2014年4月5日土曜日

『まんがタウン』2014年5月号

『まんがタウン』2014年5月号、発売されました。表紙は映画『クレヨンしんちゃん』をメインにしまして、周囲を連載作のキャラで固めるといった布陣です。『鎌倉ものがたり』、『派遣戦士山田のり子』、『押しかけ時姫』、『ままごと少女と人造人間』、そして『夢からさめても』、って、『夢からさめても』だけ主役じゃないじゃん! 美弥さん。うん、でも主役よりも美弥さんの方がいいや。ナイスチョイスであります!

『押しかけ時姫』、なるほど、海斗の母御、時姫から尊敬されてるのか。その理由がよかったですよ。有能だからっていうんですが、洗濯はじめ、やることなすことすごく手早い。いやはや、なんでも手作業だった時代とは違いますからね。ほんと、家電というテクノロジーが人を、ことさら家事に従事してきた女性を開放したのだなあ。姫、海斗の母から家事を習うことになりました。なるほどなあ、やっぱりいつか戦国時代に帰ること前提で考えてるんだ。家電は教えない。となるとインスタント。したらそれが陣中食と同じと好評。あの、誉めちぎられてうろたえる母上が素敵でした。この母上、バブル世代なんですね。扇を持って舞う。ううー、ピンとこないですよ。世代が違うのです。そしてナチュラルメイク。髪の手入れ。頭なでなで。なんだかんだで、姫、可愛がられてますよね。

『居間には今外国人がいます。』はカバンの話。皆、同じカバンを使ってる中、自分だけが違う。そう思って、皆と同じカバンを欲しがる万希なのであります。自分のだけゴツい、自分だけ革カバン、って、いいじゃない。そう思えるのは、自分がもう学校にいないから、子供ではなくなったから、なんだろうなあ。こうした皆と同じじゃないこと気にする自分に、日本に馴染んだと思う万希。ああー、確かに日本的なのだろうなあ。しかし、これからがおかしい。家に帰ってカバンをねだれば、出てくる出てくる、ランドセルに風呂敷、一体どこまで遡ろうというのか。今回は、学生カバンの今昔に、海外の雰囲気なども混ぜ込んで、けどそのベースに年頃の女の子万希の気持ち描いて、面白可愛かった。でもって、革カバンブーム。うん、でもよかったじゃん、万希。それに、こういう、ちょっといいものを持つのもまた悪くないことと思うんですね。いい思い出になりますよ。

『思春機13号』、ああ、いい最終回でした。大人になった七瀬は、カメラマンのアシスタントをしてるんですね。けど、日々の仕事に心をすりへらしてしまって、もうなにを目指し、どこに向かえばいいか、わからなくなってしまってる。そんな彼女が見上げた夜空。流れ星に思った七瀬の切ないモノローグ。いやほんと、ちょっとした詩だな。そして彼女、ひとみと再会ですよ。うわあ、ひとみ、変わったなあ。そりゃ七瀬も変わったんだけど、ひとみの印象は七瀬以上に違ってしまっていて、なんだろう、すごく素敵なお嬢さんになってるじゃん! 夢を持って再びこの星にやってきた。そんなひとみが七瀬に聞く夢の話。思い出せないという七瀬に、ああ、セイシュン回路、このくだりは胸にこみあげるものがありました。思い出した七瀬の夢。世界中の星空を写真に収める。その理由がまたよかった。友達のいる星がきっとそこにあるから。ああ、七瀬とひとみの友情。その確かさがここに息衝いて再び動き出した。そうした感触。あのドタバタのラストもまた、この漫画らしくて本当によかったです。

『涙の数だけ輝いて!』、IDL108と対バンですってよ。けど、仕事をとってきたマネージャーが対バンを知らない。このいいかげんさが実にいいですよ。直子が元IDL108なんですよね。ああー、そういやそんな話もあったなあ。その理由は語られないんですけどね。さて、ブーイングとかないかと心配しつつ罵倒は期待する唯ですよ。もう大好き。しかして、唯の不安は的中し、直子に裏切りものとの罵倒が! こういう時に後先考えず前に出る晴香もまたいいキャラクターだと思うんですよ。感情が真っ直ぐ出る、そうした気持ちのよさがあって、そして挑発合戦。いつにない発言におたおたしてる直子、あのぐるぐる目が最高でした。IDL108センター月島優香、お詫びがあって、また直子たちの発言、あれを面白がってくれていた。このメンバー間に確執がないというの、こういうのもまたよいと思うのですよ。

  • 『まんがタウン』第15巻第5号(2014年5月号)

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