2012年4月19日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2012年6月号

『まんがタイムきららMAX』2012年6月号、発売されました。表紙は『きんいろモザイク』。ああ、素晴しい。英国風庭園でしょうか。薔薇のアーチがある、そんな場所、青空の下に5人がこちらを向いて微笑んでいる。手前から忍、カレン、あやや、アリス、陽子。ちょっと切なげな綾の表情、ちょっと驚いたようなアリスがイントネーションの変化となって、陽子はと見れば頭に花の冠です。素敵ですね。ブラウスのフリル、そしてリボン。エプロンからすれば、ガーデンカフェですの? そう思わせるような雰囲気。本当に素敵です。

きんいろモザイク』は、進級、そしてクラス替えですよ。春爛漫、新学期に心も浮き立つアリスでしたが、ああ、衝撃の事実! しのカレンあややがA組、アリス陽子がC組ときましたよ。ああーっ! 衝撃のあやや。そしてアリス。そこまで! そこまでなんだ! でも、ちょっと気持ちわかりますよね。仲のいい友達、それも一番の、そう思ってる相手と離れてしまう。クラスが違ってもずっと友達よね、そうは思っても、やっぱりクラスが違うとなかなか会えない、会いたいあなたに会えないの。いや、ほんと、綾に、アリスに、そんな雰囲気感じられて、ああこのふたりの好きという気持ちの強さ、よくわかる。けど、意外と平気そうな忍、金髪なら誰でもいいのん!? そう思わせて、いや、実は距離の多寡ごときで揺らぐことのない強い愛を持ってるのかも知れない。ほんとに? いや、わかんない。けど、ちょっとそんなこと思わされたんですね。忍、強いものを心の奥に抱いてる、そんな子なのかも知れませんね。誉めすぎですか?

ご注文はうさぎですか?』は、千夜とシャロの友情のお話でありますね。元気のない千夜。なんで? 心配するココア。自分のせいじゃないかと思うチノ、リゼ。で、それはいいとして、あのチノに対するココアですよ。ティッピー、おじいちゃんもつっこみをいれずにはおられなかった! はんぱじゃなく面白くて、ジェラシーチノちゃん、はんぱじゃなく可愛いかったです。後半も面白かった。リゼのココアにわたしたお守りと、紙袋シャロが引き起こす騒動。たまらん。そして、わかめの増大。もう、たまらん。私は以前この漫画を、構成が素晴しい、そういって誉めたわけだけれど、しっかりと組み上げられたコンポジション、それも美しく素晴しいんですが、華やかさを振りまきながら、小さな面白みを積み上げ、軽やかにエピソードの動線を渡っていく、そうしたシンプルスタイルも素敵だと思ってるんです。これまでの話からの繋りを大切に拾い展開しつつ、重みに沈まず、しなやかにあり続ける。単体ではふわりと、けれどきっと単行本に収録されてひとつながりに読み通したら印象は変わるのだろうな。そう感じるところがあるから、ああ、その日が楽しみです。気がはやすぎますよね。

ところで、グラデーションをもって色合いを薄くする千夜の前髪、あれは綺麗ですね。

LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす』は、記録会ふたたび! 椿の3ヶ月に渡る練習の成果が試されようというこの日、いや、椿だけじゃないですね、優子も舞も、それこそここに参加した皆が、3ヶ月前の自分よりも少しでも速く、一歩でも前に進もうとしてる。いや、もう、素晴しかったのですよ。椿をめぐることだけでも、そう。椿には負けたくない、そう思ってくれるライバルがいる。そして走り出して、椿、前回のすっかり飲まれてしまった時とは違い、自分の状態、周囲の状況ちゃんと把握しているという、そこからもこの子の成長が感じられて、ああ、すごくいいですよ。椿には椿の思いがある。舞には舞の、優子には優子の、そして後輩に抜かれてしまった安食先輩の胸に去来するものも。前回の記録会のできごと。自分のペースで走れなかった椿。目標とする相手に届かなかった舞。そして新人戦の悔しさをそそがんとする優子。しっかりとひとりひとりにドラマがあるなあ。これまでに描かれてきたものがあるから、それを受ける今回のエピソードが光るんですよね。そして、最後のお風呂で今日のことを反芻する椿。これも含めて、きれいに前回の対比になってるんです。しっかりと手応え感じてる椿、そしてそんな椿を心配して見守ってる家族の皆。ほんと、胸にぐっと迫る。これがたった8ページ、扉ひとつと四コマ15本で描かれたことなのか。なんという充実なのかとおそれいります。

『ホイップノート』もクラス替え! るいせがひとりに!? というのは夢でした。しかし着実に進級していきますね。そして新しく登場してきた人。鷲尾由衣さん。さくらと鈴真の幼なじみ。なんかね、ちょっとつんつんの人? そんなこと思わせる登場だったから、なるほど鈴真のことが好きで、けど素直になれなくて、で、さくらをライバル視してるんだ。そう思ったら、いや、全然違うじゃん! きましたわあ。ほんと、さくらのことが好きなんだ。で、素直になれないんだ! 面白かった。って、この人だけが面白いんじゃなくて、ちゃんと本編の、およめさんクラブの実態視察、これもほんと楽しかったです。それと、道着はだけちゃってるチビ鈴真が妙に色っぽくてどきどきです。

『彼氏ってどこに行ったら買えますの!?』、連載になりました。ああ、よかった。今回、冒頭は人物紹介から、と思ったら、ヒロイン亜梨香が酷い落ち担当だー! いや、ほんと、そんな彼女が大好きです。妙に俗っぽい、そんなお嬢様。しかし、あのお昼、弁当っていうよりアフタヌーンティー。ティースタンドまで用意して、きちんと蒸らし時間まで計って、そんな亜梨香が素敵でたまりません。俗な言動、そうかと思えば育ちのよさのうかがわれる振る舞いの数々。実に極端なお嬢さんで、苦笑まじり、けれど、そんなちょっとあかん子っぽい彼女が可愛く思えてしかたないんですね。無邪気がゆえでしょうか。それとも危なっかしさでしょうか。暖かく、ほのぼの、見守りたくなるお嬢さんです。

  • 『まんがタイムきららMAX』第9巻第6号(2012年6月号)

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