2012年2月29日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2012年4月号

『まんがタイムきららキャラット』2012年4月号、昨日の続きです。

『わたしのおねえちゃん』、ゲストです。寝ぼすけな姉。朝、目覚しの鳴り響く中、平気で寝てる、そんな姉を起こしにやってくる妹。悪くない感じ。だらしない姉、しっかりものの妹のパターンなのかな、そう思ったりしたのですが、いや、もしかしたらちょっと違うかも。姉みどり、妹光。みどりは光のこと大好きで、ちょっとのことで喜んで、素直でちょっとどん臭い、甘えんぼうタイプ。で、妹はやっぱりしっかりもので、けれど朝型。夜になると、テレビの音にもかまわず寝てしまう。朝の姉と逆の立場になって、こういう状況の逆転、いいなって思いました。

『セカイ魔王』、面白いなあ。今回はアルシャ側のエピソード。まずは辛辣な女性剣士のコメントからはじまって、なるほど剣のすごさがよくわかる、そんな描写があって、合流。いや、しかし、ほんと辛辣。盗人呼ばわり。いぶかしがる剣士に、あまりの失礼に戸惑い、怒りを隠せないアルシャ。このふたりのやりとり、面白いな。この剣士の失礼さが極まってるところなど、もう最高でした。アルシャわずかに育ってた自信を喪失、そして剣士と同道することになって、というか、この人、名前出てこないのか! というか、姉さんでいいのか! 食えない人。けど、それがたまらなく面白い。これからしばらくは、アルシャと姉さん側の旅が描かれそうですね。

『まるごとフルコース』、料理ものといいましょうか、このか、てまり、ゆっきーの所属する料理研究会。けれど三人ともにちゃんと料理できそうになくて、りこが手伝うはめになる。そんな感じです。レシピはあるんですね。けれど、それを読み解いて、そのとおり作るのが無理っぽい。あの卵を8分立てるっていうの、なるほどこの類か。基礎知識があやしくて、あとできないことでもやろうとしちゃう、そういう問題もあるのか。などなど、この失敗のバリエーションとか、まさか! でもなるほど! そう思わせるところなどよかったです。

『IQにとりりおん』、基本、みかんとぐりるのふたりで進行していくみたいですね。なるほど前回の続き。てっきり、ルームシェアかなんかなのかと思った。いや、そうじゃなくって、そのままぐりるの部屋で朝まで、だったわけですね。大量の糖分、それをしっかり消費するっていう。どんなに摂っても大丈夫、で、ぐりるがダメージです。さて、みかんの部屋。卓袱台ひとつ、必要最小限の生活。着替えもたった2着。いや、でもなんかわかる気がします。というか、私がそんな感じ。2着くらいを、ぐるぐる着てる。さて、ふたりが街に出るんですが、この街の描写、フリーハンドで表現される優しげで暖かな街並み、たまらんものがあるな。この、人やその気持ちの描写に加え、世界の風合いがすごく心地よく感じられるというところ。それがこの人の味だなあ、強くそう思わされます。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第8巻第4号(2012年4月号)

2012年2月28日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2012年4月号

『まんがタイムきららキャラット』2012年4月号、発売されました。表紙は『ひだまりスケッチ』ゆのさんが鉛筆とスケールを手に、窓辺に立っているのですね。穏やかな印象の表紙。透明感ある光の燦々とふるような、どこか清らで、そして暖かみも感じさせる、そんな印象です。背景は水彩のようで、けれどそこにはきらきらと光の粒が舞っているようで、とてもきれいな表紙だと思います。この清冽な印象を、背負って支えて、ゆのさんは、ただそこに静かに立っている。その均衡が素晴しいです。

『ウォーターガールズ』、よいですね。扉が肉感的! っていうのはいいとして、後輩ふたりに平泳ぎを教えようという晶ちゃん。平泳ぎは難しいよと、陸上で手本を見せるのはなんだか変な感じだけど、水に入ってからは、覚えたての誉めて伸ばす式で頑張る。あの、ポジティブな意見、はげまし、無理してるって見抜かれちゃうのが晶ちゃんだけど、でもこうして誉めて、誉められて、それは相手のことをよく見て理解しようとつとめているからできるんだっていう、そうしたところがいいじゃないですか。気付いた人、はるな。なるほど、先輩は、先生は、私のことよく見てくれているんだな、そう思って、少し距離が近くなった? 親しみ増した? この気持ちが描かれてるところがいいな、そう思ったんですね。

Aチャンネル』は、おおう、ユタカが引っ越しですって!? しかし、あのマジ泣き。可愛いなあ、じゃなくって、ひっくひっくいいながら、筆談で挨拶。ああ、なんていい子だろう! いや、そうじゃなくて、引っ越しだそうです。正直、今回の展開、最後の落ちは予測していたのですが、それでもやっぱり途中の状況、泣いたり浮かれたり、急がしいユタカの様子。そしてクール装いながらもやっぱり無理してたミホ、トオルも。こうしたところ、じんわりきますね。そして、るんちゃんのアドバイス、じんときますね。いや、もう、でも、ほんと、ある程度お約束ともいえる展開の中、コミカルに運びながらも気持ちの動き感じられた、それがよかったのです。しかし、ユタカ、可愛いですよ。中学時代なんて、もう最高ではなくって?

『ご注文はうさぎですか?』、出張ゲストであります。パンを焼いたココア、試食をチノ、リゼに頼んでも、食べたい気分じゃないとノーサンキュー。しかし面白いのはココアの台詞ですよ。飽きたのね、浮気してるんだよ。それを受けて千夜のいう、マンネリ化した彼女みたいなことって言わないでっていう、そういうやりとり、本当に大好き。しかし、本当に、ココアのシャロにいう、そんなの食べても痩せないよって、この手のやりとり、ほんとよくできてて、絵は綺麗、キャラクター可愛い、やりとり小気味よい、そして全体の構成もすっきりと、それでいてしっかりとしてる。過不足ない、よくよく練りあげた上、不要なものを削ぎ落しました、そんな感触が素晴しいと感じられます。しかし、途中のリゼの行動、見るだにおかしくて、ティッピーの扱いも大変で、いやほんと面白かったです。そしてココアの体質、ああ私におんなじだ! それを受けてのチノ、めったに感情表に表さないこの子がここまで! 最高でした。ところで扉のリボンのかかり方、あれ、素晴しいなあ。絵もまた、内容に即してるのね。ほんと素晴しいなあ。

『ネガ→ポジ』、連載になったんですね。嬉しいです。ちょっとシンプルな絵柄、けどそれが独特の可愛さ感じさせてくれて、大好き。今回は帰宅から寮での状況描いて、綾乃が黒瀬先輩のこと好きでしかたないように、音々も綾乃のことが好き。その好き、好かれ、好かれたいという思いに発する行動、それが可愛いなあと、でもってそれが面白いなあと思うのです。好きな人に会えて嬉しい。それで舞い上がったりして、そしたら音々ががっかりなことに! コミカルに描いてますけど、結構切ないシチュエーションでありますよ。なんとかして気をひきたい。それでやりすぎちゃう、漫画です、面白く誇張されてます、けど、人の気持ちはこうだよなって、ちょっとの切なさと、可愛らしさ、微笑ましさがくすぐったくって、すごく気にいってるんです。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第8巻第4号(2012年4月号)

2012年2月27日月曜日

『まんがタイムオリジナル』2012年4月号

『まんがタイムオリジナル』2012年4月号、発売されました。 表紙は、おお、いかす、男前な山下ナース。涼しい顔で、ワイングラス手に気取ってる。なんと、『オトメシュラン』コスプレか。というか、榊先生が酷い。師長はまんまマッチしてる風なのに、よりによって、榊先生、ツインテールに毛脛。酷い。本当に酷いものです。で、『オトメシュラン』ヨウさんは、ファミレスバイトの制服を着て、『おかん』、おかんは、これらいかの服か! でも、こんな小学生、いそうな感じ。そして『らいか・デイズ』らいかは、白衣にナースキャップ、手には注射器ですよ。ああ、これを竹田に見せてやりたい! しかし面白い表紙でありますね。

『ゆらゆら薬局プラリネ』、妹大好き心配性の兄貴が主人公。薬局勤務の管理薬剤師なのだそうです。で、薬局の社長、彼女のこと虫呼ばわりしてる、その理由は朝になると芋虫になっているから……。って、寝袋か。酒飲んで、寝袋で寝て、開けると酒臭い……。残念美人なのだな。薬局はチェーン店、社長がいて、主人公山内がいて、管理栄養士の資格持ってる吉川さんがいて、そこにもうひとり事務の人が増えるのだそうです。困った社長、妹好きの上、さらに風邪ひいて弱った女性に弱いという山内、など、個性的、面白い人たち。きっと面白くなるだろう、そう思います。

『小森さんは断れない!』、ゲストです。ヒロイン小森しゅりさんは、頼まれると断れないお嬢さん。で、いろんな人にばんばんいろいろ頼まれてしまう、そんな人なんですね。いい人オーラが出てるらしい。友達のめぐみには人がよすぎなど、いろいろいわれるのだけど、頼まれる、授業でもばんばん当てられる、そうしたところは変わらず、そしてそれを断れない。いろいろ思いはするみたいだけど、頼まれること、人の役にたてるのは嬉しいっていうんですね。ちょっと絵柄に癖がある、ものすごくひょろ長く見えたりするのに戸惑いましたが、雰囲気とか悪くない。淡々と進行する、そうしたところも悪くないと思います。

『逆巻く!ウェブウェイブ』、ゲストです。高校生がWeb制作サークルを作って、Web制作の仕事をしてる、そんな漫画。え? いやこれ、普通に社会人でもよかったんじゃなくって? そう思ったんですが、意外と気にはならないもんですね。絵柄はちょっとかたく、勢いで押し込んでくる、そんなところもあって、あんまり好みじゃない? そんな風に思ったんですが、読んでみたら、なかなかに面白い。作者はWeb制作に関わったことがあるのか、あるいは広くいわれていること、そいつをピックアップしたのか、いや、個人サイトでもいろいろやろうとしたら、あいつは面倒くさいよなあ。なんてところで釣り上げられたわけでもないんですが、とにかくごりごり押し込んでくる、それがはまればいける! そう思わされるところありました。で、Web制作の仕事にコンポーザーの出番ってあるのか? 音の出るサイトは、どのようなものでも、私は嫌いよ?

  • 『まんがタイムオリジナル』第31巻第4号(2012年4月号)

2012年2月26日日曜日

Persimmons, taken with GR DIGITAL

Chocolate2月がはや終わろうとしていますね。すなわち月末、ということでGR BLOGのトラックバック企画です。2012年2月のテーマは「Sweet」、甘い、甘さやお菓子など、そういったものを表現した写真というわけで、即物的に捉えるか、それともイメージを大きくとらえるかで、ずいぶん違ったものが出てきそう。幅のあるテーマであると思わされます。トラックバック企画「Sweet」に参加します。

あまり甘味、だけでなく、甘いシチュエーションに縁のある身ではないものなので、ちょっと過去に遡って写真を探してみました。なにか、いい写真はないものか。そうして見付けたのが、果物ですね。柿。よりによって柿? ええ、これ、まだ渋いと思います。これから甘くなる、その前の段階であるわけですが、この柿の赤々と照る色合い、暖かく、太陽のようですね。甘さというより、暖かさかも知れないけれど、これが自分は好きだなあ、そう思ったので、これに決めました。

Persimmons

2012年2月25日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2012年4月号

『まんがタイムきららフォワード』2012年4月号、昨日の続きです。

はぢがーる』は、なかなかに驚きの展開といいますか、紗江、あんた、なんか楽しくなっちまってるだろ。驚愕の微笑み挨拶。なるほど、なるほど。偏った知識でもって、本田君への気持ちが友達として整理されてしまったのか。それで、なんだかふっきれたように明るくなって、いや、でも、なんだ、めちゃくちゃ可愛いな。そして久しぶりの課題。男の子にお姫様だっこしてもらうっていうんですが、その達成の様子を妄想する、そのひとつひとつがものすごい。って、結婚まで辿り着いているし! けれど実際には、そんなどころではなく、どうやって達成するか、いまだ見えず、それどころか本田君と仲のいい女の子、その子と本田君が一緒にいるのを見て、穏かでないなあ。自分の気持ちに気付かずとも、思いは素直であるなあ。右往左往、アップダウンする紗江が面白くてしかたありません。

『私が彼女で彼女が私で』、入れ替わりもの、ということで御堂さんと白浜さん。いいですね。互いに相手の秘密を知って、そして相手のふりして生活するのは難しくって、そこでいろいろ齟齬が出てくる。あの、トップシークレットがばれちゃ困ると慌てる白浜がいいですね。いや、もう、それでいいじゃんか。そのまんまでいいじゃんか。この入れ替わりがきっかけとなって、だんだんに相手の気持ち、その根っこみたいなのを掴んでいくふたり。それがいいですね。一緒に乗り越えよう、友よ。これまでは、接点なんてまるでなかった。そんなふたりだったのに、こうして手をとりあうまでにいたって、ええ、面白そう。すごくよくなりそう、そんな予感がしています。ところで、またひとつルールが提示されましたね。なるほど、痛みなどの感覚は相手、本来の身体の持ち主にいって、今その身体を使っている自分にはこないのか。これがどうした事態を招くのか。状況としてはちょっと危険だけど、なにか展開に影響する、そんなギミックなのでしょう。楽しみです。

『はじおつ。』、向日葵と悟が遊園地でデート。いや、もう、微笑ましくって、たまらんですね。悟の友人も羨む。おいおい、サポートするんじゃなかったのか。前回、向日葵が迷ってしまったことをうけて、手を繋ごう。そういうんですが、なかなかそうは踏み切れない。そんな向日葵が、けれどおずおずと手を伸ばして、袖をつかむ。ただそれだけの描写に何ページもついやして、向日葵の気持ちの揺れ動き、見事に描いてみせて、ああ、素晴しい。可愛いからじゃない、初々しいからでもない。人の気持ちが自分自身の背を押して、一歩前に進ませる。その様が素晴しいというんですね。徐々に変わってきた向日葵の気持ち。以前は気付けなかったものを今はもう知っている。できることが増えて、まだできないことだってあるけれど、その変わりつつある今を向日葵は確実に、悩みながら、思いながら、感じながら、過ごしているというのですね。そのありようが素晴しい。変わりゆく、その今こそが素晴しい。そう思わないではおられんかったのですね。

『二人の恋愛書架』、ゲストです。若い女性と一緒に住んでいる青年。彼女をカナコさんと呼び、カナコさんにだんな様と呼ばれる。彼は、古書店ピリカ堂に暮らす高校生。驚異の記憶力で、本の整理を手伝う彼は、カナコさんに惚れていて、カナコさんに思われていて、そんな関係であるようです。主人公、秋生。まだ学生。籍こそいれていないものの、夫婦といっている。けど、まだ夫婦未満、そういった言葉の似合うカップル。くすぐったい、そんな関係が面白そうです。

少女素数』、文化祭、当日ですね。劇、本番を前にして、クリノリンが届かない。それを待つやりとりが、まさに演劇、その役を演じていて、ああ、彼女らがこの役割を楽しんでるというのがわかります。そしてクリノリンが、その制作者ぱっクンによって届けられ、そして劇がはじまる。ああ、改めて意識されるすみれのこと。魅力的な少女、美しい少女。それについて有美がいった一本とられたカンジ。それに答えるぱっクンの、あの言葉は意味深で、しかし今回はその人の持っている魅力が、文化祭という祝祭の中、引き出され、輝く、そんな趣きがある回でした。メイドの衣装つけて笑顔を見せるヒロミの、なにげない可愛さ。そして敷島の、おい、きみ、なんだ、ええーっ! めちゃくちゃかっこいいじゃん! というか、色っぽいな! しかし、ほんと、隠されたといったら失礼だけど、その人の持つ美、よさというものが、さまざまに表現された。そんなエピソードであったと思います。ええ、それはぱっクンも、そして兄貴さんも。皆、そのうちに、よさを抱えて生きている。その感覚が、実にいきいきと表されていたと感じます。

2012年2月24日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2012年4月号

 『まんがタイムきららフォワード』2012年4月号、発売されました。表紙は『魔法少女かずみ☆マギカ』。かずみを抱き抱えるニコ。ニコの落ち着きと、子供っぽくはしゃいだようなかずみの対比、親子思わせるような安心感があって、あたたかな表紙であります。あります……。そして、ムラ黒江『Zwart Closet』新連載告知もございます。

夢喰いメリー』はタカのその後。思えば、タカとサキの関係、それがじっくりと描かれていたのは、この展開をより緊迫感あるものとするためだったんだろうなあ。あんなにもいいやつ、タカ。サキとの関係もあればこそ、あのタカがこんなことになってしまうなんて。どうでもいいやつなんかじゃありえない。そうした気持ちは読み手の私にも共有されて、なんとでも救わないと、そうした思いさえ抱かせるのですね。タカの側にいながら気付けなかった、これまでになかったほどに落ち込む夢路、そんな夢路に涙浮かべながら声をかけ続けるメリー。ああ、いいですね。これまでの逆だ。これまでのことがいっぱいに詰って、意味をなして、ああ、いい相棒だな、そう思わせる展開に、ジョンの肩車とかで笑わせるとか、勘弁してください。

『Zwart Closet』、新連載です。舞台は修道院。死んでしまった人の魂を見ることのできるシスター、ノエル・ウォーカーがヒロイン。人の魂の表現が面白いですよね。エンブレムに名前が描かれている、そんな感じでありまして、これまで見てきたどんなものとも違った感じ。さて、このノエルにはなにか過去に問題があるらしく、友達が殺された? 死神に? あるいは、友達が死神だった? わからないこといっぱいの第一回なんですけれど、死神とガーゴイル、ふたりに連れ去られて、空から落とされてしまうノエル。ネクロマンサー? 死神たちに敵対するものもいる? いろいろ気になる出だしです。

『meth・e・meth』、面白いなあ、けど、いろいろと重いなあ。いきなりエージェント死亡。それも結構酷い感じで死亡。と、その現場にいたライトシーカーの一員、それが主人公、柚木やエージェントフラジャイルに関係してくる、っていうんですね。なんと、部活の先輩。なんといきなり対面。しかも双方敵と認識して、この状況。他の誰も気付いていないだろう、しかして一触即発? そうした展開はまさに予想外で、いや、ほんと、驚かされました。これは気になりますね。続き、どうなるんだろうと思いますね。

『せなかぐらし』は花火でデートでありますね。いや、デートと思ってはいけない! みたいにストイック貫こうとする巡ですよ。青春ですね。そして浴衣姿の菓奈。せっかくだし浴衣着てみたいよね! 自分が着たかったからで、別に巡のために着たんじゃないんだからね、みたいな話。隠された本心、それが明かされるまでの時間、菓奈がそれだけの間、平静を装っていた。実はあんなにも気持ちを高ぶらせていた。ああ、巡、お前と一緒だったんだよ! ふたりの気持ちに重なりあうものが感じらた今回、ああ、見事な山場です。これは、ほんと、屈指の名場面ですよ。

2012年2月23日木曜日

『まんがタイムスペシャル』2012年4月号

『まんがタイムスペシャル』2012年4月号、昨日の続きです。

『銀河系女子高生ありすちゃん』、ゲストです。転校生の女の子、空居ありす。見た目にも可愛いこの子は、自称宇宙からやってきた、ええと不思議ちゃん? 先生曰く、東京の高校から転校してきたっていうんですが、それでもやっぱり他の銀河からきたといっている。まあ、他の銀河からきたと東京から転校してきたは両立可能だからなあ。そして彼女に積極的に関わろうとする生徒ふたり。テンション高めで、ありすの宇宙人というの真にうけて、にぎやかにやってますが、そういう中にみちこみたく、そういうのに抵抗する子がいるのはいいと思いました。

『我が家のさおりさん』、ゲストです。7歳の女の子こだまが、おうちの押し入れで見付けた人形、さおりさん。等身大のドールで、なぜか突然しゃべれるようになったみたい。父コウジの所有物だったみたい。こだまの他に高一の娘、ゆうきがいる。さて、お母さんはさおりさんのこと知ってるみたいなんですが、なぜ父はドールを購入したのか、なにか子供にはいえない理由がある? まだわからないことが多すぎて、なんせ今んとこ、謎の人形、さおりさんが話せるようになった、それくらい、導入の導入といった感じだから、なにを思うにしてもまずは先を見てから、そう思います。

『雪ん子ゆっきー』、ゲストです。人外の名手、って、なんともいわれん二つ名つけられたもんだ、ナントカがゲストで帰ってきたーっ! やあ、これは嬉しいことですよ。雪ん子ゆっきー、冬季限定のマスコット精霊だなんていうんですが、あっという間にメルヘンチックとか可愛らしいとか、そういうのから遠ざかるっていうんだからさすがです。精霊、血だるま。願いごととか無理だから。ヤクザのベンツ、いや、もう面白い。ほのぼのっぽいテイスト、それを絵柄に感じさせながら、作風はシニカル。持ち味は変わってないなあ。そして、ああ、青春の光と影、転校していった女の子、思うところもあればこそ素直になれない少年の、心の奥に響く声、ああ、こうしたものを描かせてもこの人は抜群だなあ。そして破れる思い。ラストこそは、シニカル、ちょっとブラックな落ち、笑わせてもらったんですけれど、そこにもやっぱり切ない、ゆきすぎる季節、人の季節もまたそうなんだというがごとしで、ああ、ナントカ、やはり素晴しいな、そう思うのです。

『どろんきゅー』、これもまた素晴しいですね。おばけ連中が、もうとにかく怖いの。絵面がとにかくおどろおどろしくって、けど、そんな連中が妙にいいやつだっていうんだから、そのギャップも手伝ってすごく面白いんですね。満員電車やクラスの同級生みたく、うまく省略して画面を見やすくする、そういうところあればこそか、しっかり描かれているメインのキャラクターやおばけたちが、しっかり浮き上がってくるように思います。しかし自販機のおばけとか、もう面白い。なにがやりたいのん、あなた。またおばけを手玉にとるアキちゃん。トイレのあいつは妙にききわけのいいやつだし、看護師も面倒見いいし、そりゃ、こういう怖ろしい面々とは出会いたくないなあ、そう思わせるところ大きいわけですが、同時に、こんな風にいいやつばっかりだったら、会ってしまったとしても大丈夫かな、そう思ったりするんですね。面白いです。是非、人外四コマとして、ナントカ、吉村佳と揃い踏んでいただきたい、そう思います。

  • 『まんがタイムスペシャル』第21巻第4号(2012年4月号)

2012年2月22日水曜日

『まんがタイムスペシャル』2012年4月号

『まんがタイムスペシャル』2012年4月号、発売されました。表紙、メインは『恋愛ラボ』のリコさん。ラーメン食べてるのですが、それがエノちゃんラーメン。なんだろう、不思議なテイストのマスコットにされています。店員にサヨ、メニューの張り紙にマキ、スズです。そして、コミックス発売の『おーがちゃん』のカット、そして『カブルモン』、新連載開始のカットもございます。

恋愛ラボ』は、リコ大改造といった風ですね。ぶりっこすると気持ち悪いと評判で、だからわざとらしくない、きちんとした格好、振る舞いを習得しようというんですね。立ち居振る舞いのお稽古。先生はマキ。そして交流会当日、きちんとした地味目のリコさん、おどろきの美少女でびっくり。そして、微妙で不思議なこというマキは健在。面白い。そして、リコの気持ち、それがいじらしいです。

笑って!外村さん』、いいですね。外村さんがだんだん自然な笑いかたするようになってきて、だからこそわかるものがあるとか、そういうネタ。変化していくものを受けて、そこで的確な解、ここでは笑いですよね、そいつを出してくる。すごくよいと思います。あの外村弟君が好きな彼女らもいい感じ。大変面白かったです。中学のころの外村さん、いい感じだなあ。

『踊る!アントワネットさま』、今回はソフィ様のお話。結婚が決まった。けれど、心に思う方がいる。舞踏会のあの時の、一度だけ一緒にワルツを踊ったお方。せめて一目お会いしたいと願う彼女を助けるふたりのマリー。似顔を描いて聞いてまわってという、なるほどまさかこれは、その舞踏会の君が嫁ぎ先の公爵様だったりするのだろうか、そんなこと思ったんですが、どうも違ってた模様。でも、その君もソフィのことを思い出していた、そうした心の繋がり、思いの通じたところ、実によかったな、そう思ったんですね。しかしソフィ様、素敵です。

『おてんき小春ちゃん』、なんと拡大版です。コマ割り漫画で登場。風邪をひいて寝込んでいるシオノさんに小春ちゃんがお料理を、っていうんですが、おかしな感じに暴走してというのはいつもどおりでありますね。そもそもシオノさんの風邪の遠因に、小春ちゃんの友達、ユキ竜の存在があるっぽい? でもって、風邪引きのシオノさんにチョコレート。それもめちゃくちゃあやしいできで、豆、オレンジピールまではいいとして、みりんで代用、これにはやられました。ああ、確かに状況によりお酒とみりんは代用きくよなあ。で、クリーム……。はたしてこれをシオノさんは食べることになるのか。どうもそういう方向に向きそうにはないですが、いや、どうなんでしょうね。どたばたが楽しかったです。

  • 『まんがタイムスペシャル』第21巻第4号(2012年4月号)

2012年2月21日火曜日

『まんがタイムきららミラク』2012年4月号

『まんがタイムきららミラク』2012年4月号、先日の続きです。

『そこにいず』、いい話でした。前号では河童やきゅうりの龍などなど、コメディというか、ナンセンスな賑やかし多めの展開だったわけですが、今回はぐっとシリアス風味を強めまして、人魚の話。学校で噂になってる光り石、人魚のウロコだっていうんですが、柳本朝海、決して人前でプールにも風呂にも入らない彼女の隠している秘密、それがなんだか不思議と切なくて、そしてその秘密を知りながらも、それをいわずにきた山下信貴。いいですよ。ちょっと不器用な少年少女。秘密がばれたらと怖れてる、そんな朝海と、なんの心配もないとばかりに、受け入れてしまってる山下。ああ、いい恋愛ものですね。そして最後の本当の光り石。いい余韻を残したと思います。

『アイコト』、ゲストです。緊張からか、すぐに噛んでしまう、いい間違いですね、してしまう女の子が主人公。アイ。仲のいいミヨだと、ちょっとはましなのかな? けれど、気になる男の子相手を前にすると、どうにも無理っぽい。だから諦めっちゃってる、そんな子です。で、そんなアイが失敗しながらもだんだんに上手に話せるようになるのかな、なんて思ったら、どうもそれだけじゃないみたいですね。神社で御守りを買おう、そうしたら妖精とやらに出会ってしまった。アイの他には見えない、マヤという女の子。アイの願いを叶えようというんですが、いやもう驚き、ただ善良な存在ではなくて、人の心に取り憑いて乗っ取ろうっていうんですね。マヤは、そうしたことをしたくないと思っている。むしろ人の心に憧れて、でもどうしても人と関わらざるを得ない状況に追い込まれた。そんなマヤと、とにかく素直にマヤの役にたとうとするアイ。ふたりの関係、どうなるんだろう、それが興味深い。なかなかに先が楽しみな出だしです。

『虹色教室』は、地球のいろいろな場所、時代を旅して、その文化を学ぼう、見学しようという、そんな漫画みたいですね。今回は水戸黄門の印籠をきっかけに江戸時代にいくことになって、なんだかそれっぽいところと、なんだかあやしいところと、それがうまいことまざって、奇妙な味わいになっている、そんな感じがします。不良老人水戸光圀が、女子四人に幻惑されて吉原いくのをキャンセル、江戸を案内してやろうというんですが、時代劇の水戸光圀風でありながら、どうもろくでなしっぽい。これは、今の倫理ではかると、実際いろいろ問題あった人っぽい光圀を反映してるのでしょうね。で、世直しものの物語の原点ができた、そんな感じ? 史実虚実を織り交ぜながら、いろいろなもの見せてくれるとしたら、楽しいものになりそうだな。そんな感じです。

  • 『まんがタイムきららミラク』第1巻第2号(2012年4月号)

2012年2月20日月曜日

『まんがタイムファミリー』2012年4月号

『まんがタイムファミリー』2012年4月号、先日の続きです。

『しずかにしてください』、面白いなあ。就活生を見て静さんの思うところ、いやはや、実際そのとおりやもなあ。しかし、静さんが採用されたわけ。社長の思想というのでしょうか、冒険枠なんてのがあるっていうんですね。面白いなあ。余裕があるならともかく、不況下においても冒険する。いい会社だと思います。しかし黒澤、この人、もともとはドSだったのが、静と出会って違ってしまったのか。なるほどSとMは表裏一体、なのでありますな。しかし、冒険枠、静さんのミラクル。見事に炸裂していて素敵です。

『椿さん』は、稔の受験、合格発表を前にして、いろいろ慌しい邸内ですが、いや、むしろ椿さんの仕業か。くす玉作る、家中磨く、などなど。いつも以上に張り切ってる、それはいいんですが、そのたびに振り回される稔。あの合挽きは面白かった。なんで、よりによって合挽き。そのチョイスがナイスです。全然動じない旦那さまの秘密、くす玉の不発など、はしばしに笑いがあって、そしてラストもやっぱり笑いで、ほんと面白い。椿さん、彼女は最高です。

『はちみつカフェ』は、よしのさんの恋。馬場のことが好きだっていうんですが、なんて純情なふたりだろう。あの、挨拶して動揺する馬場氏。あの様子見て心配してる、その台詞が面白かったです。しかし、よしのさん、恋する乙女だけあってか、いろいろと不安定。蜂谷を疑い詰め寄ったり、このアップダウンは面白い。いいキャラクター。今後も出てくるのかなあ。だったらいいなあ。そして馬場の返答。無神経なのか、やさしさなのか、それはわからないけれど、少なくとも彼女のことを受け入れようという、そうした気持ちは感じられて、やっぱりいいやつなんじゃないか、そう思わせられるんですね。

そして、巻末には『椿さん』と『教師諸君!!』のとりかえっこ4コマがありまして、あの岩瀬先生と桐原さんの入れ換え、これは面白いなあ。ぱっと見、わかんないよ。しかし、椿さんは基本ハイスペックで悪ノリしてる、そうしたところを押し出してきているところがありまして、西名先生となると、ちょっと自信喪失してみたりと、共通して描かれるところあれば、ちょこっとずつ違って描かれるところあり。お借りしてるキャラクターに花を持たせるではないですが、ちょっと目立ってもらう、そんなところがいい感じと思いました。しかし、画風作風違っていても、ちょっと通じる、そんなところがあるように思います。

  • 『まんがタイムファミリー』第30巻第4号(2012年4月号)

2012年2月19日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2012年4月号

『まんがタイムきららMAX』2012年4月号、昨日の続きです。

『√中学生』、日記の話ですね。月が日記をつけて、それをお母さんに見せているっていうんですが、どうも日本の風習だといって騙されている模様。絵日記描いて、お母さんに見せる、そのことで内緒で食べてるカップラーメンのことが筒抜けになってしまってたりして、それでえらい怒られて、その罰が椎茸づくしだっていうんですね。月ちゃん、椎茸、嫌いなのねー。しかし、防犯のために携帯電話欲しいといっても持たせてもらえないとか、お母さんは結構厳しい人だというエピソードがどんどん積み上がっていきます。そして、最後のお母さんへのメール。あれは面白かった。月は椎茸を避けたい一心で送ったんでしょうけど、お母さんからしたら娘の頑張ってる姿を見せられて、あの小さな笑いに感じられる感情、それがいいですね。

『Free!』は怪談百物語、っていうんですけど、インパクトさん、理不尽だの雑だの、散々ないわれようですが、実際怪談のはずなのにあんまり怖そうじゃない。他のにしても同様で、夏休みの宿題の、落ちを先にいっちゃうの、すでに知られてしまってる話のと、こういうしまらないってのが、なんだかいい感じ、味がありました。そして、雪山で4人がというやつ。実際、ここにいる4人で試してみよう、きっと自分がタッチされることはないはず、そう思ったらトンと背を触れられて。これがすごくいい感じ。こういう思いがけなさ、もしやと思わせるところがよかったです。

『つれづれスラックライン』、ゲストです。同じアパートに暮らす5人のお嬢さん。暁、悠芽の姉妹。管理人の祐ちゃん。つっこみ役っぽいフー子、そしてなんだか大雑把? 可愛いもの好きっぽい智花、ですね。中学生で最年少っぽい悠芽がどうやら一番しっかりしているようで、家事もこなす、よくないことをしたお姉ちゃんをしかる。第1回は、まだ登場人物紹介といった感じで、その魅力、その個性、十全に発揮されてる、そんな風ではなかったのですが、それでも充分面白かったです。頼りなさそうに見える管理人が、それでも管理人たろうとしてる、そういうところもよいと感じました。

『ふわふわ科学』、ピンホールの原理でありますね。先生の眼鏡を壊してしまって、ピンホール眼鏡を作って、それでしのぐというところからスタートです。これって、確か、ある程度たくさん穴を開けたら、光量も上がって、また眼鏡の用も足りるんじゃなかったでしたっけ? などなど、いろいろ思いながら読んでいました。後半はピンホールカメラでいろいろ撮るっていうんですが、あれ、アイロンで像が浮かび出るっていうんですが、どういうものなんだろう。普通に買えるものなら、自分でも試してみたい。けど、これ、昔子供向け科学雑誌についてきた日光写真など思い出させてくれて、あれは楽しかったなあ。そうしたわくわくを思い出させてくれるから好きです。

放課後せんせーしょん!』、節分の話題です。2月といえば、バレンタインと思いきや、豆まきに突入するっていうんですね。特にチョコレートをあげたい人がいるというわけではない、それで友チョコとかに向かわないで豆まき。葵の見事な割り切りであります。さて、鬼役、豆まき役にチーム分けして、鬼も内、ああ、こういう地域とかもあるらしいですよね、と思ったら、次のページでしっかり解説されていて、ああ、さすがです。投げられる豆を争うようにして食べる、あの追い付けない葵が可愛いです。そして、プリン、シールの恨みが鬼を呼び出して、そして豆鉄砲も登場して、って、豆鉄砲ってそんななんだ。知らんかった。しかし、先日の単行本、頭から一続きに読んだのが大きいと感じられます。キャラクターや人間関係もろもろが頭の中で整理された、あるいはより浸透したといいましょうか、その一続きの経験の延長として読めて、楽しかった。節分というイベントを、精一杯楽しむ、その様子がいい。理屈とかじゃなくて、楽しいものを楽しむ、楽しいことが楽しい、それがよいのだと思います。というか、節分に豆も恵方巻きもなかった自分の暮らし、季節風物に乏しい生活を反省したりなんぞするくらいです。

  • 『まんがタイムきららMAX』第9巻第4号(2012年4月号)

2012年2月18日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2012年4月号

『まんがタイムきららMAX』2012年4月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎですか?』です。ココア、チノ、リゼ三人の表紙なんですが、あのリボンが十字にかけられたベレー帽、かわいいですね。ボレロにフリルのついたブラウス、チェックのスカート、みんなちょっとずつデザインが違ってて、あ、リゼだけジャケットで、ふたりはケープなのかな? ぱっと明るさ感じさせる、そんな笑顔のココアに、凜としてクールなリゼ。そしてちょっとあどけなさ感じさせるチノと、三者三様の表情。けれどそれらがうまくまとまって、ひとつの世界を描いている、そんな風に思うのですね。

さて、『ご注文はうさぎですか?』、カメラ、写真の話なのかな? と思ったら、なるほど写真はいわば手段であって、目的は笑顔であるのですね。ちっとも笑わないチノ。けどリゼは笑顔を見たことがあるらしい! 千夜だって見てるらしい! なのになんで自分だけ? ココアが家族に送る写真を撮るんですが、そのために、なんとしてもチノを笑わせたいっていうのね、面白かった。陰気な喫茶店、絵のインパクトに的確なつっこみがついて、この後も本当に面白かった。仕事中じゃないのか!? 実話だったらシャレにならない、それ嘲笑だ、大きな流れに差し込まれるショートレンジのネタが効いてます。そして、冒頭のココアの心配、それが最後にきちんとキャッチされてるのがいいですね。ココアの家族、チノの家族、ふたつの家族と関係が描かれて、豊かだなあ。家族というもの、一緒に暮らして、そして繋がっていくもの。そうしたもの思わせて、暖か。ココアはチノのこの笑顔を見ることはかなわなかったけれど、チノに笑みをもたらしたのは、間違いなくココアなんですね。ところで、千夜、いいですよね。キリ。うん、いいですよね。あの優しげな眼差しが好きです。

きんいろモザイク』はアリスが悪夢でうなされる話。って、なんだろう、めちゃくちゃ可愛いな。というのはさておいて、日本語を話さなくなったアリスですよ。しかし、これめちゃくちゃ面白いな。That's right。日本語忘れてしまったのかという疑惑があっという間に晴らされる。言葉の壁のネタは、忍のホームステイ時代を思わせて、けどもう今度はハローだけでは通じない! めちゃくちゃ面白いなあ。あのエピソード、ものすごく好きだっただけに、本当に面白い。日本語、英語がこんがらがるみたいの、ほんと大好きです。そしてカレンと烏丸先生が英語で会話。おお、先生、お見事だ。で、結局愛ゆえにアリスは折れることになるんですね。実に面白かった。ところで、宝船の絵の話、あれ知りませんでした。うん、カレンやアリスの方が私よりずっと侍なのですね。

LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす』、今回はちょっとめずらしい組み合わせ。夏休み最後の日、皆で遊びにいくというんですが、総合アミューズメントスペースでダーツ、参加者は椿、安食先輩、そして柘植ちゃんというんですね。記録大好き柘植ちゃん。けど今回の記録は機械まかせ。柘植ちゃんの出番がないっ! 落ち込んだりするわけですが、けれど、記録するのではなく記録を出す側に立ってみて、はじめて気付けたことがある。そんな話でした。思えば、この漫画は陸上を描いて、走る人だけじゃない、記録し支える人もちゃんとこうして登場して、ひとつのものことについても、いろいろな関わり方があるんだって思わせてくれる。でも、柘植ちゃんは、そのいろいろある関わり方、多様な可能性を、自分で記録が好きだから記録だけでいいと、狭めてしまってたのかも知れませんね。今回柘植ちゃんは、実際自分でプレイしてみて、面白さに気付いて、ひとつ可能性を広げて、またそのことが、プレイヤーだけが花じゃないんだ。適材適所ということもあると教えてくれた、そんなこと思わせてくれる回だったんですね。しかし、柘植ちゃん、安食先輩と仲良くなって、すごくいいなあ。そしてブタの帽子、ぬいぐるみにまみれた椿。可愛いですね。ちょっと息抜きっぽい回。陸上には関係しなかったかも知れないけど、思わせられるもの多かった。いい話でした。

『スイーツどんぶり』、めちゃくちゃ面白かった。謎の老師。いきなりの登場で、何者? そう思ってたら、柿崎に圧倒されまくってるとか、あの青い目玉焼きから逃げる、その勢いとか、もうたまらん面白さです。鯉川先生、顧問だっていうんですが、ブルブル震えて、もう、この人にいきなり全部もっていかれた感じです。そして酒井の人気、そしてライバルを蹴落とすため暗躍する栗原静香。酷い酷すぎる。けど、その行いを正すジャッカル。衝撃の展開、崩れ落ち自身の行いを悔いる栗原たちを見てひいている先生とか、もう見事、素晴しい勢い、すっかりやられてしまいました。

  • 『まんがタイムきららMAX』第9巻第4号(2012年4月号)

引用

  • 原結衣「きんいろモザイク」,『まんがタイムきららMAX』第9巻第4号(2012年4月号),21頁。

2012年2月17日金曜日

『まんがタイムファミリー』2012年4月号

『まんがタイムファミリー』2012年4月号、発売されました。表紙のテーマは雛祭りですね。メインに『ぽちゃぽちゃ水泳部』、おひなさまカツ代とお内裏様あゆたんなんですが、なんだ、お姫様だっこなんぞして、あゆたん男前だな。というか、これ、本当だったら抱き上げるとか絶対無理だと思います。そして他には三人官女の西名先生、五人囃子の椿さん、そしてひなあられ食べる『らいか・デイズ』らいかです。

『ひよっこシスターの安息』は、春眠暁を覚えず、ですね。ああ、もうそんな時期なんですね。はやいところでは梅も咲きはじめ、日々暖かくなり、気付くと眠ってしまっていた。やばいやばい、ばれてないよな、そんな季節です。しかし、シスター雛形、寝心地がいいといつまでも眠っちゃうから、なるべく寝づらい枕使ってるとかおっしゃってますが、それであの朝寝坊。いい枕使った日には、一生起きない眠りの森の美女でありますね。ということで、居眠りするシスター雛形、ああ、しあわせそう、見ていてこちらもいい気分。シスター栗栖の居眠りは、いいですね、ばれない。そして、夜のシスター雛形。いつもの修道服とは違う雰囲気。なんだかよかった。面倒見のいいシスター根津も、またいいですね。目が開いてないのがいいですね。

『働け!おねえさん』、俺たちだっていやされたいって、男同士で癒されたらよろしいじゃないですか! さて、友人との飲み会で職場の愚痴をいいあっちゃった、それで申し分けなく思ってるまわたりんです。いや、ほんと、それでこんなに苦しむなんて、なんていい子だろう。そう思うんですね。そして達観している皆。いやあ、こうしたことを許せるのもすごいけど、かつてそういっていた自分を冷静に省みてる、それも素晴しい。さてさて、春の味覚。山菜、それから菜の花。ご馳走してくれる来島さん、しかもお店の人にわざわざ頼んでって、ほんと、いいお姉さんだなあ。そう思います。馬渡が懐くのもわかる。彼女の感想、あれもよかった。ほんと、ちょっとしたこと、けれどすごく貴重なこと、そう思わされます。

教師諸君!!』は、確実に季節が過ぎていってるんですね。三月は別れの季節、社会科には転任する人いなかったけど、被服部正顧問の先生が転任なさることになって、ああ、この繰り返されて、定番になっていたネタが失われても、こうした転任イベントが発生するところに、なにか安定とかよりも、変化していくこと、その面白さ、そこに発する気持ちなど、もろもろ描こうとされているのかな、そうした傾向感じられます。しかし、後半の西名先生、素晴しいな。眼鏡スーツなど、初々しいとか、いや、もう、なんだろう。お願いします。なにを? スーツの流行り廃りとか、ああ、自分は一昔前の方が好みかも。すらっとしてる方がかっこいいとは思うけど、ちょっともっさりした、そんな風合いにひかれます。それは、自分がその世代の人間だからなんだろうなあ。

『よめヨメかなたさん』は、昭和のかなたさんの実家に帰ったって話。一旦里帰り、そんなつもりだったのに、旅館を継ぐ、そうした前提で勝手に話進められてるっていうんですね。しかし、にこにこしながら嫌味で陰険なお母さんです。で、そのお母さんのいってること、全然意に介さない、というか気付いてない乙人。面白いなあ。頼りないというか、気のきかない人なんだなあ、そう思っていたら、最後、ついに爆発してしまったかなたさんをフォローする、その姿、ああ、いい男じゃありませんか。ほんと、やる時にはしっかりやって見せる、そんな姿、見事でした。

  • 『まんがタイムファミリー』第30巻第4号(2012年4月号)

2012年2月16日木曜日

『まんがタイムきららミラク』2012年4月号

『まんがタイムきららミラク』2012年4月号、発売されました。表紙は『Good night! Angel』。抱き合うユリとあやめ、いや、抱き合ってるわけではないのか。前からユリの肩ごしに手を伸ばし、首を抱くようにしているあやめ。ユリはというと、あやめの髪にしこまれたワイヤーを手にして、伸ばし、手遊びしているとでもいいましょうか。そんなふたりの対照的な表情、態度が面白いです。色合いもまた、黒基調のユリに白に近いグレーのあやめと、こちらも好コントラスト描いています。

『桜Trick』は、お姉ちゃん、いいですね。妹の謎の友達、春香さん。彼女と妹優がキスなんぞしちゃってる現場、見てしまったがために、ふくらむ妹への疑惑。どういう関係なのか、いろいろ思って、心配して、その様子を伺うべく密偵を放つ! っていうか、優、春香の友達であるみかん、じゃないや、ゆずと楓に調べてもらおうというんですね。偵察、尾行のくだりはドタバタなコメディタッチ。楽しく面白く、そしてまさかの優のコトネべったり、春香の嫉妬。さて、姉美月はというと、いや、もう、この人、同類ですよね。春香のこと、いろいろ聞いて赤面きゅんきゅんって、いや、もう、姉も春香にまいってるのか。そして妹たちはというと、今回もやっぱりいつものとおりで、いや、もう、おそれいりました。

『くじらジュブナイル』、面白いです。可愛いもの好きということを隠しているヒロイン枝里菜と、彼女の秘密を知っている少年歩。しかし、この歩、本物ではない。科学者らしき叔父さんに研究対象として観察、いや監視か、されているんですが、積極的に枝里菜と関わっていけといわれている。しかし、自分は幼なじみの歩ではない、すぐにボロが出てしまうんじゃないか。そう思いながら、回避し続けて、徐々に核心に迫っていくのかな? そう思ったら、おおう、今回一発確定しちゃうのか。詳細は次回。この、白いくじらの物語、これが関わってきたりするのでしょうか。ちょっと、どういう方向に向かうのか、期待させられます。

『幸腹グラフィティ』、いや、これ、危険危険。いきなりのうどんにおいなりさん。これ、帰りの電車で読んでたもんだから、お腹がすいてすいて、うどん食べたくってたまらんかった。ほんと、食事しているところの絵柄はちょっと濃厚で、自分の好みのラインを超えてしまって向こう岸って感じであるはずなのに、しかしそれでもしっかり私の心、気持ちをつかんではなさないんですね。魅力的やわ。生々しい表現は苦手、けどそれでもこれだけ引き付けられるというんだから、たいしたものです。そして、リョウにきりん、このふたり、本当に可愛いですよね。美術の学校を受けようと予備校に通うために毎週リョウの家にやってくるきりん。今回は風邪ひきかけてるみたいで、それでうどん。この、風邪ひきの家族のために台所に立つ、そうしたところに郷愁感じさせるものがあって、ほんと、すごくよかった。そして、お婆ちゃんとお別れして以来ずっと寂しかったリョウが、きりんとの出会いでちょっとずつ回復していってる、けれど家族と離れている、お婆ちゃんに会えなくなってしまった寂しさはいまだ消えていないっていうのね、あれにはぐっときました、涙しぼられるものがありました。ほんと、可愛いふたり、おいしそうな食べ物、そして深くしみじみ沁みてくる情。いい漫画だと思います。

『城下町のダンデライオン』、これ、面白いですね。ゲストで初登場なんですが、櫻田家の11人家族。この家の父親が国王で、そして子供たちの中から国民投票で時期国王を決めよう、そんな話なんですね。よって、国民によくわかるよう、カメラが彼彼女らを狙ってる。けど、あまりにシャイ、人見知りなヒロイン茜はカメラに映らないよう、映らないよう、一生懸命避けていて、ほんと、気弱、あかんたれ。そうかと思ったら、おお、正義の人だ! ここの王族は、皆特殊能力、超能力者というんですが、重力を制御する能力を駆使して、引ったくり犯を追い詰めるところなど、かっこよくって、そして面白い。あの、やりすぎたとかね、実に効果的。実に面白かったです。しかし、この漫画は茜メインでいくのか、他の兄弟姉妹、彼らにもスポットライト当てていくのか。多分、両方かな? かなり期待できそう、そんな感触がびりびり感じられる第1回でした。

  • 『まんがタイムきららミラク』第1巻第2号(2012年4月号)

2012年2月15日水曜日

『まんがタイムジャンボ』2012年3月号

『まんがタイムジャンボ』2012年3月号、一昨日の続きです。

中2限定!?ガールズトーク』はバレンタインデーのチョコレートですね。娘三人が、材料揃えて道具もろもろ準備して、さあ作るぞってなって、頼みの綱のゆずが作ったことないと発覚。ああ、これは酷い出来になるフラグが立ったな……。そう思ったら、いやいやたいしたもんです。はじめこそ、下ろし金でチョコレートをおろすという、怖ろしい状況だったわけですが、文明の利器により方向修正。ちゃんとテンパリングも理解した上で、チョコレートの加工を進めていくっていうんですね。ちゃんと作れる人、ゆず。ちゃんと調べて理解できる人、ハルカ。そして、面白さ担当のことり。三者三様、ちゃんと役割り分担しての作業、たいへんよかったです。しかし、ハルカ、どんだけ不器用なのか。その不器用さに自身落ち込んで涙ぐんじゃうとか、なんと可愛い娘なのだろう。そして、ヒカル先生。そこでのハルカの活躍、ああ、名誉挽回、やっぱりいいですね。皆、へこみっぱなしじゃない。それぞれの役割り、助けあって、目標達成するっていうのね、魅力的だと思うのですね。

『あゆみさんは心配性』、面白いです。考えすぎて、逆に前向きになっちゃうとか、いやほんと、そうした展開、いつも心配ごとが悪い方にばかり向かうんじゃないよって感じで、たいへんよかったです。さて、後半は友達と旅行です。見たところ、あゆみさんの方が正しいじゃん、みたいに思ってしまうのは、私が彼女の同類だからなのかも知れません。あゆみさんの危機管理、そして世話焼いてしまう性格。で、あのしばっちゃうの、面白いわあ。しかし、あゆみさんの性格性質、くよくよじゃないというのがすごくいいと思います。こういう人、実際にいたら友達になりたい、そう思わせるよさがありますね。

『天文むすめ』は、なんと次回グランドフィナーレ! なんですと……。さて、彗星探し、その話の続きであります。が、なんてこった、世界滅亡予言と彗星衝突のトピックを組み合わせて、こういう展開にしてくるのか。まったく予想もしなかった、そんな展開見せられて、これは終わりに向かっているのか? そう予測したら、実際そのとおりで、しかし切ない話でありますよ。レティちゃんの地球にきていた、その理由。ああ、そうだったのか。そして、彼女のとった行動。ああ、これは、切ない。皆から自分に関する記憶を消しさって、皆を助けるために船を自爆させた。ああ、レティクルの宇宙人というのは、こうしたラストのために用意された設定だったのか。しかし、その失われた記憶に違和感を感じるすばるたち。あれは切ないなあ。次号、ラストが、そうした切なさをやぶる、そんなハッピーなものでありますように、そう祈らずにはおられない、そんな気持ちですよ。

『輝け☆星の川高校自由形』は乙女の伯父さんが経営する温泉宿にいく話。いや、なんだろう、乙女が輝いてるよ。ほんと、変わった子という触れ込みで登場してきた乙女ですが、このところずいぶんちゃんとした人に見えて、苦労人、けれど負けずくじけず、朗らかで明るく笑顔の美しい、そんなお嬢さんだと思います。そして、ものすごいこと歩かされて宿に到着。伯父さんのもてなそうという思い、それがしびれます。そして、女湯覗くの覗かないので、翼にせまる雷音。あれ、そりゃあまあ、そうだよなあ。今回は温泉編の前半。次回の後半も面白そうです。とりあえず、風呂で溺れた翼、彼はどうなるんだろう。すごく楽しみです。

  • 『まんがタイムジャンボ』第18巻第3号(2012年3月号)

2012年2月14日火曜日

NEWラブプラス

 NEWラブプラス』、ついに発売されました。2012年2月14日、バレンタインデーにあわせてきて、いや、もともとは昨年のクリスマスに発売する予定だったわけですが……、どうもこの発売日変更を受けて引き継ぎのコメント、バレンタイン仕様に変更されたみたいですね。さてさて、もちろん私、買っております。予約とかなんか億劫で、『ラブプラス+』の時は、発売日にふらっと店にいったら普通に買えたもんだから、今回も買えないってこたあねえだろう、そう思っていたらですね、なんとアートブックセットが普通に買えちゃいました。びっくり。データ引き継ぎの準備は昨日のうちにすませてあるので、今日は楽々移行して、プレイ開始するばかり! そう思っていたら、おおう、まさかの電池切れ。かくして充電しながらの開始とあいなりました。

まあ、焦ってはじめりゃいいってもんじゃない。普通に登録データの確認くらいはあるだろうとは思っていましたが、まさかこの段階で顔の登録とかすることになるとは思いませんでした。で、これ、どれくらいちゃんと認識するんだろう、そう思っていたら、いや、すごいですね。カレシロック。顔認証システムでありますが、起動時など、登録した顔を鍵にして、違う人間が操作できないようにロックしてくれるんですね。これ、結構ちゃんとしてるといいますか、今のところ確実に認識してくれます。職場の指紋認証よりも確実だ! いや、ほんと、こんなにうまいこと動作するとは思いもしてませんでした。

さて、プレイしてみての感想ですが、3Dは自然な感じで、奥行はたしかにあるんですが、あまり意識することのなさそうなレベル。というか、それくらいの方がいいと思うんですよ。このゲームに関しては、なにぶん長くつきあうことになりそう、というわけで、あまり派手に飛び出してくる、というよりも、自然な感じで飽きない、そういう方がずっとよいように思います。

現在の進捗は、とりあえず初期設定とチュートリアルを終了して、で、このチュートリアル、酷いよなあ。くすぐり、あれなんですけど、びっくりするほど難しくて、全然クリアできないの。もうキスカウントはMAXに達してるのに、くすぐりがクリアできず、なにこの無限ループ? もしかしてなんかの不具合かなんかにはまった!? そう思ってGoogleで調べたら、やっぱりはまってる人多いらしく、って、おい、はやく動かすと駄目という説明、あれ罠かよ! もっと小さく速く動かせってか。もー、なんだよー、実際、今作はどんだけ難しいんだと怖れおののきましたよ。

リンコさんがおっしゃるには、最近自分でも綺麗になった気がするんだ、って、ああ、いいですねこういう小ネタ。確かにリンコさん、ずいぶんとお綺麗になられて、嬉しいかぎりです。ちょっと荒い、輪郭とかぎざぎざしてた感じだったのが、スムーズになめらかな表現になって、表情なんかもずいぶんと多彩に豊かになって、そして服装やアクセサリーの質感もあがった。これはよいなあ。横位置で立体表示している時はバストアップだけど、縦位置に持ち替えたらジャイロセンサーのおかげで、ちゃんと表示も切り替わる。そうしたら従来の雰囲気ですよ。服装もしっかり腰くらいまで見られるようになって、十字キーで視点を変えるとかは無理みたいですが、ジャイロセンサーを使って視点移動させるとかはできる模様。こういうの、いいですね。ちょっと面白い。で、あんまりぐるぐる動くと時にわずらわしかったり、あるいは酔いそうになったりしそうですが、ちゃんと視点を固定することができる。便利だと思います。また、ジャイロセンサーで回転しないようロックもできるので、寝転がっても大丈夫っぽいです。

全体にボリュームもアップしているようで、地図を見れば、電車や車が走っててびっくりしたんですが、行き先も増えて、なるほど、再び開拓しないといけなさそうですね。またお金の概念もでてきて、プレゼントとか購入できるみたい。お金、単位はリッチ、は3DSの万歩計で貯まるコインと交換できるそうなので、普段も持ち歩きとかしようかいな、そんな気になりかかっています。またミニゲームも、前作からの『対戦ぱずるだま』があり、また『ツインビー+』や『イーアルカンフー+』も加わって、いろいろ遊べそう、っていうか、『ぱずるだま』の藤崎しおりに勝てない! いや、冗談抜きで、理不尽な設定、勝てる気がしません。

といった具合に、いろいろ遊べそう。いい感じです。ちょっとまた心機一転、いろいろ頑張ってみようかなみたいな気になってきましたよ。

あ、そうそう。アートブック、布装でびっくりしました。すごく手がかかってそうです。

2012年2月13日月曜日

『まんがタイムジャンボ』2012年3月号

『まんがタイムジャンボ』2012年3月号、発売されました。表紙のテーマは温泉? お風呂でしょうか。温泉にはいっている『じょしもん』美々に『おねがい朝倉さん』、バスタオル巻いて座っているのが『レーカン!』天海さんに『炊飯器少女コメコ』、そして風呂上がりでしょう、牛乳飲んでる『お金さまのつぶやき』。それぞれにタッチ違えて、けれどどれも魅力的、というか、ちょいと人前で読むのがきびしい表紙かも知れませんね。読んじゃいましたけど。しかし、コメコがいいですね。可愛い娘だと思います。炊飯器だけど。

『炊飯器少女コメコ』は、コメコ不調なんだ。ぼーっとしてる。いつもご飯を炊いてたコメコなのに、今は炊いてないらしい。って、これ、尊のせいなんだろうな。ご飯を炊かないからハトが群がらない。故障かと思えばそうではない。あたかも心を閉ざしたかのようで、というか、炊飯器に心があるというのも面倒くさいけど、ほんとなんでこんな仕様にしたんだろう。しかし元気のないコメコはそれだけで寂しい。コメコをコメコとして見ず、炊飯器、炊飯器といってきた、それがいけないのだろうか。よくわからないけど、先の展開を待つしかないのだろうけど、それにしてもよねちゃんは可愛かったです。

『ぼっちですけど何か?』、ゲストです。虹林なる名前の女の子が主人公。教師と一対一で話している、対話主体で進む話でした。世界征服とかいっちゃう女の子。けど、実際には友達がいない、ぼっち、けれど選り好みはするらしい。あの申し出を断わられた先生が、そうとは態度に表しこそしないものの、軽くキズついてるっていうのがちょっと面白かったです。この話、今回は補習ということもあり、教師と虹林の対話中心でしたが、部を作ろうとかなってるわけで、となると他にもいろいろ登場人物が出てくるんでしょうか。それでにぎやかになったところなんかも見てみたい。いや、こののりが続くのかも知れませんけど、いずれにしてもやっぱり続きを読んでみたいです。

『ちっこいんちょ』、かなり面白い。先生が持ちもの検査にやる気だ! というのも、バレンタインデーをなんとかしたいって腹みたいですね。検査官はいいんちょで、しかし検査官就任までのいろいろからすでに面白い。ケータイ断念、ドライヤーは許可などなど、そしてバレンタイン前日の先生の迫力。ああ、これは巨大化してるんじゃなくて、いいんちょサイズから見た絵なんだ。大迫力! それで、いいんちょがびしばしされる方であること隠そうとしてる、それが実によかったです。しかし、最後にはちゃんとクラスの皆にチョコレート渡せて、ああ、よかったですね。こういうほのぼのも実によいのです。

『お金さまのつぶやき』、面白い。今回は百円玉からはいって、後に登場の五百円玉。へー、世界最高額硬貨なんだ。って、為替レートの影響で変わるっていう註釈がいいですね。まさに、今、最高額硬貨! なのでありますね。しかし、それで偽造されまくるとか、それからの流れはテンポもよくて、実によかった。千円の去就も、そして五百円玉の人気再確認も。お金それぞれのキャラクターが固まってしまえば、かなりよくなりそうな感じがしてきましたよ。実際、面白かったです。

  • 『まんがタイムジャンボ』第18巻第3号(2012年3月号)

2012年2月12日日曜日

ぼくのメジャースプーン

 本を買いました。話題の本、といいますか、新刊ではないんですが、とりあえず話題なのは確かでして、けれど話題だから買ったわけでもないんです。ええと、こいつを見ていただきたい。「講談社BOOK倶楽部:講談社文庫+NEWラブプラス」。『ラブプラス』と講談社が夢のコラボレーション! なんと、読書月間なるイベントがあるっていうんですね。へー、『ラブプラス+』では彼女と旅行が目玉イベントとして話題になりましたけど、今度は彼女と読書なんだ。一ヶ月という期間をもうけて、一緒に本を読もうっていうんだ。というわけで課題図書。いわずと知れた名作『赤毛のアン』に、『ぼくのメジャースプーン』、『魍魎の匣』が指定されていまして、しかし面白い企画を考えたものだと思います。ゲーム好きはゲームしかやらない、なんていうのは間違った偏見で、結構本でもなんでも読んでますって人が多いと思うのですね。まさにそうしたインドア彼氏直撃のイベントであるかと思います。といったわけで、インドア代表みたいな私です、よしのった! なんてったって図書委員だしね! 一念発起して課題図書を買ってまいりました。

Books

な、なんか、一冊だけ明らかにボリュームがおかしいぞ……。

この中で読んだことのあるのは『赤毛のアン』だけであります。ただ、この翻訳で読んだわけじゃないので、これをきっかけにアンのシリーズを読んでいくのも悪くないなあ、なんて思っています。『魍魎の匣』は、名前だけ知っていた。読んでないんですね。京極夏彦はなぜだか縁がなくってですね、好きとか嫌いとか、そういうんじゃなくて、なんでか読んでないんです。持ってる京極夏彦の本は『どすこい(安)』だけ。なんでよりによってこれ!? って感じですが、しかも『四十七人の刺客』も『すべてがFになる』も、とにかくパロディ元をどれひとつ読んだことないというのに、これだけ。ひどい。最低だ! うん、でも面白かったよ。へー、こういう話だったんだ、って、元の本も読んだ気分になれてお得でした。ほんと最低だ!

『ぼくのメジャースプーン』だけは、まったく知らなかったんですね。せっかくの読書だから、まっさらな状態で読みたい、そう思ってあえて情報をいれないようにしてるんですが、一応ジャンルはミステリーでよいのでしょうか。事件があって、その謎をとくことになる、そんな展開っぽいなあと、まともに読んでさえいない紹介からも伺えて、そうかあ、こういう本はあまり読んでこなかったんだけど、面白そうだなあ。あ、紹介をまともに読んでないっていうのは、そこから得られる情報さえもブロックしたい、そう思ってるからなんですが、まあちょっとやりすぎなのは理解してます。

課題図書は彼女ごとに違っていて、実際、よくその人となりをうかがわせる本が選ばれてるものだと感心するくらいなのですが、ああ、姉ヶ崎さんの彼氏さんは大変だ! いや、だって、この一冊でのこりの二冊あわせたくらいの分量がある……。実際その存在感ものすごく、これ、分冊版もあるんですが、きっとそっちの方が読みやすいと思う。なんというか、読んでるうちに背が割れてしまいそうでいやだなあ。というか、これ、寝転がって読むとか無理だろう。いや、もう、圧倒的な紙のブロックであります。

誰かと同じ本を読んでいく。そういう経験はもうずっとごぶさたで、少しずつ読み進めながら、どこまで読んだ? この先どうなると思う? いろいろ意見交換するなんて、ほんと、いつ以来のことだろう。へたしたら小学生くらいを最後に、そういうことやってないかも知れない。私にとって読書とは、つくづく孤独な作業だったのだなあと改めて知ることとなりました。

で、その読書月間はいつからはじまるの? まあ、そのあたりはおいおい明らかになるでしょう。あるいは、人によって違ったりするのでしょうか。もう本は手元にあるから、急ぎも慌てもしないんで、気楽なものですが。ええ、ちょっと楽しみですね。

しかし、三人同時とかやってる人は、ひと月で二千ページ読むんでしょうか。大変だな。

  • 辻村深月『ぼくのメジャースプーン』(講談社文庫) 東京:講談社,2009年。
  • モンゴメリー,ルーシー・モード『赤毛のアン』掛川恭子訳 (講談社文庫 ― 完訳クラシック赤毛のアン 1) 東京:講談社,2005年。
  • 京極夏彦『魍魎の匣』(講談社文庫) 東京:講談社,1999年。

2012年2月11日土曜日

ももかコミカライズド

 ももかコミカライズド』、完結しましたね。漫画を描いた、誰かに見てもらいたかった。そうした素朴な動機からはじまった姫咲ももかの物語が、ついにひとつの成果を成し遂げて、ええ、それは確かに成果といえるものであったと思うのです。漫画を描くってどういうことなのだろう。漫画に限らず、すべての表現に通じる問題提起がなされていた。そう感じています。自分の作ったものを見て欲しい。それはひとえに伝えたいということ。なにを伝えるか、どう伝えるか。どうしたら伝わるか。伝えたいものはなんなのか。ももかの悩んで苦しんで、そして臣と一緒に探し、見付け拾い上げていった気持ちや気付きを肉付けしていく過程。それが確かであっただけに、その先に待ち受ける結末もすとんと気持ちの底にまで落ちてしっくりと収まる、そうしたものになったと思うのでした。

伝えるということ。それに尽きると思うのですね。自分の感じ思っていることを伝えたい。自分の好きを伝えたい。そのための手段が、ももかやアリスにとっては漫画であったってことなのでしょう。そこには自分の思いがある、より確かに伝えたいと思えばこそ、伝えるという行為は時に苛烈なものにもなるのかも知れません。正真正銘の自分がそこにはあるから。それほどまでに突き詰められたものであるから、拒絶されれば傷つくし苦しい。けれど、だからこそ、受け入れられた時の喜びはいっそうのものとなる — 。アリスの、胸の内に抱えていた不安に付け込むように発せられた言葉に見せた動揺や、がっかりされるかも知れないという怖れからシルクに漫画を見せられなかった気持ち、それらは漫画家、表現者ならずとも、誰もが持ちうるものであると思えばこそ、読者である私にも痛いほどに伝わったのだと思います。そしてだからこそ、嫌われること、拒絶されることを怖れてきたももかが、臣に隠していたことも自分の気持ちもすべて曝けだして伝えようとした、その態度、怖れや不安を乗り越えて伝えようという気持ちの強さも、確かなものとして読み手の心に響くのだと思います。

伝えるって、どういうことなんだろう。自分の気持ちをただ伝えればいいっていうもんじゃないんだ。届いて、はじめて伝えたっていえる。そのためには、伝えたいことを整理し研ぎ澄ます必要がある。そして表現者であればこそ、それもエンタテイメントを提供しようという漫画であればこそ、どうすれば喜んでもらえるのだろう、求められているものに応えられたといえるのだろう。そのための方法を考え、悩み、探し模索し、投げて、投げ返されるものにまた応えることで、相手を知ろうというのでしょう。こうした伝えるということを、漫画家のそれと、男女のそれを対比させ、私を知って欲しい、あなたをもっと知りたい、人ならばおそらくは誰もが持つ欲求に発する営為として描いて豊かでした。その人と過ごしてきたことで、わかったことがある。紆余曲折して苦しんだ、そんな経験に根差して咲く花だってある。自分の得てきたものすべてが私自身をかたちづくっているんだ、どんな苦い経験でも受け止めて、人は前に進んでいける、そうした人たちの物語。物語とは「本質が変化する」ことであるならば、『ももかコミカライズド』とは、伝えるということを本質として、誰かに見てほしい、そういう素朴な気持ちを純化深化させ、確かなものとして届け、時にはその人の行き方にさえ影響してしまう、そうした強靭なものにまで育てていった、そういう物語であったのだろうと思ったのでした。

それと、これはちょっと蛇足なのだけれど、ストールをはずしてからの臣が、すごく面白くて、あんなに人間くさいやつだなんて思わなかった。トレーディングカードゲームにも詳しい臣! たゆまぬ勉強が生きて嬉しい臣! どんどん世間ずれしていく臣! そして、自分たちの作り上げたもの、その結果を待って震えるほどに思いつのらせる臣! いや、すまぬ、ドラムだったね。ああ、あれほどに自信のあるように感じられた彼も、ここまで不安にかられるんだ。そして、こうした感情や表情をももかを前にして出せるようになったんだ。ええ、この漫画は、不安や怖れを乗り越えても伝えようとする、そうした物語であり、同時に、作り伝えるという行為を通して、自分自身を知り、かつての自分を受け入れ、慰撫し、その先に進めるまでに回復する、そうした物語でもあったのですね。弱かった自分も、迷っていた自分も、確かに自分自身。そうした迷い苦しむ彼彼女のつかんだ結果だからこそ、それは価値あるものであったのだ、そう思った。そして、人はどれほどに苦しもうと、喪失感に苛まれようと、きっと再び立って歩きだせる日がくるんだ、そう感じたのですね。

あの、ともに向き合って漫画に取り組むふたりを描いたシーン、疾走する気持ちよさにあふれたシーンの連続は、ふたりの気持ちから重石がとれて、その歩みも軽やかになったから。それに加えて、ものを作りあげようという時の高揚感も手伝っているのかも知れませんね。本当に気持ちのいい、高揚とともに優しさや暖かさも感じられる、そんなラストスパート。そこには確かなしあわせがあった、満ち足りたものがあったのでした。

引用

2012年2月10日金曜日

『まんがタイムきらら』2012年3月号

『まんがタイムきらら』2012年3月号、昨日の続きです。

三者三葉』は、双葉の大食いネタでありますね。双葉、チャレンジを断わられる。そうした状況、哀れまれるべきは双葉じゃなくてお店っていう、こういうつっこみがあるのが大好きです。しかし、双葉の哲学かね? とか、なんだろう、これまでに見られなかった面白さ、双葉の魅力が光る、そんな感じがいたします。辻兄に対する皮肉たっぷりのお礼もさ、ああ、双葉のこともっと好きになりそう。気持ちに素直で、感情を大きく表す、気持ちのいいお嬢さん。ほんと、今回の双葉はいきいきとして、ちょっとセンチメンタルで、けれどやっぱり元気いっぱいで、素晴しかった。なんて素敵なんだろう。

『プレフレ』、好評らしい。うん、わかるよ。面白いもの。今回は美術の授業ですね。絵のうまい下手。そんな話。いやね、凄いの下手の横好きなどといいあう楓と椿。かと思えば、どこまで本気かわからない扇に、輪をかけてさらにわからない先生など、面白い。しかし、あの彫刻刀の話は、ふたりじゃないけどうるさいよ、でありますな。いや、ほんと、痛い痛い。モザイクの配慮、それあっても軽減できてない。いや、ほんと。しかし三つ編み椿、中学椿に卑屈な椿。素晴しかったです。

『箱入りドロップス』は児童公園ですよ。学校はじまって、ちょっと憂鬱な陽一に対し、もう楽しみでしかたないという雫。もう、雫、見ているだけでほのぼのだ! で、時間もあるからちょっと遊んでいこう、児童公園で! っていうんですね。鉄棒を知らない、ブランコ、大きく揺れるとちょっと怖い。雲梯一生懸命。ほんと、その様子。すごく微笑ましい。ただ公園の遊具で遊んでるだけなんだけど、それがなんでこんなにも楽しそうに見えるんだろう。雫の気持ち、その興奮が伝わってくる。ああ、もう、そりゃ陽一だって雫にいろいろなもの見せてあげたい、そう思うわけだよ。そして、かつての萌、荒ぶる小学生時代。いや、怖ろしい。けど、怖いもの見たさか、いろいろ知りたい! そんな気持ちです。

『だいすき♡』は、あれれ、前回クラスの皆の前では普通、むしろ優秀といっていい、そんな風に見直した香乃子なのに、いや、もう、いろいろはみ出てしまって台無しっていうか、前回まともだった分、今回が駄目だな。素晴しい。しかし、前髪ぱっつんの女の子が香乃子のことよくわかってて、いい友達じゃないか。いいかけあい、いいサポートです。そして千夜に惚れられてると勘違いしている笠間。困ったやつだなあ、そんな風にしか思えんのですが、彼が今後、どう動くにしても、自分の勘違いだったと知らされるきっかけにしかならんわけで、それだけにその勘違いしてる様子、面白いのですね。しかし、千夜もいい子、可愛い。兄貴ならずとも、いろいろあれころ心配しちゃおうというものです。

『ひとふた☆』、ゲストです。上下関係に厳しい学校。上級生と新入生がペアリングされて、下級生は上級生の命令に絶対服従という、なんだろう、読んでないから違ってたら申し訳ないけど、スール制の一種みたいな感じなんでしょうか? で、この絶対というのが味噌でして、沙奈華は新入生麻美弥お嬢様に仕えるメイドっていうんですね。なのに校内では立場逆転させられて、必死の思いでお嬢様に命令する沙奈華。時に心折れそうになり、お嬢様にはげまされて、いやほんと、無理なんてしなくていいのに。さて、もうひとりお嬢様がありまして、澄子さま。凛々しく厳しい人なんだけど、それで和む麻美弥、沙奈華ってのがいいですね。で、澄子を指導するのはアシュレーという留学生。ついこないだ転入してきたとこだから、全然学内のこと知らないのね。で、ここもちょっと立場逆転っぽいところがあって、そして素直なアシュレー、結構照れ屋な澄子。このふたりもいいペアだと思います。

My Private D☆V、るいたまちであります。食、というわけで、ハンバーガーをもぐもぐもくもく食べる女の子でありますよ。いや、これは可愛い。ちょっと大き目のコート、帽子もよければ、金髪も素敵。そして、もぐもぐと頬膨らんでいる、その感じがすごくいいんですね。これは、食べることに一生懸命、その仕草が可愛い、それもありましょうけれど、それだけ食べることに気持ちが向かっちゃうってところ、おいしいんだろうね、きっとしあわせなんだろうな、この子の気持ちが感じられるようなとこ、それがいいんだろうなって思ったんですね。いや、しかし可愛いわ。しあわせそうな子供はよいものです。

  • 『まんがタイムきらら』第10巻第3号(2012年3月号)
  • 荒井チェリー「三者三葉」,『まんがタイムきらら』第10巻第3号(2012年3月号),124頁。
  • ちび丸「プレフレ」,同前,139頁。

2012年2月9日木曜日

『まんがタイムきらら』2012年3月号

『まんがタイムきらら』2012年3月号、発売されました。100号記念の特別付録つき。100号記念で100p! の特別小冊子がついてくるっていうんですね。表紙はといいますと、『棺担ぎのクロ。』。おお、再開ですよ。旅がまた、はじまる。棺を担いでこちらを見つめるクロを中央に、空、雲の流れ、なにか寂しさ感じさせる、そんなイラストであります。しかし、『クロ』再開、小冊子にも懐かしいお名前、イラストが! いや、もう、なんかわくわくさせられる、そんな第100号であります。

『棺担ぎのクロ。』、再開第1話は大きなターミナルで列車を待つクロであります。旅に不安を持つ人たちに、クロの感じる旅のイメージを語っていく。そうした、出会いと別れを幾度も繰り返す様子、それからちょっと藁しべ長者思わせるような要素があったりしましてね、昔話やメルヘンによく見られる構成、作り味わいに、ああ、やっぱりよいなあ。そんなこと思ったんですね。けれど、なぜクロは駅にいるのだろう。ニジュクやサンジュ、皆はどこへいったのだろう。もしかしたら再開第1回だから、ちょっと特別な番外なんだろうか、そう思っていたら、ああ、最後にこの駅がどういうところか明かされて、一種強く打たれたかのような感触を得ました。この、最後にがんとくる、こういうところがきゆづきさとこのひとつの持ち味だったな、そうしたこと思い出させてくれる、まさに再開の第1回でした。

『リリウムあんさんぶる』、ゲスト2回目です。咲来、真菜、潤香3人に加え、今回はカリンが登場。早冬カリン。花梨と書くんだそうですが、ハーフの子、金髪がまぶしい女の子です。この子が、咲来たちの話を聞いて、話題の店、それがいとなの店と当たりをつける。京いとな。カリンの友達。前回、咲来の味覚に興味示していた店長らしい人。それが、いとなだっていうんですね。しかし、このいとなさん、ずいぶんお姉さんに見えるけど、みんなとおなじ1年生。ということで、1年生5人のお店ものになるのかしら? いや、悪くない出だしだと思います。キャラクターもよく動いています。ところで、絶対味覚と聞くと、なにか昔の『ジャンボ』を思い出す。実にいい感じです。

『ステルス×メイツ』、ととねみぎの新作新連載です。主人公百地鋼次。転校生の彼は、新しい学校で、謎の覆面集団に追われることになって、なんで? といったら、イトコが悪い模様です。イトコ服部いすずが、コワモテ百地が皆に受け入れられやすくなるようにと、とんでもない噂を流してくれたおかげで、怪しげな部、忍者研究部に引き込まれそうになってという、そんな話。伊賀もの、そして甲賀もの、学内で対立するふたつの忍者研究部の獲得競争に巻き込まれて、学内を逃げる逃げる。しかし、あの追手の面々、面白いですね。にぎやかでどたばた。いい感じに騒動おこして、伊賀と甲賀で楽しく対立、対決されること、期待します。

『ゆるコワガール!』、面白いです。今回はあまり怖い話に展開しなかったんですけど、池のまわりをマラソンするみんな。しれっとサボってるキョーコがいい感じ。コースを離れる、ショートカットだって使う。このクールで、ちょっとやる気のなさそうなお嬢さんがいい感じです。しかし、ひよりとキョーコの接戦、あれは面白かった。最後のコマでのふたりの感想。もう、たまらん面白さでした。しかし、最初やる気のなかったひよりとキョーコ。最後にはみんなで走るとつらくない、むしろ楽しそうという、そういうのがよかったですね。

チェリーブロッサム!』は、冒頭からいきなりダメージ受けてる面々ですよ。そうかあ、投げられたのかあ。小さいコマだけど、大倉山先輩のあんな表情、珍しいように思います。しかし、きびしいお母さんです。娘をアイアンクロー。容赦ないなあ。それで大咲を誘惑するようなこといったり、自由というか奔放というか、豪気な女性であります。しかし、大咲を娘のもとに向かわせたのは、きっと落ち込んでいるだろう娘のことを思ってなのでしょうか。たくましい、ダイナミック、行動派。そうした姿の向こうには、実は繊細な情が隠されてるのかも知れませんね。実際娘がそんな風でしょう。落ち込む綱島先輩、プラマイゼロっていうけれど、でもこうしたいつもと違った表情、それがぐっとその人の魅力を深めるの。ギャップで見せる、それはよくあるやり方ですけど、この漫画には特有の引力がある、そんなこと思わされるんですね。実際、大倉山先輩も綱島先輩も、ふたりともそうだった。はっとさせる、そんな瞬間がヒロインを輝かせますよね。

  • 『まんがタイムきらら』第10巻第3号(2012年3月号)

引用

  • 『まんがタイムきらら』第10巻第3号(2012年3月号),表紙。

2012年2月8日水曜日

『まんがタイム』2012年3月号

『まんがタイム』2012年3月号、昨日の続きです。

『もいんの高校野球日誌』。だんだんにキャラクターを増やしていっているっぽいですね。あのかわいこぶってる先生が出てきて、そろそろ定着してきたと思ったら、今度はサッカー部とそのマネージャーが出てきて、こちらは居丈高というか自分勝手で主将さえも困らせてる人っていうんですね。野球部のマネージャーにも部員にもいろいろやらかしてる、そんな人ですが、なんか憎めないっていうか、面白いな。真面目で実力者で決して手を抜くことのないもいんも怖れられているけど、傍若無人で怖れられてるっていうサッカー部の彼女、その困り者マネージャーふたり、なかなかにいい対比。ほんと、いい感じに場が、世界が広がり、できあがっていっていると感じます。しかし、新球とか!

『空想彼女』、なかなかにいいですね。鮫島のことが好きという志帆のいっちゃってる感じがよく表現されていて、無茶な子なんだけど、その無茶さが無理矢理な無茶というより、自然な無茶、そんな感じで描かれてるのがいいなって思ったんですね。しかし、睡眠時間を10時間半とって、夢のチャンスは6回! いや、これ、めちゃくちゃ面白い。理屈としては正しい、けどいくら正しくってもうまくいくとは限らないっていうのね、そういうところが切ない? いや、よかったのですよ。ちょっと危なっかしいお嬢さんだけど、いわゆるストーカーみたいなところまではいかない。妄想のなんの、いろいろいわれちゃってるけれど、恋したらだいたいこんな感じになっちゃうよなあ。ええ、悪かない。なんだか可愛くさえ思えるお嬢さんです。

『営業侍和華さん』、安定した面白さ。女子力向上などと似合わないこといいだして、その結果姫がありえないほど落ち込むとか、この流れがたまりません。また、いつもどおり自信満々の武士トーク。立場の低い相手と見て、無礼な振舞いする営業相手にも、はきはき臆することなく対応する和華さんですが、これでうまくいくのかというと、結局は喧嘩別れ、上司吉田が謝らねばならんことになって、けれどその責任を感じて深く反省するというところなど、すごくよかったと思ったのですね。この和華さんという人、滅茶苦茶な人じゃない、直情的で変わりものだけど、思いが深く常識もあるんだってわかるエピソード。で、完璧ハッピーエンドではないけれど、そうした和華さんを評価してくれる人もいるっていう、こういう多様性が漫画内でも描かれるところ、よかったなあって思うのですね。

  • 『まんがタイム』第32巻第3号(2012年3月号)

2012年2月7日火曜日

『まんがタイム』2012年3月号

『まんがタイム』2012年3月号、発売されました。表紙のテーマはバレンタインデーですね。チョコレートを手に、嬉しそうに口を開けているおとぼけ課長、その口にチョコレートを入れようとしているかの『だってあいちてる』木の葉です。そして、板チョコ柄の着物着込んだ『わさんぼん』牡丹に、自分にラッピングした風味の『満開!Sister』カンナであります。

みそララ』、なんかよろしいなあ。仕事にずいぶん慣れてきた美苑。まりまr、いやさ大島さんに誘われて、ライター時代の仲間との集まりに美苑もいけることになって、いいじゃないですか。こうして美苑の世界、人間関係が広がっていくのかな。そんな感じかと思ったのですが、いやむしろ、先を歩んでいる人達、彼等の感じていることと美苑の感じていること、その違いが見えて、人は感じることも思うことも、だんだんに変わっていくのかも。それは知らないものを知っていくからなのか、それとも心変わり、そのためなのか。いろいろ思わされますね。けど、はぐらかしてばかりの大島さん。その胸のうちにはやはりなにか、あるみたいですね。しかし、大島さんの仲間に自己紹介する美苑、なんだろう、めちゃくちゃ可愛くてまいりました。なに、これ、天使? そんな感じ。いつも以上に可愛いんだけど、なんだろうこれ。いや、ほんと、なんだろう。

『ジムメン!』が連載ですね。面白かったですよ。バレンタインデーを目前に頑張るのか焦るのか、主人公のはずの花巻ですが、エピソードの大半はインストラクター陣だったり。葉子とつぼみ、デパートのチョコレート売り場で出会ってからのやりとり。いろいろ策略めぐらすつぼみ。発想もいろいろ酷いのを見て、葉子がいったドS云々、これが実に面白かったです。さて、ジムに戻れば花巻が大人気ないのはいつものとおり。この人のこういう心の狭いところ、最初は苦笑しながらもどうだかなあ、そう思ってたけど、今となっては心底面白い。こうでなくっちゃいけないよ、そんな風に感じるまでになっています。

『まだまだ浅野さん』。あの初心者用は、なんか心魅かれるものがあります。どうにも鳴りそうには思えないんですけど、なんだろう、妙に心魅かれます。しかし、毎度毎度人を食ったような浅野さんですけど、あの「痛」の重いっていうの、これはいいな。っていうか、現実にも使えそう。子供の意識を痛みからそらしちゃえばいいんだから、ここでこういうアクセント、なに? なになに? っていうのを加えれば、そりゃその意外性の分だけ痛みもとんでいくことでしょう。いや、そういう実用の意図で描かれたわけではないでしょうが。絵だけで笑える「なった」を筆頭に、不思議な味わい、癖になるような面白さ。あまりな仕打ちに、にやりとしてしまう。そんな感覚、実に悪くないんですよ。

天子様が来る!』は、本当にいつも面白いです。「無駄に壮大」とか、こういうの大好き。報われてんだかないんだか。しかし、この人はネタでとりあげるもの、微妙なものを微妙なものとして見出す、その能力の確かさがすごいです。音楽室の肖像画。それがまさかのヘンリー・R・ビショップ! って、フルネーム、そんななんだ! ほんと、目をとり外して洗うにしてもBL雛にしても、すでにありそうで、いや、もしかしたら思い付いて、表現した人もあるのかも知れないけど、なにかあっといわせるものがあるというか、そう思わせる前提を作るのがうまいのかなあ。ほんと、いつだって笑わせてくれる、いい作家です。

  • 『まんがタイム』第32巻第3号(2012年3月号)

2012年2月6日月曜日

Jim Dunlop Blues Bottle Slide

 昨日、リゾネーターギターを弾く女学生漫画なんて取り上げたもんだから、いやあ、リゾネーターっていいよね、なんか憧れるよね、みたいな気持ちになってしまってしようがありません。リゾネーターギターっていうのは、エレキギターができる以前、どうしてもパワーでホーンに勝てないギターの音量をいかに増大させるかという挑戦が生み出したギターであります。ボディの中に金属の共鳴器がはいってて、弦の響きをみゃんみゃん増大させるんですね。共鳴器にもいろいろ種類があって、またボディが総金属のものや木製のもの、いろいろあって、それぞれ個性が違ってくるわけです。『ちゃりこちんぷい』のまれちゃんのギターは、ボディが総金属でコーンはシングルのタイプ、多分。こういう金属ボディのタイプはめちゃくちゃ重いらしいですね。で、まれちゃん、小指に金属のスライドバーつけて弾いてる。というわけで、今日はスライドバーの話をちょっとだけ。

といっても、持ってるだけで、ろくに弾けないんですけどね。私が持ってるのは、メディシンジャーと呼ばれたりする、小さな瓶のタイプです。薬に内服液というのがありますが、その空きボトルを使ってスライドをやっていた、というので、今ではスライド用の瓶が売られていたりするんです。

スライドバーはボトルネックといったりもしますが、それは瓶の首の部分を切り落として使ってた名残りなんですね。こんな風に、もともとは身近にあるものを適当に工夫して使ってた。瓶の首は真っ直ぐじゃないから、慣れないとおよそ弾きにくいものだっていいますが、その曲がり具合がまた音に個性を与えたりするとか? なので、今でも瓶の首を切り落としたものが売られていたりします。

薬瓶や瓶の首タイプはガラス製です。オーソドックスではありますけど、今はたいてい金属製の筒が使われて、ガラスに較べてこちらの方が甲高い音がします。で、ガラス以外に陶器製のがあって、こちらはガラスよりさらに音が丸くなる。高域が落ちるわけですね。好みによって使いわける。というわけで、私は薬瓶のをひとつと、陶製のをひとつ持って、たまに遊びでみゃんみゃん弾いたりしているんですね。

ところで、この動画を見て欲しい。

電球ですよ、電球! 自分も、スライドバー買うまでは電池でやったりしてましたけど、電球という発想はありませんでした。もう、本当に身近なもの、スライド効果が得られたらもうなんだっていいんだっていう話ですよ。いや、もう、電球、かっこいい。そういえば、薬瓶っていうの、コリシディンっていう風邪薬の内服液の瓶が好まれたりするんだそうですが、日本では葛根湯内服液がいいという人がいて、いや、これ結構よく聞くんで、その筋ではポピュラーだったりするんですかね。このあえて買ったりじゃなく、身近にあるものを流用する、それがなんからしいというか、ちょっとした思い入れだったりするんでしょうね。

2012年2月5日日曜日

ちゃりこちんぷい

 そのタイトルまでは覚えていなかったのだけど、スチールボディのリゾネーターギターを抱えた制服の女の子、その印象だけはしっかり記憶に残っていたのでした。『ちゃりこちんぷい』。ギターを弾く女の子の漫画やなんかは最近とみに増えた、みたいな印象がありますけど、中でもリゾネーターは異色だよなあ。連載開始の告知広告を見て、なるほどこいつはブルーズものかと納得して、単行本が出た暁には読んでみたい。そう思っていたのですね。そして、先日、書店にて単行本を発見。おお、やっぱりばっちりリゾネーターを抱えてる。その表紙は、間違いなくあの時のあの印象そのもので、買わねばなるまい、買うしかあるまい、であったのでした。

第1話、のっけからサン・ハウスの『Death Letter』をギター、ピアノ、そしてハーモニカ、いや、ハープっていった方がいいのか? 女の子三人がセッションしているところからスタート。弾く、歌う、踊る、そのいきいきとした描写は楽しく軽快で、けどなんか軽すぎやしないか。いや、ブルーズたって重々しいばかりじゃないから、これでいいんだろうとは思うんだけど。みたいなことを考えていたら、なんだかちょっと様子が違ってきましたよ。黒田千代治という一年坊主。口ばっかりえらそうで、中身さっぱりみたいな小僧なんですが、フォーク&ロック部に向かう彼が、その『Death Letter』セッションを耳にする場面。鬼気迫るギタープレイ、ギタリスト奈良本希の姿。これはいかす。没入して弾いている、その熱さが感じられる描写であったのですね。

この、奈良本希、まれちゃんですが、子供の頃、おばあちゃんのギターをねだって貰って、以来リゾネーターを弾いている。って、リゾネーター持ってるおばあちゃんとかすげえな。十字路で悪魔と契約したとか、作中でも盛りすぎとかいわれてるまれですが、加えて極度の恥ずかしがり屋だから、人前で弾けない、歌えないという、おお、やっぱり盛りすぎな気はします。ハープ玉木未来マキミキ、ピアノ香坂陽子インチョー、このふたりと一緒なら、驚くような演奏、歌唱をしてみせるけれど、ここに黒田千代治チョコが加われば、とたんに駄目になる。バンドしようと迫るチョコに怯えて、けれど時に赤面して優しいこといっちゃったりしてさ、あ、これってもしかして、このだらしない男、チョコがブルーズ三人娘と微恋愛的関係をほのめかしちゃったりする、そういう漫画でもあるのか? いや、でも、こいつあんまりにあかん男だから、それこそわかってない人代表として、ブルーズの説明や解説を引き出す、そういう役割に徹してくれればよいというのが素直なところです。

作者もいっていますが、この漫画に出てくるブルーズは基本実際にある音楽です。サン・ハウスの『Death Letter』、J. B. ルノアー『Slow Down』、ウィリー・ディクスン『Nervous』、他にもいろいろ。そして、『ドラム御神楽』やら『ちゃっともんちーブギ』とか、奈良本希オリジナル、というか、即興でわいわいやってる、そういうのんが出てくるんですね。この即興でというの、わーっと弾いて歌って、踊っている、その描写がぴしっとハマるみたいな瞬間があるんですが、ああ、楽しそうだなあ。こういう音楽のありかた、すごくいいな、そう思わせるものがあってナイスなのですね。そしてもちろん既存のブルーズ名曲のカバー、それもいい。まれの人前でできないというために、観客と一体になって云々という面白さは描かれないのだけど、仲間うちで集まって、セッションして、楽しむ。そうした楽しみはしっかり描かれてる。あの『Stormy Monday』のエピソードみたく、鬱屈した気持ちをブルーズ通して吐き出す、まさにブルーズのブルーズらしさといってもいいんじゃないかと思うのですが、いいねえ、いいよ、そんなエピソードもいいアクセントになって好印象です。

ところで、ちゃりこちんぷいって一体なんなんだ。いえね、これ、ちゃんと作中で語られるんですが、まれの頭の中で鳴っている、ギターの音。そいつを言葉にしたらそうなるっていうやつなんですね。みゃみゃみゃ・みゃみゃみゃ・みゃーみゃん、とか、ぎゃっくぎゃっくぎゃっくぎゃっく、とか、すまん、よくわからん。いや、ぎゃっくぎゃっく、はわかる。でも、ちゃりこちゃりこちゃりこちゃりこちゃりこちんぷい、これは絶望的にわからない。多分、典型的なターンアラウンドのフレーズで、これじゃないかなあっていうのはあるんですが、どうしても自分にはちゃりこちんぷいとは聴こえない。いや、もう、あんがんがー、でありますね。

基本的に、弾いて歌って楽しんでる漫画。ちょっと解説もあって、ブルーズの知識がないとわからない、そんなことはないから安心して読めます。むしろ、ブルーズを知らない人が、ここから興味を持ってもいいんじゃない、そんな感じでさえあります。ただ、やっぱりブルーズにまつわるエピソードとか知ってると、ああ、なるほど、そう思えたりする仕掛けはあって、十字路で悪魔と契約はロバート・ジョンソンの有名な伝説ですし、まれが交差点でギターをうまく弾けるようにと願って以来、犬に追いかけられるようになったというの、『Hellhound on My Trail』だったりするんだろうなあ。いろいろ思わせてくれるようなのあるわけですが、けど基本はセッションして、仲間と気持ち通じあわせて、そうしたところにある。だから、なにも知らずとも読んで、へー、ブルーズ、こんななんだと、漫画に出てきたやつを試しに聴いてみるのがいいんじゃないかなあ。なんて思って、作中解説を頼りに知らないブルーズを聴いてみたりしています。

  • 坂井音太原作,玉置勉強漫画『ちゃりこちんぷい』第1巻 (ヤングジャンプコミックス GJ) 東京:集英社,2012年。
  • 以下続刊

2012年2月4日土曜日

『まんがタウン』2012年3月号

『まんがタウン』2012年3月号、発売されました。表紙は『新クレヨンしんちゃん』ですね。しんのすけとお猿が一緒に温泉に入っている。太い線が、シンプルな絵に暖かみ与えている、そんな気がします。そして、『ぼくの奥さん』、『ここはシガレット』、『シン-メン』、『鎌倉ものがたり』のカットもございます。

『ぼくの奥さん』、第2回ですが、いやあ、これ、驚きました。ウウウウと唸るご令嬢。いったいどういう人なのか、ただの野生児、お転婆娘でよいのか? そういう前回のヒキ。今回は冒頭から、娘キャロリーヌのたたごとでなさを畳み掛けて、モフモフ犬的お嬢さん、その正体は狼に育てられたがゆえに人としての振る舞いを学びそこねてしまったご息女であるというのですね。ああ、アマラとカマラ、オオカミ少女の伝説か! 実際、これは伝説というか詐欺というか、作り話だったという説が優勢ですが、動物に育てられた娘というのは物語としてはロマンがあるというか、神話の題材にも多々あるし、なかなかにいいじゃないか、そんな風に思ったんですね。1歳の誕生日に姿を消し、10歳の誕生日に捕獲された。そんなキャロリーヌが母の愛、大量の血と汗と涙で少しずつ人らしくなって、そして今、ルイと出会った。というんですね。いや、これ、どういう方向に展開していくんだろう。こうした野生を残しつつもルイと親しくなっていく、そういう話になるのか、加えてルイとの生活をとおし、人としての暮らしぶりを得ていくのか。そうしたところ、気になりますね。病弱なルイと野生児、凸凹ながらいいふたり。そんな風だといいなあ。そう思うんですね。

『ここはシガレット』、むんこ新作、ゲストです。って、連載だと思ってたけどゲストなのか。これは驚いた。エロ漫画家の母と暮らす菅井宇太、この子が主人公。手が足りないから、アシスタントとして使われている。R18だからと断わるものの、これができないと金が入らないぞ、そういうんですね。あんまりに過激なページは配慮しながら、それでもしっかり手伝わせて。漫画家もので母子もの。リアリティがうんぬん、というより、雰囲気が重要って感じですね。助けあいつつ暮らす、仲いい母子。最後の、息子の仕上げばかりが評価されてるっていう、こういうところが味なのだと思います。

『偽装男子』は素晴しいな。先生が出てきて、状況の改善見られるかと思ったら、いやいや、なおさら酷い。あやか四面楚歌といった状況。追い込まれたというか、あやかが大変な目にあうほどに面白い。そんな漫画だから彼女が不憫で不憫で。さて今回は胸を盛るみずきとか。対する残念女装男子どもの雄叫び。もう、たまらんな。最低だ。けど、それゆえに面白い。そして、最後の勇者。彼は今後も出てくるのかなあ。顔が描かれてないから今回限りと思うんだけど、もっとややこしくなったらもっと面白くなるかなあ。なんて思ったりもしています。

『ママはパートマスター』。田中なつのゲスト掲載。この漫画、この人の作風といいかえてもいいかも知れない、好きなので連載に漕ぎ着けたらいいなあ、そう思うんですね。パートが趣味といってもいい、そんなお母さんがヒロインの母。いろんなパートを、超人的能力でこなしている、町の名物お母さん。味のある絵柄。キャラクターも元気でよく動く。見ていて楽しい、ほのぼのと面白い。その感触、すごく好きなんですね。最後の一本、「おつかれさまでした」など見ると、ああこれでひとつの区切りなのかな、そんな気もするんですが、またのおこしを、それが実現したらよいなって思います。

  • 『まんがタウン』第13巻第3号(2012年3月号)

2012年2月3日金曜日

『まんがホーム』2012年3月号

『まんがホーム』2012年3月号、昨日の続きです。

『センセイあのね?』に驚かされました。いえね、今回の柱インタビューは「妄想♥告白シチュ」。そこには遠まわしや比喩的じゃなく、ばしーッと直球の告白が理想なんてありまして、ああー、けどつぐみのそれは全然違うよねーっ、とか思ってたら、ばしーッ、直球できたー! やられました。もっと引っ張るのかと思った。そしたら、まさかの4段ぶち抜きで大告白。押さえ続けてきた気持ち、誤解にも耐え耐え耐えて、ついに耐えきれなくなったかあ。ポロシャツ先生に邂逅してから、そして告白にいたるまでのつぐみの表情の変化。いや、告白後もですよ。どんどん寄っていく、その構図が、気持ちの高ぶる様子を描いて、そしてやっちまったつぐみの正気に戻るまで。いや、もう、たまらんものがありますね。しかし、先生、困るだろうな。ページめくれば、だーっと、横に長く連結されたコマが効果的。で、ちゃんと告げるんですね。ああ、つぐみさん、ようやんなすった。ほんと、輝いてますね、青春ですね。

『さえずり少女しんしん鎌倉』。連載になりました。金髪少女コズリが鎌倉をゆく。っていうんですが、鶴岡八幡宮の鳥居に驚き興奮する、あのコズリ、めっちゃくちゃ可愛いですね。実際、外国の、それも憧れの風景に接したら、人はこうなっちまうよなあ。そんな気持ちはよくわかる。橋を渡り、鳩とたわむれ、いやでもこれ、鎌倉の風景をこうしてコズリとともに楽しむ、そうした紀行ものっぽい楽しみもある漫画でありますね。私自身ちょっと興味がある土地、鎌倉。そこでの生活。それに加えて、コズリという人の可愛さ面白さ、友達との交流。それがより魅力を増さしめる。実際、すごく魅力的な漫画であると思います。鎌倉の名勝を毎回めぐるなんてことはさすがにないでしょうけど、普段の生活、その描写についても期待されますね。

つくしまっすぐライフ!』は、五行さん、いい同僚に恵まれてるなあ。というお話。のろけか! そう思ったら違った。なんだか落ち込んでるぞ。それでイキイキしはじめるところ、なんて現金な連中だ、なんですが、いや、けれど付き合いのいいやつらです。五行さんの悩みものろけも聞いた上で、総出で状況改善に力を貸してくれる。着ぐるみ勢が次々なずなに五行のこと、許してやっちゃあくれねえか、悪いところもわかったうえで、シカがタヌキがフクロウが、そしてカッパが、口利きしてくれる。と思ったら、カッパが五行かーっ! いや、しかし、面白かった。この着ぐるみ連中の友情、こいつにやられましたね。

『横浜物語』は、お隣さんのこと、いろいろ見えてきましたね。この人はなにをして暮らしているのだろう。そうした謎。ついに明らかになって、そして南が気付きはじめている? これはいよいよ終幕といった感じでしょうか。これまでのもやもやと隠されていたことが、すっきりと整理されて、ひとつのところに流れ込もうとする、そんな動き、傾向が見えてきて、これはちょっと期待したい。お隣さん、楡さんでよいのかな? 彼女の書きたいと感じているもの、その正体、それがどのような姿になって表されるのか。それも気になる、というか、核心になるのだろうな、そんな風に思われるのです。

  • 『まんがホーム』第26巻第3号(2012年3月号)

引用

  • 小石川ふに「妄想♥告白シチュ」,『まんがホーム』第26巻第3号(2012年3月号),122頁。

2012年2月2日木曜日

『まんがホーム』2012年3月号

『まんがホーム』2012年3月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』、スノーボードをやっているらいかですね。ということで、表紙のテーマはウィンタースポーツであります。『東京!』の三人はスケートをして、ころぶたまがらしいですね。そして、モーグルですね。『さえずり少女、しんしん鎌倉』、ヒロインのコズリが元気にジャンプしています。

『はっちぽっち』、あの小さいハチ、めちゃくちゃ可愛いなあ。あの、鼻血死してるとも子を見守る3匹がたまらんですね。三匹三様の可愛さがあって、すごくいい。ぬいぐるみというか、フィギュアみたいなの、あったら欲しいかもしれない可愛さです。さて、大型犬が苦手なねね子が出てきて、ただ苦手なのっていうだけじゃない、それを克服するにはどうしたらいいかな、みたいな方向に話が展開していくの、ちょっとした目標ができた感じでいいですね。子犬のころから慣らせばいいんじゃないか? それで、子犬の生まれそうなお客さんが偶然! というのはできすぎですけど、いや、いいですよ、期待しますよ。中長期的に展開される、子犬が生まれる、その子が育っていく、そしてねね子さん、大型犬に慣れるのか!? なかなか面白そうな展開、先が期待されます。

『孔明のヨメ。』、いいですね。市場で聞いた噂話に落ち込む月英さん。その月英さんを見て、また落ち込む孔明。しかし、ふたりともに相手のことを思いやっている。その様子がよいではないですか。自分のことで孔明の評判が落ちるのは悲しい。そんな兄嫁を見て、兄の態度にやきもきしている均がいい感じです。でも、鈍いといいますか、気がきかないといいますか、そんな孔明ですが、黄家の主に月英とともに呼ばれて、そこであらためて知る月英のイノベーション。数々の仕掛けに素直に喜ぶ、様々な仕掛けを父も賞賛、いいですね、落ち込んでいた、自分は駄目なんじゃないかと自信を失っていた月英さんが、ちょっとずつ元気を取り戻していく。その過程が、微笑ましくて、すごくよかった。誰がなんといおうと、この父と、そして夫は、月英さんのこと大好きだな。そのよさを認めてくれる人なんだなって、そうしたところがよかったのです。

『エール!』、おおう、悪くないですね。前回、ふつうに応援にいく、そんな感じだったはずなのに、今回、ばっちり学生服着込んで、まさしく応援団。ええと、ふたり応援団? 応援団員が食中毒で全滅。その12人分の応援をえいると団旗持ちの少年、ふたりで代行する。応援される人は、幼なじみで新人アイドルの男の子。サッカー部、選手として頑張ってるんだけど、テレビスタッフが悪意のある取材しようとしてるのを見て、ちゃんとがんばってるのに — 、そのことを知ってるえいるが応援の声張り上げる。あの一連の流れは実によかった。自分にできることをもって、がんばってる人を支えたい。そのえいるの精一杯がしっかり描かれてた。そこに、なにかほだされるものがあったのですね。

『ただいま独身中』、面白いです。私の知らない世界。メークですね。春の愛され小悪魔メークというのを試してみたのはいいけれど、女性の集まりだと容赦ないな。こういう感じ、もう大好き。目尻が垂れただの、変わった事したがるだの、メーク手伝うと見せて遊んじゃうとか。この時点でもう楽しかったのに、次からモテメークな竹本楓でしょう。で、やっぱり女性陣容赦ない。で、モテメーク竹本楓II。なんかよそよそしくっていいなあ。ぶってるんだろうけどさ、それがうまいこと空回りしてみせて、いやもう面白かった。楓さん、なんかいじらしいよね。可愛い人だと思うわけですよ。そしてナチュラル・ボーン小悪魔。こうもしっかり小悪魔というキーワードが、びしっと貫かれるとは、予想外。まいりました。

  • 『まんがホーム』第26巻第3号(2012年3月号)

2012年2月1日水曜日

放課後せんせーしょん!

 漫画というものは、絵の魅力、キャラクターの魅力でもって楽しませる、そういうものでもあるんだってこと、あらためて思わせてくれたのは『放課後せんせーしょん!』だった、そんな風に思っています。いえね、絵の威力がすごいんですよ。四コマ漫画というフォーマット。そいつを破綻させないぎりぎりまで、またやりすぎにならないところ一杯いっぱいまで、絵の魅力を押し出してくる。枠狭しと、時に枠からはみ出してまで主張してくるキャラクターたちの元気さ。これ、すごくいいな。いえね、2段とか、あるいは3段とかをぶち抜きで表現するっていうの、今では四コマでも決して珍しくないし、断ち切りだって当たり前って感じではあるんですけど、それでも『放課後せんせーしょん!』のそれははっとさせるものがあったのですね。なにこれ、すごい! そう思わせるものがあったのです。

実は、単行本になるにあたってちょっと心配したことがありまして、それは判型とカラーページなんですけど、雑誌で読んでいる時は、もちろん判型も大きく、またカラーなんかもあって、それはそれはダイナミックに、向こうから飛び込んでくるかのように感じさせるものがあったわけです。けど、それがコミックスの判型になったら、カラーページもモノクロに印刷されてしまったら、あの時の鮮烈な印象、失われたりしないかな、もしそうなったらものすごく残念だぞ。そう思っていたんです。けど、これ、杞憂でしたね。モノクロでも魅力的。扉で魅せる、そうしたところは変わってない。そして、むしろ、目にも楽しいこの世界、キャラクターも可愛く、元気、こうした魅力に持続的に触れていられるということが大きかった。いや、もう、まいっちゃいますよね。ああ、もう可愛いなあ。具体的にいうと、スナオ、もともと好きだったんだけど、なおさら好きになった、そんな気がします。

単行本にはゲスト回から収録されているんですが、そのうちの一本は巻末に別扱いにして載せられていて、もしかしてゲスト掲載分、各四コマにサブタイトルつけられていたり、またちょこちょこ違いがあるから連載分とは別個に扱いたかったのかな。そんな風にも思ったりしまして、けど、このゲスト掲載分もちゃんとしっかり記憶していて、ああ、そうだったそうだった、懐かしく、ええ、忘れてないんですね。いいテンポで、ぽんぽんと見せてくれるものがあった。悪くないね、そう思っていたのが、連載となったらまた違った魅力を備えて、ええ、サブタイトルがなくなった分、コマも大きくなった。絵を大きくしっかり見せる、そんな工夫も見られるようになって非常に好感触、好印象。引き込まれるというか、心つかまれるものがあるんですね。あふれんばかりの絵の魅力、それはキャラクターの魅力を補強し、より一層に訴える、そのための手段として、実に生きているのですね。

そういえば、『まんがタイムきらら』が創刊された頃、絵の魅力、DOKIDOKI★VISUAL、それがさかんに謳われていましたね。今、こうして絵の魅力にまいってしまって私は、『放課後せんせーしょん!』、この漫画はDOKIDOKI★VISUALの原点回帰的な位置にある、いわば『きらら』系、D☆V系の本道を歩んでいるのかも知れないぞ、そんな気持ちがしています。