2011年4月30日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2011年6月号

『まんがタイムオリジナル』2011年6月号、先日の続きです。

『ぎんぶら』は、しびれるほどに微妙なポイントをついてきて、コミミネ星人とか、猫耳、獣耳キャラの登場を思わせる要素を匂わせて、決して望まれるものを提供しないというところに、安堂友子の味があるのだと思います。というわけで、コミミネ星人、素晴しく微妙な外見です。で、彼らはまだ発展途上、原始の状態にあるので文明を持った我々はアクセスできませんという状況なんですが、道の駅はあるんですね。しかしそれもまた微妙で、田舎風でいいものでしょうか。しかし、こうもやすやすと乗っ取られてしまっているというの。確かに文明があろうとも、なんらの武器を持たずに対応するとなると、こうなるのは自然にも感じますが、はたしてどんな風にこの状況を乗り切るんだろう。なんか、すごく間抜けな展開が待ってそうな気がします。

『ハコぺけ』、今回の扉は典子さんですね。大学2年生なんですね。脚本担当で酷いあがり性。でも、この人こそがこの劇団の良心であると思います。基本的にさぼりたがりの多い劇団です。練習よりも休憩、お菓子、ケーキが重要な人たちの中で、空回りしながらも皆を引っ張ろうとがんばる。ほんと、いいキャラクターだと思います。今回は座長の存在が匂わされましたね。これまでは、それほどしっかりした状況の説明がありませんでしたけど、ちょっとずつ劇団の状況やなんかも明らかにされて、こうしたディテールが描かれることで、面白みもより出てきている、そんな風に感じています。

『文豪ちゃん』、太宰が出てきましたね。これまでに出てきた文豪に比べても、さらに酷いキャラクター。さすが太宰といったところでしょうか。プライド高いが打たれ弱い。自分で自分にダメージを加えている、そんな具合でありまして、ことあるごとに死んだふりして見せるという、困った人なんだけど、まあ本当に困った人らしかったですからね。で、ここで残念なお知らせがありまして、ああ、次号で最終回なんですね。結構好きだった、というか、だんだんに面白さが増してきたなって思っていたものだから、これはちょっと残念です。ほんと、もっと読んでたかった、そう思います。

『放課後KTK』、なかなかに悪くない感じですよ。今回は部長の普段の姿が描かれて、スカートだとこうなるんだ。実に極端なキャラクターですが、まあ、それはもとからのようにも思います。校内人気では、表部長の方が上位にくるみたいですが、見たところ、裏部長の方が魅力的と感じて、実際あの元気でさっぱりした感じ、雰囲気はとてもいいと思います。この漫画の明るさ、それは部長の個性、それが支えてる、そんな風に思うのですね。

  • 『まんがタイムオリジナル』第30巻第6号(2011年6月号)

2011年4月29日金曜日

『まんがタイムきららキャラット』2011年6月号

『まんがタイムきららキャラット』2011年6月号、昨日の続きです。

『インプロ!』、真田一輝の新作です。サッカーの漫画? と思ったら、違うんですね。スポーツ万能のヒロイン、天野さん。青春を燃やしたいと、打ち込めるなにかを探している。そんな彼女がゆきついたのが演劇部っていうんですね。部員はほかに4人。基本、フレンドリーなんだけれど、鷹梨帷だけは別。特にやりたいことがあるでもなく、いろんな部活に顔を出してる天野に抵抗があるみたいです。でも、ラストぎわの展開見れば、いずれほどなく陥落しそうでありますね。

『ねこのひたいであそぶ』は落ち葉の季節。先生にお願いされて掃除をすることになるんですが、ただ校庭を掃除するだけのことが、なんでこんなにも楽しそうなのだろう。効率のいい方法を考える。楽しい遊びも加えてみる。そうした気持ち、心掛けがよいのだろうなって思うのですね。しかし今回は先生も加わって、落ち葉にダイブしたい気持ちを止められなかった先生。めちゃくちゃ可愛いな。しかもぱっぱってして欲しくて待ってる。もう、ほんと可愛くて、ほんと面白いです。花咲先生のご褒美、落ち葉でご褒美とくれば、これはもう焼き芋だな! そう思った人は多いんじゃないかと思います。ええ、私もそうでした。いやあ、やられましたね。もうほんと、アップルパイとは思いもしませんでした。

『ステップ×ステップ』、ゲストです。どんな部活をやろうか、なんて思ってるヒロイン春菜融吏と、その幼なじみ真白ここあ。書道部がよいかななんていってたのに、なぜかいきついたところはトイ部、ゲームを制作する部活なんだそうでして、融吏は帰る気まんまんなんですが、翌日、お菓子食べ放題につられて入部したここあに連られるかたちで入部することになって、という展開ですね。具体的な活動とかはまだ描かれてなくて、だから次回、ええと連続ゲストですよね? その様子が描かれると思うのですが、どうした風な活動するのか、それをしっかり見てみたいです。

『セカイ魔王』はちょっと時間を遡って、いやあ、マオさん素晴しいな。アルシャとの出会いの頃なんですが、今も昔も鉄拳主義のマオさん。あれ、あんだけ吹っ飛ぶほどのエネルギーを、あの細腕でくらうわけでしょう? エネルギーがあの一点に集中するわけだから、普通に殴られる以上にダメージはいりそうな気がします。しかし今回は、なんだかいいかげんそうなアルシャの両親、特に父親。ふたりして本気か冗談かわからないことばかりいってたのに、最後の最後、あの行動、あの台詞ですよ。あれはぐっときましたね。あれはほんと、かっこよかったです。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第7巻第6号(2011年6月号)

2011年4月28日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2011年6月号

『まんがタイムきららキャラット』2011年6月号、発売されました。表紙は、電車かな、バスかな? その車内にて、るんにもたれかかって眠るトオルの図、であります。トオルを気にかけてることがわかるるんちゃんの表情、お姉さんなんだなあって思わされるそんな雰囲気がありまして、またトオルの気の抜けた、あるいは安心しきった、そんな顔。なんかすごくしあわせそう。色合いも柔らかで、ほのかに暖かみの感じられる、しあわせ、安心、いい表紙です。

ラッキー・ブレイク』は仕事の話ですね。仕事って、年がら年中、いつも忙しいってわけじゃない。だから他部署の手伝いを、っていうんですが、邪魔にしかなってないっていうのが実にこの会社の人たちらしくっていいですね。かくして陸の他部署探訪は経理、営業と経て社長室に辿りつき、社長の仕事を知るんですね。えーと、ゲームらしい。社長の仕事の実際は、夜にこそその真髄がある模様、接待、かくして飲む飲む飲む、であるようですね。しかしダイナミックな飲み、いつか体こわしそうだなんて心配してしまうような飲み方ですが、けどそれだけが社長じゃないというのも描かれて、ええ、見る目があって、そしてこれというものを見付けたら、コネクション作って、ねじこんでいくのかな? いずれにしても、見た目以上に大変そう。健康を削ってる、そんな感じでありました。

ひだまりスケッチ』はヒロさんの話。絵を描きはじめた時のこと。ほめられて、嬉しくて、それが絵を描くことの最初の動機になった。けれど、楽しいから絵を描く、それだけでよかった時期はもう過ぎ去ろうとしていて、ええ、進路ですね。けど、高校生の頃に進路をどうするか、その先にあるだろう職業まで含めて考えるっていうのは難しいと思うんですよね。私は、ただ音楽を続けたい、それだけで進学して、けれどそれを職業にはできない、それで転向した。ええ、ヒロさんの悩み、そいつに2年遅れで向き合ったんですね。しかし、今回のヒロさんの悩みや迷い、変わりたくない気持ちっていうの、ええ、今がよければそれだけ、その今を延長したい、そういう気持ちは強まりますよね。でも、それがかなわない願いということは誰もが知っていて、だから悩み迷うんでしょうね。いい話でした。ちゃんと迷いの先に道が示される。その先に、またやっぱり違った可能性を夢見たりすることもあるでしょう。けれど、その今の時点での可能性、それをちゃんと掴むことができた。それまでのヒロさんの心の揺れ動き、その決意を支え応援した人たち。そのどれもが素敵だったなって思ったんですね。

『九十九神いりませんか?』、実にいいですね。冒頭の勝手に動いた手紙。これはキョウの仕業だろうか、そう思ったんですけど、違いましたね、ゲストがきたのでありますね。今回は、前回の和紗のクラスメートの側にいた、あのモノの精? 彼女が手紙にのってやってきて、ああ、なんて可愛いの。主人であるたからの思いを成就させたいと、九十九神やらもろもろを見える和紗に頼みにやってきた。ええ、頼んだ人が間違ってたんじゃないか、そんな展開見せてますよね。これが次回、どうした展開になるのだろう。それはすごく楽しみ。面白そうです。

けいおん!』、高校編再開ですね。梓も3年生、憂と純を加えて、いよいよ部活、という風にならないのは、まさに伝統といったところでしょうか。冒頭の憂イメージチェンジ。あれは面白かった。唯に化けたか、唯が化けたか。いやさすがに前者だろう、そう思わせて、いや後者もありえる、そんな風にも感じさせるところ、これはうまかった。再開第1回は状況の整理をしつつ、新キャラクターの顔見せでもあるといった感じでした。ティーセットはきっともうないよ、だからお茶会はもうできないかも、そうした前提示されて、けど残されていたティーセット。そして食器棚を運ぼうとする謎の1年生。金髪碧眼斎藤菫。む、この斎藤という名字には、なんだか覚えがありますぞ。いや、例のように元ネタがあるのかも知れないけど、でもあるいはあの人の関係者? 娘さん? そんなこと思わせる姓でもあって、お茶いれるのがうまいとかね、私の予想は正しいかも、そんな気にさせられるのですね。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第7巻第6号(2011年6月号)

2011年4月27日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2011年6月号

『まんがタイムオリジナル』2011年6月号、発売されました。表紙はスポーツがテーマ? いや、野球なのか。ピッチャーナース山下に、バッターらいか。応援するのがたまこ先生、『ハコぺけ』の面々、そしてまるとマリアですね。ところで、端のほうに、ピンクのサウスポー的なふたりがいるんですが。いやもう、野球青年が妙に色っぽくて笑えちゃいます。

『ゲンセンカラン』、ゲストです。旅館ものですね。ヒロインは源からん、新人の仲居さん。ちょっとどじっぽいのだけど、元気のあるお嬢さん。元気があるというより、やんちゃっていった方がよりそれっぽく感じられる。そんな性格なんですね。振舞いががさつ、花の名前とかわからない。けど、それで駄目だめなのかといえばそうじゃないようで、温泉についてはやたら詳しかったり、他にも意外な特技みたいのありそうです。ひとこと多かったりもするけれど、悪い子じゃないなってわかる。見ていて憎めない、そんな様子、とてもいいと思いました。というか、可愛いですよね。

『恋は地獄車』、高橋くんは最高だなあ。甲斐性云々いってるけど、その行動を見るかぎり、甲斐性のどうのこうのっていうのは夢のまた夢に思えて、それでも捨てられないのがあのスタイルなんだろうなあ。ある種見上げた人だと思う。けど、そのスタイルを生かせる職業は、まずもってないと思う。ほんと、その個性、インパクトを生かすといえるほど、彼のもろもろは個性的ではないからなあ。こういうところも、うまいデザインだと思うんですが、しかし彼の幸福な未来が見えなすぎてつらい。なんだか、他人事に思えなくてつらいのです。で、最後のカズ君。彼、なかなか悪くないじゃない! とか思った私。どっかおかしいのかも知れません。

『ねもころ』、ゲストです。なんだろう、不思議な漫画。ヒロインは女学生、でいいのかな。まさか制服で通勤してるOLとかじゃないよね。自宅、団地ですよね、に帰ったら、なんだか妙な手紙があって、それを手繰っていったら、奇妙な生物がいたっていう。手紙はラブレターらしい。結婚を迫られる。なんというのでしょう、いわゆる不条理ものであるのかな。わかんないんだけど、とりあえずそのわからなさを楽しめるかどうか、それで評価が決まりそう。そんな作風の漫画です。

『よゆう酌々』、なかなかしびれる展開になってきましたね。店がうまく回ってない。女将が悪いからなのかどうなのか。それは私にはわからんけれど、戸田くんが愛想尽かしかけてるのが、非常にやばいよね。引き抜きの打診をされている、気持ちはもうやめるに固まってるみたいで、あの女将の運のよさ? それが引き止めてるってだけ、みたいです。けど、きっと戸田くんはやめないだろう。そう思うんですけど、いやほんと、どうなるかわからない。はらはらさせて、なにもないって感じになる? あるいは向こうにも問題ありって感じでいく? わからないけど、わからないから面白いです。

  • 『まんがタイムオリジナル』第30巻第6号(2011年6月号)

2011年4月26日火曜日

『まんがタイムスペシャル』2011年6月号

『まんがタイムスペシャル』2011年6月号、先日の続きです。

『早乙女寮別館ものがたり』は、ちかの過去の話でしたね。イギリス人のお家でメイドをやっていた。もともとは台所の下働きだったのが、奥様の気紛れといいますか、奥様付きのメイドに昇格して、けどそれで仕合せというわけではないというのが切ないですよね。可愛がられるのはいいこと。けれどやっかみがある、仕事をしようにもそれがかなわない。ああ、自分のなしたいと思うこと、それが阻まれるつらさはわかる。この漫画は、なんだか不思議な寮の不思議な住民たち。ちょっと浮世ばなれして、みたいに思うけれど、大家は大家で資金ぐりに苦労して、そして皆なにか思ったり迷ったり大変だったりした過去があったりして、見た目ほどお気楽でもないっていうところ、それが面白みを深めていると感じます。

『放課後のピアニスト』は、なんと眼鏡のレミさん。これは魅力的! と思ったら、なるほど勉強せんといかんってことですか。おそろしく酷い点数。それこそ進級が危ぶまれるレベルですね。けど、レミさん、アホの子ってわけじゃない。リストの『タランテラ』、そっくり覚えて弾けるっていうんですね。なのに漢字は覚えられない。典型的な、好きなことだったらいくらでも頑張れる、能力だって発揮させるっていうタイプなんですね。他人事とは思えません。でも、そうしたレミの覚える工夫、まだまだ点数は低いけれど、好きを苦手に繋げられるというのは面白いと思います。私じゃこれは無理だなあ。

『野菜畑でつかまえて』、面白いですよ。小姫のやりたいこと、それが忍者っていうんですが、面白いなあ。麻の話は、たしかにそうなりそう。そういえば、忍者の生態を説明する本なんか読むと、麻で跳躍の鍛錬したというエピソードには決まって麻を勝手に植えちゃいかんって書かれてましたっけ。子供のころは、その理由、わからなかったなあ、なんてこと思い出しました。「マナー教室」、面白かった。最後にちゃんと制裁が加えられてるのが驚き。そしてふとんで隠れ身とかも。でもって、姉の妹に対する黒い思い。あれはよかった。なんといいますか、健気な女心、でいいのかな? 可愛いですよね。

『セーラー服でもあいしてね』、これは本当にいいですよ。佐々実さん、ちょっと太っちゃったみたい。いろいろ食べすぎた。で、そのことを初さんに相談? する時の様子が可愛くて、いや、もう、なんて素敵なの。そんなわけで、佐々実さん、厳さんの前でちょっと気後れしちゃいまして、いつもとは違う様子に厳さんが心配しちゃうっていうのね。なかなか不器用な厳さん、けど佐々実もなかなかに不器用だなって思って、このふたり、現れ方こそ違うけど、実は似てるのかもななんて思いました。

  • 『まんがタイムスペシャル』第20巻第6号(2011年6月号)

2011年4月25日月曜日

Azalea, taken with GR DIGITAL

Cherry blossoms月末がやってまいりました。GR Blogのトラックバック企画、今日の夜が締め切り。テーマは「春」、ということで、ああ、これはいつもみたくこじつけなくとも応募できると、安心したのでした。けど、それで花を選んでしまうところが、私の単純といわれる所以でありまして。いや、まあ、素直と思っていただけたらありがたい。というわけで、トラックバック企画「春」に参加します。

春になると、あちこちで花が咲きはじめるものだから、当然私も花中心に撮ることが増えるのです。今年撮ったものはといいますと、桜、ビオラ、花韮、シャガ、そしてツツジといったところでしょうか。そうした中から、今日撮ったところの一枚、ツツジを選んでみました。

Azalea

ついでに、同じく今日撮った花水木も載せておきます。

Dogwood

Dogwood

Dogwood

2011年4月24日日曜日

『まんがタイムきららフォワード』2011年6月号

『まんがタイムきららフォワード』2011年6月号、昨日の続きです。

となりの柏木さん』、これまでは柏木さんと桜庭くん、友達としての関係を築いていた、そんな雰囲気でありましたが、桜庭くんが柏木さんのこと意識しはじめて、そしてついにでありますね。最初は誤解だった。清香のことが好きなんだと勘違いされて、なるほどこの誤解で一波乱あるのかな? そう思ったら、なんと、スピード解決。さすが桜庭くんなのかも知れない。ものすごくストレート。真っ向から。そして駄目押し。それですぐには話が動かないっていうところもらしいですね。これから柏木さんが意識する番、ってことになるのかな。スローな恋愛模様。いいですね。

据次タカシの憂鬱』、かわらず面白い。一時期の恋愛展開は落ち着いて、ふたたび店長に誤解されて、無茶な要求に応えざるをえなくなる、そんな展開に戻っています。いやあ、面白い。恋愛展開のころは、面白かったのはいいのだけど、恋愛成就して終わっちまうんじゃないかという心配がぬぐえなくて、けどこれは安泰ってことでいいんだろうな。安心もあるからなのか、よけいに面白かったです。しかし今回も、タカシはそれこそなにもしていないのに、まわりが勝手に大げさにしてしまうというパターンを見事に展開してみせて見事でした。超人接客対決という馬鹿馬鹿しさがあって、わけのわからないすごさの上にタカシを置いてみせる。そのやり方、実に期待に応えてくれるものでした。大好きです。

『ハナレビの楽園』、秋桜と桜子の関係改善の回でした。仲違い、というか、出会ったころからぎくしゃくしていたふたり。近付いたかと思ったら離れ、また近付いてという、その気持ちのしっかりと結び付く、そんな回だったと思います。飛び出していって、崖から落ちた秋桜。彼女を助けたその夜、桜子は夢に彼女のことを見るというのですね。記憶もないのに、秋桜の歌が嫌いな桜子。それはなぜなのか。同じく記憶のなかった秋桜、彼女と昔なんらかの因縁があったというのか。そうしたことを匂わせて、けれどそれ以上に、よい友人になろうという気持ちを描いたのがよかったなと思っています。

少女素数』、なんと、ヒロミさん、思い切りましたよ。どうも敷島のことが好きみたいだよ。そんなふりは以前からあって、けれどそれが具体的に語られたりするのかな。そう思っていたら、ああ、この漫画は、女の子が凛々しくて、真っ直ぐで清々しいなあ。悩んだり迷ったり、気持ちの整理がつけられなかったり、そんな描写もあるけれど、ここぞという時には前にぐっと出てみせる、ええ、ヒロミさん、一歩前に踏み出してみせましたね。

となれば、気になってくるのはあんずですね。この人は、いったいどうした反応を見せるのか。恋に煩悶し、まだはっきりしない気持ちを、兄への気持ちでもって追い出そうとしているのがすみれさんかと思います。となれば、この人と対照的な性格、といってもいいのかな、そんなあんずさん、恋愛の場に立たされればどうした表情、反応を見せてくれるのか。否応なく興味はわいて、ええ、次回への期待は高まるのでありますね。

2011年4月23日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2011年6月号

 『まんがタイムきららフォワード』2011年6月号、発売されました。表紙は『ハナヤマタ』、『空色スクエア。』の双あらため浜弓場双の新作です。着物を羽織った女の子ふたり。扇子と鳴子を持って、なにか踊りに関する話なのかな? なんて思わせる雰囲気がちょっと魅力的。華やかですよね。手前の女の子は黒髪、奥の子の髪はピンク? がかった白? なにか人でないのかも知れないと思わせる容姿です。そしてカットがもうひとつ。『はぢがーる』。こちらも新連載だそうですよ。

さて『ハナヤマタ』です。これ、平凡な女の子、関谷なるがヒロイン。中学生ですね。友達は作文で表彰されたり、あるいはかっこいいからとドラムをやって、オーディションうけようか、なんて話してる。そんなヤヤちゃんを見て気落ちしてるなる。父親からも、なんかいろいろいわれちゃってたしさ。でも、確かに夢見がちかも知れないなるだけど、夢中になれるものがある、それで充分じゃないのかな、なんて思ったりもするんですね。既存のもので満足できなくなった時が、君の世界のための第一歩だ! とまあ、そんななるさんが出会った女の子。和装で金髪、夢のように踊っている。ええ、表紙の女の子ですね。人でないかのようといっていた、なる曰く妖精ですね。けど、やっぱり人なのかな? そう思ったけど、あれ、やっぱり人間じゃない? まだまだわからない。とりあえず出会って、そしてなるの世界が変わろうとしている、そんな雰囲気を感じさせる第一回です。

『魔法少女かずみ☆マギカ』、驚いた。アニメとは違う、そんな感じで展開していってるといいましたけど、ほんと、先が見えなくて、かなり面白い。結構陰惨だったりする、そんな印象もしっかりあって、いやほんと、見せてくれますよ。展開も早い。冒頭は、のんびりした感じもあったんですが、今や毎回新しいなにかを投入して、なにか危機的なものを用意して、いや、ほんと、ちょっとあなどってました。ごめんなさい。実際、これは先が楽しみです。どうなるんだろう。すごく気になります。

夢喰いメリー』、エンギと由衣の回想が終わって、今に戻ってきましたね。回想の終わり際、思い詰めたエンギに向けられた由衣の気持ち。ああ、この人は年下で、そしてなんだか頼りなさそうに見えるけど、芯は強いんだな。エンギの傷を手当てしようとした時の表情が物語ったのか、守るといったその言葉が、ただただ力強く、できる事をやろう、その言葉も不思議と頼もしくて、その後のエンギとの関係、ふたりの信頼しあってる、その根源が感じられたように思いました。

そして現在。ナオさん、ちょっとどうかした? なんだか不安な出だし。ざわざわするなあ、なんて思いながらも、トランペット、いいなあ。これ、プラクティスミュートつけて室内練習? 冗談抜きで買っちまおうかなあ、どうでもいいこと思っています。そしてここからが本編、STOで働くメリーさんですけど、ツナゲッティとかいってた頃とは大違いだ。いきいきとしていて、魅力的だなあ、それに貴照もまじえての日常っぽい風景、楽しいなあ、なんて思ってたら、貴照と夢路の会話、あれにはやられました。夢路の過去にどんなトラウマが!? 見事にはめられましたね。いやもう、メリーのあの顔にいたるまで、やられまくりました。めちゃくちゃ面白い。

そして、ちょっと感動させられた。話のテーマは学校の文化祭。楽しそうな夢路、勇魚、貴照を見て、ちょっと疎外感? メリーはその輪に入れないのか、メリーも、私も、そんな風に思ったところに夢路の言葉でしょう。あれはきました。本当に嬉しそうなメリー、あれもきました。いや、ほんと、いい話。いい展開でした。

で、次回への引き。あれはどうなる。あの瞳はすでに出てたっけ? 気になりますね。気になります。

『はぢがーる』、表紙にカットのあった新連載ですね。ヒロイン紗江の受難であります。恋愛ドラマ見てドキドキ、恋に憧れながらもそのドキドキに戸惑っていたら、謎の天使が現れて、謎の契約をしていった。愛の神様の卵の宿主として、ドキドキを糧に卵を育てなければならなくなって、って、これはクーリングオフとか無理なのか。課題をクリアすれば素敵な恋が、しくじれば永遠に縁がなくなってしまうという、なんという不利なシチュエーション! なんか唐突だなあ、そんな風にも思ったんですが、読んでみれば面白い。紗江さん、男子からはクール、凛々しいと思われている。けど実際にはそうじゃなくて、どちらかといえばあかんたれですよね。そんな彼女が、課題として示されたクラスメートに抱き付くというのをしとげるまでのもろもろ、そのひとり空回りしてるみたいな様子が実に面白かったです。

ところで、卵の課題、クラスメートとはあったけど、異性とまでは指定されてなかったよね。なんて思ったんだけど、なるほど、紗江さん、この人も同じこと考えて、だから冒頭で菊花に抱き付いていたのか。なかなかいろいろそつない御様子。こういうところ、悪くないですね。

引用

2011年4月22日金曜日

『まんがタイムスペシャル』2011年6月号

『まんがタイムスペシャル』2011年6月号、発売です。表紙、メインは『恋愛ラボ』、マキであります。スカートを持ち上げて、そこにはたくさんの花が! ああ、なんといいましょうか、憧れのシチュエーション、まさしく夢に見た乙女の姿、ってな感じでありますな。しかし、この人、本当に美少女です。そして『パンむすめ』からヒロイン、ふたり。あのフランスパンは、なにかはいってるのかな? 他に『スーパーメイドちるみさん』のカットもございます。

恋愛ラボ』は、不意になんだかかっこいいヤンに驚愕。いりきみ先生にのせられて、あたかも当然のようにマキの可愛さを肯定してしまったヤン。いいじゃん、なるほど、なかなかいいじゃん。もう、マキに殴られておくがよいよ。そして可愛いのがリコですよ。完全に意識してる。その相手、ナギもリコのこと意識していて、いい感じにラブコメ展開ですね。この互いに意識しあっているということ、気付けば一気に関係は動きそうに思うのだけど、それはどうもまだまだっぽくて、しかしリコの乙女ぶり。見事でした。

『スーパーメイドちるみさん』。大樹さん、あんたはいったいなにものだ。いえね、漆田さんですよ。みずだ子さんとの対決に負け、負け? タコスミまみれになって入浴。その後ですよ。湯上がりの女の子、髪が濡れているよといってタオルでふいてあげるって、どんなんだ。駄目な人という印象の強い大樹だけど、なんか最近そうでもないよなって気がしています。しかし、眼鏡なしの漆田さんは可愛い。さらにいえば、この人はメイドの格好してない時の方が可愛いと思います。そして取り替えっこの終わり。みな、いつもどおりに戻って、表現こそは違うけど、なんだかそれぞれに嬉しそうなところ、それはとてもよい風景でした。

少女カフェ』は、前回の話、そのお父さんとみおサイドでありますね。おっとりしてると思える、そんなみおだけど、実は結構しっかりしてるんですね。あるいは、つくしのことをよくわかっている。こうした事態にうろたえるでもなく、むしろ落ち着いて、しっかり店をまわしている。ほんと、つくしだけでなくみおも、たいしたお子さんなのだなと思いましたよ。家族全員で、また親しい人も一緒に、その気持ちを確認しあうみたいなシーンもね、ああ、いいなあと思いましたよ。そしてカレー屋でのお父さんの言葉。ああ、いいお父さんです。本当にいい家族だなと思わされました。

『シュガービーチ』、面白いなあ。バレー部北条さんの狙い、不動堂の獲得なんですが、手段は選ばないといいきる、その態度が見事です。しかし、一年生と試合して勝ったら不動堂獲得。よくこんな条件飲ませたものです。というか、不動堂が自ら飲んだって感じでもあるんですが。からまわりの不動堂先輩、マイペースでどことなく不安ぶくみの下級生たち、そして必死の北条。みな、それぞれのありよう見せて、おかしくて、しかし不動堂先輩がだんとつに面白い。まぶしいほどに笑顔だな… こうしたせりふにおかしみが感じられて、実によいですよ。そして、不利と思われた一年組も、寝違えによる補正? みなとのボールコントロールが改善されたこと、ベタといったらそうですね。慣れない砂浜、風の影響に苦しめられるバレー部組。うまく接戦に持ち込めるような工夫があって、まあ、はらはらさせられるという感じとは違うんですが、けど面白かったです。最後の最後、不動堂の発見、あれは駄目押しでしたね。最高でした。

  • 『まんがタイムスペシャル』第20巻第6号(2011年6月号)

引用

  • 下村トモヒロ「シュガービーチ」,『まんがタイムスペシャル』第20巻第6号(2011年6月号),102頁。

2011年4月21日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年6月号

『まんがタイムきららMAX』2011年6月号、昨日の続きです。

『R18!』、べらぼうに面白かったです。仕事に対する姿勢と申しますか、自分を押し通そうとしない、そうした人柄が望ましいっていう話であります。ああ、私は失格だ! いえね、今仕事を辞めたい、転職したい気持ちが、まさしくMAXでありまして、退職活動と称して、別の仕事を探しはじめようとしているところなのであります。いうならば、グラフィッカーとして採用されて、それでやる気でいたというのに、職場の体制が変わって、色塗りはいいから事務やってよ、そういわれて、嫌んなった、もう駄目さ、だけどクサるのは止めとこう。変わりに仕事辞めようかなって気持ちになったのですね。

結局、私も楽しくやりたいって話です。物好き、けれどわがままなんだろうな、そんな風に思うのですが、逆に業界はそういうやる気や憧れを搾取して、買い叩いているのかもなとも思うので、どっこいどっこいだよな、そんなこと考えてみたり。また、専門学校の話。ああ、バイト先の後輩がそんな感じだった。けど、自分はどうなの? そう聞かれたら、大きくは違ってないとも思う。頑張ってたつもりだけど、そう思ってたのは本人だけで、結局は受け身だったのかもな。そう思えばこそ、今回の話は耳に痛く、うん、反省した。でも、なんだかゆるく仕事してる、そんな風に感じられるこの漫画。けれど実際にはちゃんと仕事してるのよ、責任というものを考えてやってるのよ、そんな真面目な表情が垣間見えたようで、そうしたところもよかったです。

『姫が王子で、王子が嫁で。』、ゲストです。国力が衰えてしまったエルブールの姫、セレシア。政略結婚ですよね。大国アリスプリングのロッテ王に嫁ぐことになったっていうんですが、なんと、変態国王。ということは、姫よ! 王の股間を蹴り上げてくれ! 的な話かと思ったら、おう、違った。女装趣味というのですか。でも、これって女装の問題なのか? ただの異性装じゃないよな、そう思わせるところあって、けどこの王って、あの眼鏡のメイド、彼女のことが好きとか、そんな感じよね。そして、面白かったのは、こうした女装うんぬんよりも、伝説の剣を使って便利に掃除してしまうとか、しかもなんか誇らしげだったりとか、そういうのがよかったです。

『カラフルスナップ』、ゲストです。驚きましたよ。人型端末っていうんですが、これってこないだちょっと話題になったアレっぽいな、と思ったら、本当にそこから発想していたのですか! みゆとメグ、彼女らに届いた人型端末。ネオンとミナモ、着せ替えして公園に連れ出して、撮影だそうですよ。ああ、そういえばタイトルがスナップ、携帯端末メインの漫画ではなく、カメラがメインなんですね。ふたりは写真部? あまりごりごりの写真ものではないっぽいですが、あまり気を張らず、素直に写真に向き合ってるみたいな感じは、本当にスナップというタイトル、それを表しているのだなあと思わされました。

ところで、おにぎりって、まさか漢字Talk? いや、まさかね。

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第6号(2011年6月号)

2011年4月20日水曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年6月号

『まんがタイムきららMAX』2011年6月号、昨日の続きです。

『ふわふわ科学』、今回は重曹の話! というわけで、私もカルメ焼き、試しに作ってみましたよ。ええ。昨日いってた再挑戦であります。

Caramelo

失敗だー!

いえね、重曹を入れるのに、面倒くさがって粉のまま投入したのがいけなかった。なのでサツキさんのおっしゃるとおりに、卵白に重曹を溶いて作ってみました。そうしたら、このとおり!

Caramelo

膨らみました。見事に膨らみましたよ。

Caramelo

カルメ焼き。はじめて作ったにしては、なかなかの出来栄えではありませんか。これ、何度か作って、ノウハウ蓄積したら、もっとうまく作れるようになりそうです。実際、これをうまく作るには、炭酸水素ナトリウムの特性を理解するとよさそうです。

というわけで本編。今回は科学については薄めにして、登場人物の紹介、こういう人ですよと見せてくれる。ゲストのころは、キャラクターよりもイベントで見せるといった感触が強かったですが、こうやってキャラクターが押し出されるのも、また悪くないなって感じです。

あ、そうそう。卵白は小さじ半分ほどしか使わなかったので、ほぼそのまま卵があまってしまう。もったいないので焼いてみました。

Sunny-side up

特にSUNNY SIDE UPというわけではありませんよ。単行本はもちろん買います。

『アキタランド・ゴシック』、素晴しいな。独特の味。西洋の大きな草刈り鎌。それ持つことで発動する内なる意識! ものすごく気持ち、よくわかる。いや、ほんと、ありゃ構えたくなるでしょう。でもって、姉に鎌の使い方知らないと思われたんじゃないかと心配するアキタちゃん。ああ、これもわかる。知ってるのに知らないと思われるの、なんか気になりますよね。あれ、どういうことなんだろう。ほんと、私もそんなところあるから、アキタちゃんの気持ち、すごくよくわかって、それだけに一層面白いです。

『フラットらいふ』、柴田燕ウの新作ゲストです。女子寮を舞台に、ちょっと百合的展開を見せる、そんな漫画です。女の子はみんな可愛く、優真、千弦が寮生。そこにちょっと夢見がち? 妄想得意? な牧野芽衣子さん中二が、母の代理で寮母として張り切って、てな具合なんですね。しかし、寮母代理だからなのか、それとも代理でなくともそうなのか、リフォームのこと知らなかった。いえね、勝手に寮をリフォームしてる千弦、これ実にいかします。そして芽衣子の髪をツインテールにするくだり。ちょこっと不器用な優真。こういう細部に個性を見せるみたいなの、すごく好みです。

『√中学生』、ゲストです。とりあえず扉絵、これ、すごくいい。スカートのひるがえりが不自然だったりもするけれど、その不自然さも含めて悪くない。胴の長さ、その表現が実に魅力的。ちょい吊り目、シルバーブロンド、そばかす、リボン、ヒロインの造形もいいじゃない。作者はさくやついたち。なにか既刊とかあるかしら、ちょいと検索してみれば、ぎゃーっ、『右手が止まらない俺と幼馴染の姉妹』の人か! 知ってるよ。ずっと前に、なんだったかで見て、かわいい絵だなって思って、覚えたんだよ。なんてこった! 買うか!? どうする!?

さて本編はといいますと、デフォルメ多め、コミカルな印象の強い漫画です。ヒロインは、海外育ち、ハーフの女の子、月モニカトニアセルトニアに、鷹揚おっとり系の有坂操、なんだか不思議な女の子、黒枝琴、そして眼鏡。この子、名前出てないのね。なんだか真面目そう? そう思ったら、なんか腰につけてる。あれは手榴弾? いろいろギミック多めっぽい、そんな印象のある漫画です。けど、実際、琴のやってること。言葉少なく、そして知らぬ間にペンでクレヨンでチョークでメッセージを書いてしまっているという、手品なのかなんなのか。その攻防は面白かった。また先生とのやりとり、そして月のとーさまに対する態度、あれらもなんだかよかったです。

絵の可愛さに魅せられた、それは確かに事実なのだけれど、それだけではないものがあったと思っています。ええ、ちょっと楽しみにして読みたい、そんな感想であります。

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第6号(2011年6月号)

2011年4月19日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年6月号

『まんがタイムきららMAX』2011年6月号、発売されました。表紙は『落花流水』であります。こういう、動きのある絵、なんだか珍しいように思います。これ、なんていうんだろう。背中合わせに、腕と腕絡ませて、えいっと持ち上げる。それをやっているんですね。そして表紙左下には仏さんじょ『カレーの王女さま』のカットがあって、この人の漫画、好きなので、ちょっと楽しみです。

きんいろモザイク』、今回は烏丸先生がメインですね。眼鏡の先生、英語の先生、すごく可愛らしい。なんだかちょびっとどんくさい人。でも、それもまたよいなと思わせるところがあって、いやほんと、この人もどれほどにアリスのこと好きなのだろう。なのにアリスに若干敵視? されて、でも好きだっていってもらえて、その揺さぶられよう、実に見事でした。しかし、あのあれっ ちょっと引いてる!? っていうの、めちゃくちゃ面白かったです。嘘でもいいから、『不思議の国のアリス』からつけたとかいって誤魔化すのが正解だったっぽいですね。

で、思ったのですが、この漫画の面白いのは、登場人物に若干のネガティブな気持ち、被害妄想っぽいところがあるの、それがアクセントになってる感じがするのです。アリスに嫌われてるんじゃないかと不安になる烏丸先生、また忍の言葉に傷付くアリス、わたしのせい!? いや、ほんと、めちゃくちゃ面白い。そんなに気に病むことないのに! と思ってしまう、そのつっこんでしまう気持ち、それが面白さを支えているのかも知れません。

ところで、忘年会の烏丸先生、とても素敵だと思いました。

ひろなex.』は致死量の話。なるほど、カフェインは10gなんだ。どんなものにも致死量ってのはあって、けれど微量に摂取する分には問題ない。そうした量の問題、程度の問題っていうのは大事だよなあ、なんて思ったりしながら読みました。ところで、プリン3リットルは体に悪そうです。

『おにさん、こちら』、かなで、復活ですね。前回の落ち込みよう。言葉のひとつひとつが痛みをもって迫ってくるようで、あれは切なかったなあ。けれどこの子は大丈夫、そう思ったのは、お母さんの態度、すごくいいよね、娘をちゃんと見て、ちゃんと受け入れてる。お父さんも。ちゃんと見ている。大きなドラマ、そういうのはなかったけれど、ゆっくりと時間をかけて、落ち込んだ気持ちをなだめていく。そうしたかなでの様子は、心の自らを癒そうという、そんな力感じさせてくれて、よかったと思ったのでした。

ラッキーストライク!』、本当に少しずつ、けれど着実に話が進んでいきますね。ついにレンがスコアをつけて練習することになった。投げるの許されるまで時間がかかり、マイボールもようやく手にいれて、そしてついにゲーム形式での練習ですよ。それでちゃんと上達していることが見えるというのがまたいいなと思ったのですね。で、点数なのですが、140というのは高いのか(ボウリングのことは、驚くほどわかりません)。で、アベレージ150を狙うというのはすごいことなのか。そのためにはどうするか、部長から与えられるアドバイスがまた具体的で、なるほど、こうやって調整していくのか。ええ、ボウリング、ボールもよく投げられない私が、知識ばっかり増えていきます。でも、ほんと、ただ知識が増えるだけじゃなく、ボウリング面白そうっていう気持ちがふくらんでしかたないんですね。ほんと、ちょっと試しにボウリングやってみようかしら。

で、重要なのは一番最後。ついにレイレイ先輩の負けん気がぐぬぬと強まったみたいですね。これはいい感じ。レンに対する壁として立ち塞がるのか!? いやほんと、この人の気持ちがぐっと強くなる、そんな展開だったら嬉しいななんて思います。

『カレーの王女さま』、仏さんじょの新連載です。日本のカレーを学ぼうとやってきた、サンバール王国の第2王女、ヴィクトリア・ノートンがヒロイン。いや、カレー店の娘、つかさがそうなのかな? ヴィクトリア、愛称はヴィッキー、この人にはつかさという名前がトゥギャザーと聞こえてしまうらしい。しかし、なぜカレー留学だったのか? 謎です。謎だけど、このあたりはあんまり気にしてもしかたないように思います。そんなもんだと受け入れて、ヴィッキーとつかさ、そしてヴィッキーに付き従うメイド、ちょっと不敬な彼女も加えてのカレー話。楽しみにしたいと思います。

『ふわふわ科学』、今回は重曹の話! というわけで、私もカルメ焼き、試しに作ってみましたよ。ええ、見事にべっこう飴ができました! ああ、明日再挑戦するっ!

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第6号(2011年6月号)

引用

  • 原悠衣「きんいろモザイク」,『まんがタイムきららMAX』第8巻第6号(2011年6月号),33頁。
  • 同前,29頁。

2011年4月18日月曜日

あかつきの教室

 『あかつきの教室』は『週刊漫画TIMES』に連載されている漫画。って、なんとこれ不定期連載だったのか。それは知りませんでした。そして知らないのは不定期だっていうだけでなく、その内容についてもでした。主人公は学校の先生。田舎の学校で教えている、みたいな話だけは知っていて、けどそれで『二十四の瞳』みたいな話なのかなあ。そう思っていたんです。いやあ、違いましたね。なんてったらいいのだろう、ちょっと不思議な感じもある、そんな感想です。それはおそらくは、主人公である先生のキャラクター、それに由来するものもあるのだろうけど、同時に漫画全体に感じられる雰囲気、こいつも大きそうだなって思ったのでした。

先生のキャラクター、そういえるほどまだよくつかめていないのですが、ええ、なにかつかみどころがない、そんな感じがするのです。理科の先生だそうで、生物が専門なのかな。第1話では、海岸に打ち上げられたリュウグウノツカイを拾っていて、どうも動物の死体をみつけると、拾ってきて標本にしたりしてるらしい。ええ、リュウグウノツカイも第2話でしっかり標本になっていましたね。

この人、暁千夜子、ちょっと謎めいて、けれどどことなくワイルドと思えるところもあって、学校では優しく物静かといって人気、そしてロマンティスト。なんだかすごく多面的で、そしてその多面的表情のひとつに、なにか寂しげであったり、あるいはどことなく空虚を感じさせるものがあったりするのですね。それは、最初、なにか達観していたり超越していたり、そんな雰囲気感じさせる人っていますよね、現実にまみれていないというか、そういうのかもと思っていました。でも読み進めれば、ああ確かにこれは空虚ないし寂しさ、そうしたものとして描かれてるんだ。そうしたものとして受け取っていいんだ。そう感じさせるものがあって、ええ、その雰囲気、ニュアンス、なにかすごく心に引っ掛かってきたのですね。

そうした陰鬱さは漫画全体にもたちこめていて、死のイメージ — 葬儀の風景や、死んだ動物たち、そうしたものも手伝って、なにか不安めいた感情がバックグラウンドに流されていると感じられて、けれど同時に生のイメージも流れているのですね。エロスとタナトス、対照的なものをセットにして語ったりしますけれど、そうした感覚があるといってもよいのかも知れません。なにか立ち止まっているかのような感情があれば、前を向いて伸びようとしている、そうした心も見て取れて、そしてそれらは対立するでもなく、また対比されるでもなく、ともにあって、ともに息衝いている。相容れない二面に見えて、実は同じものを違う向きから見ているだけなのかも知れないと、そういった手触りを伝えてくるようにも感じられたのでした。

この二面性の同居するかのような感覚は、思えば『蝴蝶酒店奇譚』にも感じられたものでした。そしてもしかしたら、『少女カフェ』もそうなのかも知れない。より濃厚に押し出されているのは『蝴蝶酒店奇譚』だと思う。死、喪失、儚さが描かれ、同時に生きるということの生々しさや永続への憧れのようなものもにじんでいた。『あかつきの教室』は、それらをより私たちの生きる今の世界に近く、引き寄せてみせたものなのかも知れません。春秋を一度はとらえ、そして後退りさせた、私たちの持つ生々しい身体。それは死によって失われるなにかに支えられているのだろうか。死んでしまった身体に私たちが感じる、また違う生々しさ。そうした感覚がまざりあって、なにか不思議な手触りを残して、そしてこの感覚を背景に、あかつき先生たちの暮らし、そこにあらわれるドラマが描かれるのですね。

あかつき先生は理科の教師。なので生物や天文などがモチーフとなって、そこに表現される彼女のあり方、それはとても科学のマインドにあふれるものだな、そのように感じさせられたものでした。けれど、こうしてひととおり読んでみて思ったのは、その科学のマインドなるもの、それは生も死も、なにもありのままに見て取ろうとする、そうした態度にほかならないのかもな。そんなことを思ったのです。そしてそれは、作者である板倉梓その人の態度そのものであるのかも知れないとも思ったのでした。

  • 板倉梓『あかつきの教室』第1巻 (芳文社コミックス) 東京:芳文社,2011年。
  • 以下続刊

2011年4月17日日曜日

『まんがタイムファミリー』2011年6月号

『まんがタイムファミリー』2011年6月号、昨日の続きです。

教師諸君!!』、異動した岩瀬先生にかわり、新しくやってきた今泉先生。教科を選ばず、人当たりもよくて、西名先生のマニアック学校案内にも対応できるという人。すごい人なんじゃないか、そう思わせて、いやあ面白い、授業が下手なんだ。最初、がつんがつんと上がっていた皆の好感度。ものすごい勢いで暴落して、けど、それでもなんとか持ち堪えた? いややっぱりがっかりさせて、ほんと面白い。なにかいつも、ちょっとずつ足りないんですね。でも、それでもちゃんとこれという得意があるんですね。それを説明するのが教頭先生で、ああ、この人もちゃんとした管理職なんだ。この漫画に出てくる人は、どこかいろいろ変わっていたりするけれど、それでもなにか秀でたところを持っていて、教師という仕事に皆しっかり取り組んでいると感じさせられるのですね。ええ、ほんと、芯に真面目な職業ものの味があると思います。

『一緒にかえろう』、最終回をむかえましたね。勘違いの初恋からはじまって、そして友情ものとして終わった漫画。その、今にいたるまでの紆余曲折。そこで描かれたこと、そのどれもがきらきらとして、なにか愛おしく感じさせる、そんな魅力持っていたと思っています。内向きだった詩緒、彼女の成長が物語をよく牽引し深めていたなって思って、そしてともにあった、あろうとした春をはじめとする友人たち。彼らもまた物語をよくふくらませていた、そう思います。そして、この最終回。ああ、詩緒の父にあてた葉書、その文面。あれはなんてしみじみと、心にしみてくるのでしょう。彼女らの過ごす日々、時間の青々として伸びやかなる様、見事に描かれて、ああこれはまさに青春の物語だったなと思わされたのですね。素晴しい漫画でありました。美しくも力強い、そうした漫画でありました。

『ともえ一本勝負!!』、これ、やっぱり面白い。先輩とデートすることになった友恵。いや、しかしなんだかいつもちょっとどこかおかしい。あのジャージの上にワンピースとか、どこまで真面目かわからない、暴走する乙女ごころが最高です。しかし、この人、表情豊かですごく可愛い。女おんなしてなくて、むしろすっきりとして飾り気のない、そうしたところが魅力的だと思います。女白帯、けれどその白帯であるというのが強みだと思う。気負わず自然であれさえすれば、その魅力はしっかり発揮されるだろう、そう思わされる女の子、それが友恵であると思います。

ところで、小指骨折とか脱臼とか、すごいな。でも、それにも増して落ちの友恵、その表情がものすごかったです。

  • 『まんがタイムファミリー』第29巻第6号(2011年6月号)

2011年4月16日土曜日

『まんがタイムファミリー』2011年6月号

『まんがタイムファミリー』2011年6月号、発売です。表紙は初夏の雰囲気? セーラー服、夏服の娘さんたちでありますね。ちょっと俯瞰の構図。下から見上げてくる、その表情、そして右手を上げたカツ代、みな元気そうといいますか。ぱっと気持ちも明るくなるような、そんな表紙でありますね。ほんで、左下には来島さん。ええ、単行本発売の告知カットであるようですよ。

エッセー企画は「わたしのぽちゃぽちゃエピソード」だそうですよ。ダイエット記でありますね。参加者は水井麻紀子、井ノ上ふき、しめ子、おおた綾乃の4名です。しかし、筋トレ、朝バナナ、ダイエットドリンク、そして、ええと、これは特になにもやってない? 私はダイエットとか必要ないのですけど、でも体力をつける、体をある程度鍛えておくというのは重要だなって思います。しかし水井麻紀子のダイエット、というか、健康管理ですよね。これはしっかりしてると思います。きちんと記録して、状況、必要に応じて運動し食事を整える。これは参考にできる、そう思わされるものでした。

『ひめごとノート』、これまだゲストなのか。いや面白いですよ。図書委員になる。その気持ちの強さなのか、本が好きなんでしょうね、姫のやる気が違います。いやほんと、これは積極的、そして魅力的、いや、ほんと、ぱっと印象の変わる瞬間でありました。そして新登場人物。麻生ひとみ。この人すごいな。見た目クールで実は変態。いや、そういっちゃいかんよね。かわいいモノが好きっての、普通だもんね。ただその現れが過剰過激なだけで。でも、この人の一種変態的なところ、それが描かれることによって、ヒロイン小早川姫の魅力が具体化されていく。普通程度に可愛いんじゃなくて、普通以上に可愛いのだと、そうしたことを物語るエピソードであったと思うのですね。

『よめヨメかなたさん』、こちらも新登場人物ですね。平成のかなたさんが創部しようとしているミステリ研究会。部員を募集する彼女らの前にあらわれた男子生徒は、華麗、けれど名前を思い出せないという変わり者。かなたさんは、そんな彼を見てノリノリですけどさ、その彼の正体を知るまでのもろもろ、いろいろおかしくて、変わり者は彼だけじゃないなあと思わされるんですね。で、この彼、幽霊だったというのですが、本物の幽霊部員、ええ、まさにそういうネタなのか、と思ったら、もうひとつ乗せてきましたね。ええ、彼の名前、臼井軋巳。『ボクの社長サマ』に出てくる臼井さんの弟なのか。いやいや、なかなかにニヤリとさせる展開でした。

『はなとふたば』。ああ、やっぱり好みです。眼鏡の壊れた弟のかわりに、花屋で働くことになったヒロイン、ユキ。優しくてかわいくて儚げでいつもニコニコ、ものすごい美少女、のどかに対して、なんだかいろいろ思っちゃってるみたいなユキ。この人も大変な美少女に思えるのですが、いやしかし、のどかさんに懸想してるっぽい弟に対して嫉妬してる? そんな自分が許せない? ほんと、面白いです。ちょっと辛気臭い。ちょっと神経質。でもそんな雰囲気が素敵。ええ、こういうの大好きなんですね。

  • 『まんがタイムファミリー』第29巻第6号(2011年6月号)

2011年4月15日金曜日

Smokin' Mandolin

こないだ、ピックを買いに楽器店に顔を出したら、ショーウィンドウになんともいえない不思議な楽器を見付けたのでした。最初、民族楽器かと思った。赤い派手な四角いボディの弦楽器。近寄って見てみれば、なんと、これ、マンドリン!? 確かに弦は8本、4コースですね。でもって、ボディは葉巻の箱らしい。なんと、実に変わりもの。しかし、これ、どんな音がするんだろう。ちょっと興味が出てきてしまっています。

名前はスモーキン・マンドリン。ボディが葉巻の箱だからでしょうね。楽器としては、フラットマンドリンに分類されるのでしょう。カントリーなんかで使われる楽器ですね。ヨーロッパのマンドリンと違い、ボディのバックが丸くなってない。平らなのでフラットマンドリン。いつかひとつ欲しい楽器だったりします。

でもね、あたりまえのことなんですが、いい楽器は高いんですね。安いのもあるんですが、安いのはやっぱりそんなによくないんですよね。アコースティックな楽器ほど、そういった傾向は強くなって、だからおいそれとは買えない、なんて思ってた。ところがスモーキン・マンドリン、これわりと安いんですね。まあ、ボディが葉巻の箱の流用だからだったりするんでしょうが、2万円台で買えちゃう。しかもコンタクトピエゾピックアップがついている。

まあ、実際の話、あんまりいい音ってのは期待できない楽器だとは思うんですよ。でも、それはフラットマンドリンというカテゴリーで考えるからなのであって、むしろ色物ないしは変わり楽器と捉えることで、その音も独特の個性として受け入れ可能かも知れない。ええ、すごく興味深い。実際の出音は確認していないけれど、そのルックス込みで充分いけるよな、そんな予感がしています。

というわけで、買うかどうか迷い中。でも、もたもたしてたら売れてしまいそうな気がする。ええ、こういうのん好きな人、少なくないと思うんですね。

2011年4月14日木曜日

Etymotic Research カナル型イヤホン ER-6

 私の使っているインナーイヤーヘッドホンはEtymotic ResearchのER-6なんですが、最近、なんか右の聴こえが悪いな、なんて思っていたんです。おかしいなあ、なんでだろうなあ、漠然と思いながら使ってきて、そうしたら、今朝、ついに右から音が出なくなってしまいました。断線? 正直、焦りましたね。決して安いものではないから、買い直しとなったら最悪です。しかし本当に出ないのか、いろいろあきらめ悪く試していたら、どうやら小さいけれど音は出てるんですね。PCに繋いで確認、問題はER-6にあることはわかったけど、しかしなんなんだろう。ええ、調べてみてわかりました。フィルタが目詰まりしているんですね。

ER-6は、というかER-6iもER-4もそうらしいのですが、ある程度したらフィルタを交換してやる必要があるのですね。で、交換用フィルタは製品にふたつ付属していて、だから当座はこれでしのぎ、予備のフィルタはゆっくり買い求めればいいや。そう思ったのでした。

フィルタの交換は独特です。交換用の工具が付属しているのですが、先がピンのように尖っていて、その周囲にネジが切ってある。こいつをですね、フィルタの中心に突き刺してねじこみ、引き抜くんですね。で、新しいフィルタをさしこむ。この突き刺すというのがちょっと怖かったりしたのですが、いえね、ドライバユニットまで到達したらどうしたものかとか思いまして、けれどフィルタは思った以上に硬く、だからぶすりと突き刺さってしまうようなことはなく、問題といえるようなこともなく、無事交換できたのですね。

うん、交換はできた。ただ、間違えて左ばかり2度交換したのは失敗だった。

いや、ほんと、最低です。なんでこんなことに。せめて右を2回だったら! と思うのですが、やっちまったことはもうしかたがない。覆水盆に返らずってやつですよ。なんせフィルタの中央に穴を開けて引き抜くわけですから、一度やっちまうともうそれは使いものにならんのです。ああ、失敗した。ああ、ほんと、なんでこんなことになったのだろうと、自分のうかつさにがっかりしながら、フィルタを注文したのでした。

フィルタが新しくなった左は、解像感がよくなったような気がします……。

2011年4月13日水曜日

『まんがタイムLovely』2011年5月号

『まんがタイムLovely』2011年5月号、発売されました。表紙は『はじめのちひろ』、ちひろと一緒にいるところを写真に撮ってるはじめ、そんなイラストです。シンプルな絵、わりと動きもあって、はじめのパーカーの黄色も目をひく、そんな表紙です。

『みん★うた』は、うわ、ちょっとこれきついな。なにか合唱部に対し否定的な態度をとり続ける大隈先生。それもなぜなんだろうと気になるのですが、それ以上にきついのがヒロイン詠幸ですね。もちろん、これはそういうやばい子なんだということを描こうとしているわけで、その布石は前回にも少し打たれてたわけですけれど、自分がやると決めたら、他の人の気持ちなんて考えない。名義を借りるにしても、断りもなく勝手にやる。その行為に対する反発を、その名義を勝手に借りようとした当人からうけても、一向に意に介さない。これは、こうしたきつい状況描いて、それでいつか引き上げるという、そういう戦略なんでしょうけど、しかしこれはちょっと読んでいてきつかったです。気持ちを伝えあう、そういった根本的ななにかが欠けている人の存在、その恐怖感がすごかった。いや、もう、驚きました。

『いつか王子さまが』、これも若干そうしたコミュニケーションの失敗みたいなのを描いているのかな? 演劇の感想、それをもってつきあっている相手とのギャップを説明していく。ええ、男の感想にあらわれる感じ方、考え方の違い。それをなんとなく受け入れようとしてるヒロインだけど、まあ、こういうの結婚したりしたらもっと大きな問題になったりするから、もう別れちゃいなよ、あんたら性格の不一致できっとこじれるから、と考えたりするのが私です。実際この漫画、ふとたまたま出会った演劇の王子様。彼女との関係がきっかけで、この彼氏と別れることになるんだろうな、そんな期待をしてしまっています。

『君と朝まで』は、前回登場のアシスタント、彼との関係が掘り下げられるのかな? そんな風に思ってたんですけど、違うんですね。今回は編集さん。これまでの人がやめて、変わりにくることになった人、ちょっと怖い人、そして悪い噂のある人。でも実際は、情熱的で、すごくいい人。ただちょっと口が悪いよね。むしろストレートな表現、それが気持ちに訴えて、でも全然恋には発展しそうにないっていうの示されて、このヒロインの空回りっぽい描写、面白かったです。

  • 『まんがタイムLovely』第18巻第4号(2011年5月号)

2011年4月12日火曜日

TVアニメ「夢喰いメリー」オリジナルサウンドトラック

 夢喰いメリー』のアニメを見ていて、結構凝ってるな、なんて思ったのが音楽でした。作曲は奥慶一。プロフィールを確認すれば、なんと、スペクトラムの人なのか! 驚いて、その経歴、東京芸大の作曲卒ってのにまた驚いて、知らんかった! へー、そうなのか。で、驚きつつも納得。というのは、『メリー』の音楽、オーケストラの書法がすごくオーソドックスというか、しっかりしてるなあ、なんて思っていた、その理由がわかったように思ったんですね。というか、わかったといってかまわないでしょう。古典を学んだ、その結果がこの音楽なのだなと恐れ入りました。

気になったのは、オーケストラの書法もそうですが、他にもいろいろあって、メロディ、というかモチーフといいたいのだけど、耳に心地いい旋律を使っていないところなど、それこそ近現代ものを思わせるような音型が目立っていて、実にスリリングな味つけになっているんですね。また複調っぽい曲もあって、すごく耳に残ってた。アニメ『メリー』はサスペンス調に展開していましたが、その視聴者にハラハラと不安を与える効果、展開や演出もそうだけど、音楽も大いに貢献していたと感じています。

スリリングに展開する音楽があったかと思えば、すごくストレートにうったえる、そんな音楽があるんです。ほっとさせられるシーンで、コミカルな場面で、そして気持ちの高まる、そんなシーン、メリーが夢路が、がんがん押していくようなね、そんなシーンにかかる音楽。それは意図的に耳になじみやすいように作られてると感じられて、このコントラストは見事ですよ。いや、ほんと、すごいなと感心しながら見ていたんです。多様なスタイルが、多様な場面にマッチして、すごく効果的に場を盛り上げ、あるいは寄り添うようにあって、これはいいなと思ったのです。

アニメを見ている時から気になった曲、耳に残った曲、それは結構多かったのですけど、どれかひとつといわれると「イチマ」ですね。琵琶を使った曲。わお、すごいな。そう思ってサントラ、楽しみに聴いたら、もっとすごかった。いや、もったいないよ。全然使われてないじゃん。他の曲もそうなんだけど、ものすごくよくできてる、そんなところが使われてないみたいなこと、どうも多いみたいで、いや、ほんと、もったいない。そんなこと思わされたサントラでした。

  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第1巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2008年。
  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第2巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2009年。
  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第3巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2009年。
  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第4巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2010年。
  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第5巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2010年。
  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第6巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2011年。
  • 以下続刊

アニメ

CD

2011年4月11日月曜日

夢喰いメリー

  あまりにヨノナカ、夢もキボーもないものだから、買ってきました、『夢喰いメリー』BD第1巻! ついでに原作とアンソロと『ナイトメアマガジン』も買ったよ。あ、CDはもうコンプリートしてる。というわけで、ずっといつ買おう、いつ買おう、そう思ってた『夢喰いメリー』単行本、買いまして、いやあすっきりしました。『メリー』第1巻の出たころというのが、じわじわと出版点数が増えてきた時期にあたったことから、そのあまりの圧迫感に購入数をしぼろうと試みたりしてまして、ええ、『メリー』はその試みに巻き込まれんですね。

けれど、『メリー』、じわじわと面白さがしみてきて、けれど1巻買ってないからなあ、2巻の時も3巻の時もそう思ったんじゃなかったかな。でもなかなか踏み切れずにいて、そしたらあのランズボロー戦ですよ。これは、これはすごい。あん時は、買ってなかったことを後悔しました。で、今何巻ほど出てるの? ええ、ランズボロー戦が終わった時点で4巻でしたね。買おうと思えば買える。けれどやっぱり買わずにいて、そのうちにアニメ化が発表されて、なおさら買えなくなって、けれどやっと買えた。ええ、悩んでいたことが馬鹿馬鹿しいですね。

『夢喰いメリー』がアニメになると聞いた時、これはすごく楽しみだ! そう思ったのです。さっきもいったランズボロー戦。あの畳み掛け。ものすごくわくわくさせられた、あれをアニメで見られるとか、最高なんじゃない!? ええ、夢見ましたね。だからアニメも楽しみにしてて、いや、面白かったです。絵はきれいだし、全体に陰鬱な感じが加えられてる、そういったニュアンスの違いも面白かった。音楽もかなり気にいっていて、だから最初に買ったのはサントラでした。まあ、同時にOPとEDも買って、その後キャラソンも揃えてしまって、今、こうしてBDから書籍から、とりあえずひととおり買うにいたったのでありますが。いや、ほんと、いつ買うかだけの問題。遅いか早いか、それだけの違いになってしまいました。

今日というタイミングで原作含め買い揃えたのは、アニメがちょうど昨日終わったところだから、なんですね。アニメは悪くなかったけれど、やっぱり13話は短かった。ランズボロー戦で見せた3段の畳み掛け、あれが1段少なくなって、さらにちょっと小規模に描かれてしまった、そうしたところがちょっと残念で、けど2期があったりしたら、ランズボロー戦、がっちり描かれるんじゃないか? そんな期待もあって、逡巡していたBD購入を決意。で、アニメが終わったら原作を読むという習わしにしたがい、ええ、『フォワード』を全部残してるとはいえ、それで読むのはきついものがあるでしょう。だから、コミックスを買ったのですね。最初はひと月に1冊とか2冊ずつ、負担にならないようにと思ったんですが、いやあ、夢もキボーもありゃしない世の中でしょう、ええい、もう思い切れ! 思い切ったんですよ。

原作、頭から読んで、ちょっと懐かしい。そして、いろいろ仕込まれてますね。ええ、これからどんどん読んでいきますよ。気持ち高めていきますよ。

  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第1巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2008年。
  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第2巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2009年。
  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第3巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2009年。
  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第4巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2010年。
  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第5巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2010年。
  • 牛木義隆『夢喰いメリー』第6巻 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) 東京:芳文社,2011年。
  • 以下続刊

アニメ

CD

2011年4月10日日曜日

『まんがタイムきらら』2011年5月号

『まんがタイムきらら』2011年5月号、昨日の続きです。

『少女公団アパートメント』は、ちさとろかのふたりだけで展開する、公団探検ものであります。自治会の用事で、他の棟をまわることになった、ええと、ろかが。で、ちさが付き合うんですね。ちさにとって、ほかの棟に入るのははじめての経験、というわけでちょっとの違いが面白い。ドアの色、ちょっとした造り、そして住人の手になる装飾もろもろ。同じような造りである団地だからこそ、こうしたのが面白く感じられるんでしょうね。そして、ちさが引っ越してきた時を思わせる、そんな女の子と出会って、いやもう、可愛いな、みんな。そしてちさのありがとう。なんかすごくいい雰囲気じゃん、と思ったら、最後のページ、右に小さな文字が! グ、グランドフィナーレ!? と思ったら、ああ、次号休みですか。正直、少しびびりましたよ。いやほんと、驚きました。勘弁してください。

『うちのざしきわらしが』、エイプリルフールの話ですね。ひょうひょうとざしきわらしをだます。特に打ち合わせもしてないはずの夕美さんとのコンビネーション、すさまじい。ほんと、心が通じあってるというか、ざしきわらしをからかうとなれば、ここまで意気投合するのですね。でもって翌日の夕美さん。だましてからかってるつもりだったのが、思わぬ逆襲うけて、いや、あの驚きの表情、そして意外な反応。なんと、可愛いお嬢さん。これは面白かったです。お嫁にいけないって、いや、学に責任とらせりゃいいじゃありませんか。

『だいすき♡』、お兄ちゃん大好きの千夜、ついに引導がわたされた? 高校最初のテストの結果、ひどく悪かった。お兄ちゃんの世話、具体的には料理だそうですね、それらもろもろが原因で勉強を疎かにしてしまった。というわけで、料理禁止令が出て、いや、でもこれ、成績をだしに保身はかったんじゃないのんか? そんな気もちょっとしたのでした。しかしね、妹が兄大好きなら、兄も妹大好きで、あの落ち着かん感じ。もう、どうしようもないですね。そんな状況をとりなす志津、いい人ですね。面倒見がいい、思いやりもある。ほんと、いいお姉さんだと思います。

『ねこきっさ』、ここしばらく続いていたバビロンの話、ああ、なるほどそうしたシステムだったのですね。働く必要のない世界。その恩恵をうけて、ゆるみきった人たち。お客をとられて、ねこきっさの存亡が決まった? その判断のくだされようとした時に前へ出てみせたクゥの言葉。最初は、ああこの子らしい、そう思わせる、むしろ残念な台詞。けれどその言葉があぶりだした、みんなの気持ち。言葉の意味するところが転換する瞬間、その鮮かなさま、見事でありました。次号、最終回! 長い連載、好きな漫画でした。ええ、ちょっと切ないけれど、最終回、どういったことが描かれるのか、楽しみにまちたく思います。

My Private D☆Vは大沖であります。いつもながらのシンプルで独特の味がある、そんな絵柄。ジト目がお好きとのこと。ああ、なるほど、道理でこうした表情描かれることが多いわけだ。そして、恥ずかしとか焦りの表情。ああ、これは魅力的です。わりと無表情っぽく描かれることが多いけれど、ちょっとのことで気持ちが表れてくる、そんなところ見せられて、ええ、とてもよいイラストでした。いや、ほんと、可愛いですよ。

  • 『まんがタイムきらら』第9巻第5号(2011年5月号)

2011年4月9日土曜日

『まんがタイムきらら』2011年5月号

『まんがタイムきらら』2011年5月号、発売されました。もしかしたら入手できないんじゃないか、そんな心配もありましたが、無事、いつも購入している店にて手にいれることができました。いや、最後の一冊だったのですが。さて、入手困難と予測されたのは、ええ『けいおん!』の復帰号だからでありますね。表紙には四人が並んで、中央にただいま。の文字。大学生になった彼女らの生活がどうなるか、いよいよ描かれます。

けいおん!』、大学編のスタートですね。冒頭は唯から梓への近況報告、と思ったら、これ夢なのか。入学式当日の朝、寮にての風景ですね。唯がどれだけ憂に依存していたか、そうした様子が描かれて、けどこの状態、下手したら来年には改善する? ところで曽我部先輩。あの寝起きはいいですね。朝弱いのか、この人は。復帰第1回は軽音部に入ろうかどうしようか、そうしたところが描かれたわけですが、自分で部なりサークルなり作って独自に活動するってのもありだから、そんなこと思っていたけれど、この展開では軽音部に入部、そして和田晶、吉田菖、林幸の三人がライバルバンドに? といった感じになりそうですね。

『チェリーブロッサム!』は、幼なじみ、つばきが久しぶりに登場ですね。どう見ても大咲のことが好きな人。でも、本人はそうした意識持ってないというのが意外です。しかし、妹沙咲野、この子は怖ろしいな。どんだけ兄のことが好きなのか。その独占欲の強さというか、つばきに対する態度が実によいんですね。追い込むように見せながら、追い込むと恋に気付かせてしまいかねない、そうなったら自分に不利益があると、違う方向に振り向ける。したたかな妹、実にいい性格しています。

『2-B!』、なおさらいいですね。バームクーヘン、モグモグいって食べてるヒヨコがすごい。なんだろう、ハムスターみたいな食べ方、すごく味があって、こういう絵、すごく好き。で、次の呆れ返ってる顔も実にいい。ただ可愛いだけでなく、多彩な表情の描かれる、そうしたシチュエーションが描かれる、そのいろいろを見せてくれるところがいいですよ。そして、つかさですよ。本当は皆と一緒したいというのに、立場ゆえなのか、なかなか素直になれない、というか建前でしゃべっちゃう? 自業自得とはいえちょっと可哀そう、でもそれで後悔しちゃったりするところが可愛いと思います。そしてファミレスでのアリスの注文。あれはいかします。通じないんだ! しかし、あの大量に出てきたお菓子、バイキングだっけ? いや、30%オフなだけだよね? ちゃんと問題なく勘定できるのか、ちょいと心配だったんですが、問題なかったんだ。それはよかったけど、つかさに関しては残念でございました。いやほんと、いつか一緒できるといいですね。

『箱入りドロップス』。陽一、雫に加え桂木萌なるお嬢さんが登場してきましたね。ちょっと元気な人。雫曰くはじめてのお友達。強面の陽一、世間知らずの雫、このふたりではあまり活発にまわりそうでないけれど、明るく人懐こそうな萌がいると、いろいろ動きそう? いや、雫ひとりいればいろいろ展開していきそうではありますね。陽一の反応と萌の反応、それがそれぞれ違っているのがいいですね。しかし、ふたりの雫の見守りよう、なんだかお父さん、お母さんな感じで、すごく面白い。それだけ雫がいい子だってことなのかなあ。ええ、雫、すごくいい子なんですよ。

  • 『まんがタイムきらら』第9巻第5号(2011年5月号)

2011年4月8日金曜日

少女カフェ

 いまや少女といえばカフェか素数か、そうした風潮でありますが、本日はカフェ、カフェの方であります。板倉梓『少女カフェ』。優しいを通り越してちょっと頼りないお父さんがマスター。その名もカフェサンフランシスコ — 、サンフランシスコの定番ブレックファースト、パンケーキを売りとする喫茶店を舞台としたコメディ、楽しい漫画であります。さて、そのカフェサンフランシスコが少女カフェである理由。ええ、お父さんには娘があるのですよ。ふたごの女の子。みおとつくしのふたり。しっかりもののつくし、ちょっとどんくさいみお、ふたりともすごく可愛くて、ああ、まさしく看板娘。しかしただ可愛いだけじゃないっていうのがよいのですね。

つくし、ちょっと辛辣。じゃあみおはというと、天性のつっこみ力があって、その踏み込んで斬りつけるかのような言葉の鮮かさ、やっぱりちょっと、いやむしろつくし以上に辛辣だったりしましてね、しかしそれが本当に素晴しいのですね。見た目に甘い子たち、けれど実はビターなんだという、そのちょっとの苦さが、彼女らの魅力をことさらに引き立てています。

そして魅力は店の常連客、お父さんの以前からの知り合いである葉月さんや、最近訪れるようになった宮嶋さんが代表格。コピーライターやっている葉月さんは、見た目にかっこいい女性なのだけれど、どこかちょっと駄目なところがあったりして、そこがチャームポイントになっていますし、浪人生の宮嶋さんはといえば、どこまで本気だかわからない言動が光る、もう大好きですよ。いや、葉月さんのことも好きなんですけどね。というか、この漫画に出てくる人たち、みんなが好き。ええ、いい人ばかりなんですね。

だから、やっぱりマチコさんのことも好きなんです。『少女カフェ』は、おっとりしたお父さんとしっかりものの娘たちが頑張ってる漫画。お母さんは、先月病気で亡くなりました。ええ、この漫画は、妻を亡くした夫と、母を亡くした子供たちと、そして友人を亡くした女性の物語でもあるのですね。明るく振る舞っている、そうした人たちの姿、その笑顔の向こうに悲しさが隠されてる。折りに思い出されるお母さんのこと、マチコさんの思い出、それはちょっぴり切なくて、けれどとても穏やかで、それが穏やかであるがゆえにたまらなかった。涙が次から次から溢れてきて、容易に読み通せなかった。途中、休み休み読み進めて、ああ、この人たちは、大きなものを失って、大切な人とお別れして、そうした欠けてしまったものを埋めあわせんとして、ひとつ場所に寄り添うようにしているのかも知れないな。ともすれば心の中いっぱいになってしまいそうな悲しみや不安、怖れ、それらが溢れてしまわないように、ともにあって、支え合っているのかも知れないな。そんなことを思ったのでした。

カフェサンフランシスコは癒やしのカフェ。それは、まずその店に働く人たちが、互いへの愛おしさを胸にともにある、そんな場所だからかも知れません。悲しみをではなく、愛情を注いで注がれて、そうした彼らだからこそ、訪れる人たちをも癒やせるのかも知れません。そして、それはきっと、マチコさん、彼女もそうだったのだろうな。彼女の注いできた愛情、それが今も息づいてここにあり続けているのだろう、そう思わせるのですね。

  • 板倉梓『少女カフェ』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2011年。
  • 以下続刊

2011年4月7日木曜日

『まんがタイム』2011年5月号

『まんがタイム』2011年5月号、発売されました。表紙は鉄道テーマの模様ですね。駅弁を喉につまらせる『おとぼけ課長』をメインに、ドクターイエローに乗ってる『ナイショのおままごと』木の葉、車内販売かにめしを売る『すいーとるーむ?』ゆかりさん、時刻表を手に鉄路の旅『たまのこしかけ』たまこさん、そして運転士? 車掌? 制服がかわいい『タマさん』杏であります。

たまのこしかけ』、なんだ、たまこさん、人気なんじゃないか。けど絶望的に気付かない。誘われてるというのに、その言葉の終わる前にひとり旅の予定ができあがって、しかも予約完了だ。いかすなあ。この人は鉄道と結婚したようなもんだ。でも京都にいく予定なのに、途中で下車してしまうというの、これは鉄道ファンとしては普通? それとも大失敗? でも、紀伊一周にすぐに切り替えられるのはさすがといったところなんでしょうね。しかし、旅、よいなあ。ほんと、どこか旅行にいこうかしら。

『ソフテン!』、今回、結構面白かったな。いえね、好きな男ができて、噂にきくその男の好きなタイプに変わろうとする。それも豊胸手術とかいう方法で。そんな子に対して、監督がいろいろ嘘の情報与えて、振り回して、それはよくないよと静かに説教する。ちゃんと伝わったかどうかは不明だけれど、なかなかに面白かったのでした。で、ソフトボールは関係なかった……。いや、別に必ずソフトボールじゃないと駄目とは思ってないので、面白ければオッケーです。

『華園の微男子』、その方向性が見えてきた感じですね。校外学習でいちご狩り、スイーツ製作体験、そして執事付のアフタヌーンティー。男子には面白くない、っていうのはいいとして、やりたい放題の女子連中がいかします。ホイップクリーム持ち込み、あんこ持ち込みはまだしも、チョコレートファウンテン持ち込みとな! 見た目に可愛く、けれど実態は結構たくましい女の子たち。こうした描写はとてもいい。でもって主人公、なるほど執事としての才能を評価されるわけですか。実際、この人は生徒会の女子たちを執事的ポジションで支えることになったりするのかな。でも、そういう展開もいいかもなって思っています。

『ねじゆるゆる』はなかなかに狙ったネタを展開してみせて、そういえばねじこはネコ型ロボット。どのへんがそうなのかわかりませんが(もしかしてあのネコなのか? だとしたらねじこのキャラづけも理解できる!)、あの有名なネコ型ロボットを意識したフリと回収、期待させてがっかりさせる。その畳み掛け、好みであります。どれだけ馬鹿馬鹿しく落とせるか。それが鍵だと思うのですが、スモールライスにはもう本当にやられました。私の発想ではこんなの出ません。なんだかわびしい花見の様子も面白かったです。

  • 『まんがタイム』第31巻第5号(2011年5月号)

2011年4月6日水曜日

『まんがタイムジャンボ』2011年5月号

『まんがタイムジャンボ』2011年5月号、一昨日の続きです。

ボクの社長サマ』、情報漏洩を扱って、なるほど、昨今なかなかシビアな問題であります。けれど、漏洩させないための対策、いろいろ見せてみて、それを軽く乗り越えてみせている藍按常務、この人いったい何者なんだ!? 某国なんたらってのも、ただ迷い込んだだけ? それともなんかの特命で!? 謎の男であります。そして特別編。驚きました。こういうちょっとハード目の描写、以前に描かれてた漫画を思い出させますね。上昇志向がやたら強くて、社長を追い落とそうとしている音長専務。彼の情に厚いところが描かれて、いや、よかった。そしてなるほどあの彼が、なぜあれほどに専務に忠実に付き従っているか、その理由がわかりました。なんだか本編からは伺えないような話。ちょっと異色で面白かったです。

『輝け星の川高校自由形』、菊池乙女が素晴しい。妙にアンニュイ、どうしたのかなと思わせて、なんだその理由。その理由が明かされるまでのひっぱり、やたら単純でやたらストレートな中島との対比もあって、すごく魅力的と感じていたものだから、いや、ほんと、いつもの乙女であったのかと一気に気持ちがゆるんで、その落差がよかった。しかし翼にもっと恋しちゃうっていうの、いやほんと、そういや最初はこんなところからスタートしたんでしたっけね。

『天文むすめ』は天文まんがというよりも、オカルト含む、そういった方向に舵をとっていますね。でも、そういうのも好みですよ。部として活動できるよう、いろいろ策を講じるレティちゃん。それで星占いっていうんだけど、どう見ても違う。すごくうさんくさくって、というか、今の若い人、火星は喜びのうちに統治されるの元ネタとか知らんのじゃないか? いや、しかし懐かしい。もう十年以上も前だもんなあ。そして、澄礎二の母。この人もいかします。レティに戻れば、アカシックレコード監理局、あのグルグル目が素晴しい。でもね、最後に普通の推理なんじゃないかって思わせる、そんなところ描いて、こういう、丸っ切りオカルト設定でもいいのに、そうじゃないかも知れないって風に感じさせる、その塩梅がよかったなって思ったんですね。

  • 『まんがタイムジャンボ』第17巻第5号(2011年5月号)

引用

  • 高内優向「天文むすめ」,『まんがタイムジャンボ』第17巻第5号(2011年5月号),147頁。

2011年4月5日火曜日

『まんがタウン』2011年5月号

『まんがタウン』2011年5月号、発売されました。表紙は、『新クレヨンしんちゃん』ですね。実はスパイだったのだそうです。これは、映画の題、スパイ大作戦をうけてのものですね。けれど、ちょっと昔の映画、007あたりを意識したデザイン、ひまわりがボンドガールでありますね。

光の大社員』、「犬のようなモップ人形」、これはすごいアイデア商品だ! とは思うけど、たまきさんの気持ち、よくわかります。しかし、あの無表情の3コマ目から落ちにいたる、その転換、ギャップが見事です。静かな怒りを感じます。さて、忍者係長とすずな君。ふたりは仲がよいなあ。あの密書型USBメモリの落ち、あれは面白かった。そして、すずなさんの失敗。けれど、それはむしろバリューを高めたように思います。

ほほかベーカリー』は、うまい構成でありますね。パン屋で働く娘たちの漫画。基本、単発ネタで勝負するタイプであるのですが、冒頭に消防車見ると走ってついていってしまう人のネタをふって、そして最後にきれいに回収する。途中に一段、ステップになるようなのがあるのがいいなと思って、そしてそれもまたなんだか夢のある感じで、きれいだったなって思うのですね。しかしふわちゃん、ほほかに対し、勝負だなどというけれど、ほんといい友達になったなって感じです。

『せんせといっしょ!』、今回は桜公園に遊びにいくというのですが、あの電車が好きなんだろうなって男の子。あのやりとり、もう大好き。3コマ目の絵、微妙に感じられる距離感もいかす。でも、こうした違いわかっちゃってる子供っていますよね。もう実によかったです。しかし自慢げに揺れるとか、上半身に重心とか、こういうネタを見るたびに、いやいや揺れないのも魅力的よ! 上半身が軽いのも素敵よ! と思ってしまう私です。

『みねちゃんぷるー』、婚活部を邪魔するために作った反婚活部。見事に骨抜きにされてしまうわけですが、最初のうち、丸め込まれながらも納得いってない様子だった峰が、最後には和解、友情を確認して、しかし今度はわかばのポジションが面白くなるっていうの、なんかちょっとめずらしい感じがしました。もりあがるふたりに対し、基本冷静であるために取り残され気味になってるんですね。けど蚊帳の外はいやだから、ちょっと抵抗ありつつも、とりあえず混ざってみる。こうした冷静な視点を保っているところがこの子らしくてよいなと思いました。

  • 『まんがタウン』第12巻第5号(2011年5月号)

2011年4月4日月曜日

『まんがタイムジャンボ』2011年5月号

『まんがタイムジャンボ』2011年5月号、発売されました。表紙は海賊でありますね。『じょしもん』、『おねがい朝倉さん』、『でり研』から、主要キャラが海賊コスチュームで参加、って、『でり研』はまさかの浦飯屋。ヒロインを出さないっていうの、驚かされます。そして『レーカン!』、『半透明勤務薄井さん』も登場。天海さんはお姫様? 薄井さんは酒場の給仕? いえね、樽にドクロが描かれてるから、火薬樽かと思いましたよ。

『レーカン!』、今回も二本立て、なのはいいとして、ページの右と左で風邪ひき天海さんと学校組の出来事を同時並行的に描くというの、面白いですね。こういう凝った見せ方する人、たまにいますけど、最後に合流するまで、こうもうまく見せてくれると、やっぱりよいなって思うのです。しかし、クラスの皆が幽霊慣れ、怪奇慣れしてしまってて、もう当然のようになってる、さらには軽くコミュニケーションとってるってんだかものすごいです。しかし、最初のころはちょっと陰鬱というか、暗めの印象がありましたけど、今となればなんかみんなのりのりの楽しい漫画です。

『でり研』、ああ、私も人生迷ってます。さて、海原さん、なんでそんなに下手なのか。ホットケーキをまともに焼けない。その苦闘の様子、見ていて、ちょっと可愛いと思うのだけど、うん、大仏くんに焼かせればいいんだよ。いや、ほんと。あきらの反応がよかったなあ。バンバン、とか、ほんと、気さくさがいい感じ。といったわけで特別編。以前、お酒の時にちょっと語られた話ですね。罰ゲーム。その時のこと、今さら謝られたってなあ。そう思ったら、やっぱり大仏くんも思ったか。この話、私なんかは、そりゃ謝った方はすっきりしていい気分よね、とか考えちゃうんですが、それを許してしまう大仏くん、この人はほんとうにいい人なんだなって思わされましたよ。ええ、ほんと、いい人です。

『半透明勤務薄井さん』、連載になったのですね。気に入ってるので、これは嬉しいです。幽霊、けれどほがらかな薄井さんのいる職場。今回はヒロイン麻生の歓迎会の様子を描いて、けど薄井さんがオフィスを出られないからということで、職場で飲むことになったんですね。麻生さん、ほんとに薄井さんのこと大好きだな。この漫画はほがらかでほのぼので、見てるとなんだか嬉しくなる、そんなところがあるのですが、たまにちょっと寂しげな情景、感傷、情感がさすことがあって、そういうのもまた気に入っているのですね。

パドラーズハイ』は残念でした。今回は最終回。部をつくるところからの回想があって、そしてみんなで夢を語る。そんな最終回。ちょっと駆け足でしたね。この漫画は好きだったから、うまく育っていくといいなあって思っていたのですが、ちょっと急ぎすぎたのかな。そんなこと思わないでもなくて、ああ、2巻は出ないんだろうな。すごく残念に思います。もう少し、軟着陸できなかったのかな。そんなこと思います。

また、なにか描いてはくださらんかな。今はただただそう思います。

スペシャル企画エッセー「とっておきの宝物!」。まさか一本目からギターが出てくるとは思いませんでした。松嶋でぇご。これ、ヤマハだな。間違いなくLシリーズとわかる。LLかなLSかな。最初の絵はLLに思えるけど、弾いてるところ見るとLSっぽく感じます。26、確かにン十万でありましょう。楽器は弾かないと、人にも楽器にもよくないんですが、時間をなかなか確保できないっていうのが、やっぱり最大の問題になります。しかし、Lシリーズの上位機種。いいなあ、ちょっと弾いてみたいです。

そして他の方の宝物。梨尾は手紙、清水アイは猫、あろひろしは、映像のコレクションか。これはすごいな。でも、プレイヤーの確保っていうのが難しいですよね。LDプレイヤー壊れたら、ほんと、どうしよう。見られない、ただ持ってるだけのコレクションになってしまいます。ビデオデッキはもう諦めました。そして弓長九天、これはなんかすごいぞ。しかし、この人はちょっと思いもつかないようなもの、たくさん持っているような感じですよね。実際、この惑星の音っていうの、すげえ、こんなのあったんだ、ちょっと興味深いしろものでありますよ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第17巻第5号(2011年5月号)

2011年4月3日日曜日

ラッキー・ブレイク

 『ラッキー・ブレイク』は『まんがタイムきららキャラット』に掲載されている漫画、デザイン会社にて働くお嬢さんたちの漫画であります。ええ、社会人ものなんですね。『きらら』系には珍しい、そういってしまってよいものか少々迷いますが、 学生学校に基本まったく接点がないというのは実際めずらしいかも知れません。基本会社が舞台。あとは出張の工場の出勤途中のと、とにかく仕事がらみの社会人ものです。なのですけれど、ただのオフィスものとは一線を画していて、むしろ学生気分がよく残されている、そうしたよさがあるのですね。それは、やっぱりデザイン会社、クリエイティブ系だから? なんだか自由そうな社風で、けどだから即、夢の会社とはならないところがよいのですね。

主人公は野々川陸。芸術系大学にてデザインを学んでいたお嬢さんなんですが、初回、冒頭にていきなり学生生活が終了するという、まさに逆境からのスタートってのがしびれます。雑誌で読んでいたときには、不況の今日、実にわびしい話であるなあ、なんて思ったものでしたっけ。で、バイト先で見初められてはじめることになった仕事ですけど、これもどんな仕事かわからない。いや、もうどんな風になるのだろう、そんなこと思いながら読んだこと思い出します。

デザインを学んでいた陸が勤めることになったのはデザイン会社。デザイナーとして働くこととなって、同僚たちは皆なかなかに個性的で、明るく楽しい人たち。ああ、いい感じじゃん。学校をやめざるを得なかったのは悲しいことだけれど、それでも理想的就職ができたんじゃん。そう思っていたら、なんといいことばかりではないんですね。そう、最初にいってた、夢の会社とはならないってところです。ちょっとぎすぎすした人間関係が描かれたりするんですね。陸の才能に対する嫉妬なのか、敵愾心をあらわにする人がいる。きつくあたられる、ネガティブな評価、そうしたところにまたハラハラとさせられて、ああ仕事っていうのは大変だよね。とりわけ人間関係ってのが難しいよね。色々思ったんですね。

けれど、だからこそこの漫画はよかったと思うのです。きついちゃこ先輩と陸が一緒に出張にいかされる。豊岡の工場につめて、連日検品させられる。もう、見ているだけできついです。ああ、自分ならたえられないかも知れない。そう思った。けれど、この件をきっかけにして一気に関係が動くのですね。それまでに延々描かれてきたことがあった。また、この出張の間にもいろいろあって、ああ、それらはひとつの山に向かう道のりでありました。山をひとつ越えて、そうしたらその向こうにはまた違った景色が広がっていたというのですね。あれは素晴しかった。思いやり、やさしさ、ああ、よかったなあ。そう思って、ああ、やっぱりここは夢の会社なんじゃないかなって思ったんですね。

決していいことばかり、楽しいことばかりが描かれる漫画じゃないのだけれど、時にきびしかったり苦かったりする、それがアクセントになって、面白さに一味添えている。そんな感じであるのですね。いえ、ほんと、甘い楽しいばかりじゃなく、苦いつらい大変もあって、大人の毎日っていうのはできあがるんだなって思ったりするんですね。

あと、余談。舞台が大阪で、知ってる景色もいろいろ出てきて、おお、なんだかすごくいい感じ。やっぱり知ってる風景とか、わくわくさせられます。

  • 平つくね『ラッキー・ブレイク』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2011年。
  • 以下続刊

2011年4月2日土曜日

『まんがホーム』2011年5月号

『まんがホーム』2011年5月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』らいかがどーんとメインをはって、ウェイトレスですね。トレイには苺のパフェ。なるほど、今回のテーマは苺、春めく表紙であります。『夫婦な生活』はどんぶりみたいなパフェを前にしたふたり、『笑って!外村さん』はスカートにつんだ苺か、一杯にもっていて、そして『椿さん』。これはいったいどうしたものか。色物担当? なかなかにインパクト強い椿さんであります。

笑って!外村さん』は6月に第2巻、ということは、第1巻、売れたのかな。しかし人気のある様子、これは嬉しいことであります。さて本編はといいますと、新学期。ついに短かいスカートにチャレンジする外村さん。いや、でも、これ普通の丈よね。膝下よね? それでも恥ずかしいというんですから、よほどの繊細さであります。しかし、前回前々回といっていいのかな? 吉永先生姫木さんも登場して、なるほどこうやってちょこちょこ登場してくるのか。関西からきた転校生、三雲も外村さんを意識していい感じ。けど、一番好きなのは外村弟に恋しちゃってる彼女らだと思います。純情娘たち。ほんと、面白い。いいキャラクターが揃って、いい動き見せてくれます。

『椿さん』、めちゃくちゃ面白いです。着ぐるみでアクションもすごければ、あの家政婦業で鍛えた? 掻き消えるように移動して、その上分身まで! でも今回はあの4月1日にまつわるシリーズ。あれが面白かった。全力でだましまくる。木まで植える? いや、作った? 髪の吹っ飛ぶギミック装備? 弟から商店街の皆からだましまくって、もう、椿さんも人が悪い。しかし、これが本当に面白かったんですね。もう、めちゃくちゃ面白かったです。

おしのびっつ!』、これは面白かった。咲ちゃんの恋。気になる人がいるんだけど、という話にくないが乗り気になる。そこまではいいんだけど、尾行の聞き込みの変装のと、常識が違うというのをどんどん露呈させて、いや、もう、ほんと素晴しい。でも、あの男装くない、可愛いな。いや、眼鏡だからじゃないよ? でもって、女装しのぶ。もう素敵すぎ。しかし男装女装で兄妹デートって、どんなシチュエーションなんだろう。鼻血でそうです。でもって誤解されるしのぶ。いや、ほんと、最高でした。

『センセイあのね?』、いい感じに新学期ですよ。久しぶりに先生に会える! しかも担任の先生、また石沢先生だ! そんな気持ちに水をさす石沢先生の勘違いですよ。もう、はやいこと誤解といちゃえばいいのに! と思うんですが、そう思うのは私だけじゃないようで、真理さん。ああ、やっぱりそう思いますよね。けど、気付いてることいいにくい。いや、いいたくないだけなのかな? そんな葛藤が描かれて、ここからこういう展開でしばらくやるのかな? って思ってたら、おおう、越後屋さん! 思いっきり踏み込んで、素敵! しかし、クールなのか無愛想なのか、それともただただストレートなだけなのか。面白い人が出てきました。次回のつぐみさん、どう返事するのか、もろもろが楽しみです。

  • 『まんがホーム』第25巻第5号(2011年5月号)

2011年4月1日金曜日

inote! — アイノテ!

 『inote! — アイノテ!』の表紙、ちえがどーんと川に飛び込んでる! と思ったら、これ、放り投げられてたのか! いやね、表紙はこんなにもダイナミックに見せつけて、その状況は裏表紙にて語られる。そして、カバーをはずせばその後の状況まで描かれて、いや、もうこれが面白いの。いえね、表紙に見える携帯電話、iNoteですね、これ、ちえと一緒に飛び出たんじゃなくて、誰かがこっそり投げたんだ! なんという悪辣な所業。表紙ではあんなに楽しそうなちえですけれど、きっと自分のiNoteが宙を舞う様を見て慌てたに違いない。ケータイ守ろうと必死のちえ、あたかもまぶたに浮かぶよう。そんなこと思わせる展開がきっとあったというんですね。

さて、『アイノテ!』でありますが、このタイトルは第3回にてちえが入手した携帯電話、iNoteからきてるんだ。そう思っていたら、それとは別の理由もあったのですね。いなかの i 、私を意味する I に、ノート、日記、学校を思わせる note を組み合わせたのだそうです。なるほど、ちえのいなか暮らし、といっていいのかな? 京都は琴弾にてのメモリー、を意味するタイトルなのかと妙に納得したのでした。実はですね、iNoteが一向に活躍する機会がありませんからさ、携帯電話のもろもろはタイトルに痕跡を残すのみで、後退しちゃったのかな。そう思っていたら、むしろこれはタイトルから発想されたもの? iNoteを出したいからタイトルが『アイノテ』だったわけじゃないのかも知れないって思ったんですね

さて、今こうして最初から読んでみて、ああ、ちえは最初田舎暮らし、嫌がっていたっけな。なんだか懐かしく思ったのでした。だって、今となってはそんなそぶりまったくなくて、むしろ最初っからこの土地に暮らしてるかのように溶け込んで、いやもう元気元気。持ち前の明るさといったらいいのでしょうか、あるいはちょっとおバカなだけかも知れませんが、猪突猛進気味に、後先考えず行動してるっぽい、そうした姿が楽しくて、またたきつけるカーコ、謎めいてること、そして唯一の良心? さくら。さくらのポジションがいいなって思うんですよ。なんというのだろう、彼女のまわりだけ空気がちょっと違う。日だまりのよう、ちょっとほっとさせられる、そんなおだやかさがあって、そしてそんな彼女の存在が、わりとやかましいちえたちのどたばたの緩衝材となり、また一層にぎやかさを際立たせる、そんな効果も生んでいると思うんですね。

しかし、そんなさくらが、カーコと一緒に、雨に降られた橋の下、エロ本を漁るっていうのですから、あの展開、さすがにちょっと驚いて、けどちょっとドキドキさせられたのも事実です。いえね、エロエロってほどお色気ふりまかれる漫画じゃないんです。けど、ちょっとしたところにドキっとさせられるところがあって、ちょっとしたしぐさとか、表情にですね、ひきつけられる、そんなところがあるんですね。

それと、これはもう余談なんだけど、舞台は京都琴弾っていうんですが、具体的に取材してるのは大原なんだそうですね。なんと、大原三千院。『キャラット』最新号で、カーコのうちが温泉旅館と判明しましたけど、実際大原には温泉もあるんですね。調べてみると、ラドン泉? 1kgあたり2.5ナノキュリーだそうだから、ベクレルに換算すると1kgあたり92.5ベクレル? 放射能泉の基準には満たないんですが、結構いい数字が出てますね。

大原なら、2時間ちょっとでいけるかな。日帰りでもいいし泊まりでもいいし、ちょっといってみても面白そう。そんな気になっています。いわゆる聖地巡礼ってやつですか? あと、ちょっとiPhoneが欲しいです。

  • 夕仁『inote! — アイノテ!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2011年。
  • 以下続刊