2009年10月22日木曜日

『まんがタイムスペシャル』2009年12月号

『まんがタイムスペシャル』12月号、発売です。表紙は胡桃ちのの『ミッドナイトレストラン7to7』。大皿片手にして、そして見れば、他のイラストカットもオムライス? そしてケーキを乗せた皿、つまりは食欲の秋なのでありましょう。食べる、太る、ダイエットの流れもきちんとできあがっており、このあたりも秋の定番です。でも、実をいうと私は、食べても太らない体質だったりします。むしろ減っている。このままでは、いつかなくなってしまうのではないかと心配するほどです。

『スーパーメイドちるみさん』は、なんだかこのところ順調に演劇漫画化していますが、裏方ながらもがんばる大樹に、がんばりたいけれどがんばれる余地がないお嬢さん紅林、なかなかによい青春って感じです。さて、今回はといいますと、大樹にいいところ見せたくてがんばりたかった紅林、なんという可憐さだろう。というか、大樹ってめぐまれてるよな。真面目にいっている自分に幻滅です。紅林が出てくると、やっぱりちゆりも出てきて、当然ふたりが絡むのですが、そっけなく見せて全然そうじゃないちゆりは今回も健在。このふたり、いい関係だなあと、いつも思います。ところで、佐々木。いつになく必死で、面白かった。そうか、妹が敵なのか。

『あつむトイタウン』は、ちょっと懐しいベーゴマの話題。ベーブレイド、ええと、ベイブレードのことでしょうなあ。私はこれを遊んだ世代ではないのですが、また懐かしいものが出てきたなと、そう思ったら、なんと、今また新しくやってるんだ。おもちゃはいくらでもリバイバルするんですね。と、ベーゴマですが、実は私はベーゴマで遊んだことがありません。普通のコマならあるんですけどね。ただ、ベーゴマは高校のころ、誰に習うこともできないまま、とぼしい情報を頼りに見様見真似で練習したことがあって、そうか、あのやり方、正しかったんだ。ようやく疑問が晴れた。そのように思います。

ふたご最前線』、懐かしい人! けど、実は最初ちょっとわかりませんでした。忘れちゃうものなんです。しかたないです。しかし、はにかみ南帆、久々のように思います。そして、マセてる北斗、南帆の氷の微笑、怖ろしい子らだ。まさにアンファン・テリブル。けど、そのこしゃくなところがいいですね。

あいどく!』、驚きの最終回!! って、本当に驚いたよ。ろくでもない社長。そしてかずやの正体も明かされて、うん、実はこの展開は予想してました。けど、ここまで駄目な男だとは思っていなくて、だからきっぱりと見限る展開になっても、むしろそれでオーケーといった具合でありました。そして女の都さん。私はこの人の乙女なところ好きでした。なんか、唐突に恋愛的状況にシフトして、それでなんだか成就しそうな感触で、ちょっと駆け足なのは残念だけれど、でもこうあるべき終わり方であったのかもなって思っています。

恋愛ラボ』。ヤンが本領発揮。正直、ここまで駄目な男だと思ってなくて、だから存分に振り回されて酷い目にあえばいいんだと、むしろそれでオーケーといった具合になりました。けど、ヤンのような奴は危ういよね。こういう、自分は人よりできる、優秀なんだというプライドでもって自分を支えてるような奴は、そのプライドの根拠が損なわれると立ち直れなかったりする。そのへん、変な女マキは優秀であるけれど、駄目なところもちゃんと出してる。マキの方がバランスよかったりするんですね。そして、ヤンはというと、変な女と見下してた相手に負けるかも知れないとなって、いよいよ危ういかも。多分、いい感じに回収されて、なんか改心するでもないけど、人として成長したりするんだろうと思うんですけど、展開しようによっては、この漫画最大の落ち込みを見せるキャラクターになりそうで、ちょっとはらはらと同情しかねない状況です。

『ベツ×バラ』は、冒頭のミリミリミリ、これだけでもう面白かった。で、本編は結膜炎。2色を最大に活用できる、そんな話であったと思います。なんか今回は、たまちゃんがしっかりセンパイだったなと、そんな風に思える展開でした。

『ミニパトっ!』、思い出されない後輩の名前。これは、このまま名前が思い出されないキャラクターになるのか!? と思ったけど、そこまでじゃなかった。それよりも、春香がメールをやったことがないという、さらにはケータイ持ってないという。でも、ケータイないって、別に普通よね? いや、普通じゃないの……? そうか、持ってないと驚かれるのか。で、ケータイを仲介にして春香と奏太が接近するという流れなのでしょうか。あの、ちょっと恥じる春香は、なかなかに魅力的であったと思います。

『蝴蝶酒店奇譚』。いや、これが『まんがタイム』系列誌でよかった。もしこれが、ええっと『シグルイ』の載ってる雑誌ってなんでしたっけ? ええと、『チャンピオンRED』か。そういった系統の漫画なら、あれですんだとは思われません。マンナは本当に運がよかったです。でもって、オーナー、なんのかんのいって、面倒見のいい、いい人ですよね。

陰影香は本人が最も恐れる未来を見せるとのことですが、こうしたものが実際にあるなら、私はどんな夢を見るんだろう。そんなことを思って、私は私の深層心理の底を覗いてみたいと思っているようですよ。

『視界良好』が帰ってきました。やったあ。今、この漫画は、『ラブリー』で掲載されたりしていますが、そちらはOLになった成田。こっちは、学生時分の成田。私は、学生成田の方が好きかなって思います。いや、OLが嫌いなわけじゃないです。

本編後半では、眼鏡といえばどんなイメージ? 委員会所属眼鏡について語られて、でも眼鏡の典型は知的であるのもそうだけど、鈍臭くってできが悪くて怠けものというのも典型ですよ。私が眼鏡に開眼したのは、まだ幼稚園児だったころですが、それはその駄目な眼鏡少年があったためでした。でもって、運動神経のいい眼鏡。それはさすがに典型ではないけれど、陸上に打ち込んでる眼鏡少女というモチーフもないわけじゃない。それはそれでとてもよかったりしたから、やはり眼鏡というものは規格、典型なんてものを超越して素晴しいのだと思います。もちろん成田も素晴しいです。

『さんサンと!』。困った姉ちゃんだな。でも、渾身のボケを、ちゃんと可愛くアレンジしてしまうところ。この無駄にしないところ。いいですね。ところで、制服はヒザ丈だと可憐だねえ。げにまっことそのとおりだと思います。で、お姉さんのシスターみたいな服。子供っぽい、確かに子供っぽいかも知れないけれど、それはそれで似合ってるんだからいいじゃないか。そのようにいっておきたいと思います。

『姫ちゃんのOL日和』、おおう、みおピンスタイルときましたか。もちろん前身は『レイさんのお局日和』であります。入社11年の柴崎麗さん。先月までは彼女が主役。けど、今月からは後輩の長谷川姫が主役となって、いや、いいんだ、レイさんさえお元気なら。この主役交代は、やっぱりみんな若くて素直で可愛い女性が好きってことからなんでしょうが、ええ、そりゃもちろん私も好きです。でも、レイさん好きなんです。いや、眼鏡だからじゃないよ? 姫が主役となって、レイさんは頼れる先輩に、そして眼鏡の向こうの目、美人度がアップしてる、ってまたレイさんかよ。といった具合に、どうしても私はレイさんが気になるみたいです。だから、あの三宅くんとやらは、見どころのある青年であると思います。まあ、一種のマニアだよな。

『コトノハ』。ゲストです。極度に人付き合いが苦手な女性がヒロイン。対面が苦手、電話対応も苦手。ある種、典型的なキャラクターです。これで話が広がるならいいのかなって思っています。現時点では、いまいちなんともいえない、そんな状況。次を楽しみに待とうと思います。

『瞬け!シャイン』。もう様式美の世界だと思います。齢800歳にして、若さを失わないビクニさん。というか、そろそろ落ち着いてください。今回の白眉は、当社には同性同名が3名おりまして、だと思います。特に何もしてない山田。そういって紹介されるために、いつも同じことを聞かれてしまう。悲哀感じさせるけれど、でもこういわれると、やっぱり何かしないの? って聞いてしまいたくなるものだと思います。でもって、ゴノレフ。新たな局面を迎えて、素晴しいな。ところで、東京五輪が実現してたら、きっとゴノレフもオリンピック競技になったでしょうに。それだけがただただ残念と思っています。

『MISHIMAデパートメンズ館』。結婚したというのに、まるでなにごともなかったかのようにいつもの展開。で、最後の四コマですけど、確かに今のなんたら男子とかいうの、この漫画でおちょくり気味に取り上げられたものの中に、多々ありそうですね。で、これって確かに先見でありますが、一部界隈で発生していた前駆状況をすくいあげる、そうした嗅覚が優れていたってことなんでしょうね。あるいは、作者の所属するコミュニティと、そうした流行を仕掛けた人間の属しているコミュニティが近接していたってあたりなんだろうかななんて思ったりしています。

『ゆたんぽのとなり』。私、吉谷やしよの漫画では、これが一番好きであったりします。で、今回は外食の話。が、外食!? いや、本当に外食。で、テーブルマナーなど、定番っぽい流れを感じさせながら、この漫画固有のらしさに落ち着けるというところ、やっぱりいい漫画だって思います。ゆたんぽさんのとにかくいい人ってところ。世間知らずであるかも知れないけれど、大切なことは知っているというようなところ。そして、非常識でけれど常識的でもある兄妹、みんないい感じ。好きだなと思いながら読んでいる、ほんと、いい漫画です。

『卓上雑貨店あるにかや』。姫草かやさんのネットショップ繁盛記。売れない、それで空回り、そう思わせて、けれど今回は売れたっていう、そうしたがんばりがむくわれるような描写は、読んでいてこちらも嬉しくなってくるようです。面白かったのは、あのゴマ油のびんを花瓶にするっていう話。ああいう、ちょっとした工夫がなんでもないものをよく見せるというの、ありそうだなあって思わせて、よかったです。空き瓶が売れたらいいけど、売れないっていうのがもどかしくて、そういうところもよかったです。

  • 『まんがタイムスペシャル』第18巻第12号(2009年12月号)

引用

  • ゆふこ「さんサンと!」,『まんがタイムスペシャル』第18巻第12号(2009年12月号),118頁。

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