2010年8月11日水曜日

サマーウォーズ

 映画『サマーウォーズ』、見ましたよ。ああ、テレビで? こないだやってたものね。って、ええ、テレビで見たのですよ。その日は別の番組を見ることになっていて、それで直前までどうしようか迷っていたのだけれど、あんまりにTwitterで話題になっているものだから、まあ、見てみようかと録画。そうしたら、めちゃくちゃ面白いじゃんかこれ! こんな映画だって知らなかったよ。こうと知ってたら、映画館にいったのに。ああ、わたくしの馬鹿馬鹿馬鹿。いつだって後悔してる私ですが、こいつはもう久々に心底後悔しましたね。ええ、しましたよ。

けどさ、うずくまって泣いてても仕方ないわけですよ。ここでどうするかを決断しなければならないわけです。ええ、決断しましたよ。BDを買いました。せっかくだから、限定版を選びました。特典ディスクと背景画集、それから花札がついてくる。って、まあ花札には期待してなかったんですけど、主に期待は特典ディスクですね。とはいうものの、時間の関係上、今は本編ディスクを見るので精一杯。でも、本編こそを見たかったのだから、これでいいんです。

しかし、この映画、なにが面白いかっていうの、なにせすごく多様な魅力持ってるから、一口にはいいにくいんですけど、なにかひとつ選んでごらんといわれると、人が頑張ってる、ってところかなって思ってるんですね。例えばそれは健二の暗号解読、佳主馬の格闘、そして夏希の花札。これら、コンピュータの上で成立する世界において活躍するという物語でありながら、実に生身勝負であったなと思うんです。けれど、こうした能力があるから面白いってわけでなく、問題が危機があれば、飛び込んでいって解決しなければならないという、皆のその心意気が伴うから素晴しい。それは、栄お婆ちゃんを筆頭に、自分のできることはなになのか、打てる手はなんなのか、見極めるべく考えて、そして最後まで諦めない。自分にできることをしよう。自分の精一杯をやろう。ああ、その意気がひしひしと押し寄せてくるからこそ、巻き込まれてしまわないではおられない。劇中、当初乗り気ではなかった家族も、最後にはみんなが参加する。それもノリノリだったりする。この一体感、私も感じていたと思うのですね。

この映画見ていると、たびたび感極まることありまして、それはお婆ちゃんの電話をかけているシーンがそう。その翌日の放心した家族、泣く夏希、あのシーンも。そして、佳主馬のリベンジならなかったシーン。手紙のシーン。こいこいのシーン。ほかにもあったかも。感情が溢れてきて、胸がいっぱいになるんですね。それは、演出や演技の力かも知れない。ストーリーかも知れない。でも、見てる私にはそういったことはもうどうでもよくなっていて、目の前に展開するもろもろを、まるでそこに立ち合っているかのように感じていて、 — ある意味、当事者気分なのかも知れません。巻き込まれて、のめり込んで、そして最後、大団円。本来は悲しいはずの出来事を、あんなにも朗らかに迎えられた皆の、やりきった! という感情。それは私の中にもあった、そんな気がするんですね。ただ、私は観客であるから、きっと彼らの感じていただろう、私たち最後まで頑張りきれたよ、お婆ちゃん、見ててくれた! といった思いには追い付かないのですね。

だからちょっと悔しい。あるいはそれは羨ましいっていうべき感情でしょう。ああした家族、親類縁者の繋がり。それは、かつて私も多少は感じていたものであったのだけど、もう失ってしまった。その、彼らの間には確かにあって、今の自分には感じられないもの。その差、それを埋められたらなあ、そんな気持ちにさせられる映画でありました。いや、ほんと、素晴しい映画でした。

おまけ

Summer Wars, Film bookmark

ふたりとも背中向けてるけど、このシーン好きなので嬉しいです。

Blu-ray

DVD

CD

小説

コミックス

  • 杉基イクラ『サマーウォーズ』第1巻 細田守原作 (角川コミックス・エース) 東京:角川書店,2009年。
  • 杉基イクラ『サマーウォーズ』第2巻 細田守原作 (角川コミックス・エース) 東京:角川書店,2010年。
  • 杉基イクラ『サマーウォーズ』第3巻 細田守原作 (角川コミックス・エース) 東京:角川書店,2010年。

設定資料等

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