2012年9月23日日曜日

『まんがタイムスペシャル』2012年11月号

『まんがタイムスペシャル』2012年11月号、昨日の続きです。

『どろんきゅー』、文化祭でありますよ。定番の出し物、喫茶店とお化け屋敷をあわせてハロウィーン喫茶をやるっていうんですね。アキ、干し首を作るのに本物手本にするとか相変わらずなんですが、それ以上に頑張ったりはしゃいだりしたのは幽霊の皆さんですよ。佐倉の衣装作りを手伝う被服室の動くマネキン。当日本番となると、大行列を作ったり、佐倉手作りのクッキーをお供えといって全部食べちゃったり。ほんと、どんだけみんな佐倉さんのこと好きなんだろうという、その愛し愛されようがほのぼのホラーで、微笑ましくて大変に面白いです。しかし血塗れナースの佐倉さん、可愛いです。クリミア戦争やってた頃くらいの衣装でしょうか。それで負傷兵が懐いたのかも知れませんね。

『趣味じゃない園芸』。冬仕様の方がいいなあ。というのはいいとして、50周年記念イベントの支度をするっていうんですね。来場者にするプレゼント苗と花を大量に作る。いつもと変わらない、らしいですが、まあ裏方というのは地味なものですよね。で、苗、果物の苗を配ろう、といって、皆が食べてる果物の種を回収して作る。けど実際こんなにうまく出るのかな。なんて思ったりもするんだけど、うちの裏庭の柿の木は、私が子供の頃プランターに蒔いたんだか捨てたんだかした柿の種から出たものだからなあ。プロにまかせればなんとかなりそうな気もします。で、苗に注力しすぎて花の準備が滞ってしまった。それからの頑張りの、モーツァルト聴かせるだとか、ちょんぎるぞって脅すとか、サルカニ合戦のカニじゃないんですから。しかし、この花のポットの話が、最初の頃の話、夏仕様冬仕様にからんでくるとは予想外でした。油断できません。

『シャバっけ』、ゲストです。悪い男に騙されて、金は持ち逃げ、貯金もとられて、しかも家賃も使い込まれてたものだから、滞納、アパートを追い出されたっていうんですね。しかも、職場、院長が横領で逮捕、ともない職も失って、人生どん底? そんな時に出会ったお坊さん、金返せと迫られて、それでこの人、出家するの? 扉絵を見るかぎり、どうもそんな感じ。ともあれ、今回は坊様に出会ったところでおしまい。次回に続くでありますね。

『メー探偵フワロ』、ナントカの新作ゲストであります。なるほど、メーと片仮名になってるのは、フワロ氏、羊だからか。農村に越してきた探偵フワロ氏。これがろくでもない人、いや羊か、で、会社を退いた資産家、探偵は趣味みたいなもですね。だからこそというべきでしょうか、派手な事件、血なまぐさそうなのをことさら扱いたがるっていう、迷惑なおっさんです。その上セクハラおやじ。さらには妄想家で、物騒なことばっかり考えてる。たまらんおやじですよ。で、そんなフワロ氏に持ち込まれる事件ときたら迷い犬探しとか、そういうの。しまいにはおっさん怒りだすとか、ほんと困ったおやじで、それをうまいこととりなすのが、メイドのレモンさん。事件解決は秘書のアーサー。もう、アーサーなしじゃなりたたんですよね、これ。妄想推理で酷い冤罪作っちゃうとか、もうフワロ氏、ひどいおやじで、めちゃくちゃ面白い。なんといっても、こういう自己満足したがるおやじさん、ここまで酷いかどうかは別として、実際いますもの。しみじみと感じいる世の無常。シニカルさが実におかしくて、最高でした。

だんつま』、最終回を迎えて、ああ、子供生まれたの? とその前に、前回の引き、引っ越しですよ。どうも英理子が引っ越しするらしい。知らなかったのは、ひなよと未歩と英理子だけ、ってあれ? 英理子も知らないの? 面白かったですよ。勝手な噂話。理由がふるってて、ずっと片付かなかったベランダがきれいになった。ゴミの日には大量のゴミが出されて、ああ、引っ越しするんだなって納得されてた。ほら、数回前の大掃除ですよ。あれ、伏線だったんですね。見事にやられました。で、子供の話が出て、1年後、そこには赤ん坊を抱く英理子の姿が。読み進めると、英理子の子ではないようで、セレブ妻ユキさん? でもないようで、未歩でもなく、じゃあひなよか! と思ったら、それも違ってた。もう、このダブルでひっかけてくる。すっかりやられて、このひるがえしよう、実によかったです。ほんと面白かった。最後のコマ、あの終わり方もよかった。そして、ちょっと寂しいです。

『アテナの初恋』、面白いですよ。意外や乙女趣味のアテナ。彼女のもとに、突然ヘラがやってきた。ゼウスの浮気にお怒りだーっ! ほんと、ギリシャ神話の設定といっていいものか、うまいことキャラクター作って、動かして、ヘラとヴィーナスは仲悪いとか、ヘラが仕事を放棄すると、結婚に関する世情が不安定になって、離婚破局が増加する。ゼウスのろくでなしっぷりも実にそれらしくって、そしてアテナの尽力で解決。素朴な絵柄、気のきいた展開、小ネタも面白く、これはよかった。うまいこと育って、よりよくなって欲しい、そう思える漫画です。

  • 『まんがタイムスペシャル』第21巻第11号(2012年11月号)

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