2012年10月31日水曜日

DARK SOULS with ARTORIAS OF THE ABYSS EDITION

 出ましたね、『DARK SOULS with ARTORIAS OF THE ABYSS EDITION』。2011年9月に発売されたゲーム『DARK SOULS』に新シナリオが追加されて、再びのお目見え。新規ユーザーには、安価になった追加シナリオ同梱版が用意されて、すでにプレイしているユーザー向けには、追加シナリオのみをダウンロード購入できるようになっている。ええ、私は買いましたね、追加シナリオ同梱版。DLC、ダウンロードコンテンツでいいじゃないか、そう思ったりもしたんですけれど、数量限定版に同梱される特典のサントラ、曲が追加されているというじゃありませんか。ああ、じゃあ買ってやろうかい。ええ、かくもちょろいのが私であります。

ARTORIAS OF THE ABYSS EDITION、マップが増えました。他に新たな敵も増え、新規ボス、新しい武器、防具、魔法に呪術、アイテムと、実にわくわくさせてくれるわけですが、あれー、奇跡は増えないんだ!? まあ、いろいろ不満が出てくるのはしかたない。私だって、古い魔術の都ウーラシールが舞台と聞いて、これはもしや、魔術師向けの誓約とか用意されたりする!? 期待したわけですが、ああー、ないのか。がっかりとまではいいませんけど、まあちょっとそういう要素も欲しかったなあとは思ったりしたんですね。

追加されたマップは、エリアにして5つかな? いきなりのボス戦には驚かされましたけど、しかもいかにも尻尾を切れそうで、はたしてこいつは盾受けすべきか、それとも全弾回避すべきか? いろいろ工夫して、結局軽装で回避することにしたのですが、ええ、数時間かけて尻尾ばかり狙ったことで、攻撃のパターンもわかった、安定して戦えるようになりました。もちろん尻尾もばっちり切断できてますよ。

今回の追加分は、新しく探索できるマップが増えたというだけでなく、もとの時代よりも数百年過去の世界を舞台にしたということで、ええ、すでにプレイして馴染みのあるマップ、そいつと関連ある地形が出てきたりするのが面白かったのですよ。最初のボスを突破して、篝火で休んで、よし新マップいくか! そう思ったら、うわお、ここだったのか! 覚えのあるマップ、で、どこかで見たことのある敵が、また違った姿であらわれて、なんとまあ、感心するやら。で、似ているけれどちょっとずつ違う。その違いが面白く、また攻略のしやすさに繋っていましたね。

この前半部は、序盤、まだ本番ではないのだと思います。というのは、次からのマップ、後半戦はまるっきりの新マップで、しかも敵が結構手強いんですね。いかにも『Dark Solus』らしい重層マップ。ただ水平に広がるばかりじゃなくて、縦に重なるフロアを下りて下りて、そんな感触は、やっぱりわくわくさせられますよ。敵、新魔法、くらったら非常に痛い。どこに敵がいて、どうやったら回避できるか、ノウハウがないから、盾を構えて、曲がり角、建物に入る、部屋から出る際には、敵の待ち伏せを警戒、入り口から視点動かして状況確認しつつ進む。この緊張感が最高です。で、初回攻略だと警戒レベルが高いから突破できたのが、再度の攻略となるとちょっと慣れちゃって、しょうもないことで命を落とす。これもまた『Dark Souls』であるなあ、そう思わされるのでありますよ。

追加されたボス、ほとんどはパターンもわかって、対応策もわかってきたわけですが、まだ最後のボスが慣れてなくて、なかなか勝てません。けど、いつか慣れるんだろうな。慣れるのはちょっと寂しいことかも知れないけれど、たくさん作ったキャラクター。それぞれ違う個性を持たせている、それらでしっかり攻略してやりたいと思います。ええ、『Dark Souls』、まだまだまだまだ遊べそうですよ。

2012年10月30日火曜日

『まんがタイムオリジナル』2012年12月号

『まんがタイムオリジナル』2012年12月号、先日の続きです。

『女子高生かんさつ日誌』、面白いですね。あっという間に寒くなってきた。ええ、このところ実感することしきりでありますが、そうなると女子高生たちの装いも変わってくるというお話。短めツインテールの娘はコートの下に大量のカイロを装備し、いつもクールなあの子は、マフラー、コート、タイツにイヤーマフ、まるまるもふもふで登校。冬はもっとらしい。雪だるま状態、うん、ちょっと見てみたいですね。しかし、あの短めツインテール娘のアグレッシブさ。倫理観から背を向ける先生がいいですよね。自由そのものといった娘たち。先生をおちょくりながらもしたってる? そんな感じがなんだかくすぐったくてよいのですよ。

『オモテもウラも才俄センセイ!』、ゲストです。見た目に可愛く、ふわふわな才俄先生。実はそれが仮面だっていうんですね。強面と怖れられる秋山先生、この人が実は才俄先生のパシリ。むしろ弱気であかんたれな性格を隠すために強面、悪キャラを演じてるっていうんですね。で、生徒からは怖れられたり、あるいは男っぽいと人気だったり。そんな秋山先生を楽勝でビビらせる才俄先生が素敵です。しかし高校時代の才俄先生、伝説になってたりするんですが、事実は伝承を上回ってるとか、故人にされてるとか。なのにこの実はおそろしい才俄先生。おそろしい中に可愛さもあるのがずるくてナイスですよ。

『より道!ダーツバー』、おお、輪郭線が痩せた。ダーツものの漫画。実は結構気にいっています。ダーツにはまって、授業中にもシャーペン使って投げかたいろいろ工夫する。それで後頭部にペン投げ付けられるのは困りものですが、こうして新しいことに興味持って一生懸命というの、見ててすごくいいですよ。夢中になって取り組む、四六時中思っている。ああ、わかります。自分もそういうところがある。で、人見知りながらも、知らない人の中でダーツにチャレンジしていく、そんなヒロインがいい。彼女のわくわくやどきどき、その新鮮さがよいのですよ。

『ものづくれ!アプリ開発部』、これもいい感じ。いえね、前回これを読んだ直後に、スマートフォンアプリのコンクールなんてのを学生対象でやったりしてるというのニュースで見ましてね、ああ、彼女らの取り組み、これももう普通にあることなんだなあって思ったわけですよ。まあ、確かに、iOSにしてもAndroidにしても、開発環境は公開されてフリーで入手できますものね。で、この作者、商品開発のプロセスとか、しれっと描いちゃうわけですが、こうしたアプリ開発をなんとなく雰囲気で考えてるんじゃなくて、具体的に知ってたり関わったりしてる人なんでしょうか。この雰囲気、悪くないなあって思ったんですよ。単純にそうした知識を披露し、状況を描くだけでなく、着手金を要求するとかね、うまく生かされてるところがいいなあ、そう思うんですね。実際のところ、まだ漫画としてはかたい、そんな感じもするんです。なので、今のよさを保ったまま、いい漫画を描く人になってくれればいいなあ、そんなこと思って期待しているんですよ。

  • 『まんがタイムオリジナル』第31巻第12号(2012年12月号)

2012年10月29日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2012年12月号

『まんがタイムきららキャラット』2012年12月号、昨日の続きです。

『ぱわーおぶすまいる。』は、宗馬の妹宮乃のターンですね。放課後の校門で兄を待ち伏せ。ひとりハイになってる妹。ああ、お兄ちゃん大好きなんですね。環いわく全体に似てない、で、アホ毛が似てる。その妹、景佑を受け、みるくを女狐と呼称する。宗馬の部屋に乱入した件、あのせいですね。宮乃、環を姫、あるいはおねえちゃんと呼んで懐いている。みるくにしても、お好み焼きと聞かされておねえちゃんに昇格させる。でも、まゆさんに対しては、篠華まゆ、フルネームで敵対的。この態度、最後の最後まで変わらず、ああ、妹は、まゆが兄に一番接近している女子であると認識して、それゆえのこの態度なんですな。なんのかんのいって可愛い妹、まゆに対しても心底嫌いってわけでもなさそう。その、じゃれるようなやりとり、見ていて楽しかったです。

『ぷらいまりィずむ!』は、さゆらのたっての希望でサッカーですよ。って、困ったお嬢ちゃんだな。これから登校だってのに、サッカーやろうだなんていってる。で、あんまりしつこいからちょっとだけ、となるんですが、公園に移動するのはえらいですね。で、ニコなんですけど、イタリア料理といわれて、生ハムそれもプロシュートだとか、チーズにしてもモッツァレラだとか、最近の小学生ってこんななの? 贅沢だなあ。私らの子供の頃って、ハムといったらパック入り、チーズっていったら、もれなくプロセスチーズでしたよ。運動があれなことを笑われて、怒るめいふがいいですね。苦手なんだね。壊れたしずのもいい感じ。ちっとも落ち着かない登下校風景。困った子らだなあ、そんな風に思いながらも、なんだかほのぼのと見守る、そんな気持ちで眺めてしまうんですね。

『さくらティーブレイク』、お茶席に出てきたケーキ、食べるのをしぶる理子でありますよ。なぜか? 太ったという。1キロ増えたという。気にしてるという。なるほど、理子のダイエット話なのかあ、そう思ってたら違いました。やばいのは菊華なんですね。何キロか増えた。つまめるレベル。で、菊華のダイエット話? そう思ったら、違いました。背を伸ばしたい人がいる、体重を落としたい人がいる、胸の大きさを気にしてる人もいる。着物の似合う似合わないという話など、茶道部らしい話も出て、最後に和菓子に落ち着くのがおかしかったです。いやあ、和菓子、食べたいですね。こしあん、食べたいですね。部長のいう気にしすぎもよくない。それは確かにそうだけど、さすがに気にしないといけない人もいるという落ち。ああ、この人はいい感じに落ちを拾ってくれますね。

『このはなさくや』、都ががんばるっていうんですが、最初の目玉焼きの話から年齢のボケにはいるくだりとか、面白かったですよ。振り回される妹、杏花。姉さん、いたれりつくせりって感じでいろいろ世話やいてくれるんですが、それがすごく不安。しかしなぜ姉はあんなにはりきってるのだろう? その理由を探る過程で、小牧のテストの残念なこと、杏花の過剰な姉への愛などいろいろ露呈するのが面白かったです。いや、カチューシャは武器にはならんよね? しかし、目玉焼きの件、あの発言の真意が判明した瞬間の杏花、おかしかった。そして都の好きな人、ああ、なるほど。そうだったんですね。今後、また語られたりするのでしょうか。楽しみにしますよ。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第8巻第12号(2012年12月号)

2012年10月28日日曜日

『まんがタイムきららキャラット』2012年12月号

『まんがタイムきららキャラット』2012年12月号、発売されました。ええと、昨日のことです。表紙は『ひだまりスケッチ』。今、アニメやってますよね。見てますよ。これまで見てなかったので、漫画と雰囲気違ったりしたらどうしよう、そう思ってたんですが、大丈夫、面白いです。さて、表紙はゆのさん、制服姿であります。背景にピンク、文字は黄色と淡い青、青はちょっと見にくいのだけど、黄色との対比がポップで、リズムの感じられて楽しいものになってます。

GA — 芸術科アートデザインクラス』は、ついにきましたよ体育祭。って、練習はそこそこなんだ。こういう力抜けた感じ、いいですよ。なんかリアル。で、体育祭当日は雨。ああ、順延かあ、そう思ったら、へー、やるんだ。体育館でやるっていうんだ。しかし、今回、うまかったですよ。汚れてしまったオブジョ。鶴のコスプレ。ノダミキがポンポンでトモカネ兄に変装。いろいろおかしな小ネタが出てきて、いやしかし、これが後にばっちり効いてくるとは、ほんと、してやられましたよ、想像外でした。オブジェ送りで白くなっちゃう、野田の輝き鶴に負ける、うん、この時点で予測していてもおかしくなかったのかも知れない。けど、全然そんなこと思いませんでした。美術部の部対抗リレー。如月がスカウトされて、どうせ最下位だからと、アンカーはトモカネ兄だからというんですね。で、やる気なんてないのかと思いきや、最初の意外性。やたら速い芦原。で、如月で予定どおりベベになって、そう思ったら、うわあ、トモカネ兄ってこんなに速いのか! 後で大変なことになったりするんじゃないの? まさかの逆転、2位ゴール! と思ったら、あああーっ、そういうこと! ノダミキの変装。それが鍵。トモカネ妹が化けていた! これはやられました。見事でした。あの種明かし。すかっとする、気持ちのよさありましたよ。

『うぃーしぇあ!』、ゲストです。大学進学を機に下宿生活をおくることになった卯花あさひ。最近は少なくなったそうですが、昔は下宿屋とかあったそうですね。ええ、その下宿屋もの、みたいですよ。泥だらけになってお出迎えするのが下宿長である咲乃美子。園芸を趣味にしているんですね。他に舞、ええと、寮に入れずゆくさきなかったあさひを、この子が拾ってくれたっていうんですね。この下宿への紹介者、それが舞ちゃん。そして千里音、ロックをやってるっていうんですが、持ってるギターはフラットトップ? アメリカンロックか? イーグルスみたいな。あさひ、里音に懐いて、いろいろ教えてもらう。里音は里音で、先輩といわれて悪い気はしない。実際、今回は、あさひ同様、読者に対してもオリエンテーションといったエピソードでした。登場人物の紹介、舞台となる下宿の紹介、そして謎の人。次回、この面々でどういう話が展開されるのか、それが楽しみですね。

『さいけん。』、ゲストです。漫研に入部したい、そう思っていたのに、案内されたのはさいけんぶ。開けてみれば、水泳部やらソフト部やら、そしてもちろん漫研も一緒くたにまとめられていて、ええ、廃部になってしまった部をまとめて、いずれは再建する、そうした部活動らしいんですね。現在の再建待ちは、さっきのみっつに加えオカルト研。部費を受けるかわりに、学校の行事や雑務を手伝う。ギブ・アンド・テイクですね。部員は、ソフト部の夏木みなぎ、水泳部の佐川ほなみ、そして黒野くるみ。部活を意図せず潰してまわっているという、要注意人物だそう。花城ゆきのが入ろうと思っていた漫研も、くるみが潰してしまってたんですね。くるみとゆきのは幼なじみ。今やどこの部も受け入れてくれないくるみと、漫研としての活動を頑張ると決めたゆきの。ちょっと変則的な部活動もの。設定もそうですが、ちょっと面白くなりそうです。

『あまゆる。』、ゲストです。こちらは寮生活もののようですよ。主人公のハルは、ちょっとのんびりしてるお嬢さん。しっかりもののアヤと同室で、アヤは実家が農家ということもあって、早起きが習慣になってる。対してハルは寝坊ぎみなんですね。田舎の女子校、アヤにちょっと甘えながら、仲良く寮&学園生活、その様子をほのぼのと描こうといった風に感じますよ。ハルは転校が多かったから、寮に入ったことで安心できたっていう。転校の不安とかなくなったんでしょうね。アヤはアヤで、ハルとのちょっと慌しい登校風景に友達と一緒ってこういうことだろうか、なんて思ったりして、ええ、このお互いが一緒にいて楽しい、嬉しい、そうした感触が好みです。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第8巻第12号(2012年12月号)

2012年10月27日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2012年12月号

『まんがタイムオリジナル』2012年12月号、発売されました。表紙は、ダンス? DJスタイルの榊医師がテーブル回して、踊っているのはナース山下、『満開!Sister』カンナ、そして『らいか・デイズ』らいかであります。しかし、らいか、それダンスじゃなくて、変身ポーズよ!

『満開!Sister』は、いつも要領のいいさくら、たけしを見事に手玉にとっているわけですが、おや珍しい、今回は策略が裏目に出て1時間もマニアトークにつきあわされるっていうんですね。さて、本編は文化祭にてたけしの企画が通った。武士道喫茶を希望したところ、古谷コレクションを活用した武士道プリクラ、コスプレ撮影なんですけどね、やることになった。しかし、たけしいきいきしてる、というかちょっと、いや、かなりウザい。着物の着方に文句が出る。女子との撮影を売物にしようとする意見に、毅然とした態度で反対、と思ったら、鎧趣味かよ! がんばるほどにがっかり少年、いかします。しかし、この人のコレクション、すごいですな。ひとり文化祭でありますよ。

『あねぐるみ』はコーヒーですよ。社内のコーヒー通たちが、カップベンダーのコーヒーの味が落ちたと文句をいう。タケローとその同僚、適当に話あわせるだけあわせて、全然わからんと後でばらす。しかしタケロー、コーヒー通のこだわりの数々、味よりも趣味性だというの、これ確かにそうかもなあ。結構核心かも知れません。面白いのは北見課長。コーヒー通を気取ってるけど、全然駄目なんだ。むしろココア好き、って、ココアが好きでもいいじゃんか。コーヒーについては全然わかってない。からん並みといっていいくらいです。今回の騒動は、結局は機械の不調で、コーヒー通の皆さんの判断は正しかったっていうんですが、ということは、ひとり失点は北見課長でありますね。ほんと、素直になれない、可愛い人です。

『小森さんは断れない!』、都会にいく、って、なんだか新鮮な響き! 感覚はわかる。うちららへんだと、市内(京都市内のこと)にいくとか、大阪(梅田のこと)に出るとか、そんな感じですよね。思えば彼女ら中学生、電車に乗って繁華な場所に友達だけでいく、それはちょっとした冒険? イベントなのかも知れませんね。というか、彼女ら、埼玉在住? さて都会にいくというので、いろいろ焦る。どんな格好でいったらいい? さらに小森さんはティッシュ配りを引き付けるときた、って、貰っといたらいいやないの? って関西的発想? しゅり、めぐみに較べて、まさ子はいやに堂々としているな、そう思ってたら、ああ、友達自体しゅり達がはじめてって、ああ、可愛い娘たちだなあ。街では、案の定のティッシュ配り、そしてすすめられると断われず、どんどん購入してしまうとか、うん、小森さんも大変だ。路上シンガーの聴いてくれビームも駄目なんか。街歩くのも大変だ。買い物して、まさ子の帽子可愛い、カラオケいって、ゲーセンいって、まさ子クール! 皆が皆、それぞれに満喫した一日。ほんと、すごくよかった。楽しんでいる、その気持ちの感じられるところ、実によかったです。

『あおぞらのカケラ』、ゲストです。部屋の窓から見える女の子、ひとり橋の上で空を見上げているんですが、夕方になったら、雨、ちゃんと雨合羽着て、空を見ている。誰なのか、なにをしてるのか。不思議な女の子であります。主人公、残された少ない情報をたよりにその子を探して、ああ、空を見ているの、気象に興味があるんですね。落としていった手帳には気象に関する単語や記号が見受けられるし、図書館で出会った彼女、聴いていたのはラジオの気象通報。ああ、地学の授業でやったよ。大変だったけど、結構楽しかったんですよね。まさにそれを実践している彼女。気象に興味がある。手帳の表紙には「はて」とある。空の果てについて思いを馳せていたっていうんですね。ヒロイン、はどっちだ? 空の好きなみそらと、彼女に興味を持ってしまった早菜、ふたりの交流、ちょっと面白そうですよね。期待しますよ。

  • 『まんがタイムオリジナル』第31巻第12号(2012年12月号)

2012年10月26日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2012年12月号

『まんがタイムきららフォワード』2012年12月号、一昨日の続きです。

『せなかぐらし』は、あのこっぱずかしい告白を経て、ああ、見事に帰還でありますね。もともとは夏休みのあいだだけと限定されていたひとり暮らし。けれどそれを継続、親を説得し、準備を整えて、4ヶ月ぶりにあの部屋に戻ってきたっていうんですね。って、よくあの父親が許したな、って、毎日悪口メールが届くのか。まあ、悪くない関係じゃん、そんな風に思ったですよ。しかし、菓奈、家賃、自分でなんとかするんだ。すごいな。会わずに過ごした4ヶ月の時間、その間に生じた不安、些細なことに気持ちの変化があったのではと思ってしまう巡、けれど菓奈も同じだったというのですね。そうした気持ちの通じた瞬間、そして踏み込む巡。よいですね、気持ちが動いて前へ進めとばかり背を押す、そうした感覚に溢れて見事でした。また菓奈の泣き顔、こうしてふたり、しっかりふたりで前進したのだなあ。これまでの紆余曲折、それがすべてはじまりの地点に戻って、しかしもとのとおりではない。よいラストでした。

据次タカシの憂鬱』は、タカシ、お客さんからメールアドレスを貰ってしまうっていうんですね。わかなといくみに続いて、恋愛イベント発生? って、千鶴さん、酷いな。でもって、タカシ、あんたの想像も酷いな、って、いや、うん、もし自分が同じ状況なら、やっぱりそう思うと思う。しかし、メールアドレスひとつで、あそこまでいろいろ思ってしまうタカシ。よほどの不信があるのか、そう思う反面、相手の気持ちをおもんぱかって、どう返事を出せばいいか一晩中悩む。いや、いい男ではありませんか。こいつ、なんだかんだいって誠実で、いつも酷い目、大変な目にあってしまうわけだけれど、それでも相手の気持ちに応えようとする。というわけで、今回は冗談抜きで酷い目にあったわけですが、ここまで問答無用で酷いというのも久しぶり、のように思いますよ。そうかあ、あの店を出たら、こういう対応されるのは変わらんのですね。

少女素数』、田中博、ああ、ぱっクンか。通知表、ということはいよいよ冬休みですね。先日の海での出来事、それ以来、ぱっクンと有美ちゃんの関係が思わしくない。うん、ぱっクンが戸惑う気持ちはよくわかる。ぱっクンの態度への抗議、いつになくきつい言葉。このギクシャクは、有美だけに留まらず、すみれとの間にも生じるのかな? あんずに頼まれて、あんずの写真を撮ることになった。アイドルのオーディションに使うっていうんですね。って、水着! 思いっ切り意識するぱっクンに対し、頓着しないあんず、この関係は実にらしい。で、この現場を、おそらくはもっともまずいかたちで、すみれに見られてしまうんですね。よりによって、そうなるの!? ふたりシーツの下、まったくの不可抗力、まったくの誤解であるであるわけですが、はたしてこの誤解はとけるのか? とけず、ふたり女子の間、ギクシャクする関係に戸惑い悩まされる、そんなぱっクンの姿が来月にはあったりするでは? なんて思ってしまうんですよ。

2012年10月25日木曜日

First photographs taken with GR DIGITAL IV

Ricoh GR Digital IV月末になりました、ということで、GR BLOGのトラックバック企画でありますよ。今月のお題、そいつは記念であるのだそうです。記念、記念、なにかあったかいな。そう思いながら写真を眺めていたら、ああ、そうだ、これをやっておきたいな。ええ、先日カメラを買い替えまして、GR DIGITALからGR DIGITAL IVにバージョンアップしたのですが、最初に撮った写真、それは記念といってもよいものだろう。なので、他に人にとってはどうでもいい写真だろうけれど、自分にとっては記念と強弁して、トラックバック企画「記念」に参加します。

とはいうものの、最初の写真はGR DIGITALによるもの。ええ、GR DIGITAL IVの写真ですね。まずは本体関連品。GR DIGITALのバッグもついてきたのでありますよ。そして関連品。フード&アダプターとステップアップリングは、フィルターをつけるためですね。とはいいますが、あんまりPLフィルター使ってないから、ただのそれらしさを演出するための小道具に留まっています。で、ストラップもRICOH純正です。新しいのはカメラの名前じゃなくて、社名の刺繍になったんですね。

Ricoh GR Digital IV

Ricoh GR Digital IV

以上、アクセサリを装備させると、こんな外見になりました。

Ricoh GR Digital IV

これより以下が、GR DIGITAL IVによる写真です。とりあえず電子水準器を試してみました、って写真ばっかりなのが笑えるところ。あと、ブリーチバイパスなども試してますが、こういうので表現を工夫できるのはやっぱり面白いですね。まだいろいろわかってないところもあるGR DIGITAL IVですが、とにかくたくさん撮って、試して、慣れていこうと思っています。

Sky

Sky

Sky

Sky

Sky

Umeda Osaka

Osaka Subway

Statue

Statue

Statue

2012年10月24日水曜日

『まんがタイムきららフォワード』2012年12月号

 『まんがタイムきららフォワード』2012年12月号、発売されました。表紙は『はぢがーる』ですね。ヒロイン3人、って、紗江に菊花に真木好でありますよ。散ったもみじの絨毯、寝そべる3人なのですが、笑顔見せる菊花、好に対し、紗江の余裕のなさ。あわあわと赤面してあわてている、そんな様子が実にこの人らしくって、実によいです。しかし、余裕なくしてる紗江の手を握ってくれている菊花。いい友達だなあ、そう思わせてくれますよ。

はぢがーる』、病気を押して本田くんに告白しにいった紗江、タクシーで帰還ですよ。しかし、本田くん、いいやつだなあ。タクシーを呼ぶ、お金も払っといてくれる、自転車もちゃんと届けるといってくれる、ほんと、こんないいやつなかなかいないよ? ってくらいしっかりしたいい少年です。さて、告白せよという課題、そいつを遂行すべく頑張った紗江だったわけですが、ああ、惜しいことにぎりぎりでタイムアップ。腕輪は割れてしまっているし、課題のシートを見てもクリア扱いになっていない。しかしどうも状況が違う。不思議ないもむし? 本来なら卵からは天使が出てくるはず。失敗なら黒くなって死ぬというところが、見たことも聞いたこともない不思議生物が出現して、おお、まだ紗江には望みがあるようですよ。追加課題であります。不完全なかたちで生まれてしまった天使が求める追加課題、そいつをクリアしていけというんですね。でもってその課題、ビキニを買えというんですね。って、らぶりん、お金出してくれるんだ。いいやつだなあ。って、どんな内職してるんだろう。さて追加課題ですが、これまでとちょっと様子が違います。状況を見て進化するんですね。ああ! 本田くんに選んでもらえときた。好きと一旦いってしまった紗江。その言葉を誤魔化しながらも、前に進むほかないというこの事態。恋を恋と自覚した今、どうするのか、どう進むのか。いやあ、新しいステージにあがった、そんな感じがひしひしとしますよね。

夢喰いメリー』、エルクレス戦継続です。メリー、エンギ、ジョン、3人がかりで戦うも、なお余裕のあるように見えるエルクレス。嫌なやつだなあ。クリオネを燃やすという。しかしただ殺すだけではないという。なんと、エルクレス、戦って倒した相手の能力を使えるの? なるほど、夢路の能力に同じなのか。しかし、本当にどうなるのだろう。エルクレスを阻止しようとした夢路、メリーの健闘虚しく、結果的にエルクレスの火にクリオネがさらされることになってしまった。けれどクリオネを死なせてしまうと、妹瑞貴もただではすまない。だからどうしても助けざるを得ないだろう、そう思うのだけど、どうするのだろう。しかし、戦闘能力を持たないクリオネ、エルクレスの圧迫に抗して、自分の意思を明確にして見せた。健気な娘だなあ。衣装のきわどさにはらはらしながら、この子の運命の行く末、より以上にはらはらするのであります。

『返却希望』、ゲストです。不思議な話。主人公律志、図書館から借りていた本、上巻を返して下巻を借りよう、そう思っていたら、下巻がない。と、そこへユキと名乗る女の子が声をかけてきた。さっきまで借りていた本『ユキヤナギ』の上巻、それが彼女だっていうんですね。この図書館が持つ不思議な力で人の姿になっている。かくしてユキと一緒に下巻、ヤナギを探しにいく。しかし変わった話です。大切にされなかったことで人間不信に陥った本、ヤナギ、彼女に思いの丈を伝えて、信頼を得て、そして律志はこの図書館で働くことになった。取り立て督促ですね。返ってこない本百冊あまり、それを回収することになって、ユキとヤナギがアシスタントになるのでしょうか。けれどちょっと突飛すぎたという印象。この設定で、話を展開していくというのは厳しいんじゃないだろうか、そんな気がしています。

『すてマ!』、『きらら☆マギカ』からのゲストだそうです。ほむらと杏子が、それぞれまどかとさやかに拾われて、ペットとして飼われているのか。それまでは野良魔法少女だったのか。で、このふたりがマミさんにお茶に誘われる。申し訳ない、なんともいわれん。『まどか☆マギカ』はBD買うくらいには好きなのだけど、そのパロディギャグとなると、ちょっと違ってくるなという印象です。キャラクターのらしさ、そいつをうまく使って、ちょっとほのぼのでちょっとシュールなギャグコメディにしてる。これ、そうしたパロディを楽しむという前提を共有できてると、きっと面白いな、そういう感想を持ったものの、残念ながら私にはちょっと唐突すぎて、追い付けない。置き去りにされている、そうした感触にちょっと戸惑ったのでした。

2012年10月23日火曜日

『まんがタイムスペシャル』2012年12月号

『まんがタイムスペシャル』2012年12月号、昨日の続きです。

『銀河系女子高生ありすちゃん』、犬に手をなめられて、食べられてしまうのかと心配しているありすがやたら可愛くて面白いです。って、宇宙人じゃなくて、銀河か! しかし、ちょっと考えさせられる話でした。いえね、ありすちゃん、犬と猫の違いがわからない。ああ、確かにそうかもなあ。猫と犬と、その見分け方とか自明のものと思っていますが、確かに地球外からきた人からしたら、容易にはわからないだろうなあ。納得させられて、感心しましたよ。そしてありす、ゆせが、はるに連れられて粘土で遊ぶ。ああ、ろくろのあの表現、ロマンがあるなあ。なんだろう、ワンダーです。そしてありすの粘土細工の才能。そしてあのラスト。ニャー。いいですよ。ちょっとの幻想。素敵なふくらみがありますよ。

『ゲキカラ文化交流』、おどろきだ、扉、みゆき、おそるべき美少女。可愛いなあ。かと思えば、本編1コマ目のみゆきも素敵。サブタイトル削って、コマを大きくして、さらにそこからはみださせて、こういうちょっとした絵の工夫で魅力がどーんと出ますよね。テーマはハロウィンですね。トリックオアトリートでお菓子をねだる、って、カレー味じゃないと駄目なのか。望むお菓子がない場合は、ヘアアレンジされてしまいます。そのやりとり、なんか可愛くって、楽しくって、よかったですよ。女子はより可愛く、男子も負けずに可愛くって感じですよね。アイシャのカレー屋でのやり取りも楽しくて、カボチャカレーの顛末、あれはよい。甘くなりそうだなあ。カレー屋もクラスも、どちらもが楽しくてよいですよ。

『メー探偵フワロ』、またまたゲストですよ。物騒でセクハラ気味のおやじ探偵フワロの、活躍しない、させちゃいけない漫画です。平和な村に、おこってもいない事件の匂いを嗅ぎとる、それがフワロ探偵。今回もそうか? と思ったら、おお、ストーカー? それとも覗き? 誰が犯人!? ああ、このおっさんか。おっさん四面楚歌な状態が最高でした。しかし、この件でもって、ひとつの恋が成就する。その流れは素晴しい。おっさんは最低ですけど。やっぱり面白いですよ。なんだろう、見ててにまにましてしまう。アーサーやレモンさんの人柄に、そしておっさんのろくでもなさに。ええ、アーサーさん、いいですよね。今回のラストの平和さ感じさせるところなど、ほんと、しみじみよかったです。

『アイして♥やえば』、ゲスト、なんですが、これ、毎回毎回、どんどんこなれていきますよね。キャラクターはより親しみやすくなって、絵柄も可愛くなって、インパクト勝負ぽかった当初より、ずっとネタの広がり、キャラクターの感情、よく表現されるようになって、面白いです。さらにどんどん面白くなってますよ。しかし、愛さん、鳥子さんもだけど、ふたりとも可愛いですね。八重に嫌われたくない、そうはいってるけど、罵しられたりするのはウェルカムなんだ! いい顔で、とんでもないこと話し合ってるし! で、本人に確認するという話になったのに、目前にするとくじけてしまう。ほんと、鳥子の暴走、愛に詰め寄る、あの発想とかも、最高に面白かったです。

  • 『まんがタイムスペシャル』第21巻第12号(2012年12月号)

2012年10月22日月曜日

『まんがタイムスペシャル』2012年12月号

『まんがタイムスペシャル』2012年12月号、発売されました。表紙は、おお、なんだこれ、ものすごい。試験勉強でしょうか、テキスト2冊広げている『恋愛ラボ』マキであります。いやほんと、こうして見ると、ものすごい美少女だなあ。暖かみある柔らかな光、そしてカーディガンが秋を感じさせますね。素敵です。そして他に『ピンポン☆ブー』、『どろんきゅー』、『踊る!アントワネットさま』のゲスト及び巻中カラーの告知カットもございます。

『ナースドールまりあ』、まりあも寝るのか。突然倒れて、どうしたかと思ったら、うたた寝らしい。ああ、疲れてる時って立ってる時でも歩いてる時でも突然寝てしまったりしますよね。そんなわけで、四郎に労わられるまりあ。いい関係じゃないですか。人見知りの少年、四郎が大学で頑張る。友達作ろうと頑張る。そうした時に、まりあが忘れものを届けてくれた。どこかのサークルのコスプレとか思われてるみたい。皆から受け入れてもらえてよかったじゃん。それに、まりあの気づかい、それも四郎に通じて、ほんと、ふたりはいい仲だと思います。

シュガービーチ』は、ついに十文字高校と九十九高校の激突ですよ。みなとと美麗が対決する。って、パスしただけで感動されるとか、キャシィが微妙に役にたたないとか、そして部長の定番展開。おもり入りの水着って! というか、あの水着脱いでもいいのん? あれ着てないと駄目だったんじゃないの? なんていう疑問もそっちのけで、どんどん試合は続いて、ああ、みなとだけ下手なんだ。しかし、この展開、予想もしないものでしたよ。最後のページ、驚きの決着! ほんと、この漫画の面白み、凝縮されていたと思います。ほんと、びっくりしました。

『どろんきゅー』、今回は異色回! 霊に好かれる女の子果歩、物心つく前からそうだったんか! という導入。これ、本編は遠足なのに、そう思っていたら、二本立て、後半のコマ割り漫画で解決するわけですか。しかし異色というのはそこじゃない。果歩、幽霊お化けの類に怯える子、だけど幽霊たちは果歩のことが好きなだけで、悪いようにはしない。むしろ手助けしたりするいい奴ら。これまではそうだったのに、遠足の山で出会ったのは違うんだ。これ、アキちゃんがこなかったら、果歩、危なかったよ。なかなかにぞっとさせられるラストだったわけです。これは後半においてもそう。亡くなったお父さんが小さな果歩に、このいえいはないだろ、抗議の気持ちを伝えてるのがおかしくてたまらなかったんですが、いつも果歩のまわりにいる幽霊たちは、あやしたりしていい奴ら。けどこどもひろば、屋上で出会ったやつは全然違うのな。アキちゃん。遠藤亮っていうんですね。なるほど、果歩、アキちゃんに何度も助けられてるんだなあ。しかし今回、ほんとに異色作でした。子供に読ませたら泣きそうです。

『ピンポン☆ブー』、ゲストです。高校に進学したら、一緒にクイズ甲子園に出よう。約束したというのに、ひとりだけ志望校に落ちてしまった景二。スベリ止めで受けて受かった凡倉高校にて、四海あやや。いかにも頼りなさそうな女の子なんですが、この子が仲間になって一緒にクイズに挑戦しようぜといってくれるんですね。いや、全然力にはなってくれそうにないんですが。この子も成長して信頼できる仲間となってくれるのか、あるいは最後までこの調子なのか。後者のような気がします。けど、景二の目標。なんとか達成されるとよいなあ。そう思います。

  • 『まんがタイムスペシャル』第21巻第12号(2012年12月号)

2012年10月21日日曜日

『まんがタイムきららミラク』2012年12月号

『まんがタイムきららミラク』2012年12月号、先日の続きです。

『ゆめおいドミトリー』は、2回目ですね。8月号以来。田舎から出てきた藤原ゆめが、叔母の経営する寮にて女の子たちと暮らして、って話。皆それぞれに夢や目標がある中、ゆめだけはそういうのなくて、だから夢探し、目標探しといった感じになりそうですよね。今回は、田舎とはずいぶん違う都会の様子。って、あの迷子体質、エスカレーターですれ違うとか、あれはなかなかいい感じ。デ、夢探しとか、後退しちゃったのかな? そう思えるくらいに、なんてことない寮生活の風景でしたけど、最後に寮母、つまり叔母から努力せよと指令がくる。ええ、努力必要ですなあ。ゆめが頑張る様見て、自分も頑張りたいと思います。ところで、猫かぶってる千歳が可愛いですよね。

『塩味Life』、ゲストです。ヒロイン岡崎このみ。朝目覚めたら死んで幽霊になっていた。って、すごいな。死因、おやつの食べすぎらしい。ああ、これでもう柿ピーが食べられないのか、そう思って嘆いていたら、天井から友達がおりてきた。しほちゃん、って、友達も死んでるのか。死んでるとか幽霊とか、穏やかでない設定ですが、危機感は皆無で、おかげで気負わず読めるのはよい感じ。幽霊ふたりで友達みくるのうちにいったら、みくるは幽霊見える人だそうで、やっぱり危機感なくよもやま話。成仏をすすめて、盛り塩、誤って塩をかけてしまったらこのみが蘇生して、めでたしめでたしでした。この騒ぎというほどでもないけど、困った事態を用意して、ちゃらにして終了。死んだのなんのという話だけに、いい終わり方だと思ったですよ。ところで、しほの死因、なんだったんだろう。ああ、しほは死んだままです。

  • 『まんがタイムきららミラク』第1巻第10号(2012年12月号)

2012年10月20日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2012年12月号

『まんがタイムきららMAX』2012年12月号、昨日の続きです。

『タンポポの実』、ゲストです。ほのぼのな絵柄、ほのぼのな学校風景。東京の学校から転校してきた女の子、三町琴美が田舎の学校に転校してきたっていうんですね。はじめて見る学校。天井も床も机も木、木造の校舎にちょっと興奮気味だったり、決して嫌々の転校ってわけじゃないっていうのがいいですね。転校の理由は父親の会社の都合、って、お父さん社長なんだ! かくして琴美、ちょっと不思議な女の子春日夢乃、ユメや、スズ、おでこ星人、って、ええと、そんちゃんですね、早速仲良くなって、学校周辺、いろいろ巡って、自然に親しんで。この、田舎の風物、自然のいろいろ、それを楽しもうとしている琴美、トコのわくわくぶりが大変によい感じ。他の子たちも毎日をエンジョイしている、そんな感じが実によかったです。

アキタランド・ゴシック』、面白いなあ。アキタとアサヒが、なんか寸劇? セレブごっこ? なんてのをやっている。なぜか? それはコマチのWebサイトがふたりにばれてしまったから。って、こりゃ面白いな。大変な才能じゃないですか。友達ふたりをモデルに取材して、カートゥーンを連載している。その名も『AKT&ASH』。最後の『残り湯汲みに行ってもいい!?』にしびれます。けど怒ってるわけじゃない。ただ内緒にしてたので、からかいまじりにしかえししてるだけ。あの、一般人宣言をするコマチちゃんがべらぼうに可愛いですよね。ちんまりして、めちゃくちゃ可愛い。ああ、そりゃ人気一番になるよ、そう思わせるもので、しかし新キャラKMC登場を後押ししたアキタの言葉、その不満、ちょっとよかったじゃん、そう思ったりしたわけですよ。ええ、ちょろいですよね、私。ほんと、仲良きことはよきこと。面白い話でした。

『三種のジンギ!』、これ、今さらですけど、人物紹介、面白いなあ。生徒会3人。皆、仕事はできるで締め括られてるの。うん、その前の言葉が、揃いも揃って変な人だものなあ。というわけで、今回は生徒会。主役さんにん、生徒会を手伝いにいって、あのジャンケンを誤魔化してる真珠、よいなあ。掲示物張り替えとパソコン入力組、二手にわかれての庶務。その過程で先輩たちの人となりがいろいろ描かれて、そういえばこういう人だった桜先輩、面白いな。お花摘みって、ほんとに摘むのか! 真珠いろは組のやりとりもいい感じ。いろは、有能だなあ。そして、嫉妬する真珠、意気投合して、大変なことになってって、このアホな展開。鼻血、お茶、平和ですね。ほんと、面白かったです。

√中学生』は、鞘ちゃん左利き。うん、左利きってなんだかかっこいいっていうの、その感覚はわかります。アルネ、左利きに憧れてる。そういうと、月も同じようにいいだして、憧れの取り合いになって、そこに琴も参戦する。ちびっ子たち、うん、確かにかわいいですね。さて、そうしたやり取りの末に判明する琴と操の関係。誕生日がまったく一緒。生年月日、全部が一緒。で、従姉。母親ふたりが姉妹だっていうんですね。なのに、片やちびっ子、方やすくすくと育って、その落差。今回は、皆の特性が押し出されていましたね。アルネが力持ちとか、そして鞘の発明品。色の変わる7色サインペンは、商品にできそうに思います、って、驚くのは左利きってとこなんだ。ええ、冒頭の振りがうまく回収されてます。

『スイーツどんぶり』、学校に戻って、普通の料理部的展開ですよ。柿崎が友達に頼られる。父子家庭、大好きなお父さんのために料理を作りたい、そういう猪塚のために料理を教えることになった。え? 柿崎が? 目玉焼きが青く変わるあの人が? 頼みの酒井は、前回のダメージでダウン中。豚花も役に立たない。なので栗原が料理を教えることになって、って、この説明、素晴しいな。簡潔に要点をまとめて、これだけ見ればもう肉じゃがを作れるようになった気分ですよ。しかし、まさか、この料理を教えて云々っていうのが、LIFEのエージェント、そこに繋がってくるとは思いませんでした。ハイテンションで、強烈な表情、しびれる落ちでした。

  • 『まんがタイムきららMAX』第9巻第12号(2012年12月号)

2012年10月19日金曜日

『まんがタイムきららMAX』2012年12月号

『まんがタイムきららMAX』2012年12月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎですか?』、チノとココアがふたりでセッションですよ。ピアノを弾くココアに、サックスを構えようとストラップをなおしてるチノ。頭にはうさぎの耳、飛び交うシャンパンボトル。ちょっとゴージャスな雰囲気に、彼女らの可愛さがミスマッチ、けれど不思議と調和して素敵な表紙に仕上がっています。サックスはセルマーかな? あんなややこしいもの、細かく描くの大変そう。主管が裏焼きになってるとか、いろいろあるけど、そんなのは瑣末ごと、小柄なチノに大きく感じられるアルト、いいバランスで素敵です。

で、この表紙イラストからが本編にかかわってくるというのか。『ご注文はうさぎですか?』、扉絵がチロル風衣装でそれぞれ楽器を手にした5人、ええと千夜がフルート、リゼがヴァイオリン、チノがコンサーティナ、ココアがモンキータンバリンで、シャロはバグパイプですね。なんか中央のチノがちょっと慌ててて、それが絵に動きをもたらしているように感じてよいですよ。さて、なんで表紙のイラストが本編に関わるのかというと、ブルーマウンテン青山さんの小説、『うさぎになったバリスタ』の、ジャズやって喫茶店の経営難を救ったバーテンダーの息子、ええと、チノの父なんですが、なるほどあの渋いおじさま、そんなことなさってたのか。表紙のチノのサックス、これは父上に習ったもの、とかだったりするのかな。父上、かっこいいな。で、表紙のイラスト、背景にフィルムの模様がはいってるの、これも本編に繋がってて、映画を見にいく話なわけです、青山さんからもらったチケットで映画を見にいく。皆、それぞれの理由で寝不足だったり、雨に降られたり、寝てしまったり、可愛くていいですよ。観賞ポイントが皆違ってるとことか面白かったです。しかし、モデルになってる人や店が、ほんとすぐそばにいたりあったりするのに、気付いてないのがいいですよ。全部キリマンジャロです。ホットドッグ食べてるシャロ。寝てたこと抗議するチノ。もう、実によいわけです。

『いちごの入ったソーダ水』は、女子校の女子寮、世間知らずのお嬢様御代田こひめと姉御肌の花泉月。るながこひめのこと、かばったり慰めたりしてこひめにすっかり懐かれて、かと思えば舎弟からやたら百合マンガをすすめられてなんかいろいろ意識しちゃったりして、そんなふたりの友情もの。お互いにはじめての同い年の友達とか、すごくでこぼこな感じで、面白くなりそうです。これ百合に傾くのかな? と思わせて、いやこの作者のことだからきっとそう簡単には運ぶまい。どんな展開がくるのか、期待させられるわけです。

ふわふわ科学』は、菌類や酵素の話でした。カホはシイタケ、嫌いなんだ。自分は平気だからよくわからないんだけど、シイタケ、嫌いな人って多いみたいですよね。キノコの構造、その性質。なるほど、有機物を無機物に分解するんだ。また菌類を利用して作られる発酵食品など、これまでの説明を受けて発酵食品を考えると、菌類が発酵過程で有機物を分解してくれることで、もとの素材より消化吸収しやすくなる、ってことなんでしょうね。これで最後にヨーグルトを作る、というか増やすって感じですが、手作りしようって話になるの、いいですね。説明とキッチンでできる実践というバランスが、生活の科学という感じで気にいっています。

LSD — ろんぐすろーでぃすんたんす』、ほんと素晴しいな。ついに椿にタスキが渡った。と、この扉、なんてよいのだろう。LSDって気持ちいいっ! っていってたころの椿から、練習を重ね、走り込んできて、今のこのタスキを受けたシーン、これまでの椿の陸上に打ち込んできた、取り組んできた時間が凝縮されて、ちょっと感動したほどでした。今の椿は、それまでの椿、その延長に立って走っているんだ。浅見さんのいった、きっと抜かれてしまう椿、けれど、椿は椿の積み重ねた時間、練習、経験、それで戦うしかないんだ。絶対に奇跡なんて起きない展開、抜かれて抜かれて、また抜かされて、恥ずかしい、つらい、けれどそれでも自分のペースで、自分のベストを目指して走るんだ。健気さに、ストイックさに、胸を打たれますね。そして勝ち取った目標タイムから11秒縮めたというその結果。なんという清々しさ、また晴れ晴れとした椿の表情も素晴しい。部としての成績といえば、健闘とはいえ、アクシデント含み、最高とはいえなかったのかも知れませんね。けど、タスキを繋いで、皆の気持ちもまた近くなって、舞と椿のやりとり、ああ、友情ですね。青春ですよ。部員に、友人に恵まれて、まっすぐに伸びやかな椿の走り、その成長。また、家族に愛されてる、その様子も暖かで、気恥ずかしさも嬉しさもないまぜに、しっかり椿を支える力になってる。スポーツもので、部活もので、青春もので、友情もので、そして家族の愛情も! 豊かな漫画であります。贅沢な漫画であります。

『Pretty Prison』、なかなかよい感じではありませんか。看守と囚人ものって、シチュエーション・コメディですよね。囚人に恋する看守という不思議な関係性。本来優位な立場である看守だけど、むしろ看守コハクは囚人リンネに対し弱い位置にある。それを立場の優位でもって誤魔化しながら、ことあるごとに絡みにいくというコミカルさ。悪くないと思いますよ。シリアスはまずもって期待できない。ナンセンスが身上。リンネへの好意と看守という仕事に対する真面目さがちぐはぐで、しょっちゅうコンフリクトさせているコハクが、いまいち行動意図が不明な所長にやたら振り回されたりと、そのどたばたぶりが面白いです。所長、看守、囚人というそれぞれが、本来の役割から逸脱していて、是正しようとするコハクにしても逸脱者だから、もうほんとあちこちがたがたで、そのポンコツぶりがよいのですよ。

  • 『まんがタイムきららMAX』第9巻第12号(2012年12月号)

2012年10月18日木曜日

『まんがタイムファミリー』2012年12月号

『まんがタイムファミリー』2012年12月号、昨日の続きです。

『教卓のポラリス』、ゲストです。東京から北海道に赴任してきた新人教師、天川先生が主人公? 数学の先生ですね。天文台のある町。天文同好会の顧問をやって欲しいと頼まれて、けれど先生、天文になにか苦い思い出でもあるのかな? 天文同好会はどうも変わりものが集まってるようで、惑星から準惑星になった冥王星の悲しみについて考えたり、実に謎。しかし天文についてはきっちり取り組みそうで、これ、どうなるのだろう、ちょっと期待したくなりますね。

『鬼さんこちら!』もゲストです。見た目が怖いといわれてきた少年、鬼ヶ島燥太が、学園の高嶺の花、桃城とおるさんとお近付きになった、っていうんですね。皆から怖がられて、友達も作れなかった。そんな彼に親身になってくれるだけでなく、むしろ可哀想な目にあう鬼に共感していた、ゆえに鬼ヶ島にも親身に接してくれるというんですね。この自身、皆から距離を置かれてしまっているがゆえに、鬼の境遇に他人事でないなにかを感じているっていう、それで互いにはじめての友達になって、というのがいい感じ。立ち位置はまったく違うのだけれど、思ってきたことは似ていたふたり。あの、最後の強烈な退場風景にはたまげました。うまいことひろがっていって欲しいです。

『祟られた小野くんが先祖の小町ちゃんと』、これはなるほど、先祖の逆をやるっていう話であったのかあ。百夜通いの伝説ですね。小町に惚れて百夜通った最後の夜に死んだ深草少将。小野家にかかわると深草の家に災いがあるからと、深草さんに小野君が近付かないように画策する化け狐葛葉。なるほど、前提がよくわかりました。けれど、深草さんには小町が見える。それで少しお近付きになって、というんですね。これ、叶わぬ先祖の恋を今生で、という風になるのでしょうか。ただそれだけではすまないような予感がしますよ。

『地味なコ、派手なコ』、これはたまらんな。西條サン、雨に降られて、それで千草の家に寄るっていうんですけど、その道すがら、なんの気なしに聞いた千草の母親のこと、それがほんと、たまらんかったですね。千草に聞かされるまでもなく察して、千草の母親に、明るく千草とのことを報告する西條サンの、あれは優しさだろうなあ。哀れんだり可哀そうと思ったりもしない、こんなにも自然に、あたかも目前にお母さんがいるように話すその姿、その気持ちを受けた千草の様子も、もうたまらない。西條サンが千草のことを優しいという、きっとお母さんが優しい人だったからという、けど西條サンだってそれはそれは優しい。このふたりの気持ちの通じあっている様、互いを思いあっている様、慈しみ、素晴しいものがありました。もう、たまりません。

  • 『まんがタイムファミリー』第30巻第12号(2012年12月号)

2012年10月17日水曜日

『まんがタイムファミリー』2012年12月号

『まんがタイムファミリー』2012年12月号、発売されました。表紙は『ぽちゃぽちゃ水泳部』カツ代がチャイナ服で点心をお届け、そうしたイラストがメインになっておりまして、なるほど、食欲の秋でしょうか。他には『かしこみかしこみ』、ムクと山椒がすごい段重ねのハンバーガーを持ってるの。いや、この2匹、可愛いですよ。加えて速水螺旋人のゲスト掲載告知カットもございます。

博士の白衣女子攻略論』、ハカセの恋愛馴れ初めでありますよ。って、酷いな。主任は妹をハカセに紹介したくなかった、けど積極的なアプローチに抗いきれなかったっていうんですね、妹さんの。妹さん、変わりもの。虫とかが好き、だからハカセも好き。おそろしいな。希少種のハカセ、その希少性を維持するべくお付き合い、結婚するっていうんですね。ロマンチックなのか? けど、今回のエピソードで、見なりに気をつかってないように見えるハカセ、実はそうじゃないってことが判明して、あああ、奥さんの仕業か! いやほんと、しびれました。

『うのはな3姉妹』は桃子の写真の話。元カメラマンという触れ込みの桃子、自分の撮った写真をご町内に配ってまわるっていうんですが、そういや仕事の写真見たことないなあ。その理由、なるほどでした。別れた、って、いや別居してるだけで別れたわけじゃないのか。夫こそプロカメラマンで、桃子はプロとしては技術不足、なのでアシスタントをしてたっていうんですね。しかし桃子のカメラを持った理由、ちょっと切ないねえ。プロのカメラマンとしてではなく、家族や商店街、馴染みの皆の写真を気負わず撮っていきたい。ええ、こうしたありようもいいもんだと思うのですよ。

『スパイの歩き方』、速水螺旋人のゲストです。タイトルにもあるようにスパイものです。名前はペルツォフカ、コードネームだそうですが。で、スパイ活動と申告して日本に入国。渦巻く幻燈なるものを奪取すべく寒い国から派遣されたっていうんですね。しかし、ペルツォフカ、謎の人。男かと思ったけど、名前からすると女性っぽい? って、コードネームか。女学園に潜入するということで、女子生徒に化ける。しかし、ZAP! 殺人光線を吐くとか、実に変な学校。これが渦巻く幻燈の力なんでしょうか、謎のまま、女子高生と撃ち合い、ヘリで逃げる校長を現地協力員アーニャの殺人光線で撃墜、実にナンセンスで楽しい漫画でした。しかし、ペルツォフカとアーニャの顛末、ああ、007、スパイものらしいって思わされますよね。

今月のエッセイ企画は「4コマ世界の歩き方」であります。参加者は駒倉葛尾、佐野妙、おーはしるい、幌倉さと、高透レイコ、G3井田であります。トップの駒倉葛尾、この人の旅話は多様で面白そうな印象があります。夜行列車でホテル代を浮かすとか、せこいとおっしゃってますが、これ夜間に移動することで、昼間の行動時間を増やすという効果もあるよなあ。とはいえ、しんどいよね、夜ゆっくりできないんだもの。しかし今回のエッセイ企画、その土地の食事や衣装、風物、景色、それからアクシデントまで、いろいろ取り揃えられて、ああ、こうしたこと全部、旅の魅力、旅の面白さですよね。エッセイの4コマ本編も面白かったですが、扉、っていってもいいんかな、漫画のキャラクターの様子も皆いい感じ。アルザスの衣装とかあやたかさん、一緒に写真を撮る西條サン千草も素敵です。あと、メキシカンな山椒。ほんと、この2匹は可愛くてたまらんです。

  • 『まんがタイムファミリー』第30巻第12号(2012年12月号)

2012年10月16日火曜日

『まんがタイムきららミラク』2012年12月号

『まんがタイムきららミラク』2012年12月号、発売されました。表紙は『スイート マジック シンドローム』であります。寝転がって本を読んでいる甘子とプリン。あ、本を読んでるのは甘子だけです。プリンは人形になったキャラメルを抱いていて、その表情、ちょっと挑発的? すごく魅力的であります。魅力的といえば、セーラー服からのぞくお腹もそうで、無闇やたらとドキドキさせられるのであります。甘子にプリン、こうして見ると、違ったタイプの美少女なんだなってのが実現させられます。しかし、綺麗な表紙です。

『城下町のダンデライオン』、ついにちびっ子組の主役回でありますよ。三男輝6歳と、六女栞5歳がおつかいに出るというのですが、おお、輝くん、中二病だ。いや、子供としては普通だよな。まだヒーローに変身できるとか思ってる年頃だもの。対して栞、この子のクールなこと。動物や物と話ができるという能力故なのか? いや、違うような気がする。ただこの子の性格がそうだったというだけのような気がする。さてさて、買い物を買って出た輝のことが心配で、つきそうことを決めた栞です。甘えん坊だなんだとあらぬそしりを受けながらも、最適の行動を選択する栞はなんて大人なんでしょう。けれど、このなにとでも話せるという能力、話せるからといって理解しあえるわけではない。そうした局面に、母との約束を破ることになっても妹を守るという輝、いいお兄ちゃんだと思ったわけですよ。いい話、こういう話は大好きです。

『幸腹グラフィティ』は、きりん大活躍ですよ。来週の体育祭に向けてリョウの特訓に付き合ってるんですね。しかし、きりんはこんなに運動得意なんだ。リョウが運動苦手というのはなんだかありだなって思ったんですが、きりんが得意というの、ちょっと意外でした。そして運動会といえばお弁当。給食が出るはずだったのに、今年からなくなってしまった。なのでお弁当、きりんが作ることになるんですね。前回の話を受けての展開ですよ。リョウが作った食べたいものリストを見付けて、その期待に応えようと頑張るきりん。ああ、健気でいい子だ。そしてできた料理は、きりん独自のアレンジが加えてあって、友達が食べると普通のおかずでも、リョウには格別のものであったんですね。思い思われて作られたお弁当。料理はただ食べられればいいってもんじゃない、ただおいしいだけじゃない、そうしたことがしっかり伝わる話でした。

『夜森の国のソラニ』は、昼森の側のお話ですね。七番のウサギが昼森に追われている。ウサギヘッドを被ってずっとその正体を隠してきたというのに、ばれちまったんですね。まずは話せるということがばれてしまった。それで本来の食事係以外の仕事もやらされることになって、特別なウサギにしてもらえるということに、いやキスされたことに戸惑って逃げ出して、ってどんだけ気が弱いというか駄目なのか。しかしこの子、男装も可愛いけどメイドもよいな。ボーイッシュな見た目にコンプレックスを感じてきたナカノ、けれど昼森の特別になることができて、ああ、居場所がある、誰かにその存在を受け入れてもらえるということは嬉しいことなのだろうなあ。ナカノの昼森が好きという気持ち、それがむくわれた嬉しさ、とてもよかった。実によかったです。

『飛ぶことを許された迷路』、ゲスト二回目、って、あれ? 三回目? あれれ? 単発ゲストの後に三回連続ゲストになった? 勘違いしてる? まあいいや。図書館で泊まりですよ。修学旅行をイメージして、部屋に布団を敷き詰めました。ああ、世界人口が64人というこの時代、学校なんて存在しない、だからこうしたイベントが憧れであるんですね。着替えて、図書館の本、気にいったものを筆写する。なんだかすごくスローな生活。世界の終末といっていい状況なのに、ほのぼのとした女の子たちのマイペース生活もの。不思議な味わい、結構好きだなって思えてくるのですね。悪くないですよ。

『柳暗花明』、ゲストです。タイトルはヒロインたちの名前ですね。尾上柳、超能力者、けど引き込もり、暗いんですね。そして、そんな彼女の思い人、緒皎花。女の子大好きという困った人で、また学校でも女の子にモテモテで、で、こちらは明るい。だから柳暗花明ですね。基本は花がモテる、柳が嫉妬して超能力で妨害する、そうしたところ。柳のライバルとして梅花操、この子は普通の子っぽい、そして高野箒、こちらはお嬢様、ええと、いわゆるツンデレ。花を取り合って柳と戦ったりする。結局最後には花と柳が結ばれる? んですけど、けどこれは結局は、花が女の子に言い寄られて、柳が暴れて、花がキスでとめる、そういう話になりそうですね。

  • 『まんがタイムきららミラク』第1巻第10号(2012年12月号)

2012年10月15日月曜日

スイート マジック シンドローム

 『スイート マジック シンドローム』、これが私の初CUTEG遭遇とあいなった漫画であります。『まんがタイムきららミラク』に掲載されている漫画。どえらい可愛い絵、ふわふわなお話。読むと気持ちもふわふわになる、そんな感じで大変気にいっていたんですが、ええ、この数ヶ月、ああCUTEGって人、売れっ子なのか! 実感させられること多くてですね、アニメ化されたライトノベルの原作イラストがこの人だったり、アニメ化されたライトノベルのコミカライズがこの人だったり、他にもあちこちでイラストやらなんやら描いてる! おおお、そうだったんか! といったところで、この漫画がこの時期にリリースされたのは、いいタイミングだったんじゃないの? なんて思っておったのでした。

しかし可愛い絵であります。主人公甘子のもとにやってきた、お菓子王国の第二王女プリン、って、このお菓子王国ってところからふわふわであるわけですが、こうしたふわふわを受け止めて体現するふわふわな画面。それが実に素晴しい。子供のころから引っ越しばかりで友達を作れなかった甘子が、高校入学を機に友達作ろう、そう意気込んで入ろうとした茶道部は部員不足でなくなってしまってた。そうしたところにやってきたのが、くだんの王女様プリン。家出したきたっていうんですね。で、プリンが入部してくれる。えええ? 学籍とかどうなってるの? 小さなことです。最初は、そうした細かなところにちょこちょこ引っ掛かったものでしたが、読んでるうちにどうでもよくなりました。甘子が、遊んでばかりじゃない、まじめに授業も受けてるっていってたように、きっとなんとかうまいことやったのでしょう。ええ、ほんと、冗談抜きで瑣末なことは気にならなくなります。

甘子のもとにあらわれる女の子たち。プリンの関係者ばかりなんですが、クレーム姉さん、ショコラ、キャラメル、ワッフルなどなど、皆可愛くて、個性的で、彼女らの関係、交流の様子が見ていてほのぼのするばかりでなく、結構面白いのですよ。甘いお菓子を食べたり食べたり食べたりしている漫画、そのお菓子を囲んでのやりとりに、くすりと笑わせられる瞬間があるんです。ちょっとしたこと、小さなところに面白みがある。また人の気持ちの動く、そこにおかしみがある。素直だったり素直じゃなかったり、そこに面白さがあるというのは、それだけ人の気持ちの機微、うまく描かれているからなのでしょうね。キャラメルに対する甘子のお父さんの危機感とか、かなり気にいっていて、読むほどにこの楽しい人たちが好きになっていく。そうなれば、より一層に面白さも増すといった具合なのですね。

気を張らず、気楽に素直に読んで、そうすればきっと何倍にも面白くなる漫画だと思います。安らいで読む、そんな漫画でありますよ。

2012年10月14日日曜日

うぽって!!

 『うぽって!!』第4巻、BD付限定版が出ますよ、ただし完全受注限定ね、ってわけでBD付限定版、購入しました。ええと、予約はしてません。どうせ余裕で買えるだろう。そう思ってたんですが、なんか発売直前にAmazonが品切れになって、あれーっ、やばいかもー、保険と思って別のショップで押さえてみたところ、普通に買えてしまいました。その後Amazonも普通に在庫復活して、さらには地上の店舗にもたくさん積まれていたりして、ええ、なんら焦る必要はなかったわけです。

BDがついてくる、というのは実は結構な躍進だなって思っていまして、だってこういう本についてくるのってDVDが大半でしょう。放送はHD、見る側も当然そのつもりでいて、この手のもの買うのはマニアだかオタクだかがほとんどで、だから当然きれいな画で見たい。なのに手にするのはDVD。って、なんでやーっ! これがいずれBDでリリースされるとかいうならまあいい。でもそういうもんでもないみたい。ってことは、好きなアニメの楽しみにしてた新作をSD画質で見ないといけない。納得いかないわー。ちょっとくらい高くなってもいいからBDにしておくれやー。長らくそう思ってたんですが、最近ようやくBD付録が出始めて、ああそれだけBD再生環境が普及してきたってことでもあるんだろうなあ。ともあれ、『うぽって!!』アニメがBDで供給というの、大変ありがたかったです。

付録のアニメはオリジナルなのかなあ、ええ、そのとおりでした。正直省力でいくと思っていたんですが、メインの4人だけじゃなくてお姉さま方、さらにはいちはちちゃんやガリル、あぐにていの出番まであって、がんばってるなあ、感心しました。まあ、メイン以外はほんのちょっとですけどね、でも、それでも嬉しいものです。内容はメイン4人でキャンプ。テント張って、釣りをしたりスイカ割りしたり、そうしたショートエピソード。突撃小銃〈アサルト・ライフル〉的な休日の過ごし方、なんてあるけど、あんまり撃ったり狙ったりはなさそうかなあ、そう思ってたら、案の定、見事にありませんでした。いや、多少は撃ってたかな。

第4巻をはやく手にしたかった、それは本編の漫画が読みたかったからなんです。3巻では途中で終わってしまっていた熱海戦。アニメ最終話とは大きく違った展開を見せる熱海戦。これを読みたい、その気持ちがはやりまして、はやく読みたい、その一心だったわけですが、いやあ、読んで驚きました。東側ライフルとの激突、そこに少佐が出張ってくるというの、暴走したAK-74たちを止めるためかと思ったら、いや、違うし、むしろ制圧する気満々だし。正直、ここで東西の確執、なのかな? 抗争は一旦終わりかと思ったんです。なんせ、ゆるかわてっぽう美少女コメディっていうくらいですし。ところが、AK-47は出ていない、まだ前哨戦、さらにはビゾンによる分断工作なんて展開が派生して、いやいや、うまいこと次へ次へと話が進んでいくものだと感心しています。実際、ゆるかわ日常描写も楽しいとはいえ、やっぱり気持ちがひっぱられるのはバトル描写だったりするので、この落ち着かない状況、嬉しいんだか嬉しくないんだか。いや、やっぱり嬉しいのですよ。

  • 天王寺キツネ『うぽって!!』第1巻 (角川コミックス・エース・エクストラ) 東京:角川書店,2010年。
  • 天王寺キツネ『うぽって!!』第2巻 (角川コミックス・エース・エクストラ) 東京:角川書店,2011年。
  • 天王寺キツネ『うぽって!!』第3巻 (角川コミックス・エース・エクストラ) 東京:角川書店,2012年。
  • 天王寺キツネ『うぽって!!』第4巻 (角川コミックス・エース・エクストラ) 東京:角川書店,オリジナルアニメBD付き限定版,2012年。
  • 天王寺キツネ『うぽって!!』第4巻 (角川コミックス・エース・エクストラ) 東京:角川書店,2012年。
  • 以下続刊

BD/DVD

CD

2012年10月13日土曜日

『まんがタイムジャンボ』2012年11月号

『まんがタイムジャンボ』2012年11月号、昨日の続きです。

『ラン様の放課後遊戯』、文化祭で喫茶店だそうですよ。りらプロデュースで魔女っ娘カフェなのだそう。魔女っ娘っぽい衣装着て接客する。で、ラン様が接客されることになって思わず吹き出してしまうっていうんですね。うん、笑うのはかわいそうだけど、知ってる人の仮装、いつもと違うハイテンション、笑ってしまう気持ちはわかります。しかし、魔女っ娘とか好きなんですね。意外といいますか、意外というと、ラン様私服、それも意外な感じです。さて、りら、やっぱり可愛い店員であるのか。おかげで喫茶店大繁盛。左手で対処しようとしたらラン様も魔女っ娘コスチュームで働くことになって、いや、割と楽しんでるのか。楽しそうなラン様に、対抗して一層にノリノリのりら。なんともいわれん混沌ですが、面白かったです。さらに今月は特別編もあって、中学時代の制服に髪形、またも意外なラン様見られて、ああ、少年、君はよほどラン様が好きなのだな。いや今回、照れるラン様も、頑張るりらも、大変に楽しく可愛く面白かったです。

ボクの社長サマ』は、なるほど会社を起こしました。有限会社あまめ。社長経験もあるし、って、肝心の小森くんに営業経験がないのか。最初は3人からのスタート。天女に小森、そして臼井さんっていうんですが、ふたりとも臼井さんのこと死んでると思ってたのか? 生身の方もいますからとか、会社のやることがいまひとつ不明とか、こういうの面白い、いいですよ。で、ここに緒掛が合流して、って、こいつ危ねえなあ、そして小森がかつて築いてきたコネクション。ああ、あの天下一秘書決定戦とか、ちゃんとここに繋がってくるんだ。意外というか、驚かされました。まさかの展開でしたよ。で、これで有限会社あまめ、軌道にのっていくのでしょうか。いつか返り咲きとかもあるのかも知れませんね。

『ヒマ出没注意』、ゲストです。北海道で芸術系の大学に通う小森ヒマリが主人公。デザイン学科にて、熊の木彫りを作りたいと熱弁する。北海道が好き、その一心みたいですね。かくして友達もできて、Hokkaido Love Club、北海道を楽しむクラブに入部することに。見学にいけば、先輩がカニを食べている。これまでの活動見れば、いろいろあちこちにいっている。北海道のいろんな場所をめぐる、そんな漫画になるのかな? 北海道も好きだし、地域性を押し出す漫画も好きなので、ちょっと期待してしまいます。

『変せよ乙女!!』、チャレンジ!新人道場です。ああ、お前ウルフしか聞いてなかっただろの漫画ですか。マイ、ナル、ユウの三人娘。ナルが好きな人ができたというところから話がはじまるんですが、本屋の人、髪形がウルフカット、っというので、ユウの中では完全に狼になってしまったというのが肝になってるんですね。いや、最初の狼、これも印象的でしたが、それだけに腕とか食べられちゃうの落ちもよかったです。ナルに大好きといわせたり、エア好きな人とかも、いろいろ話を動かして、面白かったです。

  • 『まんがタイムジャンボ』第18巻第11号(2012年11月号)

2012年10月12日金曜日

『まんがタイムジャンボ』2012年11月号

『まんがタイムジャンボ』2012年11月号、発売されました。表紙は『レーカン!』メインでハロウィンでありますね。いや、違うわ、秋の味覚か。ネコの頭にのせてるランタンに騙された。秋の果物、天海さんがエプロンに受けているのはリンゴ、カキ、ブドウ、カボチャといった収穫物で、なるほど、今が食べごろとの煽りも納得です。天海さんの他にはブドウを手にする『じょしもん』美々がいて、そして焼き芋食べてる『凪くんの不運な棚ぼた』疫病神と座敷わらしであります。

『かみおとめ』は、珍しいといいますか、めしあメインじゃなくて森村メインの話ですよ。これまでいろいろと助けてくれている森村。彼の過去を知る人物が現れたというんですね。って、森村のおばあさんなんですが、あああ、そうなのか、全然気にしてなかったよ。というわけで、皆でいつもお世話になってる森村のおばあさんの家にいくんですね。いやもう、面白い。あの登場ポーズ。和夏、森村ふたりがやたら照れてるのに対し、めしあのあの表情! 素晴しかった。そしてまた明らかになる森村の過去。おお、美少女だ。従姉が女の子の格好させて写真撮って、なんて話があったんですか。しかしこのお姉さん、なかなかに可愛らしい。今後登場する機会などあったら嬉しいなあ。最後には思い出のホットケーキ。ああ、森村、よかったねえ。

『桜乃さん迷走中!』、いや、驚きました。桜乃さん、パソコンを購入。それはいいんですが、特に目的とかなかったんだ。うん、よくある話です。今はネットの時代だから、世界に情報を発信だ! なんていってBlogをはじめる。ああ、もうまったく目的と手段が転倒してますよね。なにかやりたいからPC、なにか表現したいからBlog、じゃなくて、PC買ったからそれを使うためにBlogをはじめて、なにを書くかはこれから考える。うん、実は私もそうだった。こんな高いもの買って、毎日使わないともったいない、なにかやらないと、ああ、サイトでも作るか、といった理由で今もこうしてBlogなどにごちゃごちゃ買いているわけです。ああ、桜乃さん、他人事じゃない! しかし、この桜乃さん、毎日なにか書くと決めて、情報集めて、取材にいったりもして、すごいな、立派だよ、最終回かと思った。世話になっている大江さんにも、ちょっと恩を返せてさ、ああなんかいい話だよ。そう思ってたら、あああ、やっぱり壊れるのか……。あんまりにいい話だっただけに、なんだか切ないラストでした。ええ、機会が壊れる、データが失われるというのは悲しいことです。

『炊飯器少女コメコ』、米粉コンテスト、出品するものも決まり、そしていよいよプレゼン当日ですよ。ライバルはひとり! って、大丈夫かこのコンテスト。しかし、このプレゼンの内容。ただおいしいもの作ればいいってわけじゃなく、コストの問題や地場産食材を使って地域振興についても考えてあるなど、ちゃんとしてるなあ、感心しましたよ。で、そのライバルの人、ドナベンジャーさんらしい。コメコのメル友。ああ、以前の炊飯器動画、ここに繋がるのか。びっくりだな。いやほんと、驚きというか、ほんとこれからどういう展開を見せるのか。興味津々でありますよ。

『マネーちゃんず』は一万円札が登場。おお、この財布、滅多に万札こないとか、私の財布と一緒だ……。しかし今回も面白い。一万円札、最高額紙幣であるだけに事件犯罪に関わることも多いっていうのですね。ATM帰りは不安。ひったくりを怖れて、どこに財布を隠そうか、などなど。そしてもっと大きな事件の話。資金洗浄はちょっと笑いました。銀行強盗の件での財布のつっこみとかも気が効いていて、よく考えられているなあ、感心します。百円玉ばかりの強盗事件、ああ、確かにあったかも知れない。最後の最後、貨幣についての難しいこと、ああ、これは確かにそのとおりだ。なるほどなあ、偽造する人は金が好きなわけじゃないんだな。金の価値を毀損する犯罪、故に偽札作りは罪が重いなんていいますよね。なるほどですよ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第18巻第11号(2012年11月号)

2012年10月11日木曜日

博士の白衣女子攻略論

 『博士の白衣女子攻略論』、表紙が実によいですよ。白衣のお嬢さんたち、ヒロイン揃い踏みといったところ。中央を占めるやる気に満ちた表情のお嬢さん、丹沢さんがやたら可愛くてですね、このやる気の意味、もう嬉しくって仕方ないのかな。念願の白衣、理想とするスタイルで着て見せて、いやほんと、本編読めばなお面白みの増す、そんな表紙に仕上がっています。表紙カバーの折り返しに、ちゃんと表紙の裏話が展開しているのも面白い。扉のイラストはハカセを真ん中に男性陣揃い踏み。こちらのエピソードはカバーをとっぱらったところに描かれていて、いや、ほんと、本編に入る前から既に面白いのであります。

この漫画のタイトル、『博士の白衣女子攻略論』、ぱっと見れば、博士が表紙のお嬢さんたちを攻略する? なんか恋愛っぽい展開とかあったりする? みたいな感じもするのですが、あとがきにて作者もいうように、全く攻略する予定なんてない、タイトルと内容合ってないじゃんというツッコミまで含めてのタイトルなのだそうです。じゃあ、どういう漫画なのかといいますと、理系の人達の職業ものですね。よりちゃんというと分析。化学分析してる会社でのお話であります。なので白衣の人たちが大活躍、といいたいところだけど、表紙中央の丹沢さんは事務の人なので、普段は白衣着ていない、ゆえにあんまり活躍しない。いや、そんなことないか。彼女には彼女の役割がある。化学にうとく、けれど憧れ持ってる丹沢さんは、うまく聞き役にまわったり、あるいは興味憧れ、白衣とか、もくもくしたり色が変わったりとか、あとビーカー、そういうのに対する憧れね、そいつでもって話に動きを与える。いうならば化学に詳しくない人たち、私たち読者の代理人であったりもするわけです。

しかし贅沢な漫画であると思いますよ。漫画に出てくる化学って、どこか盛ってある、ちょっとマッドだったり、あとよくわからない実験だったり、その結果引き起こされるスペクタクルだったり、そういうのが多いわけですけど、この漫画に関してはそんなこと皆無です。まったくもって、普通に、現実的な化学の話が展開して、それが実に豊か。当たり前ってつまらない、そんな印象もあるけれど、実はそうじゃないんだっていうことがよくわかる。そして、こうした化学に携わる人たちの態度からも、ああこの人たちにはこの化学というのが身近で当たり前の手続きで手段で営みなんだなって思わせられて、ええ、科学的トピックや知識、よくあるできごと、自然に提示されて、なるほどそうなのか、こんな風に見てるのか、いろいろ感心したりできるし、しっかり面白いのです。けれど、そうした化学ネタはこの漫画の重要な要素ではあるけれど、本質ではないんですね。

メインは、人であります。ハカセを変わりもののピークに置き、普通のつもりの白銀くんを併置して、そしてちょっと厳しいお姉さんたち。彼ら彼女らをもって、いわゆる理系的なる人たちを見せてくれるわけです。一癖ある、けれど憎めない人たち。かと思ったら、一般的理系イメージを打ち破る常識的振る舞いが出てきたりと、その描かれ方は多様で、いわゆるステレオタイプに収まらないところが一層彼らを魅力的にしています。彼らの普通が、いかにも普通の丹沢さんに対比されることで際立つ。これって普通なのかそうでないのか、どちらが一般的なのか、揺れるところに面白みが自然とかもしだされて面白い。普通で普通、普通と思ってるけどそうじゃない。ええ、理系だからじゃないです、誰にでもありうること、誰もが持ってる、そんな思い、感情、思い込み。誰もが持ってるから、理系も文系も関係なく、通じて伝わって、感じる、わかる。だからこそよいと思える、そうした漫画なのです。

2012年10月10日水曜日

『まんがタイムきらら』2012年11月号

『まんがタイムきらら』2012年11月号、昨日の続きです。

スマイル・スタイル』は、なんだこのよくわからん導入。最初、トランプは大富豪で遊んでいるかと思ったら、次のページ、虹がどうしてできるか母親に聞いている子供とか、え? 一体なに!? いきなりの飛びように軽く混乱して、けどこれ、後でちゃんと回収されるのか。めちゃくちゃ面白かったですよ。さて、今回はかつて百合に戦いを挑み負けたふたり、聖・天獄門のふたりが再登場ですよ。で、これが嬉しかったんですが、できればこのふたりも可愛く描いてあげて欲しい、そう思ってた希望がかなって、いやもう、横内さん、超キュート。横内さんと見つめあうなっちゃんも麗しく、ええ、個人的に大変に嬉しかったのです。けれどメインは風紀委員の彼女。百合嫌いを公言している。そんな彼女を百合にけしかけようとするんですが、いやまあ、百合さん、白馬の王子様。で、虹。この展開、大変でした。しかし、芋けんぴ、元ネタがあったんですね。知りませんでしたよ。なんで芋けんぴなんだーっ、て思ってたんですが、いやはや、ぶっとんだ世界があったものです。

『すいまさんといっしょ』、いや、すいまさん、可愛いな。すいまの布団を買いにいきます! に対し、いらんです。いや、可愛いわ。しかし、すいまさん、すけすけネグリジェ、パンツも見えてる。買い物にいくための服がないんですね。なので、しおりに頼む。服を貸してくれ。それでユウほったらかして、女の子3人で衣装あわせ。いや、ふつうの女の子の格好、可愛いですよ。しかし、すいまさんに自分の服の匂いをかがれて、傷つくユウとか、微妙なところに面白みがある。水玉日傘でほったらかしにされてるとかもよかった。ええ、楽しい話でした。

『プレフレ』、今回は樹がメイン。彼女、FPSゲーマーなんですか。ゲームはじめると止まらないタイプ。朝までプレイして、徹夜状態で登校。朝日を見て実写みたい、ステータス回復にヘルスキット、とことん駄目になってしまってます。しかし、今回は『プレフレ』三人娘、彼女らの魅力、そいつが端的に示されて、大概女っぽくない、それだよなあ。樹にしても椿にしても、さらには楓にしたって、どことなくさばさばさっぱりしてる。趣味も嗜好もそんな感じで、男の私からしても、なんだか気を張らず、友達みたいな感覚で見てられる。それがよいんだろうなと思ったわけです。で、今回樹メインだといってましたが、体育の授業風景、椿、輝いてるなあ。樹の駄目さは相変わらずで、対して椿は、バドミントンのシャトル打ち出すその姿、バネ、しなり、しなやかさ感じさせて素晴しい。笑顔も溌剌として魅力的でした。で、最後の最後、やっぱり駄目な樹。でも、私には彼女を悪くいうことできません。ええ、私も彼女に似たパターンを描くのですよ。

My Private D☆V、tetiです。『まんがタイムきららミラク』で『アンノウン×アンティーク』描いてらっしゃる方ですね。この方の萌えポイント、それは太ももからおしりにかけてのライン、なんだそうですよ。階段上にいる子を斜め下から見守ってるときの角度、そこにポイントがあるというのですが、ああ、それは私には難易度高すぎます。へたしたら社会的生命を失ってしまうことにも繋がる禁断の角度! 実は自分はこのへんの嗜好、あまり強くないんですが、このお嬢さんの肉付きの薄さ、これは大変によいなあ、そう思っているのであります。細身で長身な人、素敵だと思います。

  • 『まんがタイムきらら』第10巻第11号(2012年11月号)

2012年10月9日火曜日

『まんがタイムきらら』2012年11月号

『まんがタイムきらら』2012年11月号、発売されました。表紙は『あっちこっち』ですね。つみき、姫、真宵、三人のお嬢さん。暖かみのある色合いに秋のらしさを感じつつ、皆、眼鏡を装備。これも秋なのでしょうか。ちょっと知的に読書など洒落こんでみる? いや、本はどこにも出てないんですけどね。可愛い娘たち。ちょっとおすましつみき、それと一番文学少女っぽい姫。皆かわいらしくていらっしゃいます。

本編ではお団子のつみきに『ゆゆ式』扉のお団子縁、お団子流行なのかしら?

チェリーブロッサム!』は、おお、いよいよつばきの登場ですよ。大咲との初デートに浮かれる幼なじみ、はいいとして、どんどんアレな娘になっていっちゃってる気が……。最初、もっと普通だったような気がするんですが……。さてさて、期待いっぱいの待ち合わせの場面、そこで三葉に遭遇、錯乱するつばきが素敵です。なんと、面識なかったんだ。まあ、そりゃそうだよな。従妹だもんな。しかし、本当、大混乱回でしたよ。つばき、三葉で混乱。三葉の日用品買いにいった先で、綱島先輩とも遭遇。ああ、たまたま知り合っていただけで、園芸部の先輩とは知らなかったんだっけ。ということは、大倉山先輩もくるのか? そう思ったら、綱島先輩のお母さんでした。大咲への好意を隠さない三葉に綱島先輩。対し、好きという気持ちを明らかにできずにいる自分。苦しいなあ、つばきさん。しかし、長い間温められていた伏線、それが一気に投入されたという感じ。三葉も、登場から沙咲野とのやりとり、そして先輩たちとのやりとりと段階を経て、そのポジションが確立されている。長いスパンで作られている、その前提が効いていると感じましたよ。そして最後。ああ、動揺する大倉山先輩、可憐だ。これ、次号こそ見せ場でしょう。ほんと、どうなるんだ。もう、見ずにはおられんですよ。

箱入りドロップス』、素晴しいな。クリスマスのバイト、ケーキ売りに精を出す男ふたり。そんな彼らの前に現れた美人さん。ああ、お姉さんだ。ほんと、かっこいい人。それが妹といつも一緒にいて世話焼いてくれているやつとわかった上で、妹のためのケーキを選ばせる。いまだサンタクロースを信じている妹のために、サンタクロースを演じるためにはるばるやってきた。ああ、なんていいお姉さんなんだろう。男ども、陽一らも素晴しいよね。雫の部屋に忍び込む不審なサンタを見て、この上なく心配する。陽一のシリアスは、雫のため、そこに注がれて、ほんといいやつだと思います。そして、姉から雫へのプレゼント。泣ける、本当に泣ける。今の、この友達と過ごす時間、それを思い出にとどめるよすがになるようにと贈られたカメラ。姉の妹への愛が溢れて、たまらないエピソードでした。

『女子大生生活様式』、オープンキャンパスで大学構内あちこちに高校生の姿が見える。こよ、ねねはオープンキャンパス経験者。ことねは知らないっていうんですね。模範的な大学生像を見せねば、というわけで、ことねは帰った方がいいんじゃないか。酷いアドバイスもあったもんですが、まあ、わからんでもないです。でも、そんなこというこよも、半分くらい落ちるんだし、だなんて酷いこといってる。模範的じゃないよね。この漫画、まだゲストだったんですね。普通に連載かと思ってました。今回も、迷子の高校生案内させて、三人娘の個性よく表現して、楽しかった。一番バランスのいいねね。ことねはというと、結構シビアというか、バタバタしてるだけで現実見てるとこはちゃんとしてる。気さくでいいやつなんだなってのが伝わってくる。大学の友人たちからも好かれてるってわかる。楽しい回でしたよ。

『きのうよりいい日に』、前回ゲスト掲載は5月号ですね。放課後だべりの会の四人。ひかり、ちか、みさ、はづな。青春らしいことをしてみようというひかりの発案に、皆が自分の趣味、余暇の過ごし方などを延べる。っていうか、聞き出してるって感じですね。で、一番有意義そうだったのが、はづなの料理、お菓子とか作るのが楽しいっていうのですね。で、ふたり感化されるものの、ちかはレシピを探そうとネットを開いた途端、気が散って終了。ひかりはちゃんとクッキー焼いてきたのだけど……。この漫画、それやれないパターンだとかやろうやろう言ってても中々行動に移せないのが人間だとか、いろいろ厳しいご意見散見されまして、ええ、反省しました。反省しましたとも。

『ごめんね。夏目ちゃん』、これ素晴しいな。冒頭ちよりが謝って、夏目ちゃんが許さない! それがパターンかと思ったら、見事にはずしてきたわけですよ。すでにちよりが怒らせた後。交換日記をなくしてしまったというので、友達巻き込んで作り直して誤魔化そうっていうんです。ちよりが皆にお願いするところからはじまる今回、いや、これは大変によくできてます。連載にして3回目。お定まりと思われたパターンを崩してきた上に、交換日記作り直しの過程で、ちよりをはじめ、桜子、しえ、ひかりのプロフィール、人となりを見せてくれる。これ、うまい構成だなあ。最初の2回で、基本的な話の展開させ方を見せたわけですが、こうして3回目、キャラクターも浸透した頃合いを見て、改めて登場人物を紹介する。どういう子だろう、どんな子がいたっけ? そうした疑問興味に応え、かつ状況を整理、わからないと離反する読者が出ないようにしているんでしょう。いや、ほんと無理ない紹介回であり、面白く楽しく、そしてラスト。この展開は、正直、予想していました。けど、まさかあんなに泣くとは思ってなくて、それでやっぱりごめんね、なんですね。見事にパターン崩して、けれど『ごめんね。夏目ちゃん』、その基本はまったくゆるがせにせず、素晴しかった。もう感心するやら、ちょっとほろりとするやら。ちよりも夏目ちゃんも、いい友達どうしなんだなあ。ほんと、なんだかじんわり、暖かな気持ちになりました。

ところで、みんな、服装、アクセサリー、小物、可愛いですよね。ちよりが意外とお上品。髪留めとかお洒落で、でもこれはどの子もだなあ。その人となりのわかる服装。どれも魅力的で、小物の語る個性、ちよりバラ、夏目ちゃんクマとウサギ、桜子がリボンで、和歌はネコ。どれもちゃんと子供らしさがあって、見ていてほのぼのします。手がかかってますよね。素晴しいです。

  • 『まんがタイムきらら』第10巻第11号(2012年11月号)

引用

  • かれい「きのうよりいい日に」,『まんがタイムきらら』第10巻第11号(2012年11月号),114頁。
  • 同前,115頁。

2012年10月8日月曜日

新 絵心教室

 先日いっていた『新 絵心教室』ですが、SDカード32GBを購入、買ってプレイしています。いや、なんかプレイというのとは違う感じですね。レッスンを少しずつ受けている。遊びという感じではなく、かといって学習というわけでもない。楽しいし、学べるし、教えのとおりとはいえ、思った以上にちゃんと描ける。これはすごい! 描いてる時はなんか一生懸命、というか必死なんだけど、それでも楽しい、いやそれゆえに楽しい、そんな感じがしています。

というわけで、描いてみましたよ。ええと、最初のレッスン、リンゴ、じゃねえや、さくらんぼ。

3DS『新 絵心教室』入門コース レッスン01 さくらんぼ by perce-neige on pixiv

これ、ぱっと見るとちゃんとして見えるけど、いやいや、ほんと、お手本どおり、いわれるままに描いただけ。時間もほとんどかかってないというのですから驚きです。

ちゃんとした絵を仕上げようと思ったら、それなりに技術や理論、知識が必要な上、かかる手間も並大抵ではない、それは当然なわけですが、まずは絵を描けるようになる、これまで絵を描いてこなかった人間にも、それなりに描けるよう手解きするとなったら、手間なく短時間で、見映えのいいのを描かせるのが一番でしょう。ええ、『新 絵心教室』は、入門の間口をぐっと広げる、実にいいツールであると実感させられましたよ。

とはいえ、続くレッスン、自分はまだレッスン4の途中なのですが、だんだんに難しくなってきて、いいかげんには描けない、ちゃんとしたしあがりにしたければ、それだけ気合いいれないと駄目になってきてるわけですが、でもどう描いたらいいかさえわからない、そんな状態の私には先生のお手本を参照できるのが本当にありがたくて、影をつけましょう、だけいわれても、どんなふうにつけたらいいかわかんねえよ! みたいに思うことがありません。

そんなわけで、チューリップと木。

3DS『新 絵心教室』入門コース レッスン02 チューリップ by perce-neige on pixiv

3DS『新 絵心教室』入門コース レッスン03 木 by perce-neige on pixiv

私は、手本は最低限の参照にとどめるよう気をつけていて、だから気付くと手本よりやりすぎてしまってることがたいていです。けど、そうした手本からはずれるのが描き手の個性みたいになるのかな? pixivに公開されてる、他の人の作例を見ても、どれも少しずつ違っていて、面白いんですね。

描いた絵はjpegでSDカードに保存できて、3DSのブラウザ経由でwebに公開も可能。この手間をかけず公開できるというのもいい感じ。出せば見てくれる人がいる。これはすごく緊張する、こわいものではありますが、人に見せないと上達しないともいいますでしょう? だから、これからも描いては公開していきたい。レッスンが終われば、2周目にはいってもいいし、フリーペイントに挑戦してもいい、とにかく描き続けたいと思っています。

そんなわけで、最後にミニレッスン、マッシュルームです。これで描いたもの、全部です。

3DS『新 絵心教室』入門コース ミニレッスン マッシュルーム by perce-neige on pixiv

2012年10月7日日曜日

『まんがタイム』2012年11月号

『まんがタイム』2012年11月号、昨日の続きです。

『綾のかるた』、人気なのでしょうか。かるた部にて頑張る綾のお話。先輩から新しい札をプレゼントされて、皆がっかり。なんでだーっ!? 嬉しいやんか。いや、嬉しないもんなんかな。ともあれ、皆で同じ場所で使う札。違うセットにまじってしちゃいけないから、それぞれの札にどのセットかわかるように目印つけるっていうんですね。しかし、先輩たちのつけてきた、つけようとした目印の酷いこと。そして綾はというと、よりによってモテ期。あの「モテ期」札を探す場面はおかしかったです。こういったもの、かるた部によくある話なんでしょうね。そして続いてかるたの稽古、テクニックいろいろ教えてもらったり、注意事項いろいろあったり。補講含め、このかるたに取り組んでいるところ、すごく気にいっています。

『しまいめし』、ゲストです。松本フミコ、駆け出しのフリーライターのお嬢さんが、ストレス解消に食べ歩きする話? といっていいのかな。仕事をやっつけて、姉と合流。このお姉さんというの、32歳なのに未成年と見間違えられる童顔だっていうんですね。かくして、お酒飲みながらお食事。妹フミは、細々とチェックしながら飲む食べるのだけど、姉はおいしいかどうかだけが大切。おいしいものがあれば、なんとかして独り占めしたく思う。うん、お姉ちゃんだ。これこそがお姉ちゃんです。食べること、飲むこと、それが楽しみというの、また楽しみ方もいろいろというの、よく伝わってきましたよ。

『わかば先輩未満』、なつみが黒崎さんとお嬢さんの唯ちゃんと一緒に遊びにいくっていうんですね。唯ちゃん、お婆ちゃんのはまってるタイのドラマの影響で、挨拶が国際化されてたり、なかなかに利発、可愛い女の子です。で、この唯ちゃんから、お父さんの話が出る。黒崎さん、別居中。ああ、なんだか微妙な話になりそうよ。そう思って、なつみもそう思ったみたいで、けどどうもそうじゃなかった。なんてこった、不仲で別居じゃなかったんだ! 仏師になりたい、夢を追い掛けて会社を辞めて修行中。なんと、そういうことだったのか。これは意外でしたよ。

『ウキヨさん』、以前、新人4コマまんが大賞の受賞作として少し紹介されていた漫画ですね。浮世絵から出てきたような女性、ウキヨさんについての漫画。美人じゃないって主人公はいいますが、扉絵のウキヨさん、いい線いってるじゃないですか。ちょっと昔風の美人。江戸時代まで遡らなくとも、昭和くらいで充分いけそうです。浮世絵の美人画、あれはまぎれもなく美人なんだなあ、ほんと、実感させられました。本編は、そんなウキヨさんが美人といわれてる会社でのこと。ひとり主人公だけがそれを理解できない。読者の意見の代弁者ともいえるのでしょうけど、これ、ウキヨさんのこと見慣れると、うん、割と悪くないじゃん、ってなっちゃって、ちょっと奇行が目立つだけで、まあそこそこ美人よね、ってなっちゃったら、この前提が不成立になってしまいますよね。意外や綱渡り設定なのかも知れません。

  • 『まんがタイム』第32巻第11号(2012年11月号)

2012年10月6日土曜日

『まんがタイム』2012年11月号

『まんがタイム』2012年11月号、発売されました。表紙は、芸術の秋、モナリザになった『おとぼけ課長』を、『綾のかるた』綾と『ほめよめ』かのん、そして『らいか・デイズ』らいかが描いている、そういった趣向の表紙。面白い。なんだか楽しくなってくるような表紙です。『まんがタイム』の文字からペンキがたれてるし!

『あいすべきものものどもへ』EYE編であります。今回は、目で見て人が嘘をついているかどうか判別できる、そんな能力を持った兄妹の物語でした。付き合っている相手が嘘をついた。それでもうがっかりしてしまってる瞳なんですが、嘘が見えることで、もういろいろ嫌になってしまっているっていうんですね。誰も彼も嘘ばかり。けれど、それを兄に相談すれば、おお、兄貴さんは随分達観されてる。ついていい嘘もあるんだよ。嘘をつかない人、職場の同僚の女性を瞳に紹介して、しかしこの女性ノセも嘘をつく、大きな大きな嘘をつくってところを見せるんですね。ああ、これは恋のお話だわ。見事に設定活用して、面白いショートストーリー作り上げていたと思います。

『ほめよめ』、かのんさんは、なんのかのんいっても可愛い人だ思うわけですよ。食欲の秋ですっかり実ってしまった。胸だけ大きくなるんだ。で、好みの服には胸は邪魔なんだ。というわけで、ぺたーん女子あっこみたいになりたいと、彼女の家の剣道教室に入門しようというんですね。うむ、よい心掛けじゃないですか。しかし、怖い父。妙な威圧感。これ、よく道場潰れずに存続してるよな……。しかし、かのんの不純な動機に激怒しつつも、決してあきらめずチャレンジしてくるかのんにほだされて、いや、実際、この漫画の魅力は、かのんの明るさと、かのんの前向きさ、それだろうと思わされるわけです。しかしあっこの父の教えた痩せるための方法、まったく剣道関係なくって、まったくそのとおりで、いい落ちになってましたよ。

『ジムメン!』は相変らず花巻が酷いというかガッカリですよ。友人に彼女ができたと、一抹の寂しさ覚える征一に、ムカつくな! と同意を求める彼のひがみ根性がナイスです。いやまあ、花巻はいろいろ残念な経験があるからなあ……。と諒解したところで、駄目な大人たちの駄目なアドバイス。付き合ってるかどうか定かでないという初芽、彼女といちゃいちゃだけど奇跡として受け入れてる暁など。ある意味というか、どっからどう見ても変わりものばかりが揃っているジムであると実感させられました。しかしね、あの葉子さんですよ。素気ないジーンズ姿の彼女も彼氏募集中。いやほんと、放っとく男連中の気が知れませんよね。というわけで、征一がいくのかしら? ええ、花巻は残念ポジションが似合っていると思います。

『ノコひけ!工業娘。』は、工業高校という設定生かしつつ、柔軟にイベント展開していってるという印象ですね。今回は体育祭ですよ。ほぼ男子校の工業高校であるため、ほぼ女子クラスのインテリア科は学年縦断で男子たちに対抗ですってよ。でも、男子は別。たった二人で全科に立ち向かえっていうんですね。むごい! 今回、なにが面白いといっても、他科の男連中ですよ。女の子にいいところ見せたい。ちょっとの仕草に、自分に気があるんじゃないかと勘違いする。いや、わかるわ。悲しいほどにわかるわ。それが思い込みっていうことも、すごくよくわかるわ。ちゃんと勘違い女子がいるところもいいですね。桜の先生へのアピール、先生の冷めた目が最高です。工業高校らしさは、障害物競争のカンナ削り構造計算、アーク溶接に現れて、って、I科って溶接とかしないよね……。するの? 借りもの競争の欅、檜葉、ええと最後の読めない。木偏に匪賊の匪、って、これ、カヤか! いやもう面白かったです。綱引きの失策も、二人で40種目も、実にいい馬鹿エピソードでした。

  • 『まんがタイム』第32巻第11号(2012年11月号)

2012年10月5日金曜日

『まんがタウン』2012年11月号

『まんがタウン』2012年11月号、発売されました。表紙、メインは『あつあつふーふー』の看板娘、蘭であります。お店とは違い、制服にエプロン。手にコテ持って座ってるその姿、魅力的であります。他には『新クレヨンしんちゃん』、『ぼくの奥さん』、『派遣戦士山田のり子』のカットがございます。

『思春機13号』、北杜七瀬の通う中学校に、あのロボット娘が転入してきましたよ。機械田ひとみ。窓から飛び込んできて、目からビームで名前を板書。教室の出入りにはドアをと指導されたら、さっそくドーンとドアを突き破って飛び込んでくるっていうんですね。七瀬のことは忘れてしまってたみたい。機械なのに計算が苦手とか、いろいろ残念なひとみです。しかし、ネジやスパナといった鉄分多めのお弁当とか、ちょっと懐かしい感じもする描写であります。最後の、おとうさんスイッチ「じ」、あれは面白かった。なんでそんなもの装備されてるのだろう。

『偽装男子』が最終回目前ですよ。あやかと水城、お父さんに見付かるっていうんですね。いろいろ不憫なお父さん。しかしこの父が、水城の男気に感じいるという展開、これは、くるか、お父さんの男気見られるか、そう思ったら、あれー、あやかが水城のこと受け入れる態勢にはいっちゃったよ! 次号、最終回! あれー!? 水城もあやか母に自分のことしっかり告白して、これはどうなる? 進むとなれば一気に進む、急展開であります。

『ケイくんとアヤメさんがルームシェア』。ケイくんが修学旅行。かくしてルームシェア相手のアヤメさん、大変なことに。掃除や洗濯どうしたらよいの!? って、この人、ひとり暮らしとかしてなかったのか!? かくしてケイくんとそのクラスの状況がメインに描かれることになって、ああ、ケイくん、いろいろ悩んでたんだね。悩みを宮本くんに吐露して、ケイくん、すっきりして、よかったなあ、ほんとによかった。ひとり、よくなかった人もいたみたいだけど。で、夜のお風呂でのできごと。ああ、ケイくん、ああ、ケイくん。少年たち、目覚めちゃうのかなあ。わくわくさせられますね!

『めざせ!山カゾク♪』はフジロックフェスディバルの続きですよ。子供を連れていってロックフェス。けどキッズランドが充実してるから大丈夫っていう話なんですが、いや、ほんと、こんなにすごいのか。これ、常設じゃなくて、このイベント用に作って、終わったら撤収するんですよね。すごいわ、驚きですよ。普段は体験できないような遊具がある。普段はできないようなことも思いっきりやれる。これはロックフェス関係なしに魅力あるイベントでしょう。子供がいるとライブやコンサート、なかなかいけないっていうのはよく聞く話です。けど、こうしたイベントに子供向けの遊び場があって、夫婦ふたりで参加なら、かわりばんこに子供をみながら、ライブを見にいったりするのが可能。これはいいイベントだなあ。キャンプ、アスレチック、そしてもちろんライブ。充実のイベント、見事にその魅力が伝わってきましたよ。

  • 『まんがタウン』第13巻第11号(2012年11月号)

2012年10月4日木曜日

円卓の生徒 The Eternal Legend

 PSP版『円卓の生徒 The Eternal Legend』が発売されましたね。っていうか、出るっていうのは知ってたんですけど、そういやいつ発売なんだろう、確認したら、明日か! って、これ昨日の話。あわてて特典やら確認して、通販だったら何店舗かまだ受け付けてる、それを保険として近所のゲームショップにいったら、ああよかった、入荷してるって。確保してもらうことができました。かくして入手、プレイしてみましたよ。ああ、懐かしい、という私はPC版を既にプレイしているのであります。

しかし驚きといいますか、マップ覚えてるんですよ。確認してみれば、私が『円卓の生徒』をクリアしたのは2010年の5月16日。もう2年も前なのですが、最初の渓谷マップ、しっかり覚えていて、すらすら歩けちゃう。とはいっても、楽勝、ってことはなく、なんせ難易度ベテランでプレイですよ。うかつに進むと全滅する可能性すらある。って、情報マスと思い込んでイベント戦闘発生させてしまい、見事に全滅してしまってますから。もうちょっとレベル上げてからじゃないときついよね。けどレベルアップに時間をかけるより、はやくイベント進めたい。だって、急がないと、ロロンが危ない! みたいなわけで、自分には珍しく、レベルぎりぎりくらいでクリアするつもりでいます。

さてさて、PSP版になって声がつきました。これ、フルボイスなのかと思ったら、そうじゃないんですね。主要なパートは台詞全部が読まれるんですが、感情を表すような汎用ボイスが使われるパートがあったり、またまったくボイスのつかないところもあったり。もしフルボイスだと、ぱっぱと進めるのが難しくなるな、そう思っていたから、パートボイスだったのはありがたいです。また声の雰囲気、まだ数人しか確認できてないのですが、現時点では特に問題になりそうなことはなさそうです。

『円卓の生徒』は、『Wizardry』タイプと単純にいっていいものでしょうか、3Dダンジョンのゲームなのですが、難易度はぐっと下げられています。マップはオートマッピング。キャラクターメイキングなしなので、試行錯誤や高ボーナスポイントを求めて繰り返しトライする必要もない。また、全滅したパーティが迷宮に取り残されたり、さらには死んだキャラクターが失われること、ロストがないのも大きいでしょう。ゲーム難度をノーマルにすれば、死亡リスクも下がるでしょうし、こうしたゲームに慣れてない人にもプレイしやすいのではないかと思います。というか、ベテランだと序盤で投げる人が続出しそうな気がします。

なので、ちょっとでも興味があったらチャレンジしてみるのがいいんじゃないかなって思います。登場キャラクターも個性的で魅力的なので、キャラクター間のやりとり、そういうのを楽しみたいという人にも向いているゲームであります。

2012年10月3日水曜日

『まんがホーム』2012年11月号

『まんがホーム』2012年11月号、昨日の続きです。

『呪え!みやすたん』、六条御息所の生霊でありますよ。ちんまりとして可愛い。けど、生霊。光源氏のお側に健気につきしたがって、なんてものじゃなく、ストーカーだよな。光の目に見えないことをいいことに、つきまとう。人の恋路を邪魔してまわる。その手段っていうのが、光に届いた恋文、そいつを誤字だらけにしてしまうとか、そういう地味なのですね。そして今回、ついに紫の上が、紫の上が登場ですよ。どうも紫の上にはみやすたんのことが見えている模様。これ、もちろん陰惨なことにはならなさそう。ええ、続き、楽しみですよ。

『お悩み社のコン吉さん』、ナントカですよ、ゲストですよ。いや、驚きました。まったくの予想外。このところのナントカラッシュ、実に嬉しいのでありますよ。さて、コン吉、神様んところで見習いやってる子狐なのでありますが、えらいことあかんたれ。神様が留守にするとなったら、お休みですね、その間頼むとがま口渡されれば、逃げるんですね、まったくもって小心者です。で、そんな子狐が子供のお願い、赤ちゃんが無事生まれますように、そいつを聞くことになるわけです。頼みは、神様の渡してくれたサイコロですよ。導かれるままに、隣町の大社の見習い子狐コン之進の助けを借り、安産の神様お戌様に頼みに詣でる。いや、おかしかったです。ゴッド母ちゃんといったお戌様、すっかりおびえた子狐二匹、お尻舐めてやるからとか、もうほんと、たまらん面白さ。お願いにきた子供を励ますのに、安産マンとやらに化けるとかもね、ほんと、もうすごいテンションでおかしくてたまりませんでした。ラストも、ちょっと切ない子供ごころ描いて、けどあの落ちでしょう。最高でしたよ。ほのぼの風で、ちょっとシニカル。でも、この漫画はほのぼの増量って感じですね。それでもこの面白さ。見事でした。

『どろんきゅー』、面白いなあ。電車で聞いた兵士の霊の話。この話を聞いた人の所には兵士の亡霊が一個小隊でやってくる、って、すげえな、50人とか。兵隊さんを帰す呪文、そいつを知ることができなかった果歩。帰宅すればお母さんがお通夜で留守とか、ほんと、運の悪いこの子、泣きながら必死でアキちゃんに電話をかけるとか、たまらん可愛さです。しかし、ストーカー幽霊、あの子、いいなあ。いや、ほんと、怖いんだけど、いじらしいですよね。で、落ちですよ。デタラメバナシ。ああ、嘘話かあ、そう思わせて、ばっちり一個小隊、しかもちゃんと警備してくれてたっていうのね。幽霊に愛される女の子、実に面白いです。

『地味なコ、派手なコ』、いいですよ。西條サンが地味に見えない理由、無駄な動きが多いっていうところからスタート。その実例として、静かにボールで遊んでるワンコ、対して全身で遊んでアピールしているワンコ。わかりやすいは面白いは、これはいい見立てであります。で、地味なコが地味なワンコをしみじみなでてる。そんな千草をしみじみなでる西條サン。いいなあ、いいよ、すごくいい。しかし、このふたりの関係、西條サンが、千草みたいになりたいわ、そういえば、千草も西條サンみたいになりたいと返す。お互いに相手を尊重している。そんな友情。自分にないものを持っている相手に憧れて、よいところを学ぼうとする。そんな関係、もうほんと、なんて素敵なんだろうって読むたび読むたび思います。

  • 『まんがホーム』第26巻第11号(2012年11月号)

2012年10月2日火曜日

『まんがホーム』2012年11月号

『まんがホーム』2012年11月号、発売されました。表紙は、おやおや、パーティの雰囲気ですよ。見れば『まんがホーム』通巻300号、そのお祝いっていうんですね。なのでパーティ。『らいか・デイズ』らいかはお皿にローストビーフ? のせてお食事、椿さんは、ローストチキンを、ええと、持ってきたのかな? 『もっと!夫婦な生活』としゆき、みえこ夫妻はくす玉を割っていて、『天国のススメ!』、小町さん、洋装ですよ! なにこれ、超可愛い。

『孔明のヨメ。』は、月英の発明品、続々出てきて、これは面白いですよ。たくさんのものを一度に運ぶための手押し車、木牛に流馬。少ない材料で作るため一輪車、っていうんですが、これに同様のものは現在もあるものなあ。実際、どこまでが真実かは別として、こうしたものを考案したという言い伝えはあるのでしょうから、この月英という人はたいした人だったのでありましょう。そして扇車。これもすごい。で、こうした発明の面白さがメインじゃないのが見事でした。これ、孔明の夢、どんな時にも人が飢えずにすむようにしたい、それを実現するためだったっていうんですね。なんという健気な話だろう。ほんと、素朴で互いを思いあっている夫婦。本当によいですよ。

天国のススメ!』、よいですね。冒頭、太一に妖怪女子、誰が好み? と無理な質問をしている草間くん。で、この話を聞いて剣山を草間に盛る物騒な十子。いや、まあ、妖怪の話してるとは思わんよな。しかし、まさかこの草間がラストに重要な役割を演じるとは、これもまったく思わないことでした。さて本編はまくらがえし。ツンデレらしい。たまにやってきて、遊んで帰る。ほのぼのだなあ、そう思っていたら、ああ、妖怪はだんだんに減ってきている。また、まくらがえしは太一が自分のことまだ見えるだろうか、確かめにきているのかも知れない。切ない話が続くなか、見えなくとも妖怪とともにあろうとしている友人がいるという、これがなんだか救いのようであったのですね。

企画ページは「まんがホーム事件ファイル」。300号記念ということで、私と『ホーム』? そんな感じのエッセイ、参加者は、おーはしるい、杜康潤、宮成樂、あさのゆきこ、仙石寛子、松田円であります。しかし、おーはしるい語るところの『夫婦な生活』誕生秘話。ああ、そうだよ、『夫婦な生活』はショートストーリーと四コマ、並列で掲載されてたんですよね。このころは私が四コマ漫画誌を読み始めたころで、面白いなあ、単行本とか、四コマとショートストーリーが交互に出てくる、いい感じにリフレッシュしながら読んだ、そんなこと思い出します。しかしほんと懐かしい。そうですよ、『つくしまっすぐライフ!』は『まんがタイムきららキャラット』で掲載されていたんでした。『ホーム』に引っ越しとなった時、こんなこともあるのか!? って、他にも例がないでもないからそんなには驚かなかったですけど、そうでした、昔の『キャラット』の雰囲気なんかもセットで思い出しましたよ。長く掲載されているもの、最近はじまったもの、いろいろあって、その幅も確かに広い。その広さが豊かさになってるのだと思います。

『炊飯器少女コメコ』は、コメコがテニスをするなんていってる。扉なんかは本格的なスタイル、まあ、これがやたら可愛いんですが、本編だと普段着ですね。しかし、なんでコメコがたけるにスポーツを勧めるのか。って、これも米がらみ。運動後のコメはとてもうまいから、シンプルな理由です。いい話でしたよ。コメコが頑張る理由、たけるを喜ばせたい、その一心だっていうんですね。どこか冷めたたけるに対し、前向きなコメコ。そんなコメコを見て、ぽつりともらしたアユカの言葉。しみますね。ほんと、コミカルな設定の漫画だけど、心にしみるものがある。今回なんかは、まさにそうしたエピソードでした。

  • 『まんがホーム』第26巻第11号(2012年11月号)

2012年10月1日月曜日

『まんがタイムファミリー』2012年11月号

『まんがタイムファミリー』2012年11月号、先日の続きです。

『ひよっこシスターの安息』は、おお、扉のシスター雛形、めちゃくちゃ可愛らしい! さて、雛形さんの来し方ですよ。シスター根津を先輩と懐く若かりし頃の雛形さん、って、今だって若いんだろうけどさ、きらきらしててめちゃくちゃ可愛くて、ただちょっと、あまりにくっついてくるから面倒くさいらしい。昔からやんちゃだったシスター雛形、シスターになる前、学生の頃は剣道やってたんですね。河川敷でシスター八木沼と出会った雛形の、迷子になった寂しさか、それとも選抜に選ばれなかった喪失感か。そうした気持ちにシスター八木沼の振る舞い、それから言葉が届いちゃったんでしょうね。しみじみと心に伝わってくるものがある。また、シスター八木沼の若い日の思い出。人には歴史があり、その時々の思いが積み重なって今があるのでしょうね。いいエピソード、感じいりました。

『うのはな3姉妹』は商店街のイベント、ハロウィンでありますね。カボチャのランタンをかぶった桃子、思わぬ特技にびっくりですよ。なるほど、姉妹だから声が似てる。簡単に桜のふりができるのか。騙される南田。そして桃子の夫、洋平も。途中途中に不思議お菓子の、はたまた仮装の、コメディタッチでわいわい楽しい商店街の様子、これでもかと描いてきたくせに、最後にぽつりと桃子のあの台詞、声真似くらい分かれよ ばーか、しんみりと切なく、さみしげ。その表情がカボチャランタンの向こうに隠されてる、そのことがことさらに桃子の心情、深く感じさせてくれたのでした。そして父ちゃん、ああ、父ちゃんは偉大だ。ちゃんと娘のこと、わかってるんだなあ。

『地味なコ、派手なコ』、もう本当に大好き。地味な子が好き、恋する相手にそういわれて、地味を目指す派手な女の子西條サン。クラス一地味な千草を手本に地味活頑張ってるんだけど、一向に地味にならない。しかし、そのことを自分のせいじゃないかと心配するとか、どんだけ千草、いい子なんだろう。さて、西條サン、再び告白をするっていう。そんな彼女を心から応援する千草、いざ告白という段になって不安にかられて、以前は踏み出せた一歩を踏み出せずにいる西條サン、ああ、なんて健気なんだろう。このふたりの気持ち、その模様の描かれようが実にいい。ほんと、この漫画、すごくよいのです。

『めがねのキミと博物館』、最終回ですよ。うわあ、香坂さん、消えちゃう? そう思っていたら、すんでで消えずに残った。それでもこのまま放っておいたら、また消えちゃうかも知れない。だから、その可能性を消してしまおうっていうんですね。躊躇いもなく鏡を壊すと決めた内藤、岩本、ふたりの香坂を大事に思っていることが明らかで、ああ、やっぱり好きですよ、この人たち。そしてラストへ。社長、元気だったんですね。よかった。岩本さん、恋が成就したんですね。よかった。そして、香坂さんを生み出すことになったあの子、お元気で、よかった。ほんとうによかった、そんなラストは実にさいわい。この漫画に相応しいものでありましたよ。

  • 『まんがタイムファミリー』第30巻第11号(2012年11月号)

引用

  • 水谷フーカ「うのはな3姉妹」,『まんがタイムファミリー』第30巻第11号(2012年11月号),120頁。