2011年12月18日日曜日

『まんがタイムファミリー』2012年2月号

『まんがタイムファミリー』2012年2月号、昨日の続きです。

『はなとふたば』、ずっとなにか陰鬱で内にこもりがちだったユキが、少し変わりはじめましたね。可愛い人、のどかちゃん、そう思ってしまってるユキ。ユキだって可愛いのに、どうしても自信が持てない。のどかのなにげない一言に過剰に反応して、拒絶してしまって、駄目な子だなあ。でも、そうした卑屈な姿勢、葉子から指摘されて、それで変わろうと、素直にのどかの言葉を受け取ろうと思ったんでしょうね。これまでかたくなだった人が、一歩外に向けて踏み出した。花開いていく、そんな描写がすごくいい。これで少しずつでも自信を持てたら、ユキはどんな女の子になるのだろう。その変わっていく未来、楽しみでなりません。

『しずかにしてください』、面白いですね。タイトルのとおり、全体に静かな雰囲気のある漫画です。結構どたばたというか、漫画的ギミック盛り込まれてるんですが、それがあまり気にならない。全体的に省力っぽいというか、けど必要な分をそつなく盛り合わせてあるから、シンプルにすうっと入り込んでくる、そんな感じがします。やる気なさそうな駄目な明泉院静。けど、着付けの免状持ってるとかシミ抜き完璧とか、いろいろ能力高めに設定されていて、それだからこそ残念感が強いんでしょうね。きっとこれからも、こうしたハイスペックだけど残念というのを展開していくのだと思います。わかりやすい。しんみりさせると見せて、さっとかわしてみせる。その塩梅が絶妙です。

『ヒタキあやかしゆき』、矢直ちなみの新作、ゲストです。いいですね。現代版雪女。ヒタキ少年が雪に埋もれていた時に出会った女の子、鈴掛雪とのなかなか進まない恋物語、みたいですね。雪のこと雪女かと思ったヒタキ。自分に会ったことを人に話すなといった雪。ああ、雪女の説話のとおりですよね。そして実際に雪女であった雪。ヒタキからしたら雪こそが妖怪、対し雪からすればヒタキこそが妖怪、あやかしであるという。双方、相手をあやかしと見る、だからあやかしを間に置いた「ヒタキあやかしゆき」、なのでありましょう。あまりにものを知らない雪。彼女のだんだんに人を知り、ものを知り、感情の芽生えていくだろうことを考えると、なにか楽しそう、きゅっと胸のつかまれる、そんなこともあるのではないか。ええ、期待しちゃうのですよ。好きな作家だけになおさらです。

というか、『一緒にかえろう』の完結巻、出しておくれよう。

『くらドル』、いい感じですよ。初詣にいこうと誘われる朔也くん。で、桃の家にいくんですけど、寒いから出たくないとか、ほんと駄目な子らだ! しかし、結局神社に向かう。朔也ひとりを先行させて、その後をつけるという悪趣味な! というか、それでも桃は駄目なのか。ほんと、駄目可愛い子だなあ。対して朔也くんはというと、いい人らしさを発揮して、いやもういい子だなあ。いいやつ、自分なりに頑張りたいと思ってる、けど肝心なところで報われない。そんなやつ! いいなあ。面白いなあ。大好きですよ。

  • 『まんがタイムファミリー』第30巻第2号(2012年2月号)

0 件のコメント: