2012年8月9日木曜日

『まんがタイムきらら』2012年9月号

『まんがタイムきらら』2012年9月号、発売されました。表紙は、『ゆゆ式』、アニメ化ですよ、アニメ化! というわけで、メインの三人中心に、ええ、Vサインであります。それと先生と相川さん。にこにこ、いい表紙だと思います。なんかこっちまで嬉しくなってきますよね。

チェリーブロッサム!』は、前回登場、大咲沙咲野の従姉妹三葉の話でありますよ。大咲にみっちゃんと呼んで欲しいと迫る。のはいいとして、なるほど、おみつ、ささのん。ああ、ささのん、可愛いなあ。しかし今回は、三葉とふたりの関係をより深く、そんな展開でありながら、結果的にささのんの可愛さ、それが際立つ流れであったと思います。バリアー! これいいなあ。あの連続写真風、雪崩れ落ちるような沙咲野の動き、たまらん面白さでした。で、あの唐揚げにレモン、オムレツにケチャップ、あれはふたりともわざとなのか? わざとかもな。仲良くけんかしなでありますね。あと、さっちゃん!

『しかくいシカク』は、おお、夏だから幽霊。って、しかしはっきり見える幽霊だな。怖がりの茜が、自分の写真に写ってたというソレを意に介さない。そうした不自然があって、で、写真を撮った主、十子にその幽霊が迫る!? って、校内入館証をとってきてるとか、えらい常識的な幽霊だな。結果としては幽霊じゃなかったわけですけど、なるほど、妹。で、写真撮られるのが好きじゃないと。うん、そういう人いますよね、私もそうです。でも、レンズが向けられると小刻みに動いて被写体ブレを起こさせるとか、なんという特殊技能。最初はおどろおどろしく、また意外と思わせる要素も盛り込み、ぐっと興味引いておいて、最後にぱっと花を咲かせる。構成のうまさはさすがです。

『女子大生生活様式』、いいですね。ねねの部屋、ぬいぐるみが一杯。その部屋にことねを置いたまま講義に出て、もう不安でしょうがないっていうんですね。こよに見張りをして欲しい、けど起こすのは忍びないねねと、案の定やらかしてしまって、それで躊躇なくこよを起こしてしまうことね。ふたりの違い、見事にあらわされています。ぬいぐるみの目がとれた。それでクマにサングラスかけさせるんですけど、似合ってるな、可愛いじゃん。しかし、ねねのぬいぐるみ愛、わかります。無生物なんだけどさ、換えのきかないものでもあるんですよね。同じに見えるかも知れないけど、見れば一体一体個性がある。まあ、自分のそれとねねのそれは違うように思えるけど、ぬいぐるみ、あれはいいものです。ちらかるし、世話できないし、自分は買わないんですけどね。

『ごめんね。夏目ちゃん』、新連載です。いいですね。最初、ごめんねで許しあう、そんな友人関係、みたいな出だしに見せて全然違うのね。お前のごめんは聞き飽きた。うん、いいですね。この謝られているのが夏目ちゃん。で、このタイトルってことは、この子、毎回誰かしらに謝られるような状況に陥るのか? いや、どうも見てる限り、ちより、この子が問題の種を撒くっぽいですね。夏目ちゃん、ちより、桜子、しえちゃん、この四人がメインみたいですね。失くされたプソクラ、ええとプリントシールですね、それを探してゲームセンターいって、思わず遊んじゃったり。それでみんなで一緒にプソクラを撮る。この、一緒に撮りたいんだけど、ずっと言い出せずにいた、そんな夏目。結果的にちよりのおかげで夢がかなってるんですね。メインの子ら、とてもいい感じ。それぞれに個性があって、元気そうで、なんのかんのいって仲良し、屈託がない。で、あの最後の落ち、やっぱり絶対許さない。ええ、面白かったです。

スマイル・スタイル』。以前、天野祐吉がいってたんですよ。口開け状態でしたかね、お笑いの観客が最初から笑うつもりできてることを指していて、なにをいわれても笑う、それが面白い面白くない関係なしに笑う、そんな状況のことをいってたんですね。いやね、ふと思ってしまったんですが、自分は『スマイル・スタイル』に関して、その口開け状態に陥ってるのではないか? いや、もう、面白いんだ。めちゃくちゃ面白いんだ。止まらないわああぁぁぁ、で私も止まらないんだ、笑いが。あの唐突なしゃっくりも、シャクリーンも、面白いんだ。土下座ゆめとか、もうどうしようもないんだ。最後の最後まで面白くて、けどこれはそういうモードに入ってしまってるのでは? そう思うくらいに面白かったんですね。

思えば、これまでの連載、それを読むことで、一種そうしたモードにいざなわれたんだろうなあ。面白さの土台、パターンや小ネタ、その見せ方、勢いでもって笑わせる、そうした前提が少しずつ作られていった結果が今なんだろうな。この漫画を面白いと感じるセンス、あるいはリテラシー、そうしたものが涵養されてきた。そういう風に考えたら、それこそこれまでの積み上げが生きている、生かされてるんだろう、そういう結論になったんですね。ええ、面白かったです。素晴しい。ワールドスタンダードは、いつになるかわからないけど、今度試してみます。って、あの唐突さ、あれはびっくりさせられました。

  • 『まんがタイムきらら』第10巻第9号(2012年9月号)

0 件のコメント: