2010年12月20日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年2月号

『まんがタイムきららMAX』2011年2月号、昨日の続きです。

『ラッキーストライク』、ついにレンがマイボールを手にします! というわけで、レンさん、えらいことハイになってるんだけど、そのテンションがちょっとうっとうしい。でも、気持ちわかりますよ。例えばね、新しい楽器を手にするって時とか、こんな風になってしまう気がします。しかも彼女の場合、ずっと欲しかったマイボール、はじめてのマイボール、なおさらでしょう。どんなボールだろう、あんなだったらいいな、けどこんなだったら嫌だな、みたいに思っていたレン、奈落に突き落とされるがような描写はおかしくて、そこからのプラスチックボールをめぐる展開、じわじわと笑いが込み上がってくるようなおかしみがあって、アメリカの大会とかさ、もう最高。あの、手を出しちゃうところなんかも最高でした。

しかし、面白いだけではない、そう思ったんです。それはボウリングの知識が得られるから、っていうのではなくて、ほらレイの言葉ですよ。

「投げたい」のと「投げられる」ってのはちがうので自分の特性にあったものを選ぶのがいいですよ。

これはいわれてみれば当たり前なんだけれど、この当たり前が難しいんですよ。ボウリングに限らない、一種の真理を突いている言葉だと思います。理想とする像がある、ああなりたい、こうしたい、そういう思いはきっと誰しも持っていて、その理想に近付こうと思うのはそれこそ当然なんだけれど、向き不向き得手不得手というのはどうしてもある。そこで道具のサポートを得ようというなら、自分のできること、できないこと、見極めていかないといけないっていうの、本当に大切なことだと思います。あるいは時に届かない理想よりも、持ち前の特性を伸ばす方がいい。そんなことにもなったりするんじゃないかな。いやほんと、いろいろ思わされた言葉でありました。

ところで、ボウリングの玉、14ポンドって6キロ超えるんですね。あらためて考えると、ものすごく重いですよね。驚きです。

『Smile Lesson!』、ゲストです。水彩っぽい塗り、やわらかな色調。悪くない雰囲気です。書店兼雑貨店でアルバイトすることになった女の子ふたり。割と物怖じしない神楽奈々と、逆に人見知りしてしまう田口ロロ。このふたりがヒロインみたいですね。奈々は接客が得意そう、けれどロロはどうだろう、そう思っていたら、ロロにも得意がありましたという、このお互いによいところがちゃんとあって、助けあいながら一緒に頑張っていこうというかのような展開、これはすごくよいと思いました。派手じゃない。けれど、しっとりとして、語るべきものをちゃんと持っている、そんな漫画。魅力的と感じます。

『SUNNY SIDE UP.』、今回は内容が幅広いです。乗馬の話、加奈子は体が弱くて、そんな話だったから、スポーツ全般苦手なのかと思ったら、乗馬は得意なのか。乗り手が違うと、こんなに馬は生き生きと走るのか。加奈子の知らなかったところも見えて、そしてメレンゲの馬、ヨーグルトにまつわる逸話、ああなんだかしみますね。いつもはおちゃらけてることも多いメレニアだけれど、この子のこうした表情、どきりとさせられるものがあって、ああ、メレニアの知らなかったところも描かれて、本当に広がりのある話、とてもよかったです。

『もっかい!』、次号最終回! って、うっそー! 衝撃。最終回目前の今回は、学校の課題で小説を書いたという話です。で、いつものように遊ちゃんが暴走するのかと思ったら、いや確かに暴走はしてたんですけど、今回のメインは違う人。過去の課題を参考にしろといわれたふたりが見付けたのは、ゲームブック『桃太郎』。これ、最初は、延々ぼけたおすだけなのかなと思ったのだけど、いやいや、そうじゃない。あの、おとぎ話、昔話ハイブリッド、めちゃくちゃ面白い。どんどん話がそれていってしまう。それをなんとか本筋に戻そうというのだけど、なかなか戻らないどころか、迷い込んだ別の話に大きく影響うけて、いやもう、予想したどころでなく楽しめました。しかしこの作者が先生だったっていうの、しかも弱味かと思ったら、全然そうじゃなかったというの。そういうところ、よかった。遊ちゃんに全然負けてない先生が素晴しかったです。

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第2号(2011年2月号)

引用

  • みそおでん「ラッキーストライク」,『まんがタイムきららMAX』第8巻第2号(2011年2月号),131頁。

0 件のコメント: