2009年9月2日水曜日

『まんがホーム』2009年10月号

『まんがホーム』の発売です。表紙はなぜか看護師コスプレらいかと恋愛ラボの主役ふたり。これは、病院いけっていってるの? って、そうじゃなくて、健康のためになにをしてますかというアンケート、企画とのからみです。夏が過ぎて、過ごしやすい季節になりました。ちょっと一息ついて、健康にも気をつけてみましょうってことなのかも知れませんね。しかし、それにしてもでかい注射を抱えるリコ。あれ、射されると、なんだか死にそうな予感がします。

メルヘン父さん』は、秋ということもあるのでしょう、読書、本がテーマになっていて、そうさなあ、私が今読んでいる本はこれ。本は、やっぱりよいものですね。心洗われます。押し入れ整理してたら出てきたという本、ナイチンゲール、星の王子さま、ユビワ物語、エルマーのだいぼうけん。ああ、エルマーは懐かしいです。竜がみかんの皮を食べるんですよね。子供の時分、どれほどに読み返したろう。友人宅で、学校の図書館で、いろんなところで、出会っては読んでいたように思います。

恋愛ラボ』。くそう、新聞部のふたり、可愛いなあ。きっとこうして糾合するのだろうと思っていた、そのまさしく新聞部が生徒会に繋りを持とうとする、そんな回でした。しかし、ただ協力するだけかと思ったら、あの見返りの話、意外というか、すっかり忘れていただけに、なんだかぐっときた。こうした、人情のもろもろを描いて、面白いのが宮原るりかと思います。それで、次回はリコの話にうつるのかな? あるいは、スペシャルでやっている展開と連携させるのか。わからないけど、どのようになっても面白そうと思わせます。

『天国のススメ!』、ゲストとのこと。見覚えがあるなと思ったら、再登場。以前はいつだっけ? 遡って記事を読んでみたけれど、見付けられなかった。ゲスト掲載作については、なるたけコメントするように心掛けてるんだけど、力尽きたとかあったのかな。

けど、確かに見覚えがあって、霊感のある男の子、彼だけに見えるおばあちゃんという話。そのおばあちゃんが可愛いのがよいなあと。若ぶって、見た目も若いころになって、だから着物美人になってる。で、学校では体目当てで美人にいいよられている。なんという果報ものか。本人にはいろいろ思うところあるけれど、大変さや困っているということを、誰も理解してくれない。そうしたところは面白いです。

ところで、絵柄に覚えがあると思って、特に鼻の描き方とか。なんだっけかなあと思ったら、ああ、宮成樂って『晴れのちシンデレラ』の人か! やけに親しみがあると思ってました。

『ミライカナイ』、こちらもゲスト。未来からやってきた女性と同居する話。でも、今回はまだ導入だと思う。船が壊れて、過去(つまり現在)に取り残されて、それで居候することを諒解させたというところ。これから、この人の未来からきてどうこうという設定が生きてくる、そんな展開がくるのだろうと思います。

『みそらスマイル!』、ゲスト、ほへと丸の新作です。母が別れた旦那と再婚。ともない、姉ちゃんも帰ってくるっていう話。父親がやけに味があるのはいいとして、設定こそは大変そう、重いんじゃないかと思わせたものの、実際読んでみれば、ひょうひょうとした味わいがあって、そしてそうした中にちょっとした心地良さ、10年前とさかさまだのようなね、があって、悪くないです。ひょうひょうとしたといえば、心霊写真、あれは面白かった。まさか、後で種明かしされるとは、思いもしませんでした。そして最後のコマ。ああ、こういうのがいいなと。人情、人の心の機微、それがよいなと思うのでした。

天子様が来る!』にて明かされた、ハッピーマンデーやシルバーウイークといった連休のできた理由。なんという素晴しい仕事でしょう。本来の願いは叶ったようには思えないけれど、結果的にグッドな仕事でした。こういう、無駄に壮大なの、この作者ならではの味があると思います。

『ときめけ!女塾』、ちょっとシニカルな漫画なのかな。子持ちの主婦。夫の…女を捨ててるなあ…の一言に発奮する奥さんがちょっと可愛い。友人と一緒に飛び込んでみた女塾、その胡散臭さ、そこで起こることのナンセンス。キャラクターの味と、シチュエーションのおかしさが、いい感じにマッチしてると思います。で、驚いたのが、最後の落ち。ああーっ、やられた、まさかあれが伏線だったとはね! この前提を引っくり返してみせたところ、これが一番うまいなと思いました。ところで、女キャラを捨てるのはお子様とおっしゃる。それはつまりは、子供の時期を過ぎたら、男キャラなんかには目もくれず、女キャラに邁進するってことですね。怖ろしい現実だと思います。

『解決!ねこ雲さん』、ゲストです。ねこまた? のねこ雲さんと一緒に、持ち込まれた事件を解決するって漫画なんですが、ちょっといい話っぽく持っていって、けれど基本はナンセンス。完全にファンタジーで押し切るのかと思いきや、結構現実的な落ちに驚いて、ああこれはこっち寄りなんだ! なかなかに面白かったです。

『女子メガネ』、読み切り連載シリーズとのこと。やっぱり、眼鏡ヒロインって流行ってるの? 仙石寛子的ナイーブさ溢れるヒロインが眼鏡をかけました。わお、素晴しいな! 自分に自信がないのか、うだうだうじうじいってる女子と、その子を励まそうとする友人のやりとり。眼鏡はあくまでも話のきっかけで、描かれるのは友人同士のやりとりなんですね。よかったです。終わりに向かっての流れ、すごくよかったと思います。

『紫乃先生美録』、美は丸で囲ってあります、ゲスト。外面のやたらいい作家がヒロイン。仕事から逃げ、締め切りから逃げ、でも外ではそんな苦労は見せない。って、そんな話じゃないな。ところで、自宅バージョン、お団子にまとめた髪が見えないと、可愛い少年にしか見えなくて困るのですが。それで、あーその攻撃僕には効きませんからの続きの台詞を、僕が好きなのは和泉くんですし、と勝手にあてはめて読んで、面白かったですよ。ええ、面白かったです。

『ふぁみにゅ?』、びっくりした。まさか、そういう話だったのか。家族の役割りを演じなければならないという決まりのある下宿。なんかナンセンスで、なんか理不尽な設定だなあと思ってたら、なんとそれに意味、理由があったのか。しっくりとしました。うわあ、やられたわ。それでもって、面白かったわ。過去に語られてきたことがちゃんと繋がって、そうかあ。面白いわ。なおさら好きになりました。読み方、感じ方から変わってしまいそうなくらいです。

  • 『まんがホーム』第23巻第10号(2009年10月号)

引用

  • ほへと丸「みそらスマイル!」,『まんがホーム』第23巻第10号(2009年10月号),67頁。
  • ヨコシマン「ときめけ!女塾」,同前,101頁。
  • 王嶋環「紫乃先生美録」,同前,132頁。

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