2011年8月31日水曜日

ゆるゆり

 『ゆるゆり』に夢中です。というか、『ゆるゆり』に関しては、完全にしくじったなあというのが素直なところです。いえね、存在は知ってたんですよ。書店で見て、訴求する表紙だなって思った。調べれば『百合姫』連載で、タイトルからもうかがえるようにライトな百合もので、で、これがもし2008年、いや、2007年かな? それ以前の私ならとりあえず買ってたろう、そう思わせる条件を満たしていたんですね。だけど、買わなかった。買ってなかった。なんでか? いえ、単純な話ですよ。ここ数年、購入するコミックスの点数がものすごいことになっていて、また収納もかなりやばい状態になっていて、新規購入をしぼっていた。そしたら、これでしょう。あああ、買っときゃよかったよう。本気で悔いる、そんな状況であります。

でも、まあ、遅れながらでも『ゆるゆり』を知れたことはよかった。そもそも『百合姫』を購読していない私には、すべてを見る、読む、手にするなんてことは無理なんだから、と自分をなぐさめて、いや、しかし、『ゆるゆり』、めちゃくちゃ面白い。例によって、いつものとおりいつものごとく、CDを買い揃えはじめていて、コミックスも一通り、手に入るぶんだけだけど入手ずみ。4巻は惜しかったわ! というのはいいとして、アニメを見終えるまで、単行本には手を出さないでおこうかな、いや、やっぱりちょっとずつでも読んでいこうかな、迷いながら読んでない状況にあります。

でも、まったく原作を見ていないわけじゃなくて、『まんがなもり ゆるゆりSPECIAL』、これ、5月に出た百合姫増刊なんですが、奇跡的なのかなんなのか、アニメ開始後にちゃんと買えた! で、これに掲載された分、とりあえず前半だけは読んでるんです。いえね、後半はばらばら収録になってるから、どうせならまとめて読みたいし、単行本でと思いましてね。そうしたら、アニメと原作、ちょこちょこ違ってるんですね。でも、面白さの根幹にあるものは共通していて、アッカリーン、とか、かなり癖になりまして、いや、もう、これ面白い。メタの遊び、劇中人物が主人公なのに影が薄いとか、そういうのを意識してる、いや、まったくもって露骨にやってるわけでもないんですが、でもそういう面白さはかなり意識されていて、やりかた、見せかたがうまいんでしょうね、嫌味なく、楽しく、面白く、むしろこっちから乗っていきたくなるような、そんな感じなんですね。

ほんと、そんな感じで最初はアッカリーン! アッカリーン! っていってただけなんですが、それがそのうち、それだけでは満足できなくなって、ええ、すっかりはまってしまったんですね。って、時系列からすれば、はまりはじめる、アッカリーン連呼、本格的にはまる、だったかも知れませんけど。

というわけで、『ゆるゆり』。これは最高です。

  • なもり『ゆるゆり』第1巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2009年。
  • なもり『ゆるゆり』第2巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2010年。
  • なもり『ゆるゆり』第3巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2010年。
  • なもり『ゆるゆり』第4巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2011年。
  • なもり『ゆるゆり』第4巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2011年;限定版,2011年。
  • なもり『ゆるゆり』第5巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2011年。
  • なもり『ゆるゆり』第6巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2011年。
  • なもり『ゆるゆり』第7巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2011年。
  • なもり『ゆるゆり』第7巻 (IDコミックス 百合姫コミックス) 東京:一迅社,2011年;限定版,2011年。
  • 以下続刊

Blu-ray

DVD

CD

2011年8月30日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2011年10月号

『まんがタイムきららキャラット』2011年10月号、昨日の続きです。

『セカイ魔王』にはやられました。いえね、全然成長しない勇者を魔王がサポートしながら、だらだら進んでいくのかなあ、みたいに思ってたんです。だって、見付けた剣もばらばらで、しかもそれパズル作るみたいに組み上げてるとか、まあ地味ながら大切な作業と思うんですけど、地味でしょう。敵にしても、なんかぱっとしないしなあ。みたいに思ってたんです。そうしたら、そうしたらですよ、うわー、えらいことになった、えらいやつが出てきたよ。で、あの見開き。うわー、本当にここから物語が動き出すのか? ただならぬ雰囲気が、これまでとは違うよと告げるようで、ざわざわとさせられる。強烈でした。

アクアリウム』、最終回でした。しかし、ふたりとも、ちんまりまんまる可愛くなったなあ。って、これは絵の話ですね。最初は美少女寄りだったのが、いや、今も美少女か。美人からキュートな女の子になったって感じ。そして、さおりですよ。順調に友達の輪が広がってますね。あの独り合点するとことか、基本はかわってないんだ、この子。でも、その後が違う。ちほ、かよに誘われて嬉しい。で、ふたりの冗談真にうけたりしてね、ああ、ほんとうにいい子。男女のあいだの恋愛の、そんな色もあった漫画でしたけど、女の子の友情の物語、それを最後まで貫いた。そうした見せ方が見事。最後のコマも、ふたりの今の関係、そして今の彼女たち、それをよく表現して見事でした

『アライバルサバイバルリバイバル』、ゲストです。女の子4人で遭難。南の島に流れついたんだけど、携帯電話通じない、助けも呼べない。もう大変っていうんですが、アイだけが必死、他の子たちは呑気。そのギャップ、テンションの違いを楽しむのがよさそうな漫画です。しかし、シリアスにならずにはおられない、そんなシチュエーションで、フザケてたという彼女ら、あれはすごいね。そうした性格は生き残りには重要な要素になりそう、と思ったら、最後にあの落ちが待っていた。でも、これって、状況がクリアされてしまったわけですが、ということは単発のゲストなのかな? これでは普通のリゾートになってしまいます。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第7巻第10号(2011年10月号)

2011年8月29日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2011年10月号

『まんがタイムきららキャラット』2011年10月号、発売されてます。表紙は『ひだまりスケッチ』ゆのさんですね。黄色のワンピース、宙に浮いてる? 手には四葉のクローバー、背後には緑の草の茂る野に、ルーズリーフがばらりとまかれていて、緑に落ち着いた黄が溶け込みながらもぱっと浮き立つよう。綺麗なイラストです。いや、ちょっと気になる、ええと、左の方、いや、でも、それはいわぬが花でしょう。ところで思ったのですが、クローバー、草の葉、ルーズリーフ、これは全部「葉っぱ」、リーフであったりする? 考えすぎ? いや、考えすぎだと思います。

ところで、なずなさん。可愛かったり色っぽかったり、大変ですね。いや、もう、大変です。めっちゃくちゃキュート。

Aチャンネル』、ナギの気持ちはよくわかる。とその前に、占いですよね。ラッキーアイテムがバットというのもすごい占いだと思うけど、バットというとトオルが連想されるというのもまたすごい、奇行が見られると寝ぼけてると思われるるんちゃんというのも同様にすごいな。実際、いつもこんななのか、彼女らは。で、バットというとトオル。早合点してトオルのこと怒るユー子は、おっちょこちょいなんだけど、ほんといい子だなあって思いますよ。あの、トオルのクラス訪れた時の表情、凛々しくて素敵よね。で、ページめくれば涙目。ああ、もうどんだけ可愛い人なんだ。というわけで、ナギさんですよ。私が本の帯をとらなくなったのはいつごろからだったろう。ナギもとらない、それに本をきれいに残したい、ああ、すごく共感する。この子はいつか、人に貸し出さなくなったりするんだろうか。で、このナギちゃんも占いには影響されて、いや、もう、どんだけ可愛いんだ。しかし今回は、バットのせいか、メインメンバーだけでなく、教師陣の意外な表情見られたり、目にも面白い回でありました。相談室とか!

あ、『ポジティブ』がユタカでものすごく嬉しかったりも。

『けいおん!』、まいったな、面白いよ。扉に純ちゃん。この子、えらいこと自由な感じのお嬢さんだけど、可愛いよね。と思ってたら、本編ではもっと、より以上に可愛かった。うわあ、誰や君! 驚くほどに可愛くて、まいりました。普段は本気を出してないのか? 今回は上級生たちの演奏、一年生に聴かせてみて、ここから広がる兄弟の話。うまいこと展開していくなあ。へえ、憂にはしっかりしたお姉さんがいるんだ。菫にはお姉さんっぽい人がいるのか。どんな人なんだろう! いや、ほんと、菫の隠しているお姉さん。これが今後明らかになる日はくるんだろうか。いや、ほんと、楽しみです。で、直さんが5人姉弟の1番上とか、意外というか、なにかこの設定、話に拘ってきたりするんだろうか。で、メインは純。一人っ子と思われてたのに、なんと兄がいるのか。お兄ちゃん子なのか。しかもあっちゃんとか呼んでるのか。なるほど、あの性格は兄に甘やかされてできたのか。あ、そうそう。ボーカルは梓で決定? そしてバンド名も決定っぽい。あの上級生と下級生の反応の違い、あれは面白かったなあ。梓、叫んでばっかり!

『ウォーターガールズ』は、教育実習生、ほたか先生の大学に皆でお邪魔して、水泳部の見学ですね。で、着替えのシーン。はるなの失敗、あれは新しいなあ。というか、この人色っぽいよね。あの、ジャーンとかいってるの、めちゃくちゃ可愛いよね。なにか新しい感覚に目覚めそうです。というのは置いておいて、50メートルプールってのがあるんだ。でもって、いずみの姉が出てきた。おおう、なんか妹、可愛いな。頑張ってる子なんだ。で、姉が妹のこっそり練習をばらしたかと思えば、今度は妹が姉の見栄をあばく。いいですね。いい姉妹です。そして、高校生たち、泳ぐ。25mのペースで泳いで途中で失速するとか、息継ぎできないから50m泳ぎきれないとか、なるほど、技量の差もあれば、経験の差もあるっぽい。こうしたのが見える、感じられるの、よいなあ。よく描いてるなあ、そう思ったのでした。

『ぱわーおぶすまいる。』、連載2回目です。おお、今回は虎道さんのいもむしのエピソード。ということは、連載にあたって時間が巻き戻されてるの、いつかゲスト掲載時のエピソードに繋がるのか。しかし、まゆ、この人は虫とか平気なんですよね。で、匂いで人の存在を感知できる。野生なのか天然なのか、いや、野生という感じはないですよね。感情、感覚において、とにかく素直。普通の人なら気付かない、そんなものにも気付ける感性がある、そんな感じっぽくて、いやでも、この素直さ、まっすぐさ、蒼葉に対する態度にもしっかり表れてる。で、これが魅力なんだろうなって思うのですね。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第7巻第10号(2011年10月号)

2011年8月28日日曜日

『まんがタイムオリジナル』2011年10月号

『まんがタイムオリジナル』2011年10月号、昨日の続きです。

『脳内フェスタ』、『深読みコミュ』が改題したのだそうです。けど、基本のラインは変わりなし。面白いですよ。あの、車内で隣が空席とか、ああ、それは思う。共感するところも大きく、そしてこうしたありそうなネタだけでなく、「顔近すぎて」なんかがそうですね、ちょっとないだろう、そんなのも妙に面白くて、これは楽しみの幅が広がってきてるなあ。などと思ったのですね。

『おゑど恋愛帳』、ゲストです。おゑど舞台とのこと、主人公は家光みたいですね。で、十兵衛を手玉にとって、城下に遊びに出たりする。時代ものだけど、シリアス、リアルじゃなくて、コメディでありますね。暑さにまいって倒れたところ、助けたくれた町娘に恋をした? そうかと思わせたら、本命は十兵衛、ばっちり衆道の気があるっていうね。こうしたところで攻めてこようというのか。というか、男色将軍が町娘に恋をした!? とか書いてあるんですけど。なかなかすごいことになってきたと思います。

『恋は地獄車』、今回は勉強になりました。そうかあ。太ったっていわれるの、そういう風にダメージを加えるんだ! ユキぴょんの熱弁、あれには感銘を受けました。そうか、そうなのか。勉強になったといえば、模範解答、後藤さんじゃないけど、あれは無理だと私も思いました。むしろエルヴィスの打開策、こちらの方がずっとやりやすい、そんなこと思って、いや、現実には無理だと思うんですけどさ。しかし、この漫画、妙な生々しさ保ちながら、それでも強烈に面白いです。

『お茶の間クエスト』、変わらず面白いですね。今回は魔王の事情。御付の鉄仮面とか、そんなこと心配しなければならない域にまで奴ら踏み込んでるのか。しかしおさらいから入るなど、丁寧な仕事。やはり魔王として軍勢を率いるとなると、こうした仕事振りが重要になってくるのでしょうね。いや、本当か、それ? しかし、魔王、完全にいぶきに飼い馴らされてる。使い魔パッシー、せっかくやる気だしてるのに、魔王の本音の酷いこと。実に面白かったです。で、今回妙にいけてた台詞は猫でも人間の女の子の身体に興味あるのかしら、これですよ。いやね、正直、このふたり、こういったキャラクターだと思ってなかった。もっと枯れてるとばかり思ってたから意外で、それゆえに面白かったのですね。

  • 『まんがタイムオリジナル』第30巻第10号(2011年10月号)

引用

  • まがりひろあき「お茶の間クエスト」,『まんがタイムオリジナル』第30巻第10号(2011年10月号),179頁。

2011年8月27日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2011年10月号

『まんがタイムオリジナル』2011年10月号、発売されました。表紙のテーマは、読書の秋ですね。山下ナースを筆頭に『ラディカル・ホスピタル』の面々は書店員になっていて、山下さんの白いブラウスに緑のエプロン。可愛いなあ、素敵だなあ。そうそう、手にしている本が9月7日発売のまんがタイムコミックスというのは気のきいた遊びだと思います。そして、『トリセツのカテキョ』井原先輩は本を口元に、『らいか・デイズ』らいかは正座して、『そこぬけRPG』カナさんはお風呂で読書。みなそれぞれの読書の秋です。

『おかん』、いい感じですね。ズボラなおかんに振り回されるサツキ。大変だなあ、そう思わないではおられんわけですが、じゃあそのおかんとはどんな人だろう。それが語られる回だったと思うんですね。豪快な人。町の人気者? 大らかというより横着、そんな感じにも思える人だけど、仕事を得ること、またてきぱき働くことに関しては有能。なるほど、父不在の家庭で子供ふたり育ててるのは伊達じゃないんだなって思わせてくれますよ。しかし、明るく楽しい母。ちょっと困った人でもあるけれど、娘から見てちゃんと評価せざるを得ないところもちゃんとある。そのギャップ、悪くないなって思ったんですね。

『トツファミ!』、ゲストです。母ひとり娘ふたりの3人家庭に新しい父がやってきた。娘ちなつは、この彼のこと、ちょっと気にいってないみたい。お母さん34歳、お父さん田中リュージは26歳。まあ、ありですよね。でも娘は心を許さず、まあ、あの出会いはまずかったですわな。リュージに対し手厳しいのは娘もそうだけど母の評価も決して甘くなくて、じゃあその母と娘に差があるとすれば、愛があるかどうかなのだろうな。母もシビアだけど、愛ゆえか許してる、大目に見てる。娘にはそれがない。けど、だんだん軟化していくのかな。その気持ちの変化していく様、それは楽しそう、面白そうです。

『先生のたまご』、おお、扉のたまこ先生、可愛いな。といったわけで、秋の読書月間。短かいお話を読んで感想文を書きましょう。というのだけど、400字にまとめるのは意外に難しくないか? とはいえ、思ったこと、感想を短かく的確に、しかも制限時間内に書くというのは、彼らくらいの年代では大切な訓練だろうな、なんて思ったのでした。しかし、そうした学習効果うんぬんよりも、人それぞれの本との対し方。あの、ふむふむガタガタとか、面白い。というか、あれ、スカートでやっちゃ危険じゃないか? この漫画でのメインは先生なんだろうけど、生徒にも個性的、面白いのが揃っていて、クラスの様子など、とてもよい。先生、生徒それぞれにまた違った味があるのですね。

『だぶるる!!』、ゲストです。姉、瑠璃子。妹るみが高校に入学。同じ学校に通えるというので、ものすごく嬉しそう。制服にほおずりしたりして、とか、変態的だな。いえね、実はここで私、なんか勘違いしてまして、姉がですよ復学した、とかだと思ってたんですね。ほら、病気とか体弱いとかで学校通えてなくて、ようやくまた通えるようになった。で、妹と同じクラス。2回ダブってるからタイトルが『だぶるる!!』。全然違いました。いや、でも最後の話を見るまで気付かなかったんですよ。思い込みっておそろしいですね。瑠璃子、るみのうちは洋食のお店。娘たち、店の手伝いもするのだけど、瑠璃子の鈍感さ、これは見事です。携帯のアドレス、ゴミとして処理する。教える電話番号は店の。メールが届いたと思ったら宣伝。この3連発は面白かった。そして妹、るみも姉のこと嫌いじゃない、一緒に学校に通えることを楽しみに思ってる。そうした気持ちの描かれて、これ、よかったと思います。しかし、姉ちゃん、すごいハイテンションですね。

  • 『まんがタイムオリジナル』第30巻第10号(2011年10月号)

2011年8月26日金曜日

音を大きくする本

 正直なところ、マスタリングとか全然わかりません。フェーダー動かして、パートごとの音量調整して、高音から低音まで、それから頭から最後まで、全体のバランスをとってやればいい。そう思ってたら、これが全然足りてなかったのですね。バランスとるのは見様見真似でなんとかなった。けど、これではちっとも音量があがらず、奥でもそもそやってる、そんな感じにしかならんのです。なら、コンプレッサーだリミッターだ、強めにかけてみても、これといって結果が出ない。なんでだ!? ええ、ちゃんと知識を仕入れないといけない、そう思わされたのですね。

なので本を買ったのでした。タイトルは激烈にシンプル。『音を大きくする本』。いえね、この本の存在は結構前から知ってたのでした。けど私は、とにかく音圧をあげる、そんな傾向に対し好意的に思っておらず、だからあえて黙殺していたのでした。でもね、音を大きくできる、そこをあえて大きくしない、ならともかく、そもそも適正と感じられる音量までも届かない。そんな状況です。ええ、好きの嫌いのいってる暇はないのですよ。というわけで、買った。買ったのは数ヶ月前だったんですけどね。

基本的にシンプルな本です。イコライザーで余計な部分を削る、コンプレッサーで圧縮して持ち上げる、さらにリミッターで抑える。そんな感じ。けど、こういう音源にはこういう対応をするというのが、それこそ数値等設定からもって丁寧に説明される。これはありがたい。そう思わせてくれる内容でした。

著者もいっているのですが、この本が目的にしてるのは、ただ音を大きくするということだけなので、音づくりがどうこうとか、そういうことは書かれていません。だから、そういったことは別の本を参照するか、あるいは自分自身で試して知って学んでいくしかないのでしょうね。でも最初の足掛かりにはよいかも知れない、そんな本だと思いました。いろいろ書かれず、シンプルに音圧増大だけが目的。その割り切りがために、少しずつ知って理解していくのに向いてそう。そう思ったのですね。

2011年8月25日木曜日

『まんがタイムきららフォワード』2011年10月号

『まんがタイムきららフォワード』2011年10月号、昨日の続きです。

『聖アベリア女学院』、最終回です。撫子が男だった。上半身、裸になった撫子、思った以上に男の子で驚いたのですが、その女の子として育てられた理由。なんというか、悲劇であるよなあ。亡くした子の代わりとして育てられた。けれど、決して代わりにはならず、拒絶され、そして母から離れるため、自らアベリア入学を望んだ。常夏は、撫子に対し望んだことを浅はかであったと悔いるのだけど、けれど撫子にあっては常夏はひとつの希望だったのかも知れないですね。常夏のいう、お母さんの優しさ、それは正直よくわからないのだけど、撫子の、そうありたいと思える自分であれる未来、それを希望として描いてみせたラストはよかったなと思ったのでした。

『トランジスタティーセット — 電気街路図』。すずの父の帰還、というか、リストラなんだ。上司に手が、それから足が出たらしい。飄々とした、そんな雰囲気ただよわせているすずの父。なんか頼りなさそうだなあ、駄目な人っぽいなあ、そう思ってたら、いや、とんでもない、この人すごくちゃんとした人じゃんか。仕事をするというのは、ただ店番してたらいいってわけじゃない。販路を開く、売り込みもすれば同業者との提携も。やり手だ! 結果的に、すずに自分自身を見つめさせるきっかけとなった父。いや、本当にこれは面白い。なんか終わりそうな心配もあるけど、この状況の動いているというところ、大変に読ませます。

少女素数』。ついに動きだしたすみれ。ぱっクンに気持ちを伝えようとする? その場に居合わせてしまった有美。彼女らの物語がいよいよ動こうというのか? そう思ったら、あらら、意外な人が介入。錦木さん。結果的に水をさしてしまい、場の雰囲気、緊張もゆるんでしまって、そしてすみれのぱっクンにいったこと。これははじめからこれをいうつもりだったのか、いや、おそらくそうだったんだろうな。あんずとの会話でそれがわかる。けど、出し抜こうとしたんだ! これまで自分の中、心の奥にしまって、自分自身でさえそうと知らなかった気持ち。それが明らかになれば、こうも一度に動くのか。すみれという人の、気持ちのぱっと加熱する、その様は確かに以前にも見たことがあったように思います。状況こそは大きく動かなかった今回。しかし、その状況はもう以前とは同じではありえない。ああ、緊張を内包して、読んでいる私の気持ちもざわざわとさざめくようです。

『キスメグルセカイ』。ついにクライマックス、ということは、これ最終回でいいのよね? そうとは書かれてないけど、最終回なのよね? 平行世界をめぐってきた、ヒロインめぐる。ついに自分の元いた世界に帰ることになった。そして、自分の世界の環に自分の気持ちを告げようとする。そんなラスト。ああ、この漫画は、めぐるの、多様な世界やいろいろなありかたを見せる環に出会い、揺れる気持ち、それを見て、思って、感じて — 。こういった楽しみを提供してきたのかも知れないなあ、という感想を持ったのですね。めぐる、彼女の思いの物語。エピソードの積み上げられてきらきらと光る、万華鏡みたいな味わいのある漫画でした。

2011年8月24日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2011年10月号

 『まんがタイムきららフォワード』2011年10月号、発売です。表紙は『ハナヤマタ』、よさこいの漫画ですね。なるが、傘と鳴子を手に踊っている。けど、内気、おどおどしてる、そうした様子が動きの小ささ、表情から伺えて、ああ、可愛いですね。羽織っているのはハナの着ていた着物? 羽織? その下は制服ですね。可愛く華やかないい絵であると思います。

夢喰いメリー』、おやっさんはすげえな。若いやつらの様子を見て、俺の出番じゃないとさとり、ひとり去っていく。こうしたところでも、ばっちり見せてくれる人だと思います。そして、ナオの置かれた状況。夢魔に目をつけられている。緊迫したシーン、なんとしても助けたいという由衣。しかし、あのナオの問い掛けはずしりときました。なんでも誰でも、気付いてわかって助けられるわけじゃないということ。由衣の苦しみを貫いて、呼応して、感情が躍動してる。見事でした。そして、指揮者アハテルノーテ。可愛い夢魔だな。そしてラストのページ。ああ、すごくエレガント。なるほど、アハテルノーテ、ドイツ語で八分音符なのか。なるほど。音符の口も、CAEなど音名になってて、すごく凝ってます。

『ハナヤマタ』、ハナがなるの家にやってきて、しかしなるの隠した恥ずかしいものってなんだ? それはいいとして、ハナがお父さん見て大興奮。なるほど、侍、大好きか。侍でこの様子じゃ、忍者など見たらもう大変だな、とか思ったら、わお、やっぱニンジャ大好きなのか。いえね、冒頭、なると会ったころのことですよ。私はハナのこと、人じゃないなにかなんじゃないかみたいに思ったわけですけど、あれ、ニンジャに憧れた末に会得したフリーランニングの成果なのか。そうか、人でよかったんだ。しかし今回は、ハナとなる、自分の思うところ、交換しあって、だんだんに近しくなっていく。そんな様子が見てとれてとても素敵でした。そしてなると鳴子。なるほど。そして、なるの鳴子を鳴らした、その感触に気持ちが動く。ああ、あれはいいですね。素敵な漫画です。で、恥ずかしいものって、あれか!

『九十九のあまのじゃく』は水着回ですね。けど、あんまりいやらしい感じしなくて、このすっきりした感じ、悪くないですよ。今回は皆で水着で水遊び。楽しいね、華やかね、そんな回かなって思ったら、いや、なかなかにいいですよ。溺れたナユタを助けようと駆け出し、泳いでいくアヤカ。もう心から心配してるっていうのがわかる、そんなアヤカに対し、いやいや、これどうも違うだろう。なんという対照。見事に狼少年、というか、狼少女か。っていったら、なんか違うものみたいだな。もうこれはナユタにとって、その存在の証明みたいな遊びなんでしょうが、まわりの皆からはもう相手にされなくなってるし、そしてアヤカを怒らせて、いや、でも、あれは怒ってもいい。ええ、いつもどおりなのかも知れない。けど、そこにアヤカの人のよさ、そいつが見えてよかったと思ったのですね。

2011年8月23日火曜日

『まんがタイムスペシャル』2011年10月号

『まんがタイムスペシャル』2011年10月号、昨日の続きです。

放課後のピアニスト』は、コンクールのその後ですね。友達に祝ってもらってる。ケーキ、よっぽどおいしいんだろうな。それが表情から伺える。というわけで、今回は弦が切れる話。いや、私は切ったことないんですけど、なんかものすごいらしいですね。聞いた話によれば、車がうちにぶつかったと思って確認に出たら、当然なんともなくって、練習に戻ると鳴らない鍵盤が……。しかし今回はちょっとファンタジー? 弦の寿命を知らせるピアノの妖精? 詳しくはわからない。けれど、これがピアノであったら、鳴らなくなるその最後によい演奏をしてもらえて、嬉しかったのだろうな。そう思わせる話でした。

『今日から文豪!』、ゲストです。小説家としてのデビューを迎えて豹変した板橋さん。これまで真面目を装ってただけで、本当ははじけたくてしかたなかったんだな。あるいは、よほど小説家としての自分、そいつに憧れていたか。いや、ほんと、かっこだけ大小説家。けど、かたちから入るというよりも、嬉しくて舞い上がっちゃって、調子にのっちゃってる、そんな感じですよね。奇行が目立つ。けれど、なにかうわついてて、いや、ほんと、重みというものがまるでない。面白かったです。最後の落ちはあってもなかってもよかったかも。とにかく本編が楽しかったです。

『踊る!アントワネットさま』、美しい漫画だなあ。マリー・アントワネットに呼び出されたマリー・ボヌール。いやしかし、エレガントなマリー・アントワネット。対し素朴なお嬢さん。この対比、ものすごいって思うんですけど、エレガントな美しさに可愛さ添えられたアントワネットに、素朴ながらも明るさ爽やかさ感じさせるお嬢さんマリー、どっちも魅力的で、ほんと、素敵な漫画です。アントワネットとマリー、きっと友達になれるだろう。それまでの様子、なってからの様子、それはどんなにか微笑ましく素敵なのだろう、楽しみでならないです。

少女カフェ』は、ふたり、葉月さんのおうちにお泊まりですよ。予定してのものじゃなかったけど、たまたま葉月さんの都合がよかった。というか、部屋の都合ですね。葉月さんは、見た目にも素敵な女性だけど、こういうちょっと駄目なところ、それも魅力で、しかも取り繕わない、そうした気さくさがさらに素敵さ増さしめていると思います。さて、葉月さん宅での夜。思い出ばなしなんかもあったのか。一郎お父さんだけでは満たされないなにかを得ることができたのか。みおとつくし、ふたりは特段寂しそうな素振り見せたりしないけれど、たまにはこうした交流、あるとよいなって思った。支えあってるなあ、そう思ったのでした。

『ドギマギ!』、ゲストです。新人4コマまんが大賞出身作家。ということは新人さんなのでしょうけど、悪くないですよ。喫茶店にてバイトしているお嬢さん、空野鈴音が主人公。人見知りで緊張しいで、失敗ばっかりだけど、だんだんに成長していってますよー。そんな話。この子、実際可愛い。がんばってるってよくわかる。喫茶店の店長も、友人咲ちゃん。ふたりもよい人そうで、この雰囲気、悪くないって思ったんですね。

  • 『まんがタイムスペシャル』第20巻第10号(2011年10月号)

2011年8月22日月曜日

『まんがタイムスペシャル』2011年10月号

『まんがタイムスペシャル』2011年10月号、発売されました。表紙は『恋愛ラボ』。主役の5人が、そろってあかんべーをしている。これは、プリクラとか、そういうものなのかな? あるいは写真? いわゆるカメラ目線、こちらを見ている、そして名前が手書きされている、そういうところに、彼女らのこの写真を楽しんでいることがうかがえます。しかし、皆可愛いなあ。どこか素直じゃないっぽいサヨがいい感じです。

シュガービーチ』は、なんと部長が病欠。部員全員でバカ扱いとか酷い! しかし、年中水着余裕ってのもすごいな。そして明かされる兄の存在。なんと、おうち武道の道場なのか。けど、あの部長が兄には甘えるというのね、部屋のあちこちにぬいぐるみがいるというのね、ああ、いいわあ。すごく可愛いと思います。というか、風邪ひいた理由がもう可愛いな。で、兄に忠告される、友達は選べよ。なるほど、やっぱり困った子らではあるんだ。それに答える、後輩だから選べないというの。これ、単純にとるか、あるいは少し深く読もうとするか、それでちょっとニュアンスが変わってきそう。ええ、なんか味がある落ちでした。

『スーパーメイドちるみさん』。いや、チケット、1枚あまるとか、普通にありませんか? 試写会がペアご招待だったり、貰ったらペアチケットだったり、申し込みの最小単位がおふたり様だったり、それで、いく相手がいねーよー! ってことになって、友人に声かけるのはいいんだけど、それでも無理なら家族といくとか、普通にあると思うんだけど、いや、どうなんだろう。さて、そんなわけで大樹様、ちるみさんと一緒に映画ですよ。女の子といく映画じゃないな、とは思うけど、友達といく映画でもないよな……。映画館への道中、佐々木先生に出会って、ああ、告白されてましたっけ? しかしそれで思い悩む先生。なんか焦点がおかしい気もするけど、慣れてない感じは可愛かったり、そしてやっぱりろくでなしだったり。この長く続いてきてる漫画も、長く続いてきているだけあって、だんだんに人の気持ちも動いているなあと、ちょっぴり感慨深いです。で、映画、なかなかよかったんだ。もうこの人、ナースだったらなんでもありの境涯に達しようとしていますね。

『ポンチョ』、面白いなあ。お姉ちゃんにたまちゃん、ふたりとも、バイトに青春賭けてるなあ。というわけで、今回はお化け屋敷。あの天井からぶら下がるとか、体はってるなあ。というか、美少女に見えない! 今回のお姉ちゃんの、DJだの手がチョキだの、そしておどかして爽快とかね、気持ちはわかる、けどここまでエンジョイするんだ! その様子など、さすがポンちゃんの姉だな、そう思わされたのですね。ほんと、可愛い人です。しかし、最後の手ね、握るのね、ちょっとドキドキさせられますね。なんかエロいよね。

『残念女子高生』、ゲストです。新人さんみたい。変わりものの女の子三人が主人公。楽しくじゃれあってる感じですね。登場人物は見た目普通の女の子明子と、スポーツやってるっぽいジャージ姿の廉ちゃん、そして大人しそうな女の子真琴ですね。しかし、真琴、眼鏡をひたいにあげてるのはどうしたことか。前髪長くて、目、隠れちゃってるし。眼鏡っこ、というより、オタクっこ、って感じですね。結構好きなタイプです。この漫画、廉ちゃんの、勉強はちゃんとしてるけど成果がでないっていうのね、なんかいいなって思いましたよ。なんというんだろう、人となりのらしさといいますか、なにかリアルと感じさせてくれるなにかがあったんですね。

  • 『まんがタイムスペシャル』第20巻第10号(2011年10月号)

引用

  • 下村トモヒロ「シュガービーチ」,『まんがタイムスペシャル』第20巻第10号(2011年10月号),25頁。

2011年8月21日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年10月号

『まんがタイムきららMAX』2011年10月号、昨日の続きです。

『スイーツどんぶり』、ゲストです。調理部にやってきたのは、ジャッカルのふたつ名を持つ柿崎志保子。ここら一帯シメている。百対一の喧嘩にも勝利する。そんな、一昔前の番長みたいなこの人が、好いた男に手料理ふるまいたいから教えてというんですね。教える人、調理部部長酒井暁美。腕はいいらしい。腕がいいからか、強気も強気で、けどしっかり柿崎につきあってあげる。いい奴じゃん。で、もうひとり、調理部部員、栗原静香。酒井のファンというんですが、料理のファンであり、かつ百合的な意味でのファンでもあるのかな。包丁に慣れていない柿崎を、文字どおり手とり足とり教えたりね、そして味見のリアクションがものすごかったりね、いやほんと、勢いインパクト、ばっちり効いていて目にも面白かったです。

『SUNNY SIDE UP.』、最終回です。突然あらわれて、東京に連れて帰るといったお父さん。果たして加奈子はどうするのか。戻るとなったら戻るしかないのだろうか。お父さんの意図は、扉の向こうの娘にひとりごとするように問い掛ける、あの言葉に充分表されていて、ああお父さんは娘を本当に心配しているんだな。なにに対しても受け身な娘。背負い込みすぎてパンクしてしまった。変わらなければ、これからもまたそんなことになりかねない。ええ、心配でしょう。親心ですよね。しかし、娘の気持ちを試すのに、この土地を、学校を去らないといけない、もちろん友達とも別れないといけない。そうした可能性に直面させたのは、加奈子にとってこの場所が、友人たちがどれほど大切か、それをちゃんと理解していたってことなのでしょうね。いい最終回だったと思います。加奈子の気持ちの変化してきた過程、それがすべてこのラストに集約されて、ええ、いい最終回だったと思います。

『忍パラサイト』、面白かった。愛香、風邪に倒れる。のはいいとして、看病するのが瑠璃と小梅。常識に欠けるふたり。あの、毒を盛られたと早合点するところからおかしいんですが、ふたりともに風邪あんまりひかないとか忍者の秘薬とか、そういう基本を押さえつつ、携帯電話とかね、それから金庫、めちゃくちゃ面白い。用量守ってくださいなんかも、実にいいですよ。非常識をたしなめる、そのたしなめよう、丁寧ながら的確、テンポもいい。とてもよかった。最後に驚く愛香で終わるというのもね、常識ないながらも忍者としては優秀。困ったことだな。そう思わせて苦笑まじりの面白さ。ええ、よかったです。

『ののことのらと』、こちらも最終回でした。ええ、いいラストですよね。いつもどおりといえばそうかも知れない、ののことのらの、どたばたとした冒険といえない程度の冒険。筆記用具を学校にとりにいく、それだけのことが、なんでこんなに大騒ぎになるんだろう。いえ、それがこの子らのらしさですよね。だからこそ面白い、だからこそ、嬉しい。そんな感じがします。けれど今回は最終回、最後にふたりの友達ということが確認された。しずかに、なにか沁みいるようではないですか。ののこの楽しそうな様、その表情、それがとてもよかったのですね。

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第10号(2011年10月号)

2011年8月20日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年10月号

『まんがタイムきららMAX』2011年10月号、昨日の続きです。

ラッキーストライク!』は、扉にタキ部長。ああ、この人かっこいいなあ、単純にそう感じた最初の印象が、最後には違ったものに変わる。ええ、今回はいろいろ思わせるものがあったのでした。いえね、最初はリリスの無茶な要求や、先代王子のことなど、ほほえましく読んでいたのですよ。なるほど、かっこいい女の子が好きなのね。今でもタキ部長のこと好きなのね? などなど、楽しく眺めていたのですよ。そうしたら、ああ、そうなのか、そういうことなのか。タキ部長にさしていた影、その経緯が語られて、より派手な、観客受けする投法を身につけようとして、故障しちゃったのか。肩を前後させて投げるアメリカンスタイル。なるほど、扉の部長は、もしかしたらありえた部長の姿だったのか。このスタイルを身につけて、活躍していたはずの部長だったのか。切なくなってしまったのですね。

けど、これで部長の教え方。基礎を重点的に厳しく教える、その意図もわかったように思ったのですね。それは、当然基礎が大切、うまくなるにはまずは基礎、そうしたこともあるのでしょうけど、故障しないプレイスタイル、長くプレイできるスタイル、それを身につけさせようとしてたのかも知れませんね。きれいな無理のないフォーム。そのための準備に時間をかけさせた。それは、無理をしてしまった自分自身、その経験からのものだったのかも。そう思うと、レン、リンならずとも泣けてくるなあ。ほんと、ちょっと悲しく、けれどその気持ちの受け継がれようという回。大変よかったです。

『Free!』、新連載です。学園もの。特にこれというテーマ、部活動とかね、そういうのはないようですが、女の子4人のちょっとどたばたっぽい? そんな学校生活。トモエ、アトリ、ミサキ、キスカ。このうち誰かが優等生、かと思えば、別にそういうわけではないのか! 劣等生でもないけど、なんだかいろいろにぎやかな女の子たち。あのね、電子辞書かと思ったらゲーム機だった、っていうの、いいですよね。他にも卓球でばたばた、そして猫。元気のいい漫画であると思います。

『ふわふわ科学』は音と光の速度にはじまり、なるほど天文か! 天文、いいよね。というか、浴衣回だよ。みんな、浴衣で可愛いよ。でも一番可愛かったのは、太陽に2800年かけて歩いていくミソラ、あれだったと思います。しかし、今回は光の速さから光年、距離や大きさの話に移って、いや、まさに天文学的というやつだと思います。近くて4年とか、天の川渡るのに15年とか、天の川銀河の直径10万光年とか、隣の銀河230万光年とか、ほんと、人の身で実感するにはあまりに大きすぎる話。宇宙とは、かくも壮大なスケールであるのだなと思わされます。

『R18!』は新作会議。っていうんですが、これ会議室じゃないな。いつも同様、ファミレスだったか喫茶店だかでやってるのか。でかい声で、エロゲーについて語る、というか激論だな。迷惑だよなあ。いつ見てもわくわくさせられます。今回のテーマはネトラレですね。いやあ、これ、はじめて聞いた時は、こんなのあるんだ! って驚いたものでしたが、いえね、それがジャンルになってることに驚いた。ともあれ、里佳子のヒロインに肩入れしてる発言の数々、主人公中心の世界とか、めんどくさいとか、下手すればストーカーとか、いやな純愛だとか、いやけどこの意見、辛辣というよりストレート、こういうの大好きですよ。ほんと、いい子だと思います。

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第10号(2011年10月号)

2011年8月19日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2011年10月号

『まんがタイムきららMAX』2011年10月号、発売されました。表紙は『ホイップノート』、皆で料理を作っている、そんなシーン、もう盛り付けも終わって配膳といったところですね。さくらさんは一番奥でボウルに盛られたサラダ持っていて、そしてレコちゃん、オムライスを運んでる。るいせがケチャップかけてるんですが、手元見てないから大変なことになりつつある、そんな情景。けどるいせの笑顔、ぱっと輝くようで魅力的ですよね。どうでもいいことですけど、いつもノースリーブなレコちゃんにドキドキしてます。いや、本編も最高でしたよ。

どうでもいいことついでに書いちゃいますが、『きらら』系列誌といえば奇跡的とも思えるネタかぶり、でありますが、いやもう、今号も驚きのネタかぶり。いや、ほんと、まいりました。いえね、初期の『きらら』にもネタかぶりはあったんです。けどそれは、春になったら桜の下には死体がネタといったような、かなり定番、ベタなもので、かぶるのもわかる、そんなネタだったんですね。ただ、かぶる数が問題で、いつつもむっつもかぶって、ちょっと待って欲しい、これってなんかの選手権? 私が買ったのって『まんがタイムきらら桜の樹の下には屍体がアンソロジー』だったっけ? みたいに思うほど。けど、そんな状況もそう長くは続きませんで、定番ネタなら、いかに期待をはずすか、そういったフェイズが訪れ、そして今や定番こそはあっても、基本多様にネタを展開してみせますよ、といった具合に変化してきてるのですね。

なのにかぶるというのだから驚くんです。

夏でもないのにスイカがかぶる納豆プリンセスがかぶる。そして女体クリーム盛りがかぶる。いや、もう、すごいよね。こんな、年に1度あるかないか、というか、年に1度もないよね? そんなネタが見事にバッティングする。これはもう不思議ななにかの働きかけがあるに違いない。そんな気にもなろうものですよ。

一応、誕生日問題みたいな可能性も考えてみたんだけど、誕生日ならおよそ365種類に落ち着くけれど、漫画のネタは特に制約もうけられてないだろうしなあ……。その頃はやってたなにか、というわけでもなくかぶる。それはもうミラクルななにかなのだと思います。

必死なレコちゃんが可愛い……。

きんいろモザイク』。オフィーリア! オフィーリアじゃないか! 今回は皆で山に登る、っていうんですが、しのがえらい格好してるよ、おい。白ずきんちゃんかあ。可愛いんだけど、とりあえずアリスしか誉めてないのがいいよな。それにしても釣竿の似合わないこと! というか、まさかこれがラストのあれを用意するものとは思いもしませんでした。オフィーリア後の忍。あの、服の汚れてしまったことを嘆いてる涙目しのぶが可愛くてしかたありません。今回、せっかくの新キャラ登場回だったというのに(カレンパパ)、しのぶにまるごともっていかれた感がありますよ。

『ぴょんと檻の家』、ゲストです。きれいな絵、いい雰囲気がありますね。山奥にある植物園、大きな温室に暮らしているというぴょん。うさぎを自称してる、ちょっと謎のありそうな子供。ぴょん自身はここで暮らしてるわけじゃないようで、一緒にいた春日亀という青年、この人が温室に住んでいる? ぴょんはお母さんがでかけてる間、春日亀にあずかってもらってるだけ? それとも、やっぱりなにかあるのかな? 時間のゆったり流れるような、そんな雰囲気のある漫画。ほのぼのと思いきや、ちょっとセンチメンタル、メランコリー? 不思議な味、なにか心ひかれる漫画です。

『落下流水』、クレーンゲームの話題です。いや、これ、店側が設定できるのって、アームの強さだけじゃないんだ! 確率台とかあるんですね。それってつまり、一定の確率でアームがしっかり掴む。その時以外は取れない、っていうことなんですか。確率台に実力台。はー、知らないこといっぱいだ。しかし、こういう取れそうで取れない。けどもうちょっとしたら取れそうな気がする。そのバランスの絶妙さが、ああした取れるまでつぎ込んでしまう、そんな気持ちに火をつけるのかも知れませんね。うん、私はこういうのやめとこう。実は取れるまで納得しない性格なんだ。いや、ツケはさすがにないけれど……。しかし今回、丁寧に積み上げてきたツケにいたるまでの展開、それらをすべて最後の一本、「モンスターアダルトチルドレン」が持っていってますね。あのインパクトはなかなか。見て笑わないというのはちょっと難しい、そんな鮮かさでした。

お願い神サマ!』は、ふたりで別荘に。しかし、付き人古谷さん、心得てらっしゃる方だな。あの背中を押したのも、演出の数々、なにもかも、全部お嬢様のためなのか。ほんと、使用人の鑑だと思います。しかし今回はすごいですね。のっけからの密着具合。ああ、これはTMでしょう。そして別荘でのふたりの妄想、あくまでTMシチュの柚梨子さんと、多分本人的にはすごく怖い怪談妄想してる実優。もう、考えてるところ全然違って、いやもう面白い。っていうか、実優の妄想が可愛すぎてたまらん。あんなお化けなら会ってみたい! そしてメーター表示、あれは面白いわ。いえね、このシーンは、自分も怖いのに、怖がる柚梨子さんを守るんだ、その一心で気持ちしっかり保つ実優のいじらしさよ! そんな感動のシーンに他ならない(ほんとに?)というのに、あのメーターがあるために、ああもう、面白くてしかたないよ。ほんと、このふたり仲がいい。そして、ラスト。ああ、古谷さん、心得てらっしゃる。しかしまだまだ初日。それでこれほどに盛り上がるのなら、この先いったいどうなるか。一層のTMシチュが期待されますね。

  • 『まんがタイムきららMAX』第8巻第10号(2011年10月号)

2011年8月18日木曜日

『まんがタイムファミリー』2011年10月号

『まんがタイムファミリー』2011年10月号、昨日の続きです。

『やんぼらん』、ゲストです。ヤンキーふたり、助山太一と格田龍平が、転校生の美少女姫小路百合亜に一目惚れ? ボランティアに興味があるという彼女に気にいられたい一心で、ボランティア部を作った。というか、適当なこといって気をひこうとしたら、本当にボランティア部ができてしまった。これ、このヤンキーふたりが、結局自分中心ってところから、だんだん人のためになにかすること、その喜びに目覚めていく、変わっていく、みたいにするのかなあ。今のままだと、ちょいと共感しにくい。わりと純情ってのはわかるけど、結局騙してるんだもん。だから今後の展開しだいで感想も変わりそう、そんな感触です。

『はなとふたば』、おお、タキくん、見直した。いや、もともとこの人、姉のこと大好きぽかったですけど、それが見事に描かれて、いや、あのちょっと真面目? いや落ち着いた感じ、あれはいいよ。いつもそうならいいのに。妙に落ち着きなかったり、変にハイテンションだったり。けど、普段のそのみっともなさがあるから、このコマの彼、輝いたんだろうなあ。しかしユキきれい。ユキかわいい。けど、なんでこの人は自分のそうした魅力に気付かないかな。弟にきれいといわれたい? だとしたら望みは叶ってるんだけどな。なんともいえない、姉弟の距離。なんかどきどきさせられます。あ、そうそう。男友達に対するタキの対応。あれはいいよ。どんだけ姉ちゃんのこと、紹介したくないんだろう。独り占めしたいんだな。

『くらドル』。天野、頑張れ。天野、頑張れ。ついに天野がやる気になった。塾で一緒の女の子。コンタクトレンズ、両目とも破損して見るからに危険な状況に。それで天野が駅まで送ることになったのですが、その道中のやりとり。共感して、ああ、ちょっと好きになっちゃったんだな。いいぞ、天野、頑張れ、応援する! いや、実際、これまでは瓜木桃たち女子に振り回されて、あっぷあっぷしてる感じだったのが、いいですよ、変わっていきますよ。モテ男になる必要はないけど、そのコンタクトのお嬢さん、彼女に対し普通に接して、親密になる、そのきっかけが得られるといいよね。と思ったら、おおっと、瓜木桃、おおっと、なるほどそうなのか? うん、瓜木も頑張れ!

『ともえ一本勝負』、素晴しいな。扉の色っぽさ! なんて素敵な女の子なんだ! と思ったら、本編ではダイナミック、実に見事な脱ぎっぷりなんだけど、色気というより元気はつらつだーっ! いや、でもそんなともえさんが大好きです。しかし、本当に面白いですよね。普通の女の子漫画じゃないの。テーマこそはダイエット、体型維持、いやむしろ痩せたい、っていうんですけど、その手段が実に正統的。サウナスーツでジョギング、水泳、そして自転車、って、バリバリの体育会系アプローチ。しかも反吐はいてるとか、ヒロインなのに! 美少女なのに! けど、ほんと素敵。あのともえのやる気まんまんの顔、あれが本当に魅力的で、この漫画大好きです。あ、そうそう。娘をたきつけるお母さんも素敵です。

  • 『まんがタイムファミリー』第29巻第10号(2011年10月号)

2011年8月17日水曜日

『まんがタイムファミリー』2011年10月号

『まんがタイムファミリー』2011年10月号、発売です。10月号! というのも驚きですが、通巻333号なんですね。というわけで、表紙はそのお祝いの色を強くして、『ぽちゃぽちゃ水泳部』ヒロインふたりは、手品師スタイルでお祝い。『椿さん』はなにやら派手な裃姿で、両手に333と書かれた扇子を持っています。他にはトランプを手にする『らいか・デイズ』らいかと、最終回『小悪魔さん』のカットもございます。

教師諸君!!』、扉にSMOKE FREE。これ禁煙って、絵で描かれてるからわかるけど、文字だけで見るとその意味するところがわかりにくい、そんな言葉の代表格だと思います。さて本編は文化祭を前にして盗難。美術部の石膏像がなくなったっていうんですが、疑われるのが西名先生、いや、疑われてるわけではないのかな? そして探偵ごっこにはいるのですが、おお、ホームズ。来週でしたか、NHK BSで現代版ホームズやるそうで、楽しみにしています。というのはいいとして、この西名版ホームズはあんまり有能な感じしないな。しかし、以前から作物泥棒してた美術の先生ですが、この人、ほんとに悪辣じゃないか。石膏像を漬物石に、文化祭で売る漬物を作ってた。でも、けんかしながらも、それなりにコミュニケーション成立させている、これは一種の演劇的イベントなんでしょうね。互いに悪役を演じあっている。きっと、それが楽しいのです。ところで被服部、あの追い込まれ具合、余裕をなくして鬼気せまる、その雰囲気。実に好みでありました。

『博士の白衣女子攻略論』、面白いです。回を重ねるごとに面白い。あの劣化試験っていうの、実験対象に紫外線あびせて、それで生じた変化の度合いを何倍かのスケールに引き伸ばすんでしたっけ。単純に何倍ってやるんじゃなくて、対数がどうたらいうんでしたっけ、みたいな話は別に本編に関係ありませんでした。あの赤星さんの心配、あれ、あとでドーンと出るダメージも心配なんでしょうけど、むしろ目に与えるダメージの方が心配、みたいに思って、まあこの感想も本編に関係ありません。しかし、試験室は常温常圧を保つ理由、その説明の図解、丁寧ですごくいい。そして白衣の実際も。白ズボンでがっかりっていうんですが、タイトなミニも魅力ですけど、白ズボン、素敵だと思うですよ。そして薬品の危険。やばいよ! すごくやばいよ! って、怖ろしいなあ。しかし、この漫画は白衣のお姉さんふたり、赤星さんに須藤さん、きっぱりしっかり凛々しくさっぱりあっさりちょっと冷たく、本当に素敵だと思います。あ、扉ももちろん素敵でした。

『ひよっこシスターの安息』は、暑い季節の過ごし方、ですね。節電の夏、でありますが、シスターたち見てると今年が特別なんじゃなく、毎年がこうみたいに感じられて不思議です。見るからに夏向きじゃない修道衣。改良の考案のといっていますが、ここはこう、空調服みたいに背にファンをつけるのがよいと思う。そして暑そうなのは日本の僧侶も一緒で、あれきっと紗の衣なんでしょうけど、袖に竹を編んだかごみたいのいれたりもしてますよね。とまあ、これはどうでもいい話。しかし、あのラーメン屋。電気屋はじめ、客に似て客でない、そんな人でごったがえしている。町内のコミュニケーションの拠点になってるんだなあ。だからこそか、聖と俗が出会って、そしてその和気あいあいが楽しい。いい雰囲気です。

『あとは若いふたりに』、いい感じに展開してますね。若菜にライバルができて、けど実態は彼女のいうようなものではなかった。メールアドレスをゲットする、それだけのことなんですけどね、ライバル的にはアドバンテージになって、若菜としてはその一歩がなかなか踏み出せない。素直に教えてっていったらそれでよかったのに、という話。実際マキさんは若菜に気があるっぽいんだから、けどそのアドバンテージをアドバンテージとして利用できないところに若菜のよさはあるんだよな。まだまだやきもきさせられそうに思うわけです。で、今回最高の台詞、メールマガジンじゃないんですよ!? 若菜、心の叫び。これ、本当に素晴しかった。そして、ちょっと反省しました。ええ、心から反省したのであります。

  • 『まんがタイムファミリー』第29巻第10号(2011年10月号)

引用

  • 光晴ねね「あとは若いふたりに」,『まんがタイムファミリー』第29巻第10号(2011年10月号),92頁。

2011年8月16日火曜日

シュガービーチ

 『シュガービーチ』、これ、大変に素晴しい。ビーチバレー部の漫画。ヒロインみなとが入部したビーチバレー部は、部員不足で廃部の危機にあった。とかいわれると、なんだかよくあるパターン、そんな風に思われますが、いや実際私もそう思ったんですが、でも読み進めていけば、なんだか違うぞ、この漫画の個性というものに気付けるのですね。なんといっても部長が可愛い。見た目に凛々しく、ともすればいい加減に流されていく部員たちに厳しく接する部長なのに、可愛いもの好き、なんだか寂しがりや? 言動のはしばしにこの人の正体にじみ出ていて、ああもう本当に可愛い人だな。気付けば、部長がヒロインだと思ってしまっていたくらいです。

でも、ヒロインはみなとなんです。というのは、1巻最後に収録されてエピソードを見ればわかるんですが、しかしそれにしても部長が可愛い。そして、みなとの幼なじみであるエミ、この子が可愛い。みなとのお隣さん。みなとと違い、しっかり者、すごくきちんとした子なんですけど、みなとのことがほっとけない。因果な子だなあ、みたいに思うんですけど、だからといっていいように使われてるみたいなところは皆無。ええ、この漫画の登場人物。部長やみなとをはじめ、5人が5人とも、みんな自分のやりたいことやってる。もちろん部活ものなので、さぼりたいの遊びたいのいいながらも、部長のもと、厳しく練習させられたりするんですけど、そうした状況においても皆の個性、押し出されてきて、面白いんですね。

面白いといえば、たまに出てくる部長の引き抜きを狙っているバレー部部長、北条とかもいいキャラクターしていて、ライバルなんだそうですが、どう見てもファンだよな。病弱お嬢様、なこと御付きのSPもいい味出してて、SPふたりは後になるほどによいな。そんな感じ。だんだんにキャラクター、それぞれの味が出てきて、そうそうそういえば、ちくらちゃん、不思議系というか、それでいて万能? みたいなキャラクターなんですけど、もっと目立ってもおかしくない、そんななのに、意外に目立ってないよね。それは、それだけキャラクターひとりひとりが立っている、負けていない、というか部長ひとり勝ち? ええ、ほんと、部長、いいキャラしてます。

もちろん、部長だけじゃないんですけどね。けど、どうしても部長に注目してしまう、そんな魅力のあるキャラクターです。あ、それと、もしみなとが男子だったらという妄想にひとりやられてしまってるエミ、彼女も見事だと思います。

あ、そうだ。中表紙のみなと。素晴しかった。ああ、この子、本当にヒロインなんだ! 心の底から思えた、そんなイラストでした。

  • 下村トモヒロ『シュガービーチ』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2011年。
  • 以下続刊

2011年8月15日月曜日

Video Games Live

 先日、久しぶりにタワーレコードにいきまして、目当てはめずらしくモーツァルトだったのですけど、なにか出物はないかしら、店内を物色してみたのですね。こういう時、必ず覗くワゴン、あまり量ははいってなかったのですけど、なにか面白いものがあったらいいなあ、値段も安くなってるし、ええ、お店には悪いんですけど、ワゴンセール好きなんです。そうして見つけたのが、『ビデオ・ゲーム・ライヴ』。これ、いったいなんなのか全然わからないんですが、それこそなんでクラシックのフロアにあるの? みたいな感じ。けどワゴンだけあって安かったから、仮に駄目だとしても損はない。そんな気分で買ってきたのでした。

聴いてみた感想です。いや、これ面白いですよ。調べてみれば、最初はロサンゼルス・フィルハーモニックが演奏したイベントだったんだ。で、世界ツアーしてたんだ。実際、聴いてみて面白かったものなあ。CDの演奏はスロヴァキア国立管弦楽団なのだそうですが、これ、ジャケットに全然書かれてないから、ほんと正体不明で、とりあえずゲーム音楽なんだろうな、なんて思ってたのですが、知ってるゲームが驚くほどない。プレイしたことあるの、『Myst』と『Tetris』くらいで、こんな状況で楽しめるものなのか? と思ったら、のっけの『キングダム ハーツ』が宇多田ヒカルで驚いた。そうか、これってそうだったんだ。

知ってる曲が演奏されると、なんか嬉しいというのは、実際そのとおりだと思うんですが、知らない曲でもよくできてる。普通に新曲として聴いて楽しめる、そんな盤でありました。しかし『テトリス』は面白かった。『テトリス』ったらきっとあの曲なんだろうなと思ったら、まさしくその曲で、なるほど全世界的に『テトリス』はこうなんだ。なんか安心した。でもって、『キャッスルヴァニア』。これ、『悪魔城ドラキュラ』の続編、というかシリーズ作? っていうのは知ってたんですが、あのテーマ、『悪魔城ドラキュラ』に同じなんですね。わお、なんか懐かしい。そしてかっこいい!

このアルバムの続きというか、もあるんですね。その曲目見れば、『ゼルダの伝説』とかあるんだ。あとマリオがあるようで、あと『ファイナルファンタジー』。ちょっと聴いてみたいな。ええ、ワゴンで知って、続きは普通に買うかも。みたいな感じになりつつあります。

2011年8月14日日曜日

YAMAHA AG3GP アルトサクソフォン用ネック

YAMAHA Alto Saxophone Necksネックを買いました。YAMAHAのアルトサクソフォン用ネック。いえね、一昨年くらいから、楽器を調整し、リガチャーを換え、マウスピースも換え、そのたびに変わっていく楽器の音、響き。ああ、これはネックも変更したいなあ、と思ったのは、以前聞いたG1ネックの評判のためでした。今のYAMAHAのCustomについているネックがG1、これがいい。古いモデルの標準ネックであるM1よりもいいと、ちょうどG1が製品化される直前あたりに聞かされていたのですね。それ以来、いつか機会があったらG1を買おう。そう思っていたのですが、演奏しなくなったこともあり、そのまま先送りされてきたのでした。しかし、また吹くようになって、そうなればいよいよG1と思えてくる。ええ、ネックを新調するぞ、ついにその気になったのでした。

しかし、実際どれくらい変わるものか。具体的な情報はない。そんな状況で決して安くない買い物をするのはためらわれる。というわけで、いつも頼りにしている大学時分の後輩にメールで質問してみました。M1とG1の違いとか、ゴールドプレートだとどう変わるかとか、いろいろ聞いてみて、そうしたらM1はM1でよいものだ、みたいな返事があって、いやもうどうしたものかなあ。でも、今使ってないG1GPがあるので貸してくれるという。ああ、なんてありがたい話だろう。ええ、好意に甘えることにしたのでした。

届いたG1 GPをM1に比べてみたら、驚くほど違っておどろきました。息がよくはいる、華やかに鳴る。M1はG1に比べると、タイトというか、こじんまりとしたまとまりのある、そんな感じ。この鳴り方に不満がなければいいんだろうけど、私はもうちょっと広がりが欲しいと思ってた。だから、やっぱりG1なり、買わんといかんな。そう思ったのでした。

しかし、ネックは基本的に受注生産品なので、頼んで届いたものがすべて。借りたものがよかったからといって、手元に届くものがよいとは限らない。そんな博打にも似た状況がいやだな。そんな思いもあったのですが、しかしどんなものでもM1とは違うだろう。その違いに賭けてみよう。ちょうど行き付けの楽器店がサクソフォンフェアをやるというから、それにあわせて試奏しにいってみよう。やっとこさ重い腰をあげたのでした。

Saxophone

最初は所有のM1と借り物のG1GP、それに在庫してる875EXかなにかのG1を比較できたらよいなと思ったのでした。楽器に付属するネックだけを売ってもらうことはできないだろうけど、その傾向を知ることは可能でしょう。注文するにしても、ゴールドプレートにするか、それともラッカーにするか、決めねばならんのですから。そう思っていたら、ラッキーでしたね、なんとG3GPの在庫があるといいます。おお、これはありがたい。当然、それも試奏させてもらうことにしました。というか、今回の本命品であります。

Saxophone necks

試奏してみて、ラッカーのG1、思ったよりもアドバンテージがないな、そんな感想でした。試奏室の響きもあるのかも知れません。家で吹くよりもM1がよく鳴っているように感じられた。そのためにG1が目立ってよいとは思えない。けれど借りてるG1GPはくっきり違いを感じさせてくれる。これはネックの個体差なのか、それともゴールドプレートとラッカーの差なのか。もしメッキに起因する差であったら、ゴールドプレート一択でしょう。この状況でラッカーを選ぶ、その選択はないと思われるほどに違いました。

そしてG3GPを試してみて、これにはちょっと驚かされました。抵抗が劇的に少ない。ものすごく軽く吹けて、またレガートがすごい。第1オクターブから第2オクターブに移る際に、どうしても違ってくる音色、それがすごく自然と感じられて、正直、こんなに違ってくるとは思わなかった。メーカーの説明、フォーカスされたサウンドとイントネーションに優れ、なおかつコアのある音と程よい抵抗感が特徴です。これがそういうことなんだろうか。正直、この説明、意味不明で、それゆえにこれを選ぶことはないだろうなって思ってきたんですが、いや、吹いてみると魅力的と思えて、これは押さえておくべきではないか。と思えてきたんですね。

抵抗の少ない、あるいは息の音に変わりやすいと感じられる順に並べると、G3GP → G1GP → M1 → G1となって、低音また高音での安定性はG1GPが優れ、しかしG3GPも負けていない。むしろこちらの方が派手という印象。ノーマルG1は、これから吹き込んでいくとまた変わるかも知れない。そんな風にも思うのだけど、それはG3GPも変わるかも知れないということで、まっさらでこんなに軽いということは、吹き込んでいくとさらに軽くなる? 不安にも思ったのだけれど、いや、多分大丈夫だろう。そう思い直してこれを買うことにしました。できれば効率よく、楽に音を出したい。そんな風に考え方が変わってきている最近、この軽さはとても魅力的と思えた。また、この特性がモデルというよりこの個体のものであれば、今ここで買っておかないともう手に入らないかも知れない。そんな一期一会的発想からも、買っておこうと思ったのでした。

といったわけで、AG3GPを買いました。少しずつ慣らして、また私自身も慣れていこうと思います。

引用

2011年8月13日土曜日

『まんがタイムジャンボ』2011年9月号

『まんがタイムジャンボ』2011年9月号、昨日の続きです。

『やさぐれ刑事純情系』、ゲストです。新人刑事雁葉琉花。新しく配属された部署にて、憧れの刑事菅野冴子に出会う。外面のいい女、菅野冴子。職場においてはだらだらと、しかし現場では敏腕、すばらしい活躍を見せる。最初の1回目、今回は、こうした人たちの紹介ないしは状況説明的な要素もあり、なのでぐいぐい押してくるといった感じは弱かったのですが、でもこれ前提ができたら、もっとぐっと面白くなるんじゃないかな。終盤における菅野冴子の勢い見るほどに、そんな期待のできる漫画でした。

『はなな大増刷』は、郁子ちゃん、単行本作業中。って、単行本ってこんなに大変なのか。先生まで死にそうになっている。でもすごく楽しそうにしてる先生、その笑顔、なんて素敵なんだろう。ほんと、魅力的です。そして花菜もお手伝い。原稿にミスがないかチェックするんだけど、おお、すごく有能。しかし、こうして皆で集まって、単行本のために力を出しあう、その手伝えることを喜んでいる。素敵だな、そう思える話でありました。大変でも、つらくとも、一生懸命作業することに楽しみや憧れを見出せる、それはとても素敵なことだと思ったのです。

『天文むすめ』は学校で肝試し。しかしエネルギー問題とな。エントロピーとか、どこかで見たつぶらな目とか、でもレティちゃんの方法はあんまり阿漕ではないのですね。しかし、肝試しの幽霊おばけのいいながら、それらを想像力の傾向の問題として考える。その視点は科学的というか合理的というか、で、うしだのダブルエビ天丼だの、実に楽しい落ち。あれをエビ天と思う、その発想が素敵でした。そして、織姫、みごとにすばるのこと大好きだな。どんどん好きの気持ち、対し方のバリエーションが広がっていく。素敵、というか、あのもんもんとしている様子、あれがよかったです。そして、本当の幽霊で大落ち。このあたりは様式美。しかし面白かった。あの深夜アニメ見たがってるあの人、あれもよかったなあ。

『ちっこいんちょ』、豊田アキヒロの新作です。ゲストですね。生物部の実験で小さくなってしまったクラス委員長、藤枝木葉がヒロイン。真面目、前向き、あんまりメルヘンっぽくはならない。豊田アキヒロらしい味のある、ちょっと可愛くて、ちょっとシュール、そんなところ、大変よいです。この人の漫画、結構好きなので、これが連載になったら嬉しいなと思います。

  • 『まんがタイムジャンボ』第17巻第9号(2011年9月号)

2011年8月12日金曜日

『まんがタイムジャンボ』2011年9月号

『まんがタイムジャンボ』2011年9月号、発売されました。表紙は花火、いや、夏祭なんでしょうか。メインの『じょしもん』美々は手に花火持って楽しそうにして、『レーカン!』天海さんは浴衣。浴衣のお嬢さんは『炊飯器少女コメコ』、『先生だって嘘をつく。』ヒロインふたりも同様で、いやしかしコメコ、可愛いな。炊飯器とは思えん。そして『おねがい朝倉さん』。チョコバナナ手に空を見上げてる。なるほど、花火の見物みたいですね。

『炊飯器少女コメコ』、連載になったのか。しかし、コメコが可愛ければ可愛いほど、シュールさも強まる漫画であります。さて、今回は尊のバイト先、紅茶専門店での状況。コメコ来店、店内で頭ばんばん開く。あの服装で頭開いてる、あれ、変に可愛いな。ほんと、おかしな漫画。店長もなんか変だし、実に面白いです。

『でり研』、海原、クレンザー! いかします。これはやられました。だって、途中までまともに見えたんだもの。あのひっぱり、見事でした。すっかりつりこまれました。

『かみおとめ』、ゲストです。田舎で暮らすことになった青年、宝井和夏が主人公。鍵かける風習がないらしい。両隣がめちゃくちゃ遠いなどなど、都会とは違う状況に戸惑ってる。そんな導入です。そして出会った女の子。巫女の装束、しかし神を自称するなど、非常に個性的。五百円玉を知らず、そして多少現金。実際、この人は神様なんでしょうけれど、それがどう生きてくるか。次回続きがあるなら、その神様の活躍、見たく思います。

『時代はメグルちゃん』、ゲストです。OLもの、職場ものであるのですが、登場人物が時代の代表者。扉を見れば、ヒロイン昭和の他にも9人いるみたいで、そのうち今回登場したのは縄文部長、弥生、戦国、そして平安です。しかし、ちょっとキャラクターにインパクトがないかな、ネタもろもろがまだうまくまわってない、そんな感じもありました。けど、これ、うまいこと馴染んでいったらどうだろう。そう思うんですね。とりあえず、用意されてるだろうキャラクター、全員分くらいのエピソードは見て、またエピソードを重ねた結果、どう変わるか、それを見たいな、なんて思います。

特別企画「真夏の心霊体験記 — ゾクゾクする1本」。執筆は藤凪かおる、あおなまさお、かわちりえこ、松嶋でぇご、こがねまる、です。しかし、この手の話、本当に経験したんですという体験談と、自分には霊感がないから、というのにわかれますよね。私は間違いなく後者であるのですが、けどこうした現象があちこちで報告される。それらの大半は、否定されるようなものだろうと思うのですが、中には否定しにくいものもある。となれば、ああした現象はなんなのだろうなって思うのですね。私はどちらかというと霊現象などには好意的、っていうのも変だけど、否定的ではなくて、実際問題としては結果的に否定せざるを得ないのだけれど、あったらすごいなあ、本当だったらすごいなあ、そう思っているんですね。だから、霊現象を経験した人は、実際そんな余裕ないとは思うんですけど、ちょっと羨ましいかもなあ、なんて思うのですね。

  • 『まんがタイムジャンボ』第17巻第9号(2011年9月号)

2011年8月11日木曜日

君に届け BD-BOX

 BD出たら、絶対買いますよ。なんていっていた『君に届け』。Blu-rayで出るらしい。アレルヤ! というわけで、買わねばなりません。有言実行です。発売日は9月21日。ファーストシーズンとセカンドシーズン、それぞれをBOXとしてリリース。そしてファーストとセカンドをまとめたものが、完全初回限定版でリリース。どうも、新規アニメーションなどの特典は1ST&2ND BOXにしかつかない模様です。

しかし、これ、DVDで買い揃えてた人はつらいだろうなあ。いえね、だって、いくら3,990円で3話収録、えらい安いとはいえ、全8巻、揃えた人は結構がんばったと思ったんですよ。中には、できれば高画質で見たい。けどDVDしかないからと涙をのんで買った人もあるでしょう。その人たち、このBD-BOX、どうするんだろう。もう好きで好きでたまらん人は買うんだろうなあ。ああ、マニア、オタクとは修羅の道です。

さて、私はDVDを買うかどうか、ものすごく悩んだのですが、今やもうBD時代。ここであえてDVDは買わぬ。そう決意して、買わずにいたのですね。それが正解だったとはいいたくない。けれど結果的にはよかったのではないか。美しい画質で、あの繊細な世界を味わいたい。そう思っていた私には、最初からBDしか選択肢がなかった。いずれきっと出るだろう。いや、こんなにはやく出るとは思ってなかったのですが、しかしいずれにせよこれは買わずにはおられません。

先日、日テレプラスにて『君に届け』の一挙放送がなされました。それが丁度、スカパーの無料お試し日にあたったものですから少し試聴したのですが、私の見たことのなかった1期序盤ですよ。爽子が千鶴やあやねと友達になるまでのストーリー、あれは本当に素晴しい。涙を絞る、落ち着いてなど見られるものか。ただただ感情揺さぶられるままに、引き込まれるだけ引き込まれて見る、そうした強さのあるアニメであるのですね。

そうしたこと確認して、ああ、BD-BOX、是非とも買いたい、その気持ちを新たにしたのでした。これは本当に名作です。

引用

2011年8月10日水曜日

『まんがタイムきらら』2011年9月号

『まんがタイムきらら』2011年9月号、昨日の続きです。

少女公団アパートメント』、いつぞやの娘さん、再登場ですね。国分寺ゆかり。皆と合流、そして服を買いにいくっていうんですが、少しずつ皆のことわかっていく、そして仲良くなっていく。その過程、面白いですね。というか、さくらさんが面白い。ゆかり、写真部、みんなの写真を撮るのだけれど、買う気まんまん。最初は素敵だねっていってたのに、だんだんその本性が明らかになってきて、ゆかりの表情も変わっていく。面白いんですね。いつもの面々にゆかりというゲストが加わった今回だけど、変わらぬ雰囲気がいいと思ったんですね。

『うちのざしきわらしが』、なんかすごくいい話。座敷童子の姉の方、しきがわらのことを好きというのはわかった。けど、わらはちょっとお姉ちゃんのこと迷惑がってるっていうの、つまり相手の気持ちを考えましょうって話ですよね。自分のことばかりじゃ駄目っていう、そういうの描いて、うん、なんだかいい話。こういうの嫌いじゃないんですよね。ちょっとしんみりする、そんなところもある話でしたが、あの途中の、骨付き肉に関するしきのコメント。あれは面白かった。なんか、いつもちょっとおすまししてる、そんなしきの本心に踏み込む、そんな風なところ、よかったです。

『スマイル・スタイル』、冒頭扉が素敵。制服に着替える百合なのですが、ブラウスのステッチまで描かれてるところ、布地の厚さ、生地の手触りまで感じられるようで、ほんと素敵。ちょっと、フェティッシュを感じさせる、そんな絵でありました。そして本編。またも百合の受難。転校初日の自己紹介、その前に場をあたためようとした先生が大失敗してしまって、百合娘と誤解される。いやもう、いつぞやの状況の再来ですが、ほんと、面白かったです。

三者三葉』、素晴しいな。薗部さんの店。そうか、なるほど、名前がなかったのか。いや、あったけど看板がなかった。そういって、学生のふりして女子校に入り浸る。いや、ほんと、その格好、素敵であります。なんて可愛い人なのだろう。双葉や照、葉子様からは散々だけど、それに山Gからも酷い嫌がらせされるけれど、飄々とやりたい放題。そして西山で落ち。安心安定の面白さです。素晴しいです。

『だいすき♡』、志津が可愛いなあ。千夜から巾着貰って嬉しいのに、それが香乃子とお揃いと知ると、途端に複雑な気持ちに。どんだけ苦手にしてるんだろう。しかし、巾着がお揃いっていうの、たまたまなんじゃないんですね。千夜が応援している、ふたりを、というより香乃子を。すっかりあのストーリー信じこんじゃって、けど信じてるからしゃべる、香乃子困る。その攻防も面白いです。そして、香乃子、うまいこと志津の懐に飛び込んじゃいましたね。うまいことやりよったなあ。見事な策士であります。

My Private D☆V、茶菓山しん太であります。なるほど、ギャップ萌え! しかも年上、お姉さん系キャラクターとな。『チェリーブロッサム!』のヒロイン、アクティブに主役に絡んでいくのが先輩というの、実によくわかった、そんな気がしています。しかし、普段は凛々しくしっかりしてるのに、家に帰るとそうじゃないっていうのは、すごくいいと思うですよ。なんというのだろう、よそいきじゃない顔、そいつを知っているっていうの、それが萌え、喜びになるのかなあ。ええ、自宅ではジャージとか大好きです。

  • 『まんがタイムきらら』第9巻第9号(2011年9月号)

2011年8月9日火曜日

『まんがタイムきらら』2011年9月号

『まんがタイムきらら』2011年9月号、発売されました。表紙は『けいおん!』。海かな? プールかな? 大学組の4人が、水着で水につかっている、そんな表紙であります。ムギさん、本当に目が青いんだな。素敵な笑顔であります。そして律ちゃんは、なにかを隠すようにビーチボール抱えていて、手前の唯さんはまゆを上げて、ああ、この表情好きなのです。頬のふにゃっとした感じがまたよいなあ。

けいおん!』、驚きました。いえね、今回は晶たちの高校時分の話なんですが、なんと、晶ってこんなお嬢さんだったんだ! っていうんじゃなくて、その前田先輩ですよ。てっきり、当然のごとく、女の先輩だと思ってた! ああ、思えば遠くにきたもんだ。そりゃそうだろうよ。普通に考えたら男の先輩になるだろうよってところを、まざまざと見せられるまで思いもしなかった。そんな自分に驚きました。しかし、今回も面白かった。大学からの新キャラクター。彼女らもいい感じに馴染んで動いて、出身校ごとにまとまるんじゃなくて、メンバーが個別に交流を持ってる。それもいいと思います。

チェリーブロッサム!』、おもしろい。運動会の話。で、大咲が先輩ふたりと先生のお弁当を用意するっていうの、ああ、妹沙咲野の嫉妬が酷い結末を用意するがようです。しかし、運動会で先輩たち大活躍。というか、そりゃ綱島先輩にとっては格好の独擅場になるわけで、ほんと、輝いてる。生き生きしていますね。今回はまた、綱島先輩、大倉山先輩だけでなく、つばきにも見せ場があり、もちろん沙咲野にも見せ場があり、皆にスポットの当たる、バランスのいい回だったと思います。というか、悪行が露呈した時の沙咲野の表情が好き。あの倒錯してるところも最高でした。ところで、綱島先輩の更新した記録というのは、昨年の自分の記録を更新した、とかそんなだったのかも知れませんね。

『≒ — ニア・イコール』、最終回でした。椿姫がいなくなった。彼女とこちらの世界がはなれてしまった後の翔そして皆の状況描かれて、状況は彼女のくる以前に戻ってしまったけれど、彼女と出会った彼らはもう以前の彼らじゃないんだよ、そうなるのかと思ったら、わあ、これはびっくりだ。きちゃったのか! これは予想を超えていました。単行本では、その後のことも描かれたりするのかな。描き下ろし満載という、なかなかにくすぐる言葉が気になるのですね。

『JOB&JOY』、ゲストです。バイトにいそしむ女の子たちの話。ヒロイン舞花はちょっと残念な人らしい。対して友人優也はしっかりもの、綾奈は面倒見のいい女の子、三人のハンバーガーショップでの仕事ぶり。いやあ、なんだかやっぱりちょっと残念感ただよう仕事ぶりであります。これは仕事ものであるだけに、その姿勢、仕事の最中にショートコントとか、倫理的にきびしい人だと受け入れられない、とかあるかも知れないかもなどと思って、でもそんな常識を引っくり返してくれるような勢い、元気があったら問題なしだな。とも思うものだから、もっとがんがん攻めの姿勢で描いていただきたいところです。

『箱入りドロップス』、扉に驚きました。なんてきれいな絵、なんという美少女! と思ったら、本編にはいったらくたびれてしまってました。いや、でも、絵、全体にすっきりしてないですか? 気のせい? さて、夏の話。暑さにやられてる、というのは、実際ほんと、私なんかもその口で、勘弁して欲しいですよね。涼しい教室で復活したふたり。それで、花火とかいってるんですが、雫の想像するところの手投げ花火。あれは面白いなあ。よくあんな発想が! と感心しました。そして相ノ木。陽一に誘われてドキッとか、あのやりとり、最高でした。そして最後の買い食いの、あれいいですね。ええ、ほんとだったらなんでもないこと、それがいいですね。

  • 『まんがタイムきらら』第9巻第9号(2011年9月号)

2011年8月8日月曜日

ロウきゅーぶ!

  ラノベを読むのは久しぶり。そもそも、最後に読んだラノベってなんだったんだろう。『閉鎖都市巴里』だったんじゃないかなあ。なので、それこそ10年くらい、この手の読み物から遠ざかっていたのですが、どうやらまたも戻ってきた模様です。『ロウきゅーぶ!』。アニメになって、ただいま絶賛放送中。放送前にはきっと見ないと思っていたのに、見た目こそ甘々だけど実はなかなか真面目なスポーツものと聞き、見ることにして、確かに続けて見てみれば、これは面白い。味付けに小学生の美少女のと、目をひく、気をひく要素を配置しているけど、バスケを真面目に頑張りたい、そんな人たちの物語なんだな。そう思ってたら、原作はもっといいという声あり。そうかあ、原作読んでみるかなあ、と思ったのです。

とりあえず、様子を見たいと思ったので、1巻だけ買うつもりが、もしすらすら読めてしまったらどうしよう。思い直して、2巻まで購入。CMの冒頭に出てくる、頭でボールをうけてるメイドまほまほって、裏表紙のイラストだったんだ。これ、可愛いなあ。なんて思ってたら、本文見て驚いた。活字小さいなあ! しかも字数多く、センテンス長く、すらすらびゅんびゅん読むなんて無理だ! 文章は、少々冗長に感じるところもあるけれど、はしばしに気の利いた表現、ネタ、配置されていて、悪くない感じ。文章量多めでもテンポはいいから、読みやすいことは間違いない。ばっちり、エンターテイメント小説として立ってるなあ、そう思わされたのでした。

とまあいろいろ書いてるけど、すらすらびゅんびゅん読めない、しっかりちゃんと読んじゃってるので、まだ冒頭部を抜けていなかったりします。進度でいえば、昴がミホ姉から女子バスケ部の指導をお願いされるところ、ええ、本当に冒頭です。けど、この時点で、アニメを見ていた時、ずっと疑問だったことが氷解しているんですね。昴のバスケに対する態度ですよ。とある問題が原因で、一年間の休部が決まったバスケ部。で、これはいいんですが、なんで問題を起こした本人でもない昴が、あんなにバスケに後ろ向きになってるんだろう。ずっと疑問でした。傷つきやすいのん、すばるん? みたいに思っていて、けど原作読んだら、ちゃんとその理由が書かれてた。それも、すごく納得させられる、そんな昴の内心の説明があったのですね。

アニメはキャラクターの動き、絵で見せる。主に女の子たちにフォーカスが当てられて、彼女らの可愛さ押し出しつつ、昴との人間関係が描かれる。対して原作では、昴の視点で状況が描写されて、ともない彼の内面が掘り下げられる。メディアの特性により、描写される部分、フォーカスされる場所が違ってくる、そんな感じ。それぞれに見どころあるけれど、今は小説に期待したいところ。実際、これ、話動き出したら、ぐっと面白くなりそうと、そんな予感がしているのであります。

あ、そうそう。アニメでは永塚紗季が好きなんですが、原作だと誰になるだろう。このへんもちょっと楽しみであります。

  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2009年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第2巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2009年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第3巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2009年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第4巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2010年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第5巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2010年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第6巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2010年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第7巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2011年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第8巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2011年。
  • 以下続刊

2011年8月7日日曜日

『まんがタイム』2011年9月号

『まんがタイム』2011年9月号、昨日の続きです。

はこいり良品』、よいなあ、今回のテーマ。女子に翻弄されるケンジ。というか、あれに太刀打ちできる男子は、なかなかいないんじゃないかと思います。それこそ高校生とかですと、よほど親しい女子がいるとか、ざっくばらんに話してくれる姉妹がいるとかじゃないと駄目でしょう。てなわけで、女子の涙。実際、嘘泣きできる女性は多いと聞きますが、しおりさんのバリエーション、これ、ものすごい。そしてマキもちゃんとできるのか。しかし面白いのは、別にだますつもりなんてなかったマキの嘘泣きに、ころっとだまれてるケンジですよね。この人、よっぽどマキ一筋なんだ。ええ、これはケンジの将来、行く末さえも占う、そんな名シーンだったと思います。

スペシャル企画エッセー、「私のズッコケ・ホスピタル」であります。参加作家は、木村和昭、宮原るり、佐藤両々、安堂友子、おーはしるい、です。しかし面白い、のはいいとして、強烈だったのは宮原るり、でした。この人、身近のネタをとりあげて、面白く見せるの、すごく上手だと思ってるのですが、今回もまさしくそのとおり。DV疑惑もそうならば、牛乳だのチョットダケヨだの、高熱のせいで意味不明というのだけど、実際いろいろおかしくて、絵の力もあるのかなあ、最高でありましたよ。ほんと、参加作家、誰の漫画も面白いのだけど、インパクトという点では、牛乳は好きです! これが一番でした。

『もいんの高校野球日誌』、ゲストなんですが、これ好きなんですよ。内気、人見知り、恥ずかしがり屋のもいん、なんだけれど、野球に関しては饒舌、むしろ辛辣。おどおどしてる、その人が的確に、しかもマイナスポイントに限って、ズケズケ、ハキハキ指摘するっていうのね、もう面白くて面白くて、はじめて読んだ受賞作紹介、あの頃からずっと好きだったんですね。しかし、こうして一揃いで読むと、ネタのバリエーション、ビシバシ指摘するだけじゃない、もいんの野球好きなところ、いろいろ見てとれて、なお面白い。最高です。

  • 『まんがタイム』第31巻第9号(2011年9月号)

2011年8月6日土曜日

『まんがタイム』2011年9月号

『まんがタイム』2011年9月号、発売されました。表紙は夏祭ですね。中央に大きく、法被姿で太鼓を叩くおとぼけ課長があって、浴衣で踊る『Welcome! つぼみ園』、『だってあいちてる』は踊ってるんじゃなくて、わたあめ食べてるのか。そしてわたあめのみならずりんご飴に焼きイカに、たくさん食べもの手にしてる『わかば先輩未満』のふたり。元気でわんぱくな表紙でありますよ。

ラディカル・ホスピタル』の扉、榊先生が最高です。どこかで見たような姿。いいなあ。天才無免許外科医。しかし、その天才に対し、自分の方が技術で優ってるというのですから、すごい自信! と思ったら、内視鏡手術限定なのか。なるほど、確かにそれはいえそう。まあ、すぐにつっこみ入ってますけど。しかし、いつも面白い漫画ですけど、今回も面白かったです。頬に傷、その理由。勝ったの負けたのって話だったのが、けれどいつしか相手を認める、そうした話につながっていって、確かにそういう気持ちってあると思う。で、それを嫌味なく、すらっと気持ちよく描いてみせて、やっぱりこの人はうまいなあ、そう思わされるのですね。

『ハードボイルドになりきれない』、面白いですね。なにがいいといっても、アシスタントの彼女ですね。墨田塔子。なんかただものではない。探偵、所長のことよく把握してますよね。それで、コントロールしてみたり、ほんとよき理解者だと思います。常に善良かどうかは、いまだ不明ですが、なんのかんのいって素直なところ見てとれて、いい人だなあ。髪型変えました、所長に知らない人と思われていました。けど、それで怒らないとかね。いや、私完全に所長側の人間なんですけど、不愉快そうながらも怒ってない墨田さん。ああ、いい人だなって思いましたよ。

みそララ』は、ああ、おそろしい話です。繁忙期突入。仕事量に対し人が足りないのなら増やそうよ、といいたいところだけど、一年通してこうなわけじゃないから、うかつには増やせないよな。というわけで、あまりにたくさんの仕事にやられて、どんどんくたびれていく面々。おそろしいわ。しかし、おそろしいのは、いけると思って受けた仕事。けれどその後、ばたばた状況が変わっていって、後回しにせざるを得なくなって、どうも暗礁に乗りあげたっぽい? いや、ほんと、おそろしい状況。自分だったらどうするだろう。テープ起こしの依頼があった時、その場でちょっとでも聞いておくべきだったんだよな。でも、そん時は、酷い音でもなんとかなるとか思ったりするんだ。で、実際に取り組んでみると、無理! ってなったりするんだ。ほんと、おそろしい話だと思います。で、これ、どうリカバーするんだろう。いや、できないのか? おそろしい話だと思います。

  • 『まんがタイム』第31巻第9号(2011年9月号)

2011年8月5日金曜日

『まんがタウン』2011年9月号

『まんがタウン』2011年9月号、発売されました。表紙のテーマ、夏祭みたいですね。しんのすけを前面に、野原家みな浴衣で、背景夜空には花火があがっています。加えて、『ちはるさんの娘』、『少年アシベ』のカット。これらは特段、表紙のために描かれたというものではないみたいですね。

『ちっちゃいナース』、最終回で驚いた。若先生失踪。そして、ナースふたりが告白。これ、結婚エンドにするため、ちょっと無理しましたって感じではあるのですけど、葉子さん結婚。瞳子さんにも、ちゃんとパートナーいますよ。そんな感じ、いい感じの終わり方をしてみせたなって思います。華やかでハッピーな最終回。この先にも広がる世界感じさせて、わるくなかったと思います。面白い漫画、最後までしっかり楽しませてくれました。

『ケイくんとアヤメさんがルームシェア』、12歳男子と29歳女子の同居もの。ふたりが対等っぽく話してる、それがいいなって思ってまして、有能お姉さんが自宅ではグータラ、そのおかげですよね。大人ぶる、そういうところがない。妙にさっぱりしてて、下着の対応とかね、困った大人かも知れないけど、いいお姉さんしてるなって思うんです。外では見栄っ張り、かっこつけてる。けど、家では距離を感じさせない。その距離感、ケイとの近しさ、それがいいと思うんですね。

三色だんご』は眼鏡の話。って、扉のよもぎ、市川さんに似てるな、っていうのはいいとして、魅力的! いや、とってつけたみたいだけど、本気でそう思ってるのよ? しかし市川さんのエピソードはありえないな。目と眼鏡の間にセミとか、カラスとか。このありえないものを、インパクト強く描いてみせる。ほんと、このインパクト、最高だと思います。そして制服。着るの市川さんなんだ! いや、ほんと、誤解も含めて、最後まで面白かったです。

『しましま日記』、段々に状況が見えてきた、というか、わからないながらも問題のありどころ、それがどこか、わかりつつある、って感じですね。というか、島野先生はちゃんと申し送りをうけた方がいい。前任者が駄目なら、ほかにも情報得られそうなところありそうなもんだ。と思うんですが、てきぱき情報得ちゃったりしたら、話広がらねえもんな。問題児といってよいのか、いろいろ騒動の中心にある女子ふたり。ふたりともに、親子関係に問題があるらしい? しかも、なにか尋常じゃないもの感じさせて、ほんと、なにが隠されてるんだろう。はやく知りたい、そういう気持ちがおさえられないんですね。

  • 『まんがタウン』第12巻第9号(2011年9月号)

2011年8月4日木曜日

ゆりゆららららゆるゆり大事件

 『ゆるゆり』に夢中です。今期、間違いなく一番見ているのは『ゆるゆり』で、あの特に事件がおきるわけでもない、けど決してほのぼのしてるわけでもない、女の子たちのにぎやかに楽しそうにやっているアニメ。『ゆるゆり』というとおり、ちょっと百合風味で、けどそれも過剰って感じじゃないですよね。でも、面白い。アッカリーン! とか、綾乃の京子に対する態度とか、積み上がるほどに面白いなあ。そう思って見ているのですね。

さて、主題歌ですよ。『ゆりゆららららゆるゆり大事件』。がいくつあるのか、一瞥ではわからない。そんなタイトルが素敵、といいますか、これがそのまま歌詞なんですよね。で、これが妙に耳に残って、アニメ『ゆるゆり』を見るって決める前から、どうにも気になっていたのです。多分、とらのあなだと思うんですけど、放送前にPVかなにかを流してたんだと思います。で、ゆっりゆっらっらっらっらっゆるゆり、ってフレーズに曝露してた。うん、見る前からはまる、その前提はできていたのかも知れません。

だから、店舗にてOP、EDのCDを見付けた時に、買っとこう、そう思ったのも当然で、まあ予算の関係から見て即座に購入とはならなかったのですが、可能なかぎり速やかに購入。そしてフルで聴いてみて、なんと、1番から2番に入るところ、あんな風になってるんだ。意外、というか素直に面白いと思って、あのちょっと状況が違ってしまって、浮いてしまうような感じ、いいですよね。また歌自体も、ノリよくて、なにそれ? そんなのぜんぜんぜんぜんぜんぜん食べれないといったような、歌詞がぎゅうぎゅうに詰め込まれてるところのテンポのよさ、面白さ。そうかと思えば、リフレインの明日もいい日と歌うよ明日もいたいと思うよ、こうしたところに感じられる、皆と一緒にいたいという思い、皆といるからいい日なんだという意思の確かさ、すごくいいなって思うのですね。ただ漫然と日々を過ごしてるんじゃなくって、皆と一緒にいる、それは彼女らの選択なんですね。

というわけで、大事件。かなり気にいっているのです。

引用

  • 三弥『ゆりゆららららゆるゆり大事件

2011年8月3日水曜日

『まんがホーム』2011年9月号

『まんがホーム』2011年9月号、昨日の続きです。

『南の島のサツキ』、分茶の新作ゲストです。ということは、『ももかアンコール♪』は終了ってことなのかな。それは残念。まったくアナウンスもなしに終わったって、それもまた切ないなあ。『南の島のサツキ』は、南の島、沖ヶ島に住んでる女の子の漫画、ヒロイン高良サツキは見た目大人しそうな女の子なんだけど、結構ワイルド。森の中、近道を作ってみたり、ロープで樹上を移動したり、そんなアクティブな子みたいですね。そんな女の子の島での日常。みんな知り合い、留守でも家に鍵をかける人なんていない。そんな島。そこで、素朴に素直に育っているサツキと、東京からきた男の子が出会う、って、男の子は最後にちょこっと出ただけなんですけど、つまり出会いは次回ですね。どんな話になるんだろう。楽しみに待ちたく思います。

つくしまっすぐライフ!』は、おっと、なんだかめずらしい。隣山のお嬢様、麗羅ですよ。クマに入ってやってきた。ダイエットって本当か? いや、嘘か。しかし、こんなに弱ってるお嬢様もめずらしいと思います。そしてコンビニデビュー。めちゃくちゃ可愛いな。いろいろ問題あるけど、なんだかんだいいながら楽しそうにしてる。気位高くて、けどちょっと寂しがりや。いいお嬢さんだと思いますよ。すごく面白かった。バレバレなのもいい感じ。店長、懐広くて、いい人ね。

『お嫁さん欲しい』、面白いなあ。仙石寛子の読み切りもの。仕事が忙しくて家事ができない。嫁が欲しいという女性。よくあるネタであるのですが、その先に考えを進めてみましたといったところ。結婚についての話や、家庭に入るという話。それらがシリアスめに語られて、あの、男に仕事を押し付けて自分は家にいるというのが後ろめたい、みたいな話。これはわかるわ。以前、主夫だとかいうけど、なんか仕事せずに妻の稼いだ金で自分のもの買ったりするのは、なんか違う気がする。たとえ家事をしてるとしてもさ。みたいなこと思ったことはあって、だけど家事労働の価値を認めないのも違う、もし妻となる人がこうしたことを気に病んでたりしたら、それはそれで嫌だなみたいのも思ったっけ。などなど、なるほどと思う異なる考え、共感できる似た考えなど出てきた先に、あの引っくり返し。あれは笑った。ああ、そうかも知れん。これ、いわゆる若妻というのに幻想がないとあかんかも知れませんね。でも、これって逆にいうと、朝から晩までろくに睡眠も取らず働き詰めが常態になっている社会、ここまで人から余裕を奪ってしまう、そんな労働観が当たり前になってる社会、そいつが悪いなあ、なんて思っちまったりもするんですね。いや、これは漫画の感想とは関係ない話。けどほんと、いろいろ思わせてくれる、そんな漫画でありました。

天子様が来る!』、相変わらず面白いなあ。冒頭の「いいウソだわ…」なんて、ぐっとくる。いや、ぐっとくるっていのが正しい感想なんかはわからんのだけど、けど、なんかしみじみときました。さて、今回一番気にいったのは「采配」ですよ。なるほど、これはわかる。ドラマでもアニメでも、コアになるほど、役者とか声優とか、表に出て目立つ部分だけでなく、もっと目立たない、けど重要なものを気にするようになる。ええ、脚本とか監督の個性、そうしたものについて語り出したら、その人はマニアないしオタクといってもいいのかも知れませんね。しかし、天子様、すげえの一言。この人(人じゃないけど)がこんな風に驚いてるとか、めずらしいコマであろうと思います。

  • 『まんがホーム』第25巻第9号(2011年9月号)

引用

  • 仙石寛子「お嫁さん欲しい」,『まんがホーム』第25巻第9号(2011年9月号),152頁。

2011年8月2日火曜日

『まんがホーム』2011年9月号

『まんがホーム』2011年9月号、発売されました。表紙、メインは『らいか・デイズ』。金魚の浴衣着たらいかがスイカを食べているのですね。その後ろには『よゆう酌々』、『ただいま独身中』、ダブルヒロインの浴衣姿があって、その前に『レーカン』天海さんがいるのですね。皆、浴衣、夏らしいテーマですね。この他には、『うのはな3姉妹』、『夫婦な生活』のカットも見られます。

『天国のススメ!』、林間学校の続きです。夜のテントにて歓談、女子が遊びにきたりしないかな、なんていってたら、思わぬお客さんがきてしまったという。ええ、この世のものじゃない、そんなのなんですが、けどあんまり鬼気迫った感じとも思えないのは、この漫画の味でしょうね。さて、男子の叫び声に女子が怖がる、教師も怖がる。けど、そんな中、太一を助けにいこうという十子さん、素晴しいな、と思ったけど、よく見たら、この人、嫉妬にかられて走っていっただけだった。そしてじゅういちのこと。ああ、この人は健気だな。ほんと、素直に感情の表されるところ、魅力的な人だなって思います。でも、気持ちを言葉にするのは苦手なのね。ええ、坂本龍馬は11月生まれです。

『そよ風そよさん』、いいですね。今回は夏祭。盆踊りが楽しみなんだ。ぬいぐるみやこけし、お碗まで置いて、予行練習してるそよさん。なんてほのぼのなのでしょう。いや、ほんと、いつも以上の大威力だった、そう思ったのでした。そしてお祭りの風景。いや、ほんと、そよさん、愛されています。プチソフト、ブドウ飴など、もう皆、そらさんのことお待ちかね、ですよね。そして山田さん。一緒に夜店まわって、盆踊りして、山田さんは一向に踊りうまくならないんだけど、楽しそう。こういう、皆の楽しそうなところ、そよさんとの仲のよさ、描かれるのがすごくよいと思うのですね。

『ただいま独身中』に続き『よゆう酌々』がゲスト掲載ですね。これ、同じ日の出来事なのかな? 社長がくるというので、おやつやらお茶やら用意して、失敗する。この楓のしくじりっぷりは、実に見事、いいですよ。登場人物の皆が皆、結構な自由人、というか、完全に自由じゃないんだけど、どこか縛られていないところがある。女性に顕著ですよね。その気持ちのストレートさにひかれます。そして『よゆう酌々』。なるほど、イヤミな同僚なのか。そして、つぶれていた楓もイケメン戸田君で復活とか、この現金なとこ、やっぱり素敵です。というか、この漫画の女性は、多かれ少なかれ、みなそうだと思います。もちろん女将もそうで、このみもりでのヒロイン邂逅。どちらの魅力も見事に出ていて、『ただいま独身中』としても楽しめる、『よゆう酌々』としても楽しめる。バランスよくて、いいコラボ。面白かったです。

『センセイあのね?』、前回の続き。先生からもらったプリンを食べられて大泣きのつぐみがえらいこと可愛くて、いやもう、マリ、ルコがつぐみ大好きなのもわかるって感じです。というわけで、つぐみ、ルコがマリのうちにお泊まり。ルコの友達慣れしてない描写とか、ものすごくいいですね。そして、素直なつぐみさん。ああ、いい子だなあ。思ったことを隠さず告げる。その姿に見事にやられてるふたりも実にいいんですが、でもやっぱり乙女なつぐみが素敵です。本音で話して、仲も急速に深まって、実にいい感じ。ルコがいいアクセントになってるなって思います。

  • 『まんがホーム』第25巻第9号(2011年9月号)

2011年8月1日月曜日

僕はまだ何も知らない。

 アニメ『神様ドォルズ』ですよ。そういう漫画があるのは知ってたんですが、どういうものかは知らなかった。だから、どういう話なんだろう、楽しみに思ってみたら、オープニングですね、主題歌『不完全燃焼』に見事にやられてしまいました。うわ、これ、すごいな。歌ってるの誰だ? 石川智晶、知らない名前、けど耳にしたことはあるように思う。他にどんな歌を歌ってるのだろう、既発売のアルバム、なにか買ってみようか、いろいろ調べて、そうしたらtwitterに書いていた感想にリプライがついた。『アンインストール』、『美しければそれでいい』がおすすめだ。すなわち、アルバム『僕はまだ何も知らない。』を買うといい。そんなアドバイスがあったのですね。

アルバム『僕はまだ何も知らない。』に収録されている『アンイストール』、『美しければそれでいい』、それらはまたアニメの主題歌だったそうです。『アンインストール』は知ってます。『ぼくらの』がアニメになった頃、『IKKI』を購読していたんですね。アニメは見てませんでしたが、NHKのMJアニメ特番で聴いたのでしたっけ。『美しければそれでいい』は『Simoun』の主題歌、けど、こちらは知りませんでした。

『ぼくらの』は陰惨な話でして、だから私はちょっと距離を置いてみていたのですが、『アンインストール』は、そうした物語の要素、感覚をうまく表現して、けれどアニメから離れてもしっかり自律している。そうした感触は、今見ている『神様ドォルズ』においても同様です。『不完全燃焼』も『スイッチが入ったら』も、物語の雰囲気をよく表現しているみたいだ、そう思うのだけど、同時に、今私たちが置かれている状況、思っていること、そうしたものも汲み上げているように感じられて、アニメのための歌でありながら、同時に現実のこちらがわにもリーチしてくる。ばっちり届いてくるのですね。私のことを歌ってる、そういう感じじゃなくて、この現実に確かにある、そうしたものを捉えている、そういった方がらしいと思います。

このアルバムを聴く以前に私が知っていた石川智晶は、本当に微々たるもので、『アンインストール』、『不完全燃焼』、『スイッチが入ったら』、これだけ。そして私は、この少ない経験から、この人の歌は人の内面に食い込んでくる、一種鬱屈したものを孕んでいる、そんな印象を持っていたのですね。確かにセンシティブ、人の裡にこもる感情をあらわにする、そういう曲が多い。けれど、アルバムを通しで聴いてみて、そういう感想だけでは足りてないな、そう思わされて、それはこのアルバムの構成もあるのでしょう。鬱屈や喪失感、理解されないこと、断絶への苦しみ、そうした思いのたたみこまれた歌うたをくぐり抜けて到達する地平は、心の底から安心できるような、穏やかでしかし力強い、生きるということをただただ賛称する、そうした場所であったのですね。

思えばこのアルバムは、最初から生きることを歌っていたのですね。生きている、生きていく。生への渇望や、生きるということへのまなざし、それが歌の根っこにある。アルバムの土台になっている、そう思わずにはおられないものがある、そんな歌たちでした。