2012年5月31日木曜日

『まんがタイムスペシャル』2012年7月号

『まんがタイムスペシャル』2012年7月号、先日の続きです。

『カブルモン』は、不思議というか妙というか、独特の味があっていいですね。一二見もエヴェレッタちゃんの中にはいることになった。サポートを覚えるには着ぐるみに入るのも大事っていうんですが、それにしてもクールな彼女。動じないなあ、そう思ってたら、ああ、肌タイツ一丁ともなると、やっぱりちょっと恥ずかしいのか。このあたりから充実する着ぐるみ知識。ただ知識や情報を羅列するのではなくて、途中途中に一二見や部長のキャラクター、それでおかしみを添えていくのはいい感じ。そして肌タイツをつけ面をかぶることで、自分ではないなにかに変わる。そのロマンとでもいいましょうか、それが感じられたのは大変によかったと思います。って、ちょっとちょっと、高沢さんの匂いだとか、一二見さん、えらいことおっしゃってますよ。で、これでまだ終わらない。次回は部室の外に出ていくんだ。ただでは終わらなそうで、いいですね。

『どろんきゅー』は素晴しいな。果歩に届いたラブレター。女子校なのに? どころか、差出人は幽霊か。物陰から果歩を見守る、その姿は可憐だなあ。と思ったら、水、水の中とか! さらにショーウィンドウ、普通にしてたら可愛いのに! しかし、果歩、幽霊に愛されてる女の子。オバケなんかもうやだって、散々に思ってる果歩ですけど、ほんとは守ってもらえてるっていうのね。幽霊側の片思いなんですけど、気付かれなくとも健気に果歩のことを見守る幽霊たち、ほんとよいですよ。見た目は怖いのになあ。怖くて優しい、そしてすごく楽しい。いい漫画です。

シュガービーチ』は城崎美麗によるみなとスカウトですよ。上等お菓子でちくらを懐柔するとかあの手この手がいい感じ。加えて、ビーチバレー以外のところでもみなとの可愛さにまいりつつある? いや、ほんと、いい感じですよ。美麗と皆のやりとり、それも面白く、揺らぐ部長。嫉妬なのかい? 辛辣なエミちゃん。ほんと、素敵でした。で、美麗、みなとをあきらめる。あの流れ。そしてみなと誤魔化す。ほんと、ものすごく面白かったです。っていうか、エミちゃん、どんだけみなとのこと好きなんだ。

『趣味じゃない園芸』は蘭々と藤野さんによる植物園案内ですよ。本来は園長の仕事、けれど姿が見えない。なので代打。正統派の藤野さんに対し、病害虫の味のどうこうのと、はみだし解説が光る蘭々。で、蘭々の方がうけるっていうのがいいですよね。うん、実際こういうことってあると思います。しかし園長の案内を期待していた参加者たち。その人たちが選んだ蘭々の解説。園長さんみたいでよかったとの御言葉までいただけて、って、園長、どんな人なんだ……。つつじの蜜を吸ってる人。真面目な人なんだろうけど、どこか変わってる人。園の縮小案をうけて、姿をくらませたのか。いまだ去らぬ危機。あんまり危機感のないスタッフたち。この温度差など、深刻さがなくって、実にいいと思います。

『21時のシンデレラガール』、面白かったです。ついに麗がファッションショーの舞台に立つことになった! っていうんですが、なんてこった、トラブルで衣装が届かない。不運といえば不運。そんな麗に、自分のぶんを1着まわしてあげて欲しいというアヤさんとか、いい先輩に恵まれたなあ。その好意は、残念ながら受けられなかったのですが、その時のいいわけ、アヤさんに響いたんでしょうね。もう終わるというところで届いた衣装。それを着て、アヤさんと一緒にステージに立つのね。ああ、よかったなあって思ったんですよ。いつもコメディタッチ。けれど麗が頑張ってるのは確かなんですよね。頑張ってる人が報われる、そんな話はよいなあ、なんて思ったんですね。

  • 『まんがタイムスペシャル』第21巻第7号(2012年7月号)

2012年5月30日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2012年7月号

『まんがタイムオリジナル』2012年7月号、先日の続きです。

『あねぐるみ』は猫の話。新商品のモニターとしてつれてきた猫っていうんですが、からんと対決して、勝てないのか。どんだけ野生なんだ、からん。面白かったのは、自販機の下にいるかもって、タケローがゴソゴソやってるの、誤解されるのね、あれほんとに面白かった。姉ちゃんのまわりにいる人たちもいいのが揃って、行動派のからん、技術系の錦。錦さん、ほんとによいなー。重役たちもナイスで、楽しいんだか面白いんだか、実にひきこまれます。

『小森さんは断れない』、連載になったんですね。小森さん、ちょっと可愛くなってる気がする。で、今回はめぐみがメインですね。あまりにいい加減に宿題やってくるもんだから再提出求められて、断る! かっこいい! 基本はっきりきっぱりしたお嬢さん。あの、小森さんの人気に嫉妬して独占宣言とか実にナイスです。しかし、自信にあふれてるように見えるこの人が、勉強できないことに溜息。ちょっと意外な感じ。で、その次の一本。まさ子、この人の独白。小森さん、まさ子、めぐみ、みながそれぞれに影響与えあってるの、いいなって思います。小森さんも、ほかの皆も、ちょっとずつ変わっていくのね。できるところから、少しずつ。いいですね。あの余韻がまたいいですね。

『かがやけ!工学女子』、よいですね。豊田ユウ。大学の友達と待ち合わせ。この子も、ちょっと考えすぎちゃうタイプなんだなあ。さてさて、高松さん。あの自転車をカワイイだろうと自慢するところ、表情なんかもね、すごくいいですよね。で、工学らしいところ。中野さんが、スポークについて指摘して、なるほど、一本ゆがんだだけで全体に影響があるのか。確かにいわれればそうだよなあ。いわれて気になったユウがスポークはずしてしまい、って、すごいな。どうやって外したんだ? しかし、その音を聞いてわらわら集まってくる男ども。自転車をしっかりメンテしてくれて、いいなあ、工学部。それ以降の流れも大変によかった。面白かったです。

『アサヒ! — 動物園に行こう』、最終回でした。動物たち、みなのエピソード、ひとつずつ順に紹介されて、ああ、さよならだね。ひとりひとりの最後のご挨拶、なんだと思って、ちょっと切ない? 面白い、くすりとさせられる、そんな漫画でした。ちょっとシニカルだったりもしてね、象のお母さんとか、フラミンゴ井戸端会議とか、そういう味も好きでした。最終回は、ちょっとした変化、ちょっとした進展みたいなのを見せたエピソードもありましたが、基本は変わらない彼ら、そうしたニュアンスがあって、ああ、あの動物園にいくと、いつでも彼らが迎えてくれて、そしてアサヒが元気に世話をみてるんだろうなあ。そんなこと思ったんですね。いい漫画でした。楽しい漫画でした。

  • 『まんがタイムオリジナル』第31巻第7号(2012年7月号)

2012年5月29日火曜日

『まんがタイムきららキャラット』2012年7月号

『まんがタイムきららキャラット』2012年7月号 、昨日の続きです。

『もこもこBOX』は扉の猫が超素敵! いや、ほんと、カッチ、美少女ですよね。ものすごく好みでありますよ。というわけで、本編でもカッチが大活躍。ラビが転んで、うっかりぶちまけられそうになったおまんじゅうを、一呼吸で全部受ける上にラビもしっかり抱き留めて、わお、超いかしてます。猫、かっこいい! それからの必殺技談義も面白く、はたしてあのルーの髪からいろいろ出てくるの、技といっていいのか? でも、便利ですよね。頭重くなりそうですけど。最後のキューちゃん、チャチャのやりとりもとてもよかった。幼なじみならではといいますか、ふれられたくない恥ずかしい思い出、それを知られてるっていうのがね。なんか、ふたりの関係を物語ってて、よかったですよ。

『ぷらいまりィずむ!』、やはりよいやも知れません。前回の続き、初登校の日の放課後、帰ろうとするところですね。みなで遅刻してしまった。そのことを負い目に思ってる班長、ニコが可愛いです。真面目な子、それでもっておだてに弱いみたいですね。双子、さゆらとめいふの仕込み、紙袋のお面? を被らされて、どころか皆で被ることになって、いやもう怪しさ満載です。しかし、こうしたやりとりの中、クラスでもいろいろやらかしてしまってるさゆらやめいふのこと、語られて、めいふはともかくさゆらは気にしとるんですね。面白いですよ。そしてついには、しずのちゃんの恋心。なるほど、ニコは王子様だったのか。妄想の中で、えらい変なことになってますけど、不安に思ってた時期に助けてもらったことがすべてのはじまり、だったんですね。正義感にあふれる少女ニコ。いますよね、こういう子。大変よいですよ。

『ごきチャ』、ブリッジ! すごいな!

『コズミックレンズ』、ゲストです。なんともいえない、不思議な雰囲気。引っ越してきた空、彼女が出会ったのは、大樹の上にのっかった円盤状のもの? そして、髪を触手状にして鞄を持ち歩いている女の子。この子、レンズというんですが、実に謎。その彼女が、UFOの下を歩いていたら落ちてきたというネコ、それを空に見せてくれるのですが、どう見てもネコではない。謎の生物。そもそも生物かどうかさえ不明で、鉛筆の削りカス与えたら白くなって、そいつをUFOに戻したら回復した。謎です。考えては駄目なような気がします。なんともいえない、そんな感じです。

『どくのぬまち』、ゲストです。お兄ちゃんが起き出してくると、朝御飯が飴ひとつ。用意したのは妹。兄の稼ぎがないために、ちゃんと食べられない、ご飯におかずが目玉焼きでごちそうという、そんな生活みたいです。兄の稼ぎがないというのは、どうも働いたら負けというタイプみたい。そんな中、末の妹りんごひとりがしっかりしていて、というか、まともで、無駄づかいせず、最低限の出費にとどめ、ちゃんとバイトし、臨時の収入もちゃんと貯金する。あまりに駄目な兄25歳、姉14歳、そんな最中ひとり苦労してる10歳。ちょっといたたまれないなあ。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第8巻第7号(2012年7月号)

2012年5月28日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2012年7月号

『まんがタイムきららキャラット』2012年7月号、発売されました。表紙は『キルミーベイベー』、そして『はるみねーしょん』、って、なにこれ、ものすごいな。ホワイトハウスと思しき建物上空に静止したエイリアンクラフトから、大量のはるみが降りてくる! やべえ! って、悪夢のような光景っていおうにも、なんかはるみの表情に毒気抜かれて、微笑ましい、ような気がします。ソーニャちゃんとやすなは画面のこちらがわで迎撃態勢をとっていて、けどやっぱりなんか微笑ましくって、やすな効果かしら。いや、ソーニャちゃんも負けてないと思います。

けいおん!』は、下級生組の話でしたね。どうしても叩けないフレーズがある菫。もうすぐ引退しちゃう先輩たちの最後の学祭でミスをしたら、そういって心配してるんですけど、そこで直にちゃんと聞いてと機嫌を損ねたあの場面。ああ……。その後直は、菫を伴い直の家へ。弟が四つ子、意外としっかりしてるお姉さん、というか、強権ふるうお姉さん! ああ、もっと好きになりました。しかし、普段、あまり感情を表に出さない直だけど、感情はそうした態度の向こうに充分に動いて、豊かだったんだって知れるエピソード。とてもよかったです。丈の話、淡々とした直の指摘。そして家族の話。静かに語りかける、その様子なども大変よかったです。落ちもよかった。真面目な菫、ちょっとおっちょこちょいな直、そしてスーパーな憂。皆の性格よく表れて、機能してた。次回、学祭本番ですね。ああ!

『ベイビードール』、ゲストです。幼稚園に通う妹由奈のことが、好きで好きでしかたないお姉さん真菜。このふたりがメインでしょうか。妹好きすぎるあまり暴走ぎみの行動してしまう真菜に、きちんとしなさいとしかって見せる。幼い妹の方がずっとしっかりしてるという漫画です。真菜の友人、結衣がいい感じ。というか、つっこみ役ですよね。不審者そのものの真菜。指摘する結衣。結衣の妹は由奈の友達で、奏。ひとりを除いて皆しっかり者という漫画。総つっこみがよい感じです。

『ぱわーおぶすまいる。』は、まゆを狙う男子が登場。景佑、環は大騒ぎ。かくいう宗馬も心穏かではおられず、それでまゆとその男子の後をつけるというんですね。追跡の途中、みくが素晴しく可愛いです。宗馬の手がみくの頭にぽんと置かれて、宗馬は全然そんな気はないんでしょうけど、みくはちょっと頬を赤くしていて、たまらぬ。景佑や環が無茶な妨害仕掛けてる間に興味失って、大判焼買ってもぐもぐ、いや、ほんと可愛いお嬢さんです。しかし、これでちょっと自分の気持ちを嫉妬でもって意識した宗馬。ああ、みくの気持ちはどこに向かえばいいんだ!? ひとつ恋が成就すれば、そこには切ない結果もある。そんなことになるんだろうなあ。

『セカイ魔王』。魔物、食えるんだ! 自分の運命を理解した魔物のあの表情!

『ネガ→ポジ』は席替えの風景。クラスの子でも、親しくないと話し掛けられない、そんな綾乃の人見知り。それが再度確認されたといいますか、より一層強化されたといいますか、最初は音々の前にだけはなりませんようになんていってたのに、いざ離れてしまうと、音々の前でよかったとか泣き言いう。遠くから綾乃を心配する知沙。サポートの数々、実にいい。愛されてますよね。最後の最後の三国先生の誤解。あれもまたよかったです。勘違いというか、的外れというか、なんですが、でも親身であろうとしている先生はいい先生かもなって思ったんですね。生徒からしたら、困った先生なんでしょうけどね。

『先輩には頭が上がらない!』、榊の新作です。って、これゲストなのか!? 意外! さて、新作は社会人ものなんですね。研修を終えたばかりの新人、そんな青年が主人公。デザイナー野乃さんが会社の柱。で、この人がなんか可愛くて、くっつきたがりのんですね。そして直接の先輩、迎さん。ちょっと厳しいけど、優しい、ショートカットの可愛いお姉さん。なんだかいろいろ親切にしてくれて、その様子報告したら、友人からリア充呼ばわりされる。けど、勘違いなんてするものか。自分が生きるのは二次元だ、そう思っていたところが、迎さんもこちらの側だった。なんという夢のような状況か! 先輩の秘密を握った、そう思った時任だけど、これは逆に秘密を握られた状態でもあって、この秘密の共有なんてのも、ちょっとしたスパイスになりそうですね。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第8巻第7号(2012年7月号)

2012年5月27日日曜日

Jet stream trail, taken with GR DIGITAL

Sky今日は、GR BLOGのトラックバック企画、締め切り日です。2012年5月のテーマは「」。2008年5月のテーマも空だったということで、つまり2度目なんですね。というわけで、最近の写真から空の写真を選んで、トラックバック企画「空」に参加します。

選んでみたのは、信号と空、飛行機雲の空、そして蔓ごしの空です。私は今もまだGR DIGITAL初代を使っているんですが、こうして空を中心にした写真を撮ると、どうも地面が傾いていたりして、やっぱり水準器がついてるのが欲しいなあって思うんですね。正直、そろそろGR DIGITAL IV、買い替えたい、そう思ってるんですが、でもまだしばらくはGR DIGITALを使いそうです。だって、まだ充分撮れますからね。

Jet stream trail

Tendril

2012年5月26日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2012年7月号

『まんがタイムオリジナル』2012年7月号、発売されました。表紙のテーマは水泳。オリンピックが近付いてるからですね。中央に山下ナース。この人は、いつも割と華やかな衣装着ることが多いですが、地味な競泳水着。目元も凛々しくて素敵です。他には『らいか・デイズ』らいか、『オトメシュラン』からエリが水着、ヨウさんはジャージです。そして『小森さんは断れない!』。おお、連載になったんですね。小森さんも水着です。

『満開!Sister』、武士の母さん、あのおっとりした人が、ばりばりのバブル経験者なのか。まさに満喫してました、そんな衣装が出てきて、うわあ、なんかすごい衝撃だ。そうだなあ。世代的にはそうなんだよなあ。いや、もう、驚きました。そしてこれが面白い、サツキさんですよ。武士の憧れの女性。質素で凛々しいお嬢さん、そう見えるんだけど、ずぼらで横着、細かにことにはこだわらない、どころか、すでに常人の域にいない人だ! いやあ、もう、好みかも知らん。こんな人いたら、もうたまらぬ。きっと好きになると思います。そしてラスト、あれ、最高でした。彼女と誤解されたらたまらない。そう思った武士の行動が、また別の誤解を誘うっていうんですね。もう、最高でした。嬉しそうなカンナ、それがまた最高でした。

『よゆう酌々』、戸田くんが兄の出張で動揺ですよ。キレイなお姉さんが隣の部屋に一人でいる。それで悶々としてしまうのか。野獣なんだね! 戸田くん! でも、女将相手じゃそうならないよね、戸田くん……。今回は前回登場の税理士先生、中川茉莉が再登場。いやあ、やっぱりこの人いいですよ。凜とした人。そう見せて、いやいや全然違うし。道に迷う、その方向音痴っぷりが只事ではなくて、歩き倒すが基本らしい。目印にするものがまずいんだろうな。で、携帯電話の地図アプリ手にしてぐるぐる回す。もう、ほんと、素晴しいです。最後に皆で試食会するんですが、そこでの中川さんの反省、あれがなんだかちょっとしみまして、とてもよかった。あの三人三様の一日の感想、それを胸に乾杯しようという、その情景もまたいいですね。

『トイレノウスさま!』、面白かったです。人気講師甚目ウスの正体は人の姿を借りたトイレの神様、烏枢沙摩明王。仏像マニア、亜紀の部屋にあがりこんでいて、しかしその亜紀のコレクション、烏枢沙摩明王の目から見てもなお色気無し、マニアックなのか。ウスさまには仏像本も破廉恥に見えるらしい。って、最初、インドの仏像とか? って思ったんだけど、そういうことじゃないみたいですね。あの仏像フィギュアのくだり、あれが面白かったです。自分以外の仏像は許せないんだ。で、自分の像だといわれれば、あの不思議オブジェでも、なんとか許容しようと努力するんだ。実に面白かったです。

『うわさのユーレイちゃん』は、誰にも気付いてもらえない、それで寂しさを感じたりするユーレイちゃんが、ひとり気付いてくれる先生になぐさめてもらう、気持ちをいたわってもらう、そんな漫画だと思っていたら、いやあ、今回は違いましたね。むしろ逆。ああ、先生も寂しいのか。ひとり暮らし。うちに帰ってもひとりご飯。味気ない、わびしい、そうした気持ちが拭えない。ひとりの帰り道、自室の布団に感じる気持ち。よく表現されていたと思います。だからこそ、ユーレイちゃんの気遣い、これがいいなって思えたんだろうなあ。いいエピソードでした。

  • 『まんがタイムオリジナル』第31巻第7号(2012年7月号)

2012年5月25日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2012年7月号

『まんがタイムきららフォワード』2012年7月号、昨日の続きです。

『ハナヤマタ』は、2話掲載で、豪勢ですね。前々からの懸念だったたみお姉ちゃんの葛藤と、その解消が描かれて、そしてよさこい部成立に至ります。ようやく始動、待ちに待ったといいますか、この確実に進んでいっているという感覚はやっぱりわくわくさせられます。部員はハナ、なる、たみに加え、人数合わせのヤヤ。顧問はサリー。よさこいのあるお祭りに皆で見物にいくっていうのですが、開始時間までのできごと。たみとヤヤ、ハナとなる、それぞれの会話に感じられる彼女らの気持ち。ああ、ひとりでいるよりみんなと、一緒にあって、そして楽しみを分かち合いたい、そうした気持ちがなるにもたみにもあって、それはおそらくは共有されていくことになるのだろうなあ。よさこいは次回、ええ、とても楽しみです。

『meth・e・meth』は、秋葉原ですよ。この世界では、秋葉原が誓文人形、すなわちゴーレムのメッカとなっているらしい。多くの情報、多くのパーツが手に入る。ここに柚木がきた理由は、一度命を失う原因となった不明の誓文、その情報を求めてというのですが、バイト中の先輩に案内されてミノスクロワなる専門店に移動。そこで知る宣誓術の歴史、そして不明の誓文のこと。しかし、ここがまさに敵のテリトリーだったというのですね。消息を消す柚木とフラジャイロ。次々と動きがあって、ほんと、見せられます。先を知りたいという気持ちをあおりますね。

少女素数』は、あんずさんのダンスからスタートです。この子も、いよいよ自分のしたいこと、自分の将来というものを考えて、なにをすればいいのか、あるいはなにをしようという段階でしょうか、模索しながらでも、動き出してるんですね。ダンススクールで体験レッスンを受けてみた。決して安くないレッスン料に驚きながらも、思うところあるみたいです。対して、すみれの側でおこっていたこと。車にはねられた犬、大型犬。骨折した前肢、ぱっクンと応急処置をして、そして動物病院へ。そこで獣医から聞かされる治療費の問題。すみれはわかっていて、およそ30万円、それを払うという。たいした覚悟。追い詰められるように、自分がやらないと、そう思い込んで背負ってしまったのか、それとも — 。違うんでしょうね。ここで治療をするということは、自分がこの犬の責任、その一端を負うことになる、そのことをしっかり理解しているのでしょう。責任の自覚とそれを放棄したりしないという決意、それが彼女のあの行動の根底にあったのでしょうね。すみれの覚悟は、彼女の獣医になりたいという気持ちが支えたんだろうなあ。ところで、最後、早とちりしたあんずが自宅に駆け込んで、これ、次回、ちょっとでも言及されそうですよね。シリアスの後だから余計そう思うのかも知れないけど、楽しみですよ。

『ハッピーフラスコ』、ゲストで四コマです。バイオ系研究所にて働く女性たち。主人公は新入社員の高清水さゆり、この人でいいのかな? おっちょこちょい、そんな印象のある彼女。まだ仕事に慣れてない、だから失敗ばかりかと思ったら、いや、そんなことないのか。ちゃんと指示された実験、手順どおりに実施して結果を報告する、うん、ちゃんとしてるんですね。いい感じです。先輩は、合理的なのかローコストなのか、ちょっとよくわからない伊南村さん、優秀な人だそうで、ちょっと無表情? 大変好みです。親切で面倒見がいいかわりに、いろいろ問題がある、性的な方面でゆかりを狙ってるお姉さん、南郷さんとか、いやほんといいですよ。女顔の常識人、花泉さんとか、眼鏡でドジっこ年齢不詳の部長。キャラクターみな個性的で、そのやりとりもろもろ、大変面白かったです。人物紹介しながら、最後に乳酸菌の確認、あれが集大成といいましょうか、うまいこと今回のエピソードをまとめていました。ほんと、この漫画、よくできてて面白い。連載にこぎつけて欲しい、そう思います。

2012年5月24日木曜日

『まんがタイムきららフォワード』2012年7月号

 『まんがタイムきららフォワード』2012年7月号、発売されました。表紙は『がっこうぐらし!』、新連載作ですね。廃墟のように壊れた学校、教室の中、女の子が三人いるという表紙。帽子のはしがぴんと立ってネコミミみたいになってる青いセーラー服の女の子。あとふたりは、緑色のセーラー服。ツインテールの女の子と、そしてロングヘア、脇に軽くまとめてますね、ちょっとおとなびた女の子です。晴れた空、その明るさが廃墟にさして、不思議とおだやかなイラストになっています。

ということで、『がっこうぐらし!』、新連載です。授業中に居眠りしていたヒロインゆき、丈槍ゆき。ネコミミっぽい帽子の女の子ですね。学校をエンジョイしている彼女。なにもかもが嬉しくて、楽しくて、そして部活、学園生活部にいけば友達もいて、なお楽しいというんですね。部員はシャベルを愛するツインテール、くるみ。部長はちょっとお姉さん? りーさん。この三人に佐倉先生、めぐねえって呼ばれてますね、が加わってメインは全員なんでしょうか。いやあ、やられましたよ。これ、普通の学園ものかと思わせて、全然違ったっていうんですね。教室、クラスメイトとおしゃべりしながら自分の席に向かうゆき、しかしページをめくれば、これはいったいどういうことなのか。ぼろぼろになった教室。そこには誰もおらず、しかしゆきはあたかもそこに誰かがいるかのように話し続けている。およそ普通ではない光景。校庭には大量の瓦礫と、あちこちに死体と思しい人影がいくつもあって、これは爆撃? それも核かなにか? どういう状況なのか、すべてはゆきの見ている幻なのか。衝撃を与えて閉じられた第1話。これは気にしないという方が難しい、そんな出だしでした。

夢喰いメリー』、倒れたメリーのその理由。ああ、器なしで現にいられるメリー、彼女の「庭」について。なるほど、彼女の「庭」である「界境の門」、それを破壊することがエルクレスの目的だったっていうのか。夢魔と庭はどちらかが欠けても存在できなくなる。ということは、門が完全に破壊されたら — 。勇魚が心配するメリーのこと。エルクレスの目的が達成されるということは、ただ夢魔が現に器なしで顕現できるようになるというだけでなく、メリーの存在自体が危ぶまれる、ということなのかあ。ここにきて、いよいよさらに増す危機感。この次へ次へと追い詰められている感覚を高めていく見せ方、畳み掛けてきて、ほんと、ひりひりさせられますね。だからなのかな、メリーの夢路に向けた言葉、アタシがアンタともう一回遊びたかったんだよ、これは響きました。メリーの本当の気持ちがここにあるのか。夢路を大切に思っている、あるいは、すでに別れを意識している、いろいろ感じられて、ああ、このしあわせだった彼らの時間、それがこの一コマに畳み込まれているようだ。楽しかった、面白かった、そう思ってきた、これまでの感情がすべて愛おしさに変わる、そんな瞬間だったと思います。

『はじおつ。』。家に帰りついた向日葵が、自分の手を見て頬を赤らめる。甲斐くんと手が触れたから、それを思い出して? と思ったら、手を砕こうとしたからっていうのんか! いやいや、そりゃないでしょうよ。と、こんな変なこと考えてるお嬢さん。これだけの恐怖ないしは不安があったからこそ、あのラストのコマ、あの向日葵のモノローグ、あんなにも効いたんでしょう。いや、ほんと、よかったです。嫌われたんじゃないかと心配する甲斐くんに、手をつなぐことが嫌かどうか、自分の気持ちを確かる向日葵。ふたりの、不安や怖れがありながらも、手をつないで、自分の気持ちを知って、あの互いに慈しみあうような時間に繋がっていく、これは読ませました。実に丁寧で濃密、大変よかったです。

はぢがーる』は、新しい課題が提示されて、それは男の子にキスをするというもの。えええーっ、これは驚いた。だって、これが最後の課題だと思っていたんだもの。いや、そう思うだろうと見越してここでこれか。ということは、最後はその先にすすm、じゃないな。ここでキスなら、最後は告白だろう。あるいはそれに近いなにか。紗江の気持ち、それを明確にさせる、そうしたものになるんじゃないかなあ。なんて予想は野暮ですね、本編ですよ、本編。やっぱりこの人、面白いです。なんかどっかずれていて、課題クリアのための脳内シミュレーションの果てに気付く、本田くんには彼女は、すなわち恋人はあるのだろうか。真木が紗江に彼女さんですかと聞いた、その理由を、本田くんに彼女がいると知っていた、それが誰かは知らなかった、なので紗江のことを彼女かどうか確認した? って確かに説得力ある推論だけど、違うよ? 違うと思うよ? そして、もし本田くんに彼女がいたなら、これまでやってきたことはすべて彼女さんへの背徳行為になってしまう、って、それ女子高生の語彙じゃないよ! 変な汗って、土下座って、いや、もう、めちゃくちゃ面白かったです。で、今回のラスト、あの展開。いや、もう、素晴しかった。面白かった。けど、ただ面白おかしいだけじゃない。紗江の、自分でも気付いてない気持ち、それが見事にあふれて、いやもう実によかったです。

引用

2012年5月23日水曜日

『まんがタイムきららミラク』2012年7月号

『まんがタイムきららミラク』2012年7月号、先日の続きです。

『メラン・コリー』は、ほんと、予測とかなんとか、まったくできない、してもなんの意味もない、そんな漫画でありますなあ。前回から2ヶ月がたちました。かくして復活。はいいんだけど、いきなり路上か。しかも、全然知らん人に因縁つけるんか。で、これ見て、もしかして寄生先が変わるのか? 新シリーズ? そう思ったら、ああ、ちゃんと亜民とか出てくるんですね。新しく出てきた人、壁上先輩。2年生。気が弱くて、そしていろいろめんどくさそうなお嬢さんです。勝手にメラン・コリーの境遇想像して、勝手に哀れんで、せんでいい勝負をして、という、変な展開。ほとんどメラは進行に関わってないんだけど、最後に最後に、またもやスイカ割れという状況に。ほんと、どういう風に進むか、考えるだけ無駄、感じるままに読むのが正解といった風情でありますよ。

『Lisa Step!』は女子について。リサの素朴な疑問、女子って何歳までなのかという問に、見事に動揺してみせる葵、今でも女子と思っているといいはる美兎。いや、別に女子だよ、充分だよ。漫画みたいな女子っていったら千鶴だみたいにいわれてますけど、いや、むしろそうしたこと気にしちゃってる君らの方がずっと女子だよ。なんて思ったりしたのでした。後半には実家暮らしと一人暮らし、どっちがいいかみたいな話になって、冒頭の女子云々というのから離れちゃったのかな? そう思ってたら、なるほど、女子会会場をどこにするという話に繋がるのか。皆の普段の生活が垣間見える、そんなエピソード。ちょっとした雑談から親しくなっていくみたいな感覚があって、悪くなかったです。

『福33三色パンチ』は、皆のバイトの風景。面白かったです。茜のバイト先、常連さんかな? 茜のこと気になるみたいで、けど茜のいう子供ふたりという発言にショック受けてっていうの、これはただの誤解なのか、それとも恋愛的展開をつぶすために仕掛けた茜の先制攻撃なのか。どうなんでしょうね。さて、コウのバイト先は書店。やることいっぱいで、対応しきれず、いっぱいいっぱいのコウがいいですね。実際、最初のうちなんてやる気はあるんだけど、どうやったらいいか加減もわからず、経験も足りずで、こうなってしまうのもわかるなあ、なんて思いましたよ。ゆかりのバイト先は中華料理店で、制服がチャイナさん。いいですね。っていうか、身に合わないんだ。いいですね。コウと茜の突然の来店にいらいらしたり、待ってくれてたことが嬉しかったり、この人は可愛い人だと思います。そして最後、茜の子供の誤解もとけて、なるほど常連さん、元気になった。この方面での展開あるのかなあ。ないような気がするなあ。なかってもいいかなあ、みたいな感じです。

『プリ魔ドンナ! — 現在魔王侵攻中』、ゲストです。最初、ちょっとどういう状況なのかつかめなかったんですが、なるほど小さくて可愛い魔王さまが主役なのか。やってくる勇者を脇役手下が始末してしまう。メイドパルフィがやたら強かったりして、魔王自体はあんまり強くない? ええと、魔王サリエル。彼女につきまとうのが、異世界からきたというオタク少女さとみ。最初は、セクハラまがいのチャージをかけるさとみにパルフィがおしおき、そのパターンでいくのかと思ったら、なんかアイドル展開とかがやってくるの? 最初は、ちょっとごちゃごちゃした誌面に、読み辛さ、わかりにくさを感じたものでしたが、読み終えてみれば、このごちゃごちゃ感ならではの味があるのかもな、なんて風に思えて、ええ、とりあえずさとみのこと、気にいったかも知れません。

  • 『まんがタイムきららミラク』第1巻第5号(2012年7月号)

2012年5月22日火曜日

『まんがタイムスペシャル』2012年7月号

『まんがタイムスペシャル』2012年7月号、発売されました。表紙は『恋愛ラボ』、マキとリコですね。傘の下、サヨ、エノ、スズのてるてる坊主を持ってるんですね。笑顔にマキとリコの性格の違い表れて、しかしふたりともに美少女でありますよ。この他には『どろんきゅー』のカット、こちらもてるてる坊主ですね、ひとつえらい怖いですけど。そして『たまのこしかけ』のカットもございます。

今回はまずはゲストから。前回、『ビンボラさん』に辿りつけなかった反省から、ちょっと変則で。

『山のゆうびん少女』は、山奥の小さな郵便局を舞台にしたお仕事漫画。とはいえ、リアルな郵便事情を描きました、みたいな漫画ではありません。可愛い女の子、どうもドジらしく、冒頭からこけてくるというんですね。ちて、でいいのかな? 他に小雪という人もいて、この人は山羊を2頭身につけてる。で、この人もこけてくるんですね。この他には、クール? ちょっといじわる? どことなく不真面目っぽさも感じさせる男性、東川さんがいて、そして局長です。局長、郵便ポストの面をかぶった大男。可愛い絵柄、可愛いやりとり。山羊に切手を食べられて、弁償したりとかね。こういう比較のしかたはよくないかも知れないけど、続いていけば、『野菜畑でつかまえて』みたいな味わいが得られそう。そんな感触。悪くないのかもなあ、そんな感想です。

『アイして♥やえば』、キュートになって再登場。って、確かにちょっと変わった気がする。歯並びに対し過剰な愛を注いでしまう歯科助手の歯並愛は、削っても削っても生えてくる八重歯が悩みだった青年、八重直人のことが好き。って、いや、彼の歯並びが好きなのか。で、そんな愛にライバル登場? 新人歯科医口街鳥子。出会って握手した瞬間にライバル、というか、合わないと互いに理解するとか。で、実際どうもそうっぽい。歯並びに愛をそそぐ愛に対し、鳥子は口蓋垂に夢中だ! って、口街ってこうがいって読むのか! とりこなのか! 変な漫画。ほんと、なんともいえん変なヒロインたちですが、けど、なんだか面白そう。これからより面白くなっていきそう、そんな風に感じます。

『ビンボラさん』は、自分自身も貧乏なのにボランティアに精を出す福田さん、彼女の隣人の大学生、樹を主人公とした漫画です。ものすごく節約、近所の野草を食べたりして命を繋いでる? っていうか、繋げてないよね。危なかったよね。お人好しというか、ものごとの優先順が変わってて、バイトにいくより人助けが上位にきていて、出勤の途中、善行をつんでつんで、結果仕事を忘れてしまう。で、バイト、クビ。まあ、クビだよなあ。自分の食事もままならないのに、人助け。それで人の世話になるってのはなあ、みたいに思いはするけど、この極度のお人好し、樹くんがなんとか助けてあげたりする? どういう展開していくのかに興味があります。

『妄想リリィ・ガーデン』。ヒロインは女子校で教鞭をとる大河内泰子。学生の頃から少女同士の恋愛小説を好んで読んできた、そんな彼女が、そんな関係を夢見て女子校教師になった、というんですが、ああ、残念でしたね、普通にみんな彼氏彼氏いっていて、期待していたような景色はどこにもないっぽい。だから妄想で補完だ! とかいうんですが、ほんと、とでもない人だよなあ。もう大好き。在学中の従妹、舞からきびしいつっこみがはいったり、それもまた素敵。舞ちゃん、ハンサムな女の子。だからきっとそんなこともあるはずだって監視して、なんと、きっと空振りと思ったら、あったよ、そんな展開きたよ。でも、お断り。泰子先生の奇行、強烈なリアクション、それいったい人としていかがなものか、なんて思うけど、インパクトの強さにやられて笑ってしまう。これはよいかもなあ。結局空振りするっていう、それがなおよいのかも知れません。

  • 『まんがタイムスペシャル』第21巻第7号(2012年7月号)

2012年5月21日月曜日

『まんがタイムきららMAX』2012年7月号

『まんがタイムきららMAX』2012年7月号、昨日の続きです。

『Free!』は、眼鏡の話題ですよ。いらんことする人、アトリのせいでコンタクトレンズを落してしまったミサキ。しかもトモエに踏んづけられてしまうっていうのね。いや、でも、これ、トモエは悪くないよ。それをちゃんと理解してるから、なにもいわずにおこうと思ったミサキなのに、アトリが話してしまう。あの、心底申し訳なく思ってるトモエの表情、あれはいいなあ。許したくなる、許さないではすまない、そんな表情でありますよ。で、ここでキスカちゃん。大量の眼鏡。なんでや!? 目が悪くないのに叔父様が送ってくれる。年々度が強くなっていく。いやいや、これ、いい叔父さんじゃないよ。眼鏡装着キスカちゃんは確かに素晴しいと思うけれど、悪くない目を悪くするなんて、絶対に許さない! ですよ。なぜ使わない眼鏡を持ち運んでるのかはいいといて、これだけ度にバリエーションがあれば、突然必要になったミサキにも充分対応可能ですよね。で、トモエも眼鏡。うん、よく似合ってますね。メガネホワイトより、ノーマルトモエの方が素敵だと思います。ところで、眼鏡のフレームにダイヤ。なんということもなくダイヤ。この無駄にゴージャス、その豪華さも当たり前というの、いかしますね。こういうネタは大好きですよ。

『R18』はゲームイラスト、より具体的にいうならイベント絵かな? そこに描かれる背景や小物等、人物以外の要素についての話題でした。窓の外の景色を描くべきか、それとも白く飛ばしてしまうか、そこからいろいろ話題を広げていくのですが、なるほど、これは納得しました。原画というの、人物だけを描いて、背景や小物は後工程の担当者が描く、みたいなこともあるのか。なるほど、それでまれに見られる不思議絵、ああしたものが成立してしまうのか。なるほど、すごくよくわかりました。原画に狂いがある時があれば、CGの工程で問題が発生することもあって、なるほど、難しいものなんだなあ。と、技術というか工程の説明があれば、労働のこと、残業をするかどうか、そうした話題もあって、この漫画はやっぱりお仕事漫画であるのだあと実感させられました。ところで、ぼかしてる塗りの話、私はあまりぼかされてない方が好みかな、かっちりかっきりしてる方を好ましく感じることが多い? みたいな印象です。色数が限られてた時代を経験してるのが理由なのかなあ。どうでもいい話題でした。

『▲コンプレックス』、円と鋼音のうちに凛子とひのりがやってくる。扉の背景で日本舞踊舞ってる鋼音がよいですよね。着物が不断着。なので制服に慣れるのが大変だった。そういうお嬢様エピソードから、円との出会い、ちゃんと鋼音のお母さんもこの同居、ご存じなんですね。行き場がない、お金も常識もない、そんな鋼音を受け入れた円。放っておけない、その一心だったんですね。出会った時から好印象だったわけじゃない。そんな状況からスタートして、だんだんに仲を深めていったんだ。そうしたことのわかるエピソード、大変よかったです。

『おにさん、こちら』は、建物のスキマにまつわる不思議なお話。いきなりスキマにはまりこんでるアカネというのも、なにかシュールな絵ではありますが、どうにも出られない。けど奥には進める。それで奥に進んでみれば、ああ、これは面白いですね。人間の世界から異界に迷い込んでいく、そうした感触がひしひし感じられるエピソード。スキマの向こうはなにがあるのだろう。不思議と気になって、その必要もないのに通ってしまう。こうした感覚、振り返ってみれば確かにあった、そんな気がして、だからこのアカネの経験、わくわくさせられるのだと思います。クダショウ、ネズミの妖怪と出会う。結界を通ったために、アカネも小さくなった。もうここを引き払うというクダショウたち。ほんのちょっとした出会い、すれ違っただけといっていいくらいかも知れない、そんな小さな交流でしたけど、なにか心に跡を残す、そんな感触、余韻があって、とてもよかったです。一期一会、そうした言葉が浮かびます。

  • 『まんがタイムきららMAX』第9巻第7号(2012年7月号)

2012年5月20日日曜日

『まんがタイムきららMAX』2012年7月号

『まんがタイムきららMAX』2012年7月号、昨日の続きです。

『彼氏ってどこに行ったら買えますの!?』、よいなあ。彼氏持ちのみすずの言動に亜梨香がやたら反応して、わあわあ騒ぐ漫画です。今回は、彼氏からいい匂いがするから、同じ石鹸を買いたいなんていって、やっぱり亜梨香大騒ぎ。もう、大好き。しかし、わあわあ騒いで、時には悪態つく亜梨香が、ちゃんとみすずの石鹸探しに付き合ってくれるっていうんだから、いい子ですよ。護の泡風呂に憧れる話とか、子供は確かにたいていこれをやりたがりますよね。で、できないんですよね。ほんと、亜梨香の家の、泡風呂にジャグジーに、なんでも揃ってるみたいなのね、羨ましいとか思ってしまいますよ。さて、その亜梨香、やっぱり騒いで悪態ついて、そして最後にバスルームでお倒れに! って、ほんと面白かったです。

『三種のジンギ!』、新キャラ登場ですよ。楓美を先輩といって慕うお嬢さん、天神真珠。って、その前に扉、扉。これ、楓美さん、べらぼうに可愛いなあ。ほんと、たまらんものがありますよ。さて、真珠の楓美へのアタック。楓美と仲のいいいろはに対する攻撃、そのギスギスする様も含めて、いやあ、よく動いておりますよ。いろはと真珠の、楓美の取り合い。あの手この手で懐に入り込もうとする、その双方が本気というか必死というか、これ、いじらしいとかいっちゃっていいんですかね? なんか、そう表現するの抵抗あるんですけど。けど、このふたり、なんのかんのいって同じ趣味だもんだから、それで意気投合とか、いきついた先が大岡裁きの逆バージョンとか、これは実にいいです。ほんと、真珠、生徒会書記の二年生なんだそうですが、って、そっちが先輩とか! 今後も出てきそうで、実にいいですね。大いに期待されます。

『ごーすとっぷ!』、いいですね。前回その存在が匂わされていた、西新とまりの妹、早良が登場して、この人は姉と違って霊能力に優れてるのか。で、式神を使うんですが、これが虎柄衣装の女の子。別に戦う必要、なかったっぽいんですが、いろいろコミュニケーションに不備が生じて、ゆきと式神、ふややが対決するってんですね。いや、なかなかシリアスとはいいがたい、これらやりとり、大好きです。ゆき、残念で実にいいですよね。あのタイミングでの乳力倍増魔法バイボインは、ほんと笑わずにはおられませんでした。しかも何度見ても笑う。結局和解というか、最初から戦う必要なかったというか、平和が一番な感じですが、弘也、この人の残念なところも最後にばっちり披露されて、いや、大変によかったですよ。

ふわふわ科学』は乾燥剤の話ですよ。雨に濡れてしまったミソラ、服もそうなら、鞄の中身、さらには携帯電話まで濡れてしまって、それを乾かそうってんですね。チエ大活躍ですよ。袋にシリカゲルと一緒に入れてしばらく放置。なるほど、シリカゲルの成分や水ガラスなんかの説明があって、そうなんか、水ガラスってシリコンなのか。シリカゲルと生石灰、乾燥剤にもいろいろあって、それぞれ特性が違うなど。乾かして再利用できるシリカゲル、水に濡れると発熱する生石灰。生活に役立つ、そんな話、面白くて役に立って、これはほんとよかったです。知らないこといっぱいありました。それにしても、チエ、ほんとによいなあ。

『スイーツどんぶり』、いったいどういう方向に向かおうというのか。めちゃくちゃ面白かったです。罠みたいな中華レストラン。捕われて、強制労働課せられて、しかしホール係のジャッカル、めちゃくちゃ可愛いなあ。しかし、今回のぶっとんだ展開。これ、どうも続いたりするのかな? レストランの店主、こいつがLIFEなる組織の下っ端? ということは、次から次から敵が現れたりするのん? とか思ったら、普通に酒井、逮捕か。これ、しれっと普通に復帰してたりしてもおかしいなあって思うんですが、ほんといずれにしても楽しませてくれそうです。ところで、捕われた料理人たちのノリノリ、それからジャッカル目玉焼きで嫌がらせ。最高でした。

放課後せんせーしょん!』、もりあがってきましたよ。身体測定の話です。女の子たち、皆それぞれに悩み事あり、と思いきや、葵ひとりが張り切って、君、なんか思うところないのかい! そういうところがこの人の魅力だと思います。スナオは背の高さを気にしていて、コモモは体重を、って、あんたあんだけ食べてその体型なんだから、充分じゃん! で、血圧が出ないゆかり、もう面目躍如ですね。私は上が100いきませんが、そんなどころじゃないのか。してやったりって感じなのが、おかしくって、でもなんか気持ちわかります。私も100超えたら負けた気になりますもの。視力検査でのキエの真ん中、実にいいですね。私、一昨日健康診断受けたとこなんですが、これ、いえばよかった。今回は、健康診断では皆それぞれにウィークポイントがあり、また体力測定ではそれぞれに秀でたところがあってと、このダウンとアップにそれぞれの見せ場、設定してるの、皆それぞれのよさ、可愛さ、見えてとてもよかった。で、葵のバン! ああ、ここにいたるまでもコマに収まらない魅力、溢れるようで、どきどきさせられたり、ふんわりと、しかししっかり引き込まれたりしたわけですけど、それらは比較的大人しめであった。全部、この葵の見せ場を最大限に盛り上げるためだったんですね。いや、ほんと、静的な絵が続いたところに、どんと動的な表現がやってくる、もう飛び込んでくるようですよね。5人の中でもとりわけアクティブな葵のらしさが、見事に発揮されていた、そう思います。で、最後の落ちにも葵さん活躍なさって、いや、私の職場に、どうしても注射が駄目っていって、採血うけない人もいますから、大丈夫よ、って、採血の結果が出ないのはちょっと不安にも思いますけど、まあ、葵さん、観念なさってください。いや、でもほんと、今回、普通の立ち絵、普通の笑顔でもぐいぐいきますね。なんなんでしょうね。禁断症状ですかね。

  • 『まんがタイムきららMAX』第9巻第7号(2012年7月号)

2012年5月19日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2012年7月号

『まんがタイムきららMAX』2012年7月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎですか?』。いや、もう、なにこれ、素晴しい。チノ、千夜、シャロの三人が、って、主人公がいないよ! しかし綺麗な表紙です。キャミソールでいいのでしょうか、髪や目の色に合わせた淡い青、黄色、緑の色合いとても美しく、三人の周りには色とりどりの熱帯魚や金魚が泳ぐ。髪や裾の感じを見るに水中ってわけじゃない、けれどなにか重力感じさせない、そんな浮遊感のあるイラスト。素敵です。

ご注文はうさぎですか?』、素晴しいですね。扉に電話で話す5人のイラスト。表情の違い、くつろいだ雰囲気、レトロの受話器も可愛くて、ほんと、素敵。というわけで、今回はコミュニケーション、おしゃべりがテーマなのか。導入がふるっていました。今日はいい天気、といいながらインドアを貫こうとするチノさんには、ああ、すごく共感ですよ。ボトルシップを作っている、もうすぐ完成する、っていうんですが、ココアに散歩にいこうと誘われて、外出することになるんですね。カラーをいかして綺麗な街並み描いて、ええ、この街の風景、ほんと魅力的。あの看板とか、すごいよね。ほんとう、見事な意匠だと思います。さてさて、皆の休日、リゼの可愛いものに対する嗜好、それを似合わないと思ってるんだろうなあ。バイトするシャロ、趣味と思われてるのね。千夜もカラーにちゃんと間に合って、レトロモダン様式、可愛いです。けど、今回のメインはチノとココアでありまして、人付き合いの苦手というチノ。対して誰ともすぐに親しくなれるココア。って、この青山ブルーマウンテンさん、最近映画になった小説って『うさぎになったバリスタ』? で、これって、なにかの伏線になってたりする? 考えすぎかも知れませんが、ちょっと興味出ますよね。チノは、人付き合いが苦手と、実際以上に思い過ぎてるんじゃないかなあ。そんな風にも感じられるんですが、その苦手意識が、リゼに似てるロゼさんのおかげで柔らいだのだとしたら、ほんと、よかったなあ。いやアレリゼじゃろ、には笑ってしまったんですけど! ちょっといつもよりおしゃべりしたい気分のチノ。ひとりでなにかする、そんな一日も楽しいけれど、誰かとおしゃべりして過ごす、そんな日も楽しいんだなっていう、そんなエピソード。小さな話、けど、チノにとっては小さくなんてなかったんだな。あの、誰かとお話ししたくてそわそわしてるのなんてね、なんて可愛いんだろう。ほんと、いいエピソード。導入から、うまく出来事の流れを作って、繋いで、過不足ないと感じさせる、ほんとうまい構成。カラーページも目に美しく、華やかで、素敵でした。

きんいろモザイク』、素晴しいですね。新しいクラスで、新しい担任の先生。A組しの、カレン、陽子のクラスですね、家庭科の久世橋先生って、あっ、ふと思ったんだけど、この漫画って、登場人物の名前、京都の地名に由来してるの? って、うわ、ほんと、そうっぽい。猪熊通とかあるんだ! 知らんかった! 閑話休題、久世橋先生、真面目でピシっとしてて、厳しい先生。カレンの服装、びしびし指導するんですね。カレンの言い訳とか、すごくおかしいんだけど、それがしの相手となれば、ただただ怖れさせてしまって、なるほど、これが久世橋先生の悩みなんだ。可愛いと思うあまりに見つめてしまうと怖がられる。それで悩んでる、なんとかしたいと思ってるところをカレンに見付けられて、そしてアリス、しのからは、その視線の向こうにある愛情、ちゃんと気付いてもらえていて、ああ、先生との和解も近い! そう思ったら、わあ、やっぱり根っから真面目で、厳しいのもそのとおりなんだ! いい落ちでした。面白かったです。

LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす』は文化祭での陸上部の出し物、それが陸上に関係ないといってがっかりする椿なんですけど、まあ、それは仕方ないよなあ。で、文化祭で陸上部、なにをするかといったらLSD喫茶、って、これ外聞悪いなあ! ここで関東大会に出る浅見さん北川さんと、椿たち文化祭組にわかれて、ちゃんと陸上のエピソードも織り込まれるのが素晴しい。しかし、あの浅見さんを辟易させる北川さん、すごくいいな。人恋しいだけっていうけど、ほんとなのか? それ以上のなにかも感じるんだけど……。今回は準備の風景、次回こそが文化祭本番ですね。高山さんの隠れた才能、これもどう生きてくるのか。すごく楽しみですよ。

『アナタ好みのヒロインがアナタを倒しに来た件について』、ゲストです。正義のヒロインもの、っていったらいいんでしょうか。あまりに正義のヒロイン、紅月リアが強すぎるから悪の組織からクレームがついて、だからヤラれるかわりにヒロインに自分の好みを押し付けることができるという取引がなされたっていうんですね。なんか不思議な前提だなあ。リアは魔法少女をやりたいみたいだけど、今回は幼稚園児プレイを要求されて、もうぶちのめしてやれよ、こんな連中、と思ったら、そうはいかないのか。そこでおこなわれてるのは、セクハラといっていいものじゃないかなあ。ヒロインがセクハラを受けるのが毎回、となるとちょっと辛いかもと思えます。自分から望んでやってる、じゃなくて、やらされてる感が強いのが楽しみにくさにつながってると感じました。

『ソラミちゃんの唄』、ゲストです。冒頭を見れば、おお、音楽ものか。趣味で曲作って、録音して、発表して、それを趣味にしてる人、と思ったら、加えてひきこもり一直線なのか。浪人生、なのに勉強もせず音楽ばっかり、って、もうそっち方面に進んじまえよ! と思ったりしたんですが、そういうつもりはないんですね。この人は勉強からの逃避で音楽をやってる、みたいなところもあるのかなあ。けど、あんだけ熱中できるのなら、音楽をメインに据えちゃったらいいのに、なんて思ったりしたんですね。この主人公、ソラミにはちょっと複雑な事情があるようで、お母さんと対面できない。仲が悪いわけじゃないけど、双方直面できない事情、わだかまりみたいなのがあるみたいですね。逃げてることはわかってる。けど、なかなか乗り越えられない。音楽はフレーバーなのかな? けどそれも軸にして、問題を受け止め越えていく、そんな話になっていくのかな? ちょっと続けて見てみたい、そう思わせる第1回でしたよ。

  • 『まんがタイムきららMAX』第9巻第7号(2012年7月号)

2012年5月18日金曜日

『まんがタイムファミリー』2012年7月号

『まんがタイムファミリー』2012年7月号、昨日の続きです。

『はなとふたば』は弟タキが発熱。なので代わりにユキがバイトいくことになって、その店に向かう途中、タキのこと、丈夫になったんだと述懐している、そのユキの心境、変わっていく、いつのまにか変わっていた姉弟関係を思う、この場面、よかったなあ。タキ、自分の開けた穴を姉に埋めてもらうことを躊躇する。いつまでも姉の影に隠れていたくない。そうした変化、姉の気付いていないところで、おこっていたんですね。よかれと思って見舞いに呼んだのどかちゃん。それを感謝しつつも、カッコ悪い姿を見られてしまった、落ち込んで、ああ、それでユキも落ち込んで。知らないうちに成長していた弟。自分の思っていた弟像とのギャップに戸惑って、この感覚、なにかすごくいいですね。恋の物語よりも、この姉弟の関係、そこに魅力が感じられます。

『ひよっこシスターの安息』、木のうろにはまりこんですねている鮎子さん。いや、もう、可愛いな。ぼとぼとぼとってさ、進路でもめてお父さんと喧嘩。出てってやるといったら帰ってくるなといわれてしまった。いや、もう大変だ。もしかして、一晩シラクマ教会のお世話になるのかな? そう思ったんだけど、違ったみたい。頼りないシスター雛形と話して、説得とか、そういう感じには全然ならないんですけど、シスター雛形ののんきさ、普段の風を崩さない、そうした態度に落ち着きを取り戻したのか。また、父親の方もラーメン屋頼りにして、和解ですね。シスター雛形にしてもラーメン屋の大将にしても、ちょっとした交流、手助けともいえないくらいの、ちょっとしたサポートだったんだど、こういうトラブル、悩みがあった時に側にいて、ちょっと助けてくれる、寄り添ってくれるっていうのがいいんだと思うんですね。

『地味なコ、派手なコ』、ゲストです。地味なお嬢さん、鈴木千草に地味になるにはどうしたらいいか、そういって教えを乞う西條花蓮はクラスの中でも一際目立つ派手な女の子。全然接点がない、そんなふたりがこうして接近するようになったのはなんでなのか。わからないうちは、なにかからかわれてる? 面白がられてる? そんな風にも思ったりするんだけど、それこそ千草の友達が心配したみたいにね、けどそうじゃないっていう、あの派手で明るくて、天真爛漫、なにも悩みなんてない、なにをしても楽しそう、っていう花蓮が見せた意外な表情。こういうのうまいですよ。基本は地味と派手のギャップ、花蓮の地味を志向しつつ、なんでかエキセントリックになってしまう、そんなおかしさを押し出して、けど要所にただ面白いだけじゃないって、彼女らの本心であったり友情であったりをもって押さえてくる。悪くないなあって思ったんですよ。私、これは好きになれそうに思う、というか、きっと好きになる、そんな予感がしています。

『レッスル・ミーツ・ガール』、前回に増して、なお面白さ感じさせて、見せ方の工夫ですよね。前回も、ネタがよく練られていて面白い、そう思っていたんですが、絵が繊細と感じられて、ちょっと遠くから見ているみたいな感じがあった。けど今回は画面がよく整理されて、ネタがより前に出てくる、より伝わってくる、そんな近しさがありました。また、当然、キャラクターの存在感も増して、いや、ほんと面白いです。前回では緻密だった背景が、見やすい誌面を作るために整理、簡略された。これはネタ、キャラクターを見せるという点ではいいのだけど、いい背景だなあ、そう思ってたりもしたからちょっと残念で、ほら引っ越しのバイ、いや、トレーニングの場面とかさ、でもこのへんはトレードオフ、どちらかを立てればどちらかが立たなくなる。今回の見せ方のほうが四コマ漫画としてはよいのだと思います。女子プロレス漫画、プロレスならではのネタをうまいこと使って、また登場するキャラクター、その個性を押し出してくる。ふたりの美枝、あれは面白かった。ウケ狙いとかあるんだ。あの、うらーっ、からワンモアー、あれはいいよ、ほんと、可愛いなあ。可愛いといえば、高邑小鳩、この子もいい。ヒールなのか! この見た目でヒールなのか! で、先輩もまとめて攻撃とか、いや、面白い。テンポがいい、ネタの組み立てがいい、これはとてもいい、面白いです。

  • 『まんがタイムファミリー』第30巻第7号(2012年7月号)

2012年5月17日木曜日

『まんがタイムファミリー』2012年7月号

『まんがタイムファミリー』2012年7月号、発売されました。表紙のテーマは、ええと、ガールスカウトなのかな? 『ぽちゃぽちゃ水泳部』カツ代が制服で敬礼して、いや、これ、可愛いじゃないですか。青一色で、決して派手ではないんですが、それでも魅力的、あの帽子とかいいですよね。で、『椿さん』もガールスカウトなんでしょうか。この人の場合、ガールスカウトというより、なんかの特殊部隊みたいに感じてしまいますよ。あと、『ちっこいんちょ』のゲスト告知カットもございます。

『博士の白衣女子攻略論』、めちゃくちゃ面白いなあ。柱のアオリにいわく、白銀くんはザンネン理系男子なのか。いや、でも、今回私服の白銀くん見て思ったんですけど、この人、こんなに可愛い人なんだ。丹沢さんに不審なナンパ野郎と勘違いされる。って、いきなりその話し掛け方はいかんだろう。で、赤星さんにも遭遇。付き合ってるとか思われたりしないかなって、もう、なんて可愛いんだ。赤星さんにすすめられるままに恋愛ゲームに手を出した彼、なるほど淡々と攻略派なのか。キャラには感情移入なしとか、うわあ、私とは見事に好対照だな。で、ハートのサインに翻弄される。この人、ちょっと俺様系の人かなって思ってたんだけど、全然違うんだ。もう、ほんと、白銀くんの意外な一面。これは実に素敵です。で、落ち、これは見事に攻略していただきたい。というか、ゲームのパッケージがすごいよ、とてもいいよ。システム至上主義、ゲームの構造や仕組みに面白みを見出す白銀くんなら、絶対楽しんでプレイできるんじゃないかと思うんですが、それでも人の気持ちとか女心とか、そういうの理解する方向には向かわないんだろうな。しかし今回は、白銀くんもそうですが、赤星さんの魅力も満載でした。この人は、白銀くんとか博士に対して優越的振舞いをしてるけど、自分が恋愛の現場に放り込まれると、ちょっとうろたえたりしそう、可愛いよねとかいわれると、とたんに強気を崩しそうで、そういうところが魅力だと思う。赤星さんよりも丹沢さん、彼女の方がずっとしたたか、そんな気がするんですね。

『ギュっとして!よねちゃん』、今回めちゃくちゃ面白いな。よねちゃんときみちゃん、一緒にお出かけ、って、どんだけよねちゃん、出歩いてないんだ。一緒に映画にいく。で、目当ての映画がふたりそれぞれ違って、きみちゃんじゃんけんに負けて、見たかった方じゃないの見るんですけど、見事に引き込まれていくのね、これ、実によかった。って、まぶた、腫れてるじゃないの! 今回はおにぎりのサンドイッチのと、あんまり出ないかなと思ったら、あの和洋全滅の展開、あのシビアな評価、これはめちゃくちゃ面白かった。カラオケも手芸店でのやりとりも、すごくいい。きみちゃんのよねちゃんのペースに乗せられてみようという思い、知らなかったものに出会う喜び、ほんとよかった。で、プリントシールのラスト、ほんと、素晴しかったです。

教師諸君!!』、素晴しいな。オリンピックイヤーということもあってか、話題は体育祭。健全な肉体の誤訳ネタ、これ、誤訳と指摘するものは多かったけど、絵手紙ないしはエステの広告みたいっていうアレンジ、うまいなあ。実際、絵手紙の文言、あの感覚、ああいうんだったのかもなあ。なんか、かっちりした古典として読んだりするから、もっとなにか高尚な感じにとらえがちなんであって、本当のところはこんなだったのかもなあ。チェスがスポーツというのは、これ、西洋のカテゴリーではそういうの、知られてないですよね。しかし、今回はやっぱり西名先生が教師としてしっかり役割を全うしている、それが本当に素晴しかったと思うんですよ。なんかちゃらんぽらんな人だけど、今回なんかは特に、運動できなかった思い出がために、普通だったら体育祭前に教師の口から出そうにもない言葉がぽんぽん飛び出してくるみたいな、そんなおかしさでいっぱいだったというのに、リレーのアンカー、その様子を見て飛び出していくなんて、ああ、かっこいい! あたたかい拍手とかさ、お笑いに着地させてますけど、すごく真摯な人だと思って、それで生徒とその保護者、ちゃんとそれを感謝してる、すごくよかった、最後に報われて、ちょっといい気持ちで、アップダウン、そのバランスがとてもよくとれた実によい回だったと思います。

『あとは若いふたりに』は、こうもシリアスなところに向かうとか、全然予想してなかっただけに、そうかあ、なんか驚いて、けど若ちゃんのこと、これまでのいろいろが理解できた、そんな風に感じられました。しかし若ちゃん思い切ったというか、頑張ったというか、ちょっと頑張りすぎてる、そんな風にも思ってしまうんだけど、好きだった少女漫画の世界、それは逃げだったっていうんですよね。強い自分になりたいから、甘くて優しい夢を手放そう。たいした決意だ、そう思う。ちょっともったいない、そんな風にも思っちゃうんですが、それは自分の持つ弱さ、思い切れない、逃げ場を常に確保したがる、そういう性質のためなんだろうなあ。思えば、若菜は、置かれた状況や理由こそは違うけれど、自分と同じような問題を抱えていた人なんだなあ。だからこそ、若菜の決断、まぶしく見えます。マキ先輩が彼女の助けになってくれるとよいなあ。そう願うばかりですよ。

  • 『まんがタイムファミリー』第30巻第7号(2012年7月号)

2012年5月16日水曜日

『まんがタイムきららミラク』2012年7月号

『まんがタイムきららミラク』2012年7月号、発売されました。表紙は『リリィ』。ヒロイン久美がドレスアップして、いや、ほんと、きれいな表紙にしあがっています。いつものちょっとあどけない久美とは違って、えらいことエレガント。手にはパフ。大人びて、まるでアイドルに変身したみたいです。

『スイートマジックシンドローム』は、いい感じにキャラクターが増えて、ほんと、にぎやかにぎやか。と、そこに一味違う眼鏡少女が加わって、なんと、この人もお菓子王国からきた人なんだ。しかも王族。妙にネガティブでさ、なにをするにも自信のない、そんな感じの女の子。キャラメルのこと大好きで、王子様、まさに崇拝といっていいくらい。けどさ、その子のこと、皆がちゃんと受け入れて、なるほど、これはよさそう。って、プリン、前から知り合いだったのかい。眼鏡をはずしたら美少女、って、いや、これは眼鏡をかけてても美少女ってことよね。キャラメルの浮気性に翻弄されるワッフル、いいキャラクターが増えましたね。ところで、ナチュラルに体操服を忘れてるプリン、あれ、面白かった。なんともいえず好きな感じです。

『くじらジュブナイル』、よいですね。枝里菜のこと崇拝してる玲奈、この子、めちゃくちゃいいキャラクター。あの、どかんと朗らか、ぱかーんと突き抜けるような笑顔に、豊かな表情、オーバーなアクション、実に魅力的です。で、枝里菜はこの子の前で、大人の女を演じないといけない。いや、演じなくてもいいんかも知れんけど、本当の自分を隠してて、けれど別世界からやってきたもうひとりの歩、彼は枝里菜の真実を知っているんですね。それで、さりげなく気を使ってくれる、助けてくれる。それが少しずつ枝里菜の気持ちをやわらげるっていう、それがいいなあって思ったんですね。そして歩。ああ、歩、こちらの枝里菜に恋をしてしまったっていうのか。なかなかに難しい、そんな人間模様が展開されそうですね。

『夜森の国のソラニ』に、なんだかメラン・コリーみたいのが!? 作者は南瓜割なのかい? さてさて、今回はなりすましの話。ニセの夜森が皆を仮装パーティにいざなうっていうんですが、なりすまし対象は夜森にとどまらず、王子、赤衣はじめ、モブの方々にいたるまで。あちこちで生じるトラブルに、皆の個性よく見えて、どたばたと面白いんですが、なりすましされる当人は面白くないようで、夜森もお怒り。カボチャのいたずらは今回かぎりになるのかな? 面白い回、けどそこに夜森の大切にしたいもの、それが描かれたこともあって、ただ楽しいだけじゃない。ええ、いいエピソードでした。

『幸腹グラフィティ』、今回はオムライスか! 前回に続いて畳み掛けてくるなあ! ああ、オムライスが食べたい! 前回は割ってトロッのタイプでしたが、今回はふっくらからデケデー、ポーン、しゃあああん、と、オムライスづくしです。あああ、オムライスを食べたい。今回出てきた王道、お好み焼き風、ドリア風、中華風、半熟オムライス、これならまず王道を食べてみたい。けれど、どうしてもドリア風、そして中華風、この魅力にはあらがえそうになくって、いいなあ、オムライス、食べたいよ。ほんと、きりんが羨ましい。リョウみたいな友達がいてさ。椎名もそうだな。食べるということ、それだけならひとりでだってかまわない。けど、誰かと一緒なら、きっと違う。その人が喜んでくれる、だったらなおさら違うでしょう。人を思い、作ったものを一緒に食べる。これは、そういう特別なことが自然に描かれて、そのかけがえのなさを皆がちゃんと意識している。そんなよさがあって魅力的です。

『わたしと姉は正反対』、ゲストです。なずなが迷い込む怪奇な世界。学校にて囁かれる魔法の噂。誰しもが持っているそれを奪いに魔女がやってくる。その魔女に遭遇してしまったというのですね。眠るように意識を失ってる友人りか。そばにはきれいな女の人、学校の先輩がいて、なずなも魔力を奪われてしまう。いや、すべては奪われなかった。底知れない魔力を持っている。それで、目をつけられてしまった。普通の暮らしを送りたい、ささやかななずなの願いは、魔女が姉として家の中に入り込んできたことから、完全に失われてしまって……。はたして、これはどうした展開を見せるのか。あんまり可哀そうなことにならなかったらいいな、みたいに思ってます。

  • 『まんがタイムきららミラク』第1巻第5号(2012年7月号)

2012年5月15日火曜日

UN-GO

 2011年は、これはいいな、そう感じられるアニメが多かったなあ。そんなこと思っている私が、結果的にこれが一番だったというものはなにかと申しますと、『UN-GO』であります。坂口安吾の書いた『明治開化 安吾捕物帖』を下敷にして作りあげられた、全11話のアニメシリーズ。映画も公開されました。見にいきましたね。探偵もの、とはいいますが、推理ものというよりもむしろ社会を描いた、そういった方がしっくりくる。まさに今の時代に生起し、私たちの今を掬い上げている、そうした実感に溢れる物語。素晴しかったですね。

下敷になった『明治開化 安吾捕物帖』はどういうものかといいますと、文明開化を迎えた明治の御代を舞台に、奇怪な事件を語ってみせる、謎解きものというよりも、むしろ動乱の時代、社会を描いたものといった方がらしいかも、そういう小説なんです。で、ここに書かれている事件というの、実際にあった事件のもじりだったりするらしく、さらにいうと安吾が生き、またこの本の書かれた第二次大戦後という時代、それを色濃く反映しているとかいうんですね。今という時代を語るのに、明治という過去を舞台に借用した。では、その物語を下敷にするアニメ『UN-GO』はといいますと、まさに今という時代を語るために、近未来、もしかしたら訪れるかも知れない未来を舞台に持ってきたのですね。

さて、その近未来とはいかなる時代なのかといいますと、またもや戦後です。監視社会。ネットは徹底的に検閲され、思想や信条を理由に逮捕もありえる、そんな時代。見事、ディストピアであるわけですが、しかしそのディストピアがある種現実味を持って迫ってくるものだから困ります。今、私たちの社会、日本という国にたちこめている閉塞感。鬱屈から生じるのだろう粗暴な論理や、徐々に強まる各種規制、それらが行き着く先がこうした社会なんじゃないだろうか。東京新宿には戦争の傷跡が色濃く残り、立ち入り禁止区域に住まいする行き場のない人たち。監視され情報が統制されているネットに自由はなく、人びとはネットを離れ、闇取引にて目当ての禁制品を入手しようとする。ああ、なんでこんな描写にリアリティを感じてしまうんだろう。登場する人物の言葉のはしばしに、今私たちの直面している、していた問題が、言説の断片が浮かんでは消える。都条例に代表される表現規制、反対する人たちの間に流布した言説の取り上げられて、またそこにある欺瞞性、それが炙り出された時には、やられた、そう思いましたよ。

しかし、たとえ『UN-GO』がどれだけよくできていたとしても、さすがにこの未来はこないだろう、そう思う気持ちもあったわけです。だからこそエンターテイメントなのかも知れない。危ういなあ、まさに私たちの今を描いてるなあ、ひりひりしながら見て、見終えた時に、くっそー面白いなあ、ディストピアに至っていない今に立ち返って溜息したわけですが、しかし、このアニメが放送されていた2011年当時より2012年の現在の方が、『UN-GO』的ディストピアに接近してるってどういうことだい?

いつまでたっても愚かなままの私たち人間は、かくもたやすく、かつて歩んで後に悔いることになった、ディストピア、暗黒社会に通ずる道を選んでしまうのか。昨今の状況見るに、そうした不安はつのるばかりで、ああ、今年も『UN-GO』は面白いぞ。何度見ても、どれほど見ても、面白さ尽きぬぞ。ええ、これはまさしく今の私たちのアニメーションで、そして将来にも通用するだろう、そうしたアニメーションと感じます。

Blu-ray

DVD

CD

  • 會川昇『UN‐GO — 因果論』矢優子イラスト (ハヤカワ文庫JA) 東京:早川書房,2012年。
  • pako『UN‐GO — 因果論』(カドカワコミックス・エース) 東京:角川書店,2012年。

2012年5月14日月曜日

ずっと Be with you

 うー! にゃー! 『這いよれ!ニャル子さん』、大人気ですが、ええ、私も大好きです。さて、『ニャル子』さん人気は本編の面白さ、もちろんそれが大前提となっているわけですが、うー! にゃー! 皆さんご存じオープニング曲のイントロ間奏に繰り返される特徴的な掛け声、これがえらいこと人心を掌握したようで、あっちでもこっちでも、そっちでもどっちでも、えらい勢いでうー! にゃー! 掛け声が反響しております。けどいや、実際、そこばっかり取り上げられる感のあるこの曲、『太陽曰く燃えよカオス』でありますが、聴いてみたら、全編かなりいい感じ。もちろんまだリリース前なのでフルで聴いたわけではないのですが、これ、よくできてるよなあ、感心する。といいながら、今日とりあげようというのは、オープニングではなくてエンディング。『ずっと Be with you』であります。

いやね、これがものすごいこと好きなんです。宇宙的規模のLoveでI want you、でしてよ!? いや、もう、ものすごく可愛い曲ですよね。歌詞可愛い、曲調可愛い、加えていえば、エンディング冒頭の涙滴型宇宙船、こいつにのっかってくるニャル子さん、そのイメージの可愛らしいこと! 素晴しいよ! ほんとに素晴しいよ!

別に毎季節、この曲この歌がマイベストだー! ってランキングしたりしてるわけじゃないんですが、現時点において、この曲がかなりの勢いで上位にきていまして、もう、ほんと、ひととおり番組本編を見て、エンディングにくれば不思議としあわせ気分になれるという寸法。いや、ほんと、よくできてます。オープニングでテンションあげて、本編駆け抜けて、ほっと落ち着く、そんな感じ。にぎやかにはじまって、おだやかに終わる、その感覚がもうすごくいいなって思ってて、自分の感覚にあるエンディングテーマの役割ってこんなだったなあ。ええ、曲として好き、その役割をもってまたも好き。なのであります。

さてさて、名状しがたい公式サイトのようなもの試聴ができるのですが、OP、EDそれぞれのカップリング曲も聴けまして、『黒鋼のストライバー』と『Attack with FULL FORCE』、この2曲ともにヒーローもの思わせる、かなりアップテンポなもので、おおう、『太陽曰く燃えよカオス』に『ストライバー』はよくても、『ずっと Be with you』に『FULL FORCE』は不向きだろう! そう思ってたら、ええ、試聴してる間に、いや、これ、両方ともいいじゃん。というか、ぜひとも全曲フルコーラスでまみれたい! そんな感じになってきまして、まいったな、買うなら『ずっと Be with you』だけのつもりだったんだ……。聴いてしまえば、容易に抗えない。ほんと、よくできた曲、魅力ある歌だと思います。

2012年5月13日日曜日

『まんがタイムジャンボ』2012年6月号

『まんがタイムジャンボ』2012年6月号、昨日の続きです。

中2限定!?ガールズトーク』は、前回のゆず留年の危機、ヒカル転任の可能性を受けて、ハルカが張り切ってる。図書室で大量に本を借りて、ゆずに詰め込みしはじめるんですね。ヒカルが転任するとなると、自分も転校しないといけなくなるんじゃないか。転任回避のためには、ゆずの成績あげればいいんじゃないか。ゆず、ことりのふたりと離れたくないばかりに必死になって、余裕もなくしてしまってるんですね。そんなハルカに語りかけることり、そしてハルカの気持ちを知って母優花と話をするゆず。この離れた場所での話がリンクする。ひとりで頑張るんじゃなくて、皆で一緒にできることを探そうと、抱えている重荷を受け入れてくれるという、その展開はすごく沁みました。手をさしのべてくれる、その表現がすごくよかったです。

『先生だって嘘をつく。』、こちらは不機嫌なメリーですよ。大神くんに対して腹をたてているらしい。その理由は、あんまりに大神くんが手を出してくれないから。って、それで一週間かあ。厳しいお仕置きだなあ。もっとちゃんと話し合おうぜ、とか思ってしまう自分は、きっとこうして怒られる側の人間なんだと思います。しかし、この状況から、以前の夢と魔法の王国での出来事、あれを繋げてきて、小春のいう大神先生の秘密。それで気がつくメリー。そこからの対話、そしてラスト、大変よかったですよ。しかし、大神先生、ずいぶん極端でいらっしゃるのね! デコにチュー、それだけでよかったんじゃん! なあ! それくらい最初からしとこうよ!

『ラン様の放課後遊戯』、ぐんぐん面白くなってきてますよ。有太がバナナを届けにきた、そう思ったら、りらだった。有太、ケガで早退。なのにラン様にバナナ届けないとだなんていうもんだから、りらが代理としてきたのですね。それでりらとランの対話ですよ。有太のこと好きだろうといわれて、幼なじみと強調する。んもー、素直になったらよろしいのに。それからの、私に興味あるの云々、りらを翻弄するかのような展開、そしてりらの見るところ、ランも有太のこと好きなんじゃないか? 実際のところ、りらは有太のこと好きだろう、けどラン様はわからない、そんな風に思うんですが、でも大事には思ってるよね。ということで左手の奇跡。ツンデレなんていうキャラ類型がありますが、これはちょっとずつ性質を違えた、その手のふたりのお話ですね。いや、ラン様はクーデレとかいうやつか? いずれにせよ、いい感じでありますよ。

『2倍まもります!』、チャレンジ!新人道場掲載作です。父が仕事で海外に出張。ひとり暮らしすることになった息子公平のために、双子の美少女ボディーガードがつくことになった、っていうんですね。ちょっと無表情の真守左佐、そして明るい右。基本のパターンを踏襲してる、そんな感じなんですが、評を見ると、やっぱり設定に無理があるのか。もう自分は、ああ、そういう前提でいくんだな、くらいに受け取るようになってしまってて、ええ、タイプの違う美少女ふたりと同居する、そんなシチュエーションに持ち込むもろもろ、わりと無理矢理でもよくなってるみたいです。ふたりの娘のうち、出番、見せ場が多かったのは左佐なんですが、実際この子は魅力的だと思います。安堵して微笑む。しっかりものと自称するのに、セーターやらスカートやら裏返し。なんかこういうの好きなんですが、これもやっぱりある種の型なんだろうなあ。自分はそういう型で楽しむ読み手になってるんだろうなあ。評を見て、そんなこと思わされましたよ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第18巻第6号(2012年6月号)

2012年5月12日土曜日

『まんがタイムジャンボ』2012年6月号

『まんがタイムジャンボ』2012年6月号、発売されました。表紙のテーマは、梅雨時ということで雨、雨具なんでしょうね。『じょしもん』美々が傘をさせば、『レーカン!』天海さんは黄色いレインコート。『花の任侠物語・しずか』はあじさいを手にして和装、和傘、『マネーちゃんず』は葉っぱの傘で『おねがい朝倉さん』はてるてる坊主を作っています。

『炊飯器少女コメコ』は、なんとマスター自由人か。ちょっとといってスリランカ。ワンコの世話と店をまかせて旅立って、それで紅茶のお店、タケルとコメコが仕切るんですが、そんな時に団体客、って、マスター、そんな予約入れなさんなよ! かくしてアユとよねちゃんが助っ人として動員されて、いや、もう、素晴しいな。よねちゃん、米炊きまくる。土鍋で炭で七輪で、がんがん炊いて、ちょっとした定食こしらえて、いや、これは面白いな。しかしマスター、紅茶屋がおにぎり屋になってるのに、そのビジュアルさえあればオッケーなのか? 柔軟な人でありますよ。

『福厄いっぺん!』、ゲストです。座敷わらしと疫病神が、強さ較べと称して、大学生凪平太郎のもとにいっぺんにやってきた。ふたり一緒にいると福と厄が相殺されて、幸も不幸もなくなるんですが、一方が出ていくと覿面に効果が発揮されるというんですね。疫病神が出ていくと、座敷の威力で札束、ドルが降ってくる。と思ったら疫病神の威力でもって、ドルが大暴落、って、ワールドワイドやな! 平太郎以外にも厄降り注ぎまくりやがな! けど、この漫画の主眼は、アクティブな美少女疫病神と、おとなしくてちょっとしたことにも喜ぶ、そんな座敷わらしとの、なんでもない、けどちょっと幸や不幸が降ってくる平凡な生活の浮き沈み、ささやかな幸不幸、そういうの面白そう。よさそうかもって思います。

『桜乃さん迷走中!』、この展開は面白いですよ。桜乃さんを先輩とあおぐバイト先の後輩水沢さん、アウトドアに誘うんだけど、必死で抵抗する桜乃さん。いや、もう、面白いな。大江さんも巻き込まれて、ほんと、師匠とか、桜乃さん、ろくでもないばっかりしてくれる。さて、水沢さん、女子高生なのか! あ、そうか、部活とかいってたっけ! この人の、先輩師匠に対する憧れの過剰さ。その素直さというか真っ直ぐさはほんとによくて、そして料理ができないことを気に病むところなどもとてもよくて、このへん、桜乃さんはちゃんとしてるんですよね。キャンプ料理のこと、それでちょっとアウトドアもよさそうと思う桜乃さん。筋金入りのインドア大江さん、それぞれの温度差と、ちょっとずつ接近したり影響したりするところ、それが実に好みです。

『かみおとめ』は、神社の本殿リニューアル、参拝客も増えて、っていうんですが、そうか、この神社の再興、いよいよこれからなんですね。で、本殿の改修費用、やっぱりちゃんと払うのか。月千円っていうんだけど、二世代住宅ローンクラスって、そんなにもか! いや、まあ、そりゃそうなんだろうな。めしあのこと、それから施工してくれた森村の家のこと心配する和夏、いいですよね。ちゃんと考えてる。ふるえがきてるめしあもグッドです。で、お守り作ったりして、ちょっとずつでも収入増やし、返済の目処たてようなど、自助を考えるところ、こういうのもすごくいいと思う。それで足りるかどうかはわからないけど、人まかせじゃないのはやっぱり好感持てるわけですよ。そして、めしあのいうお守りのご利益についてのこと。あれは、ぐっときました。心持ちの手助け、しみじみ感じいりました。いい漫画だなあ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第18巻第6号(2012年6月号)

2012年5月11日金曜日

『まんがタイムきらら』2012年6月号

『まんがタイムきらら』2012年6月号、昨日の続きです。

『JOB&JOY』、ゲストから連載に昇格ですね。女の子三人のバイトもの。とはいえ、なんだかあんまり真面目じゃない。舞花と優也が不真面目というか甘えん坊? 一緒にレジになれないからといって、いじける舞花、テーブルにつっぷしてお客さんに慰めてもらってるとか、これ、新手のサービス!? しかし、好き放題のふたりをクビになるからと叱る綾奈に、ふたり一緒になってないないとか答えてるけど、いや、あるだろう! ないと思う方が不思議だよ! 非常識といえばそのとおりで、人によっては受け付けない、そんな漫画だろうけど、ここはもうなにも考えず、アホだなあ、バカだなあ、綾奈大変だなあ、そう思って眺めて楽しむ、それが一番よさそうです。

少女公団アパートメント』は、団地主催のフリーマーケットですよ。みなで不用品持ち寄って販売する、っていうんですが、ちさのおばさん提供のコスプレ服、これ、結構需要あるんじゃないかなあ。こういう、あんまり売られてない、みたいな服、売られててもあえて買おうとは思わない服、これがフリマでお安くなってます、とかなると、あ、ちょっと面白いかも、買っちゃう? ってなりそうですよね。というわけで、なつみがメイド衣装着せられて客引きですよ。実にいい、ほんと可愛いなあ。いつもどおりといいましょうか、もういやだとびいびい泣いてしまったくせに、可愛い可愛いと誉められたら機嫌なおしたりしてね、ほんと、こういうところ心くすぐります。うん、そりゃお客も集まりますよね。フリマ、買い物、ちょっとピクニック気分。楽しいイベント、その楽しさ伝わって、すごく面白かった、とてもよかったです。

『だいすき♡』、前回しっかりすると決意した千夜の、自立のための第一歩ですよ。あの、前髪ぱっつんのお嬢さんが持ってきた雑誌を見てその気になって、お母さんの化粧品をいたずらしてみる。全然きれいにも可愛くもならなくって、なんてこと! いや、ほんと、この子は自然なままがいいよ。というか、そうやって見た目でなんとかしようっていうのが自立できてない証拠なんだよ、って、兄貴には無理そうだから志津さん、よろしくいってやってください。さてさて、前髪ぱっつんの女の子のアバンチュール発言、あの顔、ものすごく可愛いなあ。結構凛々しい女の子よね。ほんと、いい笑顔。で、千夜、結局バイトするっていうんですけど、どれもこれもうまいこといかないなあっていう、この子のいたらなさとか、危なっかしさ。ほんと、自立というにはまだはやい、そんなアンバランスがナイスでした。しかし、いい友達に恵まれててよかったね、その一言ですよ。

『うたがや』、ゲストです。合唱の名門校から転校してきた荻野美羽さん、彼女が入部した合唱部には幽霊がいたっていうんですね。いや違うのか。神様なんだ。お歌のうーちゃんらしい。歌うのは好きみたいだけど、歌じたいは下手みたい。可愛い絵柄で、楽しく合唱部。合唱に力をいれるというより、みんなで集まって、わきあいあいとしている、そんな感じ。これ、うーちゃんと美羽が一緒に歌って、だんだん楽しくなって、うーちゃんも歌がうまくなって、とかなのかなあ。今のところみんなで声を合わせて歌って、という感じじゃないんだけど、そういうのがしっかり出てきたりしたらいいなあ、なんて思いました。

My Private D☆Vは『ミラク』から群青ピズです。女性の腰回り、なのだそう。イラストも、ビキニの女性、そのお腹周辺を濃密に描写して、ええ、こういうの、魅力があるっていうの、私も確かにわかります。いえね、世界陸上とか見てる時にね、ああ、身体がしっかりできあがってる、あの鍛えられた身体の魅力っていうの、やっぱり感じますからね。無駄をしぼった、筋肉質の体。筋肉のつきかたも、ごつごつごてごてじゃなくて、すっきりとついてるんですよね。きっと、そういうのがお好きなんだろうなあ、そう思わせてくれる一枚でした。

  • 『まんがタイムきらら』第10巻第6号(2012年6月号)

2012年5月10日木曜日

『まんがタイムきらら』2012年6月号

『まんがタイムきらら』2012年6月号、昨日の続きです。

箱入りドロップス』、実にいい感じですよ。前回からの続き、文化祭の当日、まずは先生が恐怖の館の餌食に!? と思ったら、ワオ、役得なんだ! うら若き高校生の肉体! そして雫二号の洗礼。これ、素晴しいな。恐怖やわ、ほんま、萌さんの立ちすくむ気持ち、よくわかる! あれはほんと、立ちすくむわ。素晴しいわ。抱き締めたいわ。ということで、陽一と雫の関係、いろいろ踏み込みたがる萌だけれども、なかなかそんな風にはならない。彼氏君は好きとかどうとかよくわからない。雫はもっと素直にみんな好き! なかなかそうはなりそうにない。でも、誰もがほっとけない雫、その愛されるというの、よくわかる。そのうちになにか変わっていくのかなあ。変わって欲しい、けど変わって欲しくない、みたいな気持ちが複雑です。

『ものくろすとーむ!』のゲスト2回目。双子の妹、乙いぶきサイドのエピソード。お姉ちゃんが大好きで、けど人間関係は苦手な女の子。学校でもそう。挨拶するのも大変で、クラスには面倒見てくれる子がいたりもするけど、まだまだ、全然って感じなんですね。妹、ネットアイドルでしたっけ。アンバランスで極端で、そこに面白みがありそうです。

『コドクの中のワタシ』は、あの宇宙人さんが扉絵で、おおう、可愛いなあ、って、手が触手なんだけど……。で、人物紹介見てみたら、なぬ、この人、触手少女、名前ないのんか。普通じゃない人たちが普通を学ぶ、そのために主人公中野真由を題材にするっていうんですが、触手少女、大喜び。しかし、つくづくこの世のものではない人です。エピソード後半ではクラス委員長を決めて、ここでもやっぱり真由がその任につくことになって、ええ、そんな気はしてました、真由の苦労性が光ります。あ、それと、触手少女も大変素晴しいです。とりあえず、これでフルメンバーなのかな? いいキャラクターが揃ってますよ。

『シークレットガーデン』、ゲストです。遅刻しそうと通った近道。そこで出会った白い人影、それは見目も麗しいお嬢さん。かくしてガール・ミーツ・ガールでありますよ。ほがらかで表情豊かな高橋幸子、対して寡黙でミステリアス、加藤恵理子。学校の裏門、生い茂る樹々の中、木漏れ日うけて立つ加藤さんが美しい。落ちつける場所、けれど誰もこないのがさみしい。だから、ここをきれいにしましょう。雑草を抜き、花を植えましょう。ふたりだけの秘密の庭、そこで育まれる友情、そして、という感じでしょうか。いいですね。この雰囲気、好きですよ。

『うちのざしきわらしが』、これ、いい話だなあ。わらの母が降臨。って、荷物で届くのか。福の神、その実力は本物で、なるほど、ざしきわらしがポイントを貯めて神になるというんですね。って、わら、これ、学の存命中には無理だろ。わらの母の語る福について。これは確かにそうかも知れんなあ、そう思わせるところがあって、そして最後にちょっとおまけしてくれる。で、福を皆でわけあうっていうのね。ああ、いいじゃないの、こういうのには、ほんと、あらがえません。

『プレフレ』、素晴しいな! 楓に樹、椿宅を訪問、っていうんですが、いや、いいよ、椿さん、素晴しいよ。その部屋のシンプルなる様、おしゃれじゃないですか。で、お姉ちゃん登場。おっとりした人、綾女さん。妹のこと、隠しておきたいこと、ぺらぺらしゃべっちゃって、ああ、肉親ってこうよね。すごくよくわかる。椿がもういいからって追い出そうとするの、それもよくわかる。ほんと、家族に見せてる顔と、たとえ友達でも人に見せている顔って違うもんな。その隠してる方の顔を露にされて、いや、もう、ほんと、可愛いなあ。微笑ましいよ。しかし、姉さんの、友達のこと、嘘じゃないかって、いや、それは考えすぎだろうよ、って、ちょっと待て、その写真のプリント、ちゃんと知ってたんじゃん! ひでえな! いや、ほんと、土下座してこれからもよろしくって、すごくシュールな絵。そして姉の姉たる所以垣間見えて、でも姉は妹を、妹は姉を、大事に思ってるんだなあ。椿、揺さぶられて、いろんな表情見ることができて、ええ、ただでさえ好きだった椿のこと、もっと好きになった、そんなエピソードでした。

  • 『まんがタイムきらら』第10巻第6号(2012年6月号)

2012年5月9日水曜日

『まんがタイムきらら』2012年6月号

『まんがタイムきらら』2012年6月号、発売されました。表紙は、『あっちこっち』ですね。水玉が印象的。つみきさんを中心に、姫、真宵と傘をさして登場です。あ、黒猫もいますね。しかし、あれはレインコートなのかな? 姫、真宵はなんだかてるてる坊主みたいになって、ちんまりして可愛い。まよいはというと、眼鏡かけて、ちょっと憂鬱? でも足元はホッピングなのだそう。可愛い表紙。背景のカラフルなる様も実にいい。雨なのに、すごく鮮やかなイラストにしあがっています。

チェリーブロッサム!』は、おお、一年が経とうというのですね。明日から3月。農作業にも精が出て、皆で耕す。うん、転んで泣く大倉山先輩は大変可愛い人だと思います。まあ、耕したところの畑なら、そんなに痛くないよね。安心。しかし、やっぱり面白いのは大咲です。味方がいない、あきらめる。真面目なんですよね。その真面目さが空回りする、ないしは、そこを狙ってからかわれてしまう、そんな彼のポジションがよいのですよ。けど今回のメインは綱島先輩で、ああ、留年の危機……。準備なしで追試突入なのか。さすがに動揺する大倉山先輩。けどそこから一年分の成長に話が繋がるのは、思いもしなかった接続で、ええ、真面目には向かわないんですけど、でもその照れ隠しっぽいのもいいじゃありませんか。そして最後に沙咲野。ああ、沙咲野ぬか喜び。って、この子も同じ高校か! じゃあ、やっぱり園芸部に? 他に新入部員もくるのだろうか。期待の新学期ですね。

スマイル・スタイル』は台風の季節。窓を補強するとか、えー、これ大変だな。さて、学校に向かう道すがら、ゆめのセーラー服豆知識、ああ、これ、そうやって使うものだったらしいですね。そしてプリン星の明日見さん。直前までばりばりの設定で話してたのに、具体的に電車の運行心配してみたり、ほんと、いいキャラクターだなあ。今回は血の雨、これが最高。そして次の一本、ゆめのスカートの描写、この人は布の表現が魅力的だなあ、ほんと、そう思わされる一本でした。

『女子大生生活様式』、ゲストです。女子大生もの、って、なぜか珍しいと思ってしまうけど、普通にあってもおかしくない年代だよなあ。というわけで、課題についてメールで聞いたら本人がきてしまった。寮住まい? ではないのかな。こよいとことねの部屋が隣同士。ベランダづたいでことねがこよの部屋にきていて、それでも課題の範囲がわからないから、ねねにメールを送る。ねね、夜9時には就寝してる人。真面目なのはこよい、ちゃんとしてるのはねね、そのどちらでもないのがことねといった感じですね。ねねもベランダからきてるから、3部屋続きなんでしょうね。仲のいい3人、わいわいやるというよりも、もっと落ち着いて、けど大人というわけではない。ちょっといたずらっぽくて、ちょっとおかしな3人の日常。地味だけど、うまいことしたら、じわじわと引き込まれていくかも、そんな感じがあります。

『すいまさんといっしょ』、ゲストです。明日のテストに向けて勉強していた少年のもとに現れたすいまさんなる女の子。すけすけのネグリジェだ。少年もてれてれだ。しかし、これ、制服らしい。扉ではやたら色っぽくて、けど本編だとコミカルであまりそういう感じはしない。いいバランスだと思います。で、このすいまさん。睡眠魔法をかけにきたっていうんですね。怪しげな必殺技。ちっとも効かない。ほんと、なにものなんだ? なにをしにきたのだ? そう思っていたら、きちんとしっかり睡眠に誘うんですね。あくびで出る星、それが眠りにさそう。すいまの意図によるものなのかなんなのか、わからないけど、暴発したりする? で、これ続くのかな? 続いたら次回は学校? 結局名乗れなかった少年とすいまと、そして他の人たちも? 広がりが出たら面白そう。そんな感じがしますよ。

  • 『まんがタイムきらら』第10巻第6号(2012年6月号)

2012年5月8日火曜日

『まんがタイム』2012年6月号

『まんがタイム』2012年6月号、昨日の続きです。

『ロコ・モーション』、扉のモコのなんという可愛さよ! そう思ったら、ぬう、出番がないとな! しかし素晴しい。頭が大きく、目も大きく、およそ人体としてはありえないプロポーションなんだけど、こんなにも訴えるものがあるとは! いや、ほんと素晴しい。誰か立体にして欲しい。さて、本編、泊まり勤務ですよ。翌早朝の乗務に向けて宿泊するっていうんですが、起床装置、出てくるのかなあ、とか思ってたら、ばっちり出ましたよ。おお、この作者、ほんと、詳しいよなあ。どこまでが事実で、どこからがフィクションの味付けなのか、それがもう判別できない。鉄道マンの上下関係の厳しさ、これは聞きます。そして同期との語らい。よいですね。見た目の可愛さがぱっと前に立つけど、しっかりいろいろ描くものを持っている。いい漫画だと思います。

ニッポンのワカ奥さま』、おお、絵柄を変えてきましたね。可愛いシフトでしょうか。これまで、むしろ色っぽさ感じさせていたワカさんが、えらいことキュートになって、まるで少女のよう。ちょっとの変化なのでしょうけど、それで印象、がらりと違ってきて、今はまだ慣れない、けどじきに慣れるんだろうなあ。ネタのしっかりさは以前に同様。ワカさんの性格も同様、のはずだけど、印象が全然違って、ほんと不思議。ワカさんのさらにワカかった頃、みたいな感じがしますね。

『大家さんは思春期!』、ゲストです。引っ越したアパート、そこで出会った女の子、里中チエ。この子はいったい? 戸惑う主人公、いろいろ妄想したりするのだけれど、この子、大家さんだっていうんですね。中学生で大家。なんかちょっとやさぐれてる? お隣さん、白井麗子も大変な美人で、やっぱりいろいろ思っちゃう、そんな主人公。気持ちはわかる気がするよ! しかし、引っ越しの挨拶といって渡された粗品、食用油ギフトと思って嬉しそうな大家さんが可愛い。なるほど、なにかたくらみがあったり、すさんでたり、みたいなことはないんだ。まだ語られてないことはたくさんありそう。続き、楽しみですね。

はこいり良品』はツバメの話。ツバメが来る店は繁盛する。フンとか大変ですけど、やっぱり人目をひくからなのかな。あるいはそれこそ縁起によるものか。ツバメが人と共存するその理由を描いて、また商売人がツバメと共存しようとする気持ちも描いて、こういうのが実にうまいと思います。どちらも利用してるのかも知れない。けど、決して悪い人、ずるい、みたいな感じにはならないんですね。それが大変よいと思っています。縁起ものの他には、商店街の皆が考える振興策の話題もあって、あのトレーディングカードのプレミア、面白い。最後の落ちも、なかなかうまくいかないなあという、そういうのが味わい深くて、とてもいいです。

  • 『まんがタイム』第32巻第6号(2012年6月号)

2012年5月7日月曜日

『まんがタイム』2012年6月号

『まんがタイム』2012年6月号、発売されました。表紙、テーマは雨、梅雨なんでしょうか。和服に和傘の『おとぼけ課長』。傘が『まんがタイム』のロゴに被ってるのは、ちょっとめずらしいかも知れません。他に、レインコートを着て脚立を運ぶ『スキップAD!いろはちゃん』、レインコートの木の葉を傘でおむかえするお姉さんの『だってあいちてる』であります。

『わさんぼん』、ついに草太があんこを炊くところ、見せてもらえるまでになって、そして自分でも炊いて勉強してみようというんですね。釜いっぱいの餡。それをお昼ご飯にするらしい。って、過酷やな。しかも小豆代、給料天引きで、って、これはまあしゃあないか。そのあんこご飯に付き合ってくれるのが咲良、ほんと草太のこと大好きだな。で、咲良の思い付きから、餡ばかりのお菓子を作ってみることになって、真っ黒のお菓子、なんかかっこよくない? 若者にも、そして年寄りにもウケて、それからいろいろ作ってみる、その発想、チャレンジ、咲良との共同作業、それが大変よかったです。いや、ほんま、咲良ちゃん、ええやん。草太には牡丹よりこの子の方がおうてると思います。

『もいんの高校野球日誌』、よいですね。野球を愛するあまり、グラブと会話できるまでになったもいん。けど、部員とのアイコンタクトは成立しないのか。って、伝える内容多いよ。ほんと、面白い。両親の秘密、これもいんのひいきチームのライバルのファンとかそういうのかと思ったら、そもそも野球が好きじゃなかったんか。すげえな。もいんがなぜ野球ファンになったのか、環境じゃないのか。そして野球占い。ことごとく野球ネタで、ここまでネタを広げていくのかと感心しきり。もいんの可愛くて辛辣なる様も素晴しい。ほんと、すっかりまいっています。

天子様が来る!』、酔拳、かっこいいなあ。おいらも使い手になりたいです。さてさて、どのネタも面白いんですけど、きれがいいというか、コンパクトにまとめて、無駄がない、きびきびしてるのがいいです、中でもこれと思ったの、バリヤーですよ。欲しい。いや、ほんと、バリヤー丸見えでもさ、家が守られるなら欲しいって思う人はいそうに思うんですよ。ハンパなバリヤーでも、強度は保証つきのように感じられる。うん、欲しいです。

『銀輪少女』、ゲストです。学校に遅刻しそうというふたりを、ズバーっと抜いていった自転車。ロードバイクといわれるやつでしょうか。制服のお嬢さんが颯爽とかっこいい! っていうんですが、スカートの下にスパッツ、そこに注目しすぎるのはいかがなものか。スパッツがかっこいいはいいとして、スカートに頭からつっこむ、股の間に頭を通す、『まんがタイム』的にはなかなかにチャレンジしすぎと感じさせる描写、ちょっと置いていかれそうと心配です。でも、ふたりで自転車だと、空気抵抗のせいで疲れやすい先頭を交代しながら走れていいよとか、そういう話が出てくるのはよい感じ。で、自転車少女が3人になって、これからどういう展開するんだろう。それをただただ楽しみにしたいところです。

  • 『まんがタイム』第32巻第6号(2012年6月号)

2012年5月6日日曜日

きものなでしこ

 私は『コミック百合姫』は購読していないので、ともない『きものなでしこ』についても知らなかったのですね。知っていたのはタイトルだけ、アニメになった『ゆるゆり』の、番組途中のCMで、丁度『百合男子』とこの漫画『きものなでしこ』がプッシュされていて、その名前の響きがよほど印象深かったのでしょうか、しっかり記憶に残っていて、それが購入に繋がった。ええ、世は広告、知ってる知らないの差は大きいなあ。書店で見つけて、ああ、これ、あの時の! 可愛い表紙にきものなでしこの文字。迷いなく手にとることができたのでした。

さて、『きものなでしこ』、てっきり着物好き女の子たちが、あれこれ着物を着よう、ほら最初は憧れてるだけで、気付けなんてわからないところに、ひとり詳しいお姉さんがいたりなんかして? と思ってたら、わお、びっくりした、全然違うじゃん。舞台は撫子衆と呼ばれる女子校風紀委員。メンバーは主人公かの子の他は外国人、フランス人のサーヤ、アメリカ人のアンジェリカ、そして中国人の雀。黒髪はふたり、サーヤにいたっては素晴しき金髪、そうした彼女らがやまとなでしこ的美を目指すのだな! そう思ったら、あれれ、なかなかそういう風にならないな。どころか百合姫掲載ということで、この四人の中で百合的カップルが成立するのかな? そう思ったらこれもなかなかならなくて、ええ、主に学校のイベントや季節の話題と、それに発するおしゃべり、がメインです。

で、このまんまで続くのかなー、とのんびり読んでたら、なるほどだんだんに百合っぽくはなっていくんですね。フランス人の紗綾がかの子のことを好きだという。あるいはかの子のおさななじみの女の子、かごめもなんだかそうっぽい? いや、けれどやっぱりメインとなるのは紗綾とかの子でありまして、冒頭カラーページに描かれたふたりの出会いの風景、姉にいわれて高校デビュー、髪を染めようかどうか迷ってたかの子を思い止まらせた紗綾。美しい黒髪なのに、憧れなのに、今のあなたが好きだから染めるのはやめて欲しい、そうした見た目からはじまった気持ちだけど、それだけじゃなくなっていってるんですよ、っていうんですね。ゆっくりと深まっていくのかな? きものについても、1巻時点では準備中、2巻でいよいよ花開く? これからですよと作者もあとがきにおっしゃっている。なので、期待しつつ2巻の発売を待ちたい、そう思います。

で、読んでみて、アンジェリカはアメリカ人だけどあえてスレンダーに設定されていて、ああう、素晴しいな! 夢のような女の子だ! なんて思ってるのですが、実際登場する女の子たちは皆可愛くて、あの子もこの子も素晴しい! ほんと、彼女らの可愛さも2巻において花開いてくれれば嬉しいと、百花繚乱、咲き誇っていただきたいと、そんな風に思わせる第1巻なのであります。

  • 八色『きものなでしこ』第1巻 (百合姫コミックス) 東京:一迅社,2012年。
  • 以下続刊

2012年5月5日土曜日

坂道のアポロン オリジナル・サウンドトラック

 坂道のアポロン』がアニメになるよ、これはあんたにこそおすすめだよ、っていわれたものだから、見たのでした、アニメ『坂道のアポロン』。そしたら、もう面白い。こういう話、こういう雰囲気だと思っていなかった。昭和の昔、長崎を舞台にジャズに青春を燃焼させる少年たち。普通なら接点なんてなかったかも知れない。そんな高校生ふたりの、出会い、ジャズを通して育まれる友情、って、なんじゃこりゃ、めちゃくちゃ面白いよ。素晴しいよ。もう、はやくもまいってしまったのでした。というわけで、ジャズが重要なファクターとなっているアニメ、サントラもばっちりジャズアルバムです。

サウンドトラックなので、このアニメのために作曲された音楽が収録されている、それは当然のことなのですが、それ以上にスタンダードなジャズ楽曲がふんだんに収録されていて、それはすなわち劇中にそれだけの曲が演奏されるということに他ならないわけですよ。千太郎にお前の演奏はジャズじゃないといわれ、発奮した薫がコピーをした Moanin' 、これを手始めに Bags' GrooveBlowin' the Blues Away 、ジャズスタンダードですよね、耳にしたことあるなあ、そんな曲が続いて、普段ジャズを聴きつけない人にも、あ、これは知ってる、そんなメロディを見付けることはできるのではないか、それくらい親しみやすいジャズアルバムに仕上がっています。

演奏はもちろんこのアニメのために収録されたもの。劇中の展開を予想させる、というかライナーノート見てたらネタバレくらって凹み中、みたいなところもあったりするのですが、そうした演奏なんかもありまして、なるほど、間違いなくサウンドトラック盤だ、納得いくアルバムになっているのも好感触です。サントラとしての魅力は、もちろん菅野よう子により新たに作曲された音楽、ここにもあって、ジャズを感じさせる、そんなスタンダード曲に寄り添い溶け込むキャラクターをもった楽曲たち、さらにそれらに加えられた新たなテイストは、スタンダードというよりもフュージョン、それも古きよきフュージョンのタッチを感じさせて、大変に面白い。耳に触れて優しく、けれどスリリングな側面も確かに持つ、そんな魅力的な一枚。これは、アニメを見ていない、原作だって知らない、そうした人が聴いたとしても、いいなと思えるものに仕上がってるんじゃないかな。だったら、原作の読者、アニメの視聴者が聴いたら、いうまでもない、なおさらでしょう。

6月にはアウトテイク集も出るんですね。これもまた楽しみ。サントラに収録されたのとはまた違ったテイク、表情に触れられるんじゃないかな。まさにその場に生起する、ジャズの醍醐味、それが感じられたら面白そう。今から楽しみにしています。

これは原作の、いわばイメージアルバムらしい。これもまた面白そうだなあ。

2012年5月4日金曜日

『まんがタウン』2012年6月号

『まんがタウン』2012年6月号、発売されました。表紙は『新クレヨンしんちゃん』です。しんのすけがふたり、これ2本立てだから、みたいですね。他には『SHIN-MEN』と『少年アシベ』のカットもございます。

『ぼくの奥さん』、ついに導入編が終わりといった感じですね。昨日の夜、ようやく打ち解けた、そう思ったところなのに、朝になったら以前のとおりに逆戻り。一体キャロリーヌはどうしたというのだろう。これまでの威嚇も含めて、怯えているみたいだ、一体自分のなにが姫をこれほどまでに怖がらせるというのだろう。その理由、わかったというんですね。兄からのおさがり。服にたっぷりとつけられた香水の匂い、これがいけなかった。って、この時代はみんなこうだったっていうけど、それにしてもということなんでしょうね。で、これが悪かったと判明したので、試しに自分の着古しで会いにいったら、見事解決。これで、次回から野生のキャロリーヌに懐かれるルイという話になっていくのでしょう。これ、ほんと、楽しみ。キャロリーヌがこんなに可愛くなるとは予想外でした。

光の大社員』はアルクメン、この人の設定上のパワー、厳密というか、ほんとにファミコンゲームっぽい感じ。最近のゲームは、そういった素材でもって壊せる壊せないを区分したりしなくなったもんなあ。リアル志向でないからこその表現だったように思う。そうしたこと気付かされて、面白いなあ。この着眼点がいいなあと思います。そして秘書のちはるさんの帰還。あの操られた城戸の様子、怪しげで、ちはるさんは眼鏡が本体か。うん、それでいい。しかしリフレッシュしたちはるさんの輝き、素晴しいです。

『トラノイーカルナ』、これで一段落なんでしょうか。黒間ヒカリに化けて可愛くなってみる、カルナの作戦ははたしてどういう結果を産むか。ええ、やっぱり予想どおり、余計なお節介だったみたいです。ヒカリを怒らせてしまった。で、ヒカリもカルナに化けて同じことをしようとするんですが、化粧がうまくいかない。けど、これがきっかけでカルナとヒカリ、少し近付けたんじゃないだろうか。まだ素直にはなれなそうだけど、いずれ仲良くなれるんじゃないか。そんな感じなんですね、あの捨て台詞とか。しかし、ヒカリは可愛いと思うんだ。無理に笑わんでいいんじゃないか? そんな風に思ってます。

『かしこみっく』は扉の少女、えらい可愛いな? 誰? 妹? と思ったら、なるほど、幼少ヒミコでありますか。子供の頃から一緒だった鹿之介、この鹿之介が倒れた! 母曰く便秘だと。ヒミコがフンに関して文句をいっていた、それが原因だろう。ストレスなんだろうか。街の暮らしに馴染めない? あるいは、乗り物にしていた、そうしたことが原因か? 自分がストレスの理由なのではないかと落ち込むヒミコ、これ、鹿之介とわかりあって、それで解決して、みたいな展開かなって思ってたら、いやいや、やられました、鹿之介死んじゃう!? って、それも違うのかーっ! 鹿之介出産。見事にやられました。二段の仕込み、見事でした。

  • 『まんがタウン』第13巻第6号(2012年6月号)

2012年5月3日木曜日

『まんがホーム』2012年6月号

『まんがホーム』2012年6月号、昨日の続きです。

『あゆみさんは心配性』、面白いなあ。って、これまだゲストなのか! 驚愕だな。あのグッピー飼いたかったんだと問われてどうだったかしらと答えるあゆみさんが可愛いですよね。ほんと、考えすぎておかしなところに着地する。その性質が理解されて、うまいこと利用されてる親睦会、接待の研修とか、なるほど盛り上がらないわけですよ。しかし面白いのは「ほっとけない」、もう、こういう真っ直ぐなところ。ほんと、いい人だなと思わせてくれます。

『センセイあのね?』は、ほんと開き直ったつぐみさん、気持ちも露に先生のもとに駆け寄って、ふりまくハートも増量でありますなあ。しかし、可愛い。越後屋さん仕込みのセクシーアピール、いざしようと思ってもTシャツ、スパッツ、ちょっと無理っていうんですが、いやいや、つぐみさんにそれは似合わないよ。ほんと、素直で飾らない、それがこの人の魅力と思うんですよ。「頑張って頑張るッ」なんか、まさにそうでありますよ。というわけで、盛り上がるつぐみ、反対にどんどん落ち込む早乙女。恋とはほんとままならぬものであります。

『恋に鳴る』は、勝手に盛り上がって好き好きいってたくせに、なんだか勝手に冷めちゃって、酷い子だわ! といえばそうともいえるのかも知れないけれど、これこそが恋のタイミングってやつなんだろうなあ。押している時に受けられれば成就する。けど、相手が受ける気分でない時だといくら押しても駄目だし、逆もまたしかりっていうね、ほんと、それを思わせて、そうした気分の移ろい、あるいは身勝手といってもいい、それをひらひらと飛ぶ蝶に例える、それがこの人の持ち味であるなあ。あの子がいい、この人がいい、けどもういいや、そうしたひらひら。季節も、また恋においても、春なのだな。そうした話、面白かったです。

天子様が来る!』は、呪いの人形さえも遠慮させるユキジの不運。同情、情け、ほんと、面白い。で、出ていった人形をちゃんと探そうとするユキジ。ほんと面白い。再会したらどうなるんだろう、ほんと変に面白くて最高でした。

  • 『まんがホーム』第26巻第6号(2012年6月号)

2012年5月2日水曜日

『まんがホーム』2012年6月号

『まんがホーム』2012年6月号、発売されました。表紙のテーマは、ピクニック? お弁当? 『らいか・デイズ』らいかが何段重ねものハンバーガーを作っていて、これはすごい。豪華! というか、さすがにここまでになると食べるの大変そうです。他に単行本発売の告知カットが並んで、『炊飯器少女コメコ』、『ギュっとして!よねちゃん』、そして『センセイあのね?』であります。ああ、つぐみさん、可愛いなあ。

『孔明のヨメ。』は、前回孔明を訊ねてやってきた女性、あれは一体誰なのか!? 夫孔明の昔の女!? ショックを受ける月英さんであるのですが、その女性を追ってやってきた青年、徐庶、なんと彼の母親という。へー、徐庶の母だから徐母なのか。で、検索してみて悲しい気分になった……。ともあれ、この漫画においては楽しい母、孔明の親がわりといってもいいような、そんな人。豪快でさっぱりした気持ちのよい女性です。で、徐庶、この人、月英の罠を抜けてきたんだ。ほんと、豪快な母子。なんだか賑やかで楽しい。そんな人間関係がいいですね。

『さえずり少女、しんしん鎌倉』は、学校にて部活見学をするコズリであります。友達の入っているクラブに、まずは延々さんについて茶道部部室、茶室にいって驚きですよ。タタミの部屋に、素敵な先輩たち。そしてお抹茶とお菓子。いいですね、満喫してますね、コズリ。続いてちひろに誘われ演劇部に。憧れの忍者コスプレ。そして筋トレ、いや、筋トレには憧れてない。腹筋できない、非力なコズリ。ということは茶道部にいくくとになるのかな、そう思ったら、選べないっていうんですね。情緒的なフランス人、これがコズリなんだね。で、結果が帰宅部。進展なしなんですが、コズリの内面、そこにちょっと違いが生じてる。これが面白かったと思います。

今号のエッセイ企画は「コメコの友達コレクション!」、家電擬人化でありますね。参加者は宮原るり、瀬田ヒナコ、ユキヲ、トイシキ、安堂友子であります。驚いたのはトイシキ、電球娘ですよ。白熱電球から蛍光灯電球、LED電球と揃い踏み。そう思ったら、ええっ、白熱電球って、次々生産が終了に向かってるのか。国産ではもうなくなるよ、ってことなのかな? いや、驚きましたよ。実際、これ見て、これからはいよいよLEDになっていくのか、そう思いましたよ。これまでにないほど実感させられましたよ。他はテレビに黒電話に扇風機。どことなく懐かし感のあるものが多くて、黒電話、可愛いなあ。イエデンワ子も描いてくださらんものでしょうか。そして洗浄シャワーちゃん。これ、もしかして、あのポニーテールの付け根はそういうことなんでしょうか。もしそうだったら、なかなかに酷いデザイン! です。

『東京!』、模擬挙式のモデルを探す原宿白。たまはサイズの問題で不許可。国分寺は目立ちたくない、ムサコはそもそも興味がない、というので六本木先生がモデルを引き受けたっていうんですね。結婚前にドレスを着ると婚期が遅れるジンクスとかあるんだ。新宿先生も六本木先生も気にする、可愛らしいお嬢さんたちだなあ。ひとりちょっとなんか違うかも知れんけど、いや、可愛い人だと思います。しかし新宿六本木ペア、六本木先生への嫌がらせ目的だったんでしょうが、ちっともそうはなってないとか、もうほんと、あんたらそのまま結婚しちまえばいい! ってな展開でしたが、六本木先生はよくっても新宿先生はいけないんだろうなあ。ままならぬふたりですよ。

  • 『まんがホーム』第26巻第6号(2012年6月号)

2012年5月1日火曜日

箱入りドロップス

 『箱入りドロップス』、これ、大変に素晴しい。ヒロイン西森雫は高校一年生。これまで、ろくに学校にも通ってこなかったという、箱入り娘。お爺様が厳しくて、成人するまで一切家から出さないという教育方針のもと育てられた、って、それ箱入り? 軟禁ないしは幽閉じゃないのんか? おかげで自販機も使ったことがない、どころか実際に見るのはじめて!? スーパーもコンビニも知識でしか知らない、知識は主に漫画やテレビから得ていた? 強烈にピュアなお嬢さんができあがってしまったというのですよ。雫の面倒をまかされた陽一、その状況を評して想像以上に過酷。これ、ほんと、そうだと思う。姉さんの計らいで家を出られて、本当によかったなあ。そう思わないではおられない、雫さんと友人たちの交流描いた、実に楽しい漫画であります。

しかし、おばさんから頼まれるままに雫の面倒を見ることになった陽一ですよ。見た目に怖く、なんだかいろいろ消極的? 面倒くさがり屋? そんな少年かと思っていたら、全然違うんですね。雫に対しすごく親身になってくれる。細々と世話を焼いてくれる。また想像以上に繊細な人で、雫にとってよくなるようにと、多方面に気を配ってくれているっていうんですね。でも、わかるわ。もし雫みたいな子に出会ってしまったら、陽一のようにありたい、そう思う人は多いんじゃないかなあ。それは雫の生い立ちがあまりに不幸だから、じゃないんですよ。なんでもないこと、それこそありふれたものであっても、雫にとってはそれらが本当に新鮮で、感動して、嬉しくて、楽しくて、きらきらと輝いてるみたい。ああ、こんなことでもこんなにも喜んじゃうんだ。見てるこちらが嬉しくなってしまう。だもんだから、もっといろいろなことを知ってくれるといい、もっと沢山の喜びを感じてもらいたい。いろいろしてあげたいと思わせてくれる娘、それが雫であるのですね。

雫の友達は、思えばみんなそうですよね。雫に嘘を教えたりして面白がってる萌や純、それから金髪少年相ノ木だって、雫を見守ってる。もっとこの子がしあわせになりますように。そうした気持ちをあからさまにしなくとも、ちょっとした行動に感じさせてくれて、ああ雫はいい友達に恵まれた。いや、けれどこれは雫自身が持つ思いやりの深さ、そのためでもあるよな。雫が向ける好意や優しさ、皆はそれを同じように返してるだけなんじゃないかな。ほら、あの世界史のエピソードで先生が見せたみたいにさ。なんていい子なの! 放っとけない、そんな気持ちでいるんだと思うんですよ。

この漫画は、読者からして雫のこと、見守りたくなる、そんなよさがある。暖かみ、彼女が得る小さなしあわせに、よかったよかった、そう思ってちょっと嬉しくなれる。それから、純情少年陽一と雫の、恋愛とはいえないよね、まだ。けどなんだかこのふたりの間に感じとれる情の温もり、それがゆっくりと育っていってくれたらよいなあ、応援したくなるんですよね。それはやっぱり、この漫画の登場人物、彼女ら彼らがとってもいい子だから、友達のしあわせを素直に喜べる人たちだから、なんだと思うんです。いや、友達というより、雫のしあわせっていった方がいいのかな? だって、相ノ木は結構酷い目にあってる、というかちょっと自業自得だけど、でもそうしたじゃれあいにも彼女彼らの気持ちの近さが感じられる、これもまたよさだと思います。

単行本には描き下ろし、追加のページが結構あって、時々のエピソードを受けて雫の学んだこと、ちょっと標語みたいにして描かれる一ページ、これが面白くて実によかったです。そして、巻頭、カラーページですね。雫が家を出るところ、それが描かれて、着の身着のままで家を飛び出した彼女が、不安、怖れでいっぱいになりながらも乗り物乗り継いで新天地を目指す。なにも知らない小さな雫が、車窓から眺める知らない街に、新しく出会う世界への希望を感じたのでしょうか、表情を柔らげる、その様子にはもう泣けて泣けて、いや、そういうのやりたいわけじゃないだろう、でも、ほんとそれだけのことがたまらなかった。ああ、これは雫の門出であるのだ。雫の姉が見せた笑顔、励ますかのように凛々しさ湛えて見送る、彼女のこの計らいこそは雫の本当の人生へのはなむけだったのだ。姉の妹に向ける深い愛情、これがまた素晴しかったです。

  • 津留崎優『箱入りドロップス』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2012年。
  • 以下続刊

引用