2013年2月14日木曜日

ジムメン!

 『まんがタイムLovely』にて掲載されていた漫画、当時は『GYMMEN!』って表記でしたね。社会人になって、油断してたら太ってしまった。彼女にもふられて、これでは駄目だ、男ひとりだといけない場所とか多すぎる! といった理由からジムに通うことにした青年、花巻佑太がダイエットに奮闘する漫画でありますよ。……、ありますか? いやもう、この花巻佑太なる男、てんで困ったやつでして、ジム通いを決めたのもインストラクターのお姉さんが可愛いからとか、それで運動頑張るかというと、なかなかそうはいかない。すぐに怠ける、いいわけばっかり達者で、インストラクターのお姉さん、もうひとりの方を怒らせる。でもそのどうしようもない様子が面白いんですね。

主人公は花巻佑太。困ったやつ、というのはもういいましたね。他の登場人物はといいますと、佑太曰く学生時分からのライバル、糸田初芽、一緒にバスケットボールやってたんだけど、太ってしまったこちらとは逆に、仕事とそのストレスのために痩せてしまった、まったく対照的なふたりです。そして、見事な筋肉美を誇る大根征一、インストラクターに間違えられがちなんですが、まだ高校生で、極端な人見知りです。これも、あっけらかんとして物怖じしない佑太と対照的でありますね。で、ここで東条さん、この人は佑太と似てるかも知れない。ジムに通ってるけど、全然痩せる気配さえない。食べるの大好き、誘惑にも弱い、佑太と意気投合したりと、やっぱり似てるんですね。けど、この人の場合、決定的なところが違っている。彼女がいるんです。しかもそれが、佑太のジム通いを決定させた女性、白雪つぼみというのですから、ええ、皆、いい感じにキャラクターを立てているんですね。

痩せたい、ああ初芽は筋肉つけたいんだったか、そういいながらも、ちっとも頑張れない男たち。痩せる、筋肉つけるのなら、まず生活を改善していかないといけない。ちゃんとインストラクター、葉子さんが指導してくれるんだけど、佑太は全然食事を制限できないし、初芽は逆に絶食生活をやめられない。まあ、生活をちゃんと整えられる人間だったら、こうしてジム通いをする必要もなく、体形を維持できてただろう、そういう風にも思うわけですが、このいわれてもいわれても改善できない、それで葉子さんが厳しく指導する。片やつぼみんはというと、いいカモ扱いしてるっていうね。ジムではドS扱いされてる葉子さんの方が親身で、むしろつぼみんの方が実はきついっていうの、これがまたいい感じだなって思うんです。

人間誰しも、ふらふらと誘惑に流されて、やるべきことをやらなかったり、わかっていながらさぼったり、そういうことってあると思うんですよ。だからなんだと思う、困った男、佑太、こいつのやることにむしろ親近感を覚えたりしてしまうの。ほんと困ったやつで、恋人たちのイベント時期になると荒れる、あるいはいきすぎて壊れる、極端なやつだけど、なんだか憎めなくってですね、そしてそれは他の面々に関しても同じなんですね。人間味があるといったらよいものか。愛すべき困った男たち。つっこみ役の女性ふたりもいいキャラクターですよね。私は葉子さんが大好きです。ほんと、葉子さん、きっちりしてそうなのに、意外と駄目なところがあったりして、ああ、なんて可愛いんだろう。ええと、つぼみんはいろいろとすごいので割愛。けど、ほんと面白い、楽しい人たち。見て、読んで、その雰囲気、大変に気にいってるんですよ。

  • 岩城そよご『ジムメン!』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2013年。
  • 以下続刊

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