2011年8月21日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年10月号

『まんがタイムきららMAX』2011年10月号、昨日の続きです。

『スイーツどんぶり』、ゲストです。調理部にやってきたのは、ジャッカルのふたつ名を持つ柿崎志保子。ここら一帯シメている。百対一の喧嘩にも勝利する。そんな、一昔前の番長みたいなこの人が、好いた男に手料理ふるまいたいから教えてというんですね。教える人、調理部部長酒井暁美。腕はいいらしい。腕がいいからか、強気も強気で、けどしっかり柿崎につきあってあげる。いい奴じゃん。で、もうひとり、調理部部員、栗原静香。酒井のファンというんですが、料理のファンであり、かつ百合的な意味でのファンでもあるのかな。包丁に慣れていない柿崎を、文字どおり手とり足とり教えたりね、そして味見のリアクションがものすごかったりね、いやほんと、勢いインパクト、ばっちり効いていて目にも面白かったです。

『SUNNY SIDE UP.』、最終回です。突然あらわれて、東京に連れて帰るといったお父さん。果たして加奈子はどうするのか。戻るとなったら戻るしかないのだろうか。お父さんの意図は、扉の向こうの娘にひとりごとするように問い掛ける、あの言葉に充分表されていて、ああお父さんは娘を本当に心配しているんだな。なにに対しても受け身な娘。背負い込みすぎてパンクしてしまった。変わらなければ、これからもまたそんなことになりかねない。ええ、心配でしょう。親心ですよね。しかし、娘の気持ちを試すのに、この土地を、学校を去らないといけない、もちろん友達とも別れないといけない。そうした可能性に直面させたのは、加奈子にとってこの場所が、友人たちがどれほど大切か、それをちゃんと理解していたってことなのでしょうね。いい最終回だったと思います。加奈子の気持ちの変化してきた過程、それがすべてこのラストに集約されて、ええ、いい最終回だったと思います。

『忍パラサイト』、面白かった。愛香、風邪に倒れる。のはいいとして、看病するのが瑠璃と小梅。常識に欠けるふたり。あの、毒を盛られたと早合点するところからおかしいんですが、ふたりともに風邪あんまりひかないとか忍者の秘薬とか、そういう基本を押さえつつ、携帯電話とかね、それから金庫、めちゃくちゃ面白い。用量守ってくださいなんかも、実にいいですよ。非常識をたしなめる、そのたしなめよう、丁寧ながら的確、テンポもいい。とてもよかった。最後に驚く愛香で終わるというのもね、常識ないながらも忍者としては優秀。困ったことだな。そう思わせて苦笑まじりの面白さ。ええ、よかったです。

『ののことのらと』、こちらも最終回でした。ええ、いいラストですよね。いつもどおりといえばそうかも知れない、ののことのらの、どたばたとした冒険といえない程度の冒険。筆記用具を学校にとりにいく、それだけのことが、なんでこんなに大騒ぎになるんだろう。いえ、それがこの子らのらしさですよね。だからこそ面白い、だからこそ、嬉しい。そんな感じがします。けれど今回は最終回、最後にふたりの友達ということが確認された。しずかに、なにか沁みいるようではないですか。ののこの楽しそうな様、その表情、それがとてもよかったのですね。

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第10号(2011年10月号)

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