2009年11月4日水曜日

『まんがタイムジャンボ』2009年12月号

『まんがタイムジャンボ』12月号が発売です。一足はやくクリスマスですね。サンタコスチュームの朝倉さん、『ちょいのり。』のいのりもサンタクロースで、そうかあもう年末かあ。なんだかちょっとあわただしく感じてしまいますが、こうした気持ちも毎年の恒例というものでしょう。クリスマス、年賀状、年末年始のもろもろ。きっと、あっという間に突入して、あっという間に突き抜けていることでしょう。ああ、時間のたつのははやいよね。矢のごとしとはいったものです。

『みちるダイナマイト!』。人気あるのかしら。ずいぶん前の方に出て、けど私も結構嫌いじゃなかったりするんですね。母親がライブハウス経営、インディーズレーベルもやってるの? そのために、ゴスパンクでギターボーカルをやることになったみちる。ステージ上での腹をくくった姿と、大学で講師やってる普段の姿とのギャップ。それはちょっといいように思っています。今回は、ファンの女の子に、それが当の本人とも知らず、自分のバンドのCDもらったりして、それを喜ぶ表情はただただよかった。ファンの娘さんの、自分の好きな人に自分の好きなものを知ってもらいたいという気持ち、ちょっとわかるから、こうした展開もなんかいいなと思ってしまいます。

『じょしもん』、重野なおきの新連載です。高校生の女の子、半分むりやりに生物部に入部させられたら、そこはなんだか不思議というか奇妙な生物がたくさんいて、そうした生物たちと、それから次回以降に増えるのかな? 部員たちとのコメディになるのかな。ともあれ、まだはじまったばかり。先が楽しみです。

『レーカン!』。ゲストです。霊感のある女の子、天海響がヒロイン。霊の姿を見、声を聞くのですが、もう慣れっこという。そんなヒロインの辛気臭い雰囲気は結構好みです。それで、おどろおどろしいと思われた、そんな霊の声に優しさで応えるという、そういったラストはちょっとよかったです。私は、前々からいってるように、霊が存在するならその姿を見たいし、声を聞きたいと思っていて、いいやつがいるようなら、知りあいたいなんて思ってるものだから、この漫画の、この設定はちょっと気にいりました。ちょっと羨ましい。

『天使な小悪魔』。ホストの本音がいかします。我々ホストはお客様のご要望を真摯に受け止め日々業務に取り組んでいるだけです!! いや、実際そうなんでしょうね。大変な客商売なんだろうなって思って、なんかその印象とのギャップに笑ってしまいました。私には無理な職業であります。

『あまぞねす?』、ゲストです。Web系のデザイン会社に就職が決まった女性ふたり。小学生の妹がお手伝いしてるみたいなの、しっかりしてそうなのに、意外と泣き虫だったりするところ、悪くないなと思ったけれど、まだ全貌はよくわかりません。最近の漫画は、四コマでも状況や設定を説明する必要があったりするから、どうしてもスロースタートにならざるを得なくって、けどスタートがスローすぎるのもよくなさそうだから、このへんのバランスをとるの本当に大変そうですね。ところでさ、性格だけを見て選んでくれる会社っていいなあ。いや、それだと私落ちるか。自慢じゃないけど、面接で落ちることたびたびよ?

『ちょいのり。』。ヒロインのいのり、この子のやぼったさがたまりませんね。太い眉。今は手入れされた細い眉が流行りだけど、そうした状況にこうした自然っぽい女の子がくると、印象が違って、いいなって思います。さて、先月知りあったあゆむとの帰り、そのお姉さんの真相があきらかになって、おおう、なんだ、微妙だな、怖ろしいな。そりゃ人には見せたくないだろう、そう思わせるところ大でした。

『パドラーズハイ』。みんな、頭身高くてスタイルいいなあ。部活ものの定番ともいいますか、部員の募集をしようという話。プールにラフト浮かべて写真とか、がんばってる、工夫してる、そういうの伝わって、これはとてもいい、面白いです。で、せっかく部員募集したっていうのに、移動手段の問題から人が増やせないとわかって、これ、がんばりをきちんと描きながら、人いっぱいになってわかりにくくなるという事態も避けるという、うまいなと思いました。新キャラいれる時には先生が車買い替えたらいいわけね。いい雰囲気の漫画、大変に気にいっています。

『しすコン!』。仲のいい姉妹、その妹が結婚することになって、愕然とする姉。私も結婚を、となる。そこに幼馴染みの青年加えて、くっつくのくっつかないの、そもそも恋心に気付いてないのというコメディっぽい展開。悪くはないなって思いました。とりあえず姉妹が可愛い。けど幼馴染みのケンちゃんはだらしないな。こやつが踏み切ったら決着つくんだろうな。そんな感じもしています。

『女の子定食』、『ふかふか』のかわぐちけいの新作ゲストです。極端に男が嫌いな店長に問題がある定食屋。ちょっと勢いがつきすぎて、なんともいいがたいのだけれども、落ち着いたらよくなるのかな。基本はベタなんだと思います。だから、うまくはまればよいのかもなって思いました。

『恋する猫は爪を隠さず』。都古先輩に一心不乱の常葉少年。普段は優等生で紳士そのものといった雰囲気なのに、先輩がからむと異常になる。でも、肝心の先輩はその態度をこそは問題にしたけれど、この人自体は嫌いじゃないってことみたいです。これはやっぱり、常葉少年のちょっと間違った一生懸命さをどう思うか、そこに分かれ目があるように思います。

『笑って!外村さん』。見た目の怖さ、人付き合いの苦手さから誤解されている外村さんだけど、この設定をうまくきっちり維持しているところ。外村さんの実際を知っている春野さん、彼女だけが特別というところ。両方がうまく展開されて、悪くないなあって思って読んでいます。ずっと険のある表情で描かれる外村さんが、最後にちょっといい笑顔を見せてくれる、その雰囲気もいいなと思って、この漫画は読むほどに好きになっていく、そんな感じです。

先生はお兄ちゃん。』、ついに月子先生がムンチャイ関係者と明かされて、けれどそれ以外のこともはっきりとして、そうか兄貴、ついに自覚しましたか。これで、次のステップに向かうのかどうなのか。このふたりはうまくいくといいなと、そう思わせるところがあるから、ちょっと楽しみだなって思います。漫画の展開とは別のところで、ちょっと不安になったりもしてるのですが……。お、終わらんよね?

『甘木出版ニンジャ課』、ゲストです。いや、しかし、またすごいのがきましたね。忍者課なる課がある出版社。すごいエキセントリック。主に雑用で各課をサポートするのが業務。てっきり産業スパイが仕事かと思いました。今回は、忍者課の活躍はほんのちょっとだけ。とりあえず怖れられてることはわかった。こういう突飛な設定でどんな風に展開していくのか。突飛でも面白ければいいと思うので、いっそ存分にやっていただけるとよいんじゃないかな、それがきっと楽しいんじゃないかなと思います。

だって、『ジャンボ』には水没したビルに鯨が泳いだりする漫画がありますから。ああいう常軌を逸したネタというのは好きなので、思いっきりやってくださいと思う次第です。

ひかるファンファーレ』。ああ、寒い日は楽器にとっては最悪だ。メカニズムに問題が出そう。少なくとも、結露しやすく、水たまりやすく、木管ならタンポがびしゃびしゃになって、演奏にも支障が出る。クラリネットやオーボエなど木製の楽器は割れの心配もある。最低よね。でもストーブにあてるのはどうだろう。これはこれで傷めそうな気もします。学校や部活ってのは、つくづく楽器にはやさしくない環境だったなって思い出しました。そして、風邪をひいた結衣。この人の本性のなんのっていうけれど、実際素直にしてればいい子じゃんかって思って、だいたいこの漫画に出てくる人はみんないい子ばかりだ。そうしたところがきっといいんです。

ところで、結衣が風邪だからきっと亮子が出てくると思ったけれど、出ませんでした。このふたりの関係結構好きなんです。

『ぼくらは魔法が使えない』。クリスマスはベツレヘムで救い主がお生まれになった日です。そうだそうだ。ってなわけで、クリスマスは歌いにいきたい。クリスマス向けの曲はいくつか仕込んであるんだ。けど、私、クリスチャンでもなんでもないからなあ。

今回はビンボーダンボーがあって、それが後に生きてくるっていう流れ。実によかった。あの貧乏先生、いいキャラクターしてて好きです。全然思わせ振りみたいなところなくってね、とにかく真っ正直って感じがいいです。そして、最後のモノローグ。ああ、そうだね、我々は永遠の今には暮らせない。だからこそ、今という時は掛け替えないんだろうなあ。そう思わせてくれて、しみじみとしました。いい漫画です。

だまされて巫女』、最終回。まさか、本当に監禁されてるとは思わなかった。結構な駆け足、そんな展開だったけど、こうして晴風を好きになる相手が出たりっていうの、当初の予定にあったんでしょうね。あの、巫女好きの彼がそのポジションにこなかったのは、彼の資質に問題があったからか。面白くて好きな漫画でした。終わったのは残念。ラストの春風、かわいかったです。

Boy’sたいむ』。ちょっと思ったんですが、龍太郎が女ひろむのために編んだセーターが置島の手に渡って、これ、さすがに龍太郎が気付かないってことはないだろう。ここから一波乱もりあげられそうな話なのに、ここで終わってしまうとは。すごく惜しい、そう思わせる回でした。しかし、めずらしく龍太郎が好青年でした。いつもこうならいいのになって思ったりしましたよ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第15巻第12号(2009年12月号)

引用

  • 芳原のぞみ「天使な小悪魔」,『まんがタイムジャンボ』第15巻第12号(2009年12月号),35頁。
  • ゴンドウケンジ「ぼくらは魔法が使えない」,同前,180頁。

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