2011年5月16日月曜日

『まんがタイムきららミラク』Vol. 2

『まんがタイムきららミラク』Vol. 2、発売されました。表紙は小波ちま『リリィ』、久美に後ろから手をまわしている、悪魔の、……、むむむ、名前出てなかったっけっか。久美の、明るく素直な感じに対して、悪魔の姉さんの妖艶な表情。なかなかにいい対照で、けどこのふたりがなかなかにいい関係作っていきそうな雰囲気ですよね。というのは本編の話。巻頭を飾って、これがなかなかに面白い。ええ、2号目にしてよい感触であります。

『リリィ』、悪魔に憑かれてしまった妹久美を心配する姉幸子です。復活をもくろむ悪魔が、力をたくわえるまでの間、妹の体にとりついて、なんて話を、若干シリアスっぽい雰囲気、姉と悪魔の対立なんかをまじえながら展開していくんですね。でも、合間あいまに、納豆食べて悶絶する悪魔とか、久美の馬鹿発覚とか、あと体育の授業の風景、あの組体操とか、ひとのジャージで顔を拭くとか、そういうコメディっぽいのがはさまれるのがいいなって思うんですね。悪魔は悪魔で悪いやつではなさそうだ。そういう回でありましたが、それでもちょっとは緊張感を残してる。そうした中、日常のおかしげな振る舞いなど描かれるのが不思議と面白いです。

『純粋欲求系リビどる』、これはほぼ完全にコメディタッチといっていいのだと思うんですが、お色気強めの戦うヒロインもの。ちょっとハーレムっぽいところなんかも悪くないですね。リビドーの強すぎる少年、枕井リヒトのリビドーが具現化して襲ってくる。それを倒すのが咲馬リク、空羽ルコ、井沼レン、三人のお嬢さんで、変身してリビドーの怪物を華麗に倒し、そしてリヒトのリビドーを摂取するっていうのが、かっこよくってちょっとエロいよね。エロだお色気だというけれど、戦闘の見せ方なんかがうまくて綺麗で、こういうところに作者の地力を感じます。

『夜森の国のソラニ』はファンタジー色強めですね。絵の雰囲気もそうした色を強めて、色ののせ方なんてね、すごく綺麗だと思うんです。さて、夜森の国にたどりついたソラニ。彼女をはじめとする、夜森の国にいる人たちは皆なにか現実を拒否しようという思いでも抱いているのか、そんな風であるのですが、そうした人たちを受け入れて、ふたたび目覚めるまでを見守ろうというのが夜森なのでしょうか。ソラニは夜森の専属コックとなって、それで夜森と知り合っていくのか。ちょっと夜森は、ソラニのなにかを知ってるっぽくて、こういうところもなにか興味深いです。

『Seed』は、なんというか、すごい世界観ですね。学校が勝手に歩いていっちゃう、そんな世界。風景は日本風ではあるんですが、日本なのか? 日本らしい意匠がちらほら。けど、奇妙な生物の闊歩する世界。おそろしいわ、そんでちょっと気持ちわるい。でも、その気味悪さといきおいが、癖になりそうな感じです。あの、月の基地に単身赴任でしたっけ、している、ええと、お母さんでしたっけ。あちらの飄々とした生活ぶりも面白くて、これ並行的に進めていくのかなあ。なにがくるかわからない、そういった感覚がよいです。

  • 『まんがタイムきららミラク』Vol. 2 (『まんがタイムきらら』2011年7月号増刊)

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