとがっかりしますね。

『天使な小悪魔』は、花園の面々を描いた漫画というより、失意のアイドル、カイトの明日はどっちだ? という、そんな雰囲気になってしまって、けどちょっと面白い。あの、お母さんがすごいよね。以前からなんだけど、徹底している。そしてそれは今回も。やさしい笑顔の影に隠れた本性が実にいやな感じで、それだけにカイトから目が離せないって感じになっています。きっとカイトは立ち直るんでしょうけど、それまでにどんな紆余曲折があるんだろうか。それが気になります。

うさぎのーと』は、カツ揚げがうまい先生がカツアゲを阻止する話。カツアゲの由来は、恐喝して巻き上げるから、かつあげなのか。それは知りませんでした。しかし、あの人があの発言をすると洒落にならない、それがとてもよいと思います。

それにしても今回は面白かった。ミラクルの予測不可な落ち。片岡の強烈な魅力にまいっている男子数名。しかし、いや、これ以上は変態的になるからしゃべらない。今まであまり意識してこなかった大鎌くん、彼のモチーフはカマキリですね、なんだかちょっとわくわくさせてくれて、ああいうキャラクター、実はすごいよ、っていうようなのね、好きみたいですよ。でも、大鎌くんがおおかまなら、片岡はなにかまなんだろう。大好きです、片岡。で、犬飼(弟)先生の、怖いんだか圧倒的なんだかよくわからない見せ場。あれもいい。あの、目付き悪くぼーっと座ってるだけみたいなコマから、凄んで見せるあの流れ、いいね、いいよ、先生素敵! 馬鹿馬鹿しいネタを積み込みながら、けど大きな流れは暖かみにあふれていて、いい話でした。

『だんつま』、ドロ遊び!! で誤魔化せてしまう主婦、素晴しいな。こういう稚気にあふれた人、実によいと思います。そして、この人のまわりの人たちも、負けず劣らず、笑顔で怒る未歩さんなどとても魅力的です。『先生はお兄ちゃん。』は、園児まゆと高校生月子が出会ったという話。しっかりしてるんだかしてないんだかわからんまゆが可愛くて、あのきっぱりとしたしゃべりかた、この頃からだったんだ。この口調が好きなんだ。なんだかよくわからんが、たまらんのだ。そして、ちょっとずつムンチャイ関係者の設定があきらかになっていって、そうか、じーさんがムーンチャイルド作ったんだな。しかし、月子が生まれてムーンチャイルドを作ったのか、そうだとすると、そんなに古い会社じゃないのかな? などいろいろ思ってしまうのは、そうしたところ気に入ってるんでしょうね。とりあえず、人さらい 人さらい 食べられるーはよかったです。

『たたかえ!WACちゃん』、さすがにちょっと無理がないですか……。けど実際問題として、こういう人は入れるんだろうか。けど、それ以上にヅカの人はなんなんだろう。なんであんなに詳しいんだろう。マニア? 最初先輩かと思ったんだけど、どうもそうではないみたいだし、なんだかなあ。解説役なんだろうけど、しかし普通に半長靴という用語が出るというね。割と自衛隊の宿舎は自由で、売店でゲーム誌買えたりするとかいう話ですけど、こんなにゆるいってこともないと思うんだけど、なんかもうちょっとぴりっとお願いしたいところです。

パニクリぐらし☆』、風呂敷って駄目ですか? というか、柄の問題? 唐草模様の風呂敷って漫画とかネタグッズでしか見たことないんですけど、本当は由緒正しい柄なんですよね。なんか、その扱いの変化が不憫と感じたりしたのでした。で、漫画はというと、ちょっといい話。もちろん落ちもついて、いいじゃん、仲良し家族だよ。鞄は兄妹お揃いで使えばいいんじゃないでしょうか。より仲良し家族といった感じが強調されてよさそうです。

『ペンとチョコレート』は割と好き。けど実は序盤、『なのはなフラワーズ』とちょっとごっちゃになってました。あの思わせぶりで、いうこところころ変わる編集はどっちの編集だった!? みたいになってて、それでちょっと入り込みにくかったような覚えがあります。最近ではあんまり読まなくなったけど、こうしたレディーズ誌に載ってそうな漫画、結構好きで読んでたんですね。あの恋愛に関して自爆して、それでしみじみ語って照れるところとか、あのすみっこに座りこんで話し込むっていうところとか、そういう細部にひかれているように思います。

『アイムホームあかり』、ゲストです。というか、ゲスト多いよね。ここからゲストラッシュだよ? 漫画の雰囲気、なんかどっかで見覚えが? と思ったんだけど、はじめましてだそうなので、多分勘違い。新しくやってきた大家代理の娘さんの奮闘記。結構強引な手腕、そしてまだまだ発展途上というところ。まだ顔見せといった感じだけど、続けて読んでるうちに馴染んでいくんじゃないかなって思っています。あの、お婆さん、と呼ぶのも失礼な気がするけど、あの御婦人の存在がいいなって思ってます。

リカってば!』、安曇さんはかわいい、うん、かわいい、すごくかわいい。しかし、本編はほとんどリカとの悶着の思い出じゃないか。なんか不毛な恋愛してるなって気もしないでもないけど、しかし、それでも安曇さんがかわいいと思えるならいいのんか。その安曇さんですが、可愛いだけではない、そんな表情が現れてきて、とてもいい感じに思います。塚田の魅かれる女は、きっとみんなミカちゃんタイプなんだよ。以前の彼女もそうだったじゃないか。だから、きっと安曇さんもそうなんだよ。

『きまぐれオフィス』、私がラブリー読みはじめたころの四コマ誌は、こういう感じの漫画が多かったような気がします。古くさいっていってるんじゃないよ。駄目な先輩と、どじな新人、微妙な人材が働くオフィスもの。楽しみにしようと思います。

『縁側ごはん』は、え? なに? 逆転ホームラン? この漫画の主人公、あまりに自由人、そう思っていたら、姉は輪をかけて自由人だったという。というか、常識を意に介さないって感じですね。せかせかこせこせとした日常から外れている、そうした雰囲気が気に入ってるんだと思うのですが、妙に厳格な家に育ったヒカルちゃんは、非常識姉弟に感化されてしまうんでしょうか。だったらいいなあ。で、レギュラーになったらいいなあ。などなど。

『ミニっきえにっき』は、なんか変なの出た、と思ったら、いきなりの変態呼ばわり。酷いのか妥当なのか、それがわかりません。どうでもいいことだけど、このBlogで一番読まれている記事は、変態と連呼する漫画に関するものだったりして、そうか、やっぱりみんな変態が好きなんですね。でも、この漫画の変態は、別にそんなに変態ではなくって、暑苦しい体育会系というのを絵にしてみましたといった感じで、しかもそれがイルカだから、なんともいえない奇怪な感じがただよっています。いい話を期待してがっかりするミニ様が見どころかも知れません。しかし、このなんでも強く言い切ってしまうことで、そうなんだ! と思わせる技法は、現実世界においても有効なのではないかと思われますね(というか、結構有効らしいです)。

『私のヤンチャな執事クン』は、てっきり勝気なお嬢様に従順に付き従う若く優秀な執事ものかと思ったら、違ったのか。作者は藤城ショーコ。この人の絵、結構好きなんです。けど、従順に調教されていく尊大なお嬢様っていうのは、私の好みとはまるで逆だから、なんともいいにくいものがあります。最近の私のお気に入りのアリスといえば、GENERATION XTHの尊大なアリス隊長や、PandoraHeartsの血染めの黒うさぎだったりするので、こちらのアリスさんにも頑張ってもらいたいものだと思います。

『FLIGHT TAXI』、わけありなお嬢さんなのかと思ってたら、そうでもなくて、まあよかったなあと。神経質な絵、辛気臭い雰囲気は正直なところ好みです。でも、あんまり残らない漫画だったと思います。台詞とか、随分ぶってたんだけどなあ。

『できる女には秘密がある』は、覚えてるよ、第3回まんがタイム新人4コマまんが大賞の人だ。何賞だったかは忘れたけど、このお姉さんは覚えてる。どうも私は、ちゃんとした人に見せてるけど、その実は酷いろくでなし、でたらめな大人というキャラクターに魅力を感じてしまうようで、だからこのお姉さんは実にいい感じです。まあ、ろくでなしの種類、でたらめの程度にもよるんでしょうけど、しかしこのお姉さんはとてもいい感じです。悪い人間じゃない、人に迷惑かけることもあるけど、陥れよう、足を引こうというような感じがない。自分の駄目なところもわかってる、なんとかしないといけない、そういうこともわかってる、けどどうにもできないというもどかしさに共感してしまうのかも知れません。

共感してしまうというところからも明らかかと思いますが、私とこういうお姉さんは、共存できません。駄目のチキンレースみたいになること請け合いです。

『ヒーロー警報』、Yのいい人さが際立ってます。パリから舞い戻ってくれたんだ。しかし、この漫画は、かつて悪の側にいた人が成功していて、正義の側にいた人は微妙なポジションという、そうしたところ、なんか妙にシビアで、だって、Hって普通のサラリーマンですよね。昔は天才少年だったとか、そんなだったと思うのに、栄光は少年時代でピークというわびしさ。それがもう不憫で不憫で。けど、それでも楽しそうだからいいのでしょうね。最後の最後、大おちは素晴しかったです。そうか、成層圏を超えたんだ。なんか、かっこいいな。

『カフェらった!』は、男装女子大好きなので、普通に嬉しかったり。王子いいじゃん、けど王様のほうがもっと好きです。それはそうと、あのモアイのお嬢さん、彼女をもっと可愛く描いてあげて欲しい。あの人が初登場したときに、少女漫画的な残酷さがあると感じたのでした。けど、実際のところ、だんだんに可愛くなってきているようにも思います。頑張れ、千歳。応援しています。

『人生相談はじめました。』、ゲスト。なんとも酷い喫茶店なんだけど、あの店長が登場してくるところで、なんかよさそうだと思った自分が自分で理解できません。ゆるギャグを標榜している、そんな漫画で、たしかにゆるい、そんな感じではあるのですが、けどそんなにゆるすぎることもないと思います。最後の落ちの流れは結構好き。悪くないと思います。

サクラ町さいず』は、ミニブタが可愛いなあ。貯金箱みたいだ。ロッタちゃんのぬいぐるみみたいだ。でも、ああいうふれあいコーナーって、いや、やめとこう。ハシビロコウはそのインパクトからか、あちこちで人気であるようで、しかし本当に動かない鳥みたいですね。いい味出してると思います。

  • 『まんがタイムラブリー』第16巻第7号(2009年7月号)

引用

  • 渡辺志保梨「だんつま」,『まんがタイムラブリー』第16巻第7号(2009年7月号),36頁。
  • テンヤ「先生はお兄ちゃん。」,同前,41頁。
  • 長谷川スズ「リカってば!」,同前,97頁。
  • 藤城ショーコ「私のヤンチャな執事クン」,同前,146頁。

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