2014年3月20日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2014年5月号

『まんがタイムきららMAX』2014年5月号、昨日の続きです。

『ハナイロ』は、扉からして美しい。花の魔法使いたち。店長がですね、花見にいこうと誘うんですね。左にレジャーシート、右には一升瓶。うん、わかりやすいです。うるみがですね、店長すなわち茉乃花の姉に反抗的。自分勝手で堕落した人、それが気に食わないらしい。けど、それが憧れの完璧超人? 百花の魔女本人だというんですね。いつもニコニコのうるみがあんな表情するだなんて! けれどもお姉さんの心配り、それでもってちょっとだけ雪解け? いいお姉さんじゃん! そう思わせて、ええと、やっぱりちょっと心配? でも、いつかもっと親密になったりしそうですね。

『スクール・アーキテクト』は、またまた個性的なお嬢さん。高瀬ミキ。大道芸部らしい。足に竹馬? はいて、上から目線で見下ろしてくる。いや、物理的にね。へー、スティルトっていうんだ。その子のこと面白くないのは背のちっこいことを気にしてる駒木神楽。あのまとめた髪の位置の変化、面白かったなあ。ああ、コンプレックスとはこういうことか。よくわかる図であります。骨延長手術、これは自分も知ってたけど、やっぱり絵にされるとハードだなあ。少し隙間を開けた状態を維持し続けて、骨の再生を利用して伸ばすってやつでしたっけ? 見た目に痛そう。想像してひるむ神楽の顔、あれが実によかった。うん、ああなりますよね。しかし、今回の見どころ、ミキに挑発するように誘われて知った新しい世界、スティルトの上から見る風景。あの、ふたりを見上げる二段抜き、あそこからの顛末、なんだろう、豊かだった。この視点を獲得してみれば、小さなことなんて気にならなくなる。あのひとつ世界を超越した感覚。日常を、当たり前を異化してしまう、そうした感覚がフレッシュに迫ってきて、ああ、ちょっと感動したかもね。でもって神楽。すっかりとりこまれちまって、ええ、これはミキの勝ちですな。

『アリノス☆ワンダーランド』は、人類の進化を描いて、って、違う! いやでも、のっけから笑わされました。ルリって、その本性、みか以外には見せられないのね。そうか、やっぱりみかは特別なのね。というのは実際後半、そういう話になってましたね。なるほど、ルリと肩を並べたくて頑張ったみか。そんなみかに甘えたくなったルリ。なんと、すれちがう気持ち。けど、なんだか面白いなあ。お隣さんたかみんがケーキ持って訪ねてきたんですね。それでルリが見栄はってる。でもってナカちゃん、たかみんが誰かと仲良くしてるの面白くない。うん、この状況、面白い。ナカちゃん、ルリの学生時代を知っている。もしやしたらたかみんのお隣がルリなのではと思ってる。それでいよいよやってくる。はたしてどうなる!? というか白アリが出たっていうけど、それってやばくないですか?

『ロボらとり!』、なんか面白いなあ。人間とロボットの共学校。ロボの人たちが微妙におかしくて、ビビの髪飾り、イヤホンジャックカバーらしいんだけど、イヤホン差したらどうなるの? イブのグレートウイングも面白かった。本人は嫌がってるんだ。勝手に飛んできて、勝手に強化されちゃうんだ。微妙に高性能? なノコの、けれどもやっぱり残念な制限。こうしたナンセンスな味わい、ギミックがうまく機能して、面白みになっていましたよ。

『ホームメイドヒーローズ』は、ものすごい転換ですよね、ほんと。これまでは、正義のヒーローや悪の組織に憧れて、現実という制約のもと、どうしたらそれを実現できるだろうか、その苦悩というか工夫というか、妥協というか、そういうのを楽しむ漫画と思っていたら、もう違う。悪の組織の側に強大な力がもたらされて、ああ、もう彼らはこれまでどおりではいられないのだ! とはいえ、やたら小市民的な人智を超えた存在であります。とりあえず手から怪光線が出せるようになった阿久乃。ああ、それ、人に向けて撃っちゃダメなのか。なんか、そういう玩具みたいだなあ。実際、そういうノリなのでしょう。自分で名付けてイビルマ。今は影の中にいるけれど、それらしい別の姿である方が望ましい理由とか、独り言いってるみたいで外聞が悪いからというのがね、もうおかしくて、やっぱり基本は苦悩というか工夫というか、妥協なんですなあ。懐かしの早潮質店。うってつけのブツの入手も叶って、しかしやっぱり微妙に妥協はあるんですね。ああ、そうそう、満たされた阿久乃、なんと素敵なのか。素晴しいD☆Vでありました。

  • 『まんがタイムきららMAX』第11巻第5号(2014年5月号)

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