2010年3月6日土曜日

『まんがタイム』2010年4月号

『まんがタイム』2010年4月号は本日発売です。表紙はメインに『おとぼけ課長』がどーんと配されて、ワンカップ片手にお花見の風情ですね。他も概ね同様で、『みそララ』は花見で酒飲んで泣き上戸なのか謝り上戸なのか、おかしなことになっていますし、『ひまじん』は花は花でもチューリップを見てる。これ、多分、アパートの自室だな。そして、『だって愛してる』は、夫、妻ふたりが寄り添っている。あたたかな情景ですね。春、花見といえど、いろいろな楽しみ方、かたちがあるってことなのでしょう。

『マチルダ! — 異文化交流記』が『タイム』でも連載開始です。もともとは『オリジナル』での連載であったのですが、人気があったのでしょうか、こうして二誌連載となりました。私としては大歓迎。『マチルダ!』、好きなんですよ。いや、茶崎白湯の漫画が好きといったほうが正しいかも知れません。今回は第1回ということもあってでしょうか、あやとマチルダ、ふたりだけの状況。日本の昔話に憧れる? そんなマチルダが、全部わかったうえであやを困らせるといったところがよく出てまして、このマチルダのちょっと理不尽、けれど最後の一本なんかに出てると思うのですが、理不尽でありながら、なんだか詩情のようなもの感じさせたりもするっていうのね、ちょっとそういうところが好きみたいですよ。でも、最後のも理不尽ですよね。この困らせて楽しんでいるっていうの、マチルダ流の愛情表現なのかも知れません。気に入られたら最後だな……。

すいーとるーむ?』は、少々固まりつつあった状況が揺り動かされて、また少し初期のころの味わいが取り戻されてきているなという感じです。かつて永井くんがやってたこと、秋さんが再びなぞっているとでもいいましょうか。けれどそこには、永井くんだったから駄目なんでしょという見下しがあったり、また秋さんの戦略が有効だったりするという、ちょっとゆかりさんを巡る状況が変化するんじゃないか、などと思わせる展開があって、けれど結局ゆかりさんを攻略することはできないという、そのお定まりが快感であります。

『わさんぼん』のオリジナル菓子はずいぶん長い取り組みになってます。焦らず腐らず、しっかり取り組んでるってのは、旦那の感想ではないですが、たいしたものだと思います。しかし、今回は萩くんが素晴しい。可愛いもの好きっていうのがね。しかもツンデレ風とでもいったらいいものでしょうか。草太に可愛いもの好きと思われたくないんだっていうね、それでも可愛いものを愛でる気持ちは抑えられないんだっていうね、その様子がとにかく面白いのでした。女の子ふたりも可愛いのだけど、今回は萩くんが上回った、そう思います。

『プチタマ』が最終回でした。あらら、好きだったんだけどなあ。最終回の話題は進級テスト、というか補習なのですが、たまりがどうしようもないのはいつもと一緒。でも、ひとつ目的ができたことで、いつもよりもゆるさは少なかったように思います。ともあれ、これで終わりです。お疲れさまでした。

そして『ひまじん』が移籍連載開始です。この漫画もずいぶん長いですが、面白さを維持していることに関しては、さすがの一言であります。ヒロインふたりにサブキャラ数人という基本を維持しつつ、話を膨らませて、けれど膨らませすぎることもないという、その塩梅がとてもよいと思います。とりあえず、これがまた読めるようになったのは嬉しいところです。

PEACH!!』は、広能は岩井のことが好きで好きで、というのは長く描かれてきたことですが、今や武田が相原のこと好きで好きでというエピソードが旬である模様です。あの、寿司とかね。すっかり岩井が忘れられてるっていう。描かれるのは、武田が寿司を握る、その手付きばかりであったというのに、けれどそれが不思議と味わい、武田の真剣さを物語るのだから面白いものだと思います。またエビのエピソードなども、不思議な物悲しさ、そしてちょっとしたさわやかさがあって、よかったなって。武田は店を救ったのか、エビを救ったのか、それは読むもの次第と思われますが、いずれにしても、ちょっとした清涼が心地よいと思える、そんな話でありました。

  • 『まんがタイム』第30巻第4号(2010年4月号)

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