2010年1月16日土曜日

『まんがタイムファミリー』2010年3月号

おお、ついに3月ですよ。『まんがタイムファミリー』2010年3月号が発売です。3月。卒業の季節。『はっぴぃママレード。』も卒業、いや卒業式があったわけではないんですが、最終回迎えまして、先日の『スペシャル』に引き続き、ちょっと寂しい、そんな3月であります。さて、表紙はといいますと、バレンタインデーですね。チョコレート、チョコレート、ハート、そしてフライパン。フライパン? 椿さんは表紙でも奔放であります。

『ひなたフェードイン』が新連載です。素朴な絵柄。派手さはないけれど、ちょっとスローなひなたにマッチした絵、雰囲気があって気にいっています。結婚式場でバイトしているひなた。今回は大学の風景があり、それから職場での状況も描かれて、年齢不詳の真木さん。この人はかなりいってそうと思わせる話なんかもありました。そして最後のもらい泣き。ええいああ、なんかこういう素朴に感動してしまう、そうしたヒロインがいいんですね。

『ガクブンッ!』は、完璧超人けれど変人の高屋敷綾乃の変さがちょっと抑えられて、なんだかすごくちゃんとした、魅力的なお嬢さんみたいです。そして、かっこいい系のヒロイン麻美子が翻弄されるという。背の高さを気にしてる彼女をからかいつつも、可愛い可愛いと、ええ確かに可愛い。そしてドレス、王子、カップリングときて、こういう表現、展開も一般的になりつつあるのかなって思いました。私は好きだから嬉しいのですが、うけつけない人もあるかもなあ。

『教師諸君!!』、大好きです。二月のイベント、節分でしょ 豆でしょ 恵方巻きでしょって、それ全部節分じゃないですか。けど本編はバレンタインデーメインで、地理の話題あれば、新任教師の妄想もあり、たいへんに面白いです。雑談から、イベント、旅行プランを練るなど、話が広がっていくことも面白ければ、その広がりが教師たちの個性をまたよく表現するという、こうしたところ、とてもよかったです。

『ちゃのま!』、ゲストです。三人で一軒の家に住んでいる女の子たちの話。って、ルームシェアものかと思ったら、ちょっと違った。同い年の三人、大学生、キャバ嬢、主婦のようなものとあるけど大家。この三人の、それぞれの生活、大学でありキャバクラでありの状況が描かれれば、また一緒に暮らしている風景も描かれて、仲がいい、そう感じられるところなどよかったです。

『ダブルパティシエール!』、まさこねーさん、結婚です。って、あんたらまだ結婚してなかったのか。といったわけで、結婚式に漕ぎ着けるまでの状況描かれて、自分たちでケーキ、細工を作りますという、そうした展開は実にらしく、いいなと思いました。

『どっきゅん♥乙女姉妹』、連載になりました。ゲスト掲載時のタイトルは乙女荘だったけれど、姉妹メインに決まったんでしょうね、乙女姉妹となりました。さて、漫画家の姉乃々と学生の音々、非常に切ない状況からスタートです。友達がいない。ひとりは慣れてるから平気。などなど、このわびしさがこの漫画の真骨頂であると思います。面白かったです。この、なんか置き去りにされたような感覚が癖になりそうです。

『椿さん』、連載スタートです。ひょうひょうとしたお手伝いさん、椿さんのマイペースさは素晴しく、あのセールス撃退の光景など、なかなかのものでした。行方不明になる全自動掃除機とか、梅林とか、面白い。すっきりとした中に、独特の余韻があって、それがいいのです。

『くるっとまわって営業中』って、まだゲストなのか。バレンタインデーの風景。来島さんの可愛さが素晴しい。しかし、生意気馬渡も、なかなかに憎めない、そんな表情が見えるようになってきて、影で努力しているところなんか、もう! 彼女のいいようは、まるで嘘ついて出し抜こうとしてるみたいな感じではあるけれど、自分はこんなに頑張ってるとアピールするよりも、ずっといいじゃん。頑張る。それは美徳だけど、人に見せつけるもんじゃないもんな。追い詰められた気分でやる努力は、いろいろよくない気もするけれど、自分の強みを伸ばしてやろうと思って重ねる努力はいいものだと思う。だから、馬渡、もっと頑張るといいよ。そして、たまには弱音を吐くといいよ。

『ひとみとコットン』、最終回。って、おお、驚いた。着ぐるみさんとひとみ、ふたりが接近するのか? これまでの状況、気ぐるみとお嬢さんという枠は逸脱しないままに、ちょこっと親しさを深めて、このストイックというか汚れのない感じというかが好きでした。ひとみは気ぐるみさんの中の人に気付いたのかどうなのか、はっきりとは描かれなかった。その描かれなかったことが、逆にふくらみを与えていると感じたラストでした。

『部屋キメっ!』、ゲストです。不動産のお仕事。男の前ではか弱い女を演じている人の本性とか、こういうのは面白い。ピアノの話とか、切っちゃった恵方巻きとか、不動産、賃貸にまつわる話あれば、そうでもない話もあって、けれどそれぞれに面白かったです。

『ルームシェア』、嫌いじゃないです。絵の雰囲気、ちょっと繊細あるいは神経質な感じ、とてもいいです。内容は、爆発ネタとか、もう普通になってるんだなって。ネタよりもキャラクターの押し出しが強め。けれど、あの蚊をめぐる一連のどたばた。お嬢の怒りよう、ちょっと気にいりました。つうか、なんでメイドとかいう発想が普通に出てくるようなお嬢がルームシェアしてるんだろう。謎です。というか、あの台詞、最初意味わかりませんでしたよ。

  • 『まんがタイムファミリー』第28巻第3号(2010年3月号)

引用

  • 駒倉葛尾「教師諸君!!」,『まんがタイムファミリー』第28巻第3号(2010年3月号),53頁。

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