2010年11月26日金曜日

『月刊アフタヌーン』2011年1月号

 『月刊アフタヌーン』2011年1月号、発売されました。表紙は『BUTTER!!!』です。社交ダンス漫画。主人公ペアっていっちゃっていいのかなあ、荻野目夏と端場敬弘のふたり。なんだか、ちょっと目が泳いじゃってるというか、うろたえ気味の表情です。この漫画、最初のころは、端場ひとりがあかん奴なのかな、そう思っていたんですけど、一年生諸君、みなそれぞれにウィークポイントがあって、それが見えてくる、またその弱点を克服しようと頑張る。そうした様子がすごくいいのですね。

そういうことで、『BUTTER!!!』、柘百合子の話でありますよ。中学生の頃、散々にからかわれたことが心に傷を残したんですね。いや、そのからかった奴、秦ですか? こいつはまたやり方しくじったよね。なんで子供のうちって、好きなら好きっていう気持ちを素直に表せないんだろう。それで、嫌われるどころか、傷つけてしまうだなんてね、ほんと、馬鹿な年頃であるのかも知れません。そして、柘さん、彼女はまわりの皆からはげまされて、こうして好かれてるのはいいなあって思いますよ。そして、端場。こいつが頑張ってる。いいね、いいよ。あかんたれだけど、あんなにも引っ込んでた彼が、こんだけ主張できるようになってる。その姿、すごくいい。そして、こうした姿が勇気を与えたんだなって思うと、いや、ほんと、いいじゃないかって思うんですね。

『ネクログ』、今回はちょっと色っぽい話。というか、あの未亡人、周さんがとにかくいいなあ。知的で穏やかな美人。あまり色気のあるような描かれかたはしてないんだけど、いやいやこれがこれが。連続強姦殺人の犯人? である蛇にとりつかれて宋が乱暴に及ぶのですが、その際の周さんの表情の変化が魅力的で、不審、驚き、怯え、絶望からきっと睨みつけるプライドの高さ、実に魅力的でした。それで、ちゃんと酷いことにならないのがよかった。もし宋がことを成していたりしたら、呪わんといけなくなるところだった。ええ、ちょっとどきりとさせて、けれど酷いことにならないところでとどめてくれる。この安心感、ちょっとありがたかったりします。いや、しかし、周さん、魅力的です。

百舌谷さん逆上する』は、前回の異様なノリからちょっと回復して、若干シリアスであります。百舌谷さんと竜田の関係。竜田は頑張ってるんだけど、百舌谷さんの態度もあってか、結構見透かされちゃってるんですね。千鶴にしてもそう、そして番太郎にしてもそう。けどふたりには的確にダメージを与えていて、しかしこうした一連のことが、当の百舌谷さんにとってどういう結果をもたらすのだろう。いや、百舌谷さんは大事な人を守ろうとして、こうしたことやってるのでしょうけれど、けれど漫画としてはいつか百舌谷さんにとっても救いの得られるだろう方向へ舵をきる瞬間がくるはずで、しかし今のこの状況からどうやって? 今回は、百舌谷さんをめぐるもうひとつの勢力とでもいいますか、葛原さんが動き出して、しかしこの人もいろいろ問題ある人だな。ただでさえ困った竜田兄を、さらに調子にのらせるのか。一体、これからどうなるんだろう。きっと酷いことになるに違いない、そう思うからこそ、この先の展開、気になってしまうんでしょうね。

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