2014年8月31日日曜日

ゆずりはコーポレーション

 獅子は我が子を千尋の谷に蹴落す、という話なのでありましょうか。高校生になった夜桜ゆずりは、彼女が事業家である父から渡された一千万円。生活費、まさかあるいは小遣いなのか!? ちきしょう、これだから金持ちは! いや、そんな甘い話ではなかったんですね。それを十倍にするまで帰ってきてはいけないよ。いずれはゆずりはに会社を任せる日のくることを思ってでしょうか、愛娘に経営者マインドを持つよう突き放す、厳しくも苛烈な父の愛だったのですね。それに応えて娘ゆずりはは、起業を志して意気軒昂。なのはいいんですけど、ゆずりは、はたしてこの子に社長なんて務まるのだろうか? ゆずりはの、ドキドキハラハラ、細腕繁盛記のはじまりであります。

しかし、ゆずりは、かなりの危機でありますよ。資金こそ与えられはしたけれど、ノウハウなんてまるでなし。そもそも起業するったって、どうしたらよいものか、基本のキからわからないときています。頼るは友人、そして先輩。頼んで、おどして、泣きついて、なだめて、すかして、ようやっと協力をとりつけることに成功するのだけど、なにしろみんな高校生ですからね、なかなかスムーズにいかない。第一、肝心要のゆずりはが、どうにもこうにも頼りないときています。ほんと、ゆずりはの友人、薫じゃないけど、このままずっと家に帰れないんじゃないか。どころか、資金一千万円を使い果たして終わるんじゃないだろうか、なんて思ったんですね。ええ、はじまった当初は、ゆずりはが迷走して、どんどん窮地に追い込まれていく、そんな漫画じゃないだろうかって密かに怖れてたのですよ。

ところがですよ、しっかりちゃんと会社設立に向かって進んでいくんです。事業目的を定めて、販売計画たてて、拠点となるマンションを借りて、などなど、会社を起こすのに必要なこと、きっちり描いて、ゆずりはの会社が着実に現実のものになっていく、そうした過程が見えるのは、ほんと、連載で追っていた時などはちょっと興奮させられるものがありました。いきなりなんでもはできないから、できる範囲で、できることを頑張ろう。資金をアドバンテージとして、一歩一歩、ちょっと背伸びしつつも、起業の夢に向かっていく。ほんと、ゆずりはコーポレーション、まだまだこれからなんだけれど、これからどういう風に育っていくのだろう。そうそう簡単には事は運ばないだろう。そう思う気持ちと、そうした予想をどう裏切ってくれるのか、そうした期待が私の中でぶつかりあって忙しい。ええ、気持ちは、がんばれゆずりは、その一心であるのです。

この漫画が面白いのは、会社とともにゆずりはたちが育っていく、そうした描写もあってのことなのですが、やっぱりキャラクターの魅力も大きいのですね。あかんたれで、ちょっぴりのんきなゆずりはを筆頭に、天然で天然だからなのか失礼な言動が光る彩音。いや、ほんと、彩音、めちゃくちゃ面白いよ。素直じゃないものの、なんだかんだで親身になってくれてる薫もすごくいい子で、そして亜紀乃先輩、この人がいないとどうにもこうにも運ばなかったっていうくらいに重要なポジションにいるのに、なんだかいろいろ残念で、ええ、みんなそれぞれにどこかちょっとずつあかん子なんです。けど、それが皆の魅力となっている。読んでいる私の気持ちを、ぐっとひっかけて、持っていってしまう。そんな子たちなもんだから、そりゃもう応援したくなるってわけですよ。ええ、ゆずりはコーポレーション、その先行き、おおいに期待してる。大きく育って、驚かせて欲しい、そう思っているのでありますよ。

2014年8月30日土曜日

『まんがタイムオリジナル』2014年10月号

『まんがタイムオリジナル』2014年10月号、先日の続きです。

『春雨平安日記』、今回は冬子がメインですね。扉にて、月を杯に写して飲む、秋の風流から始まるという、こうした風情いとをかし、です。霊感が強いという冬子、人には見えないものが見えるせいで、昔は変人扱いされてつらかった。そうした冬子に同情してくれた春雨に、あなたは本当に変ですと即座に返す、そういう冬子が素敵。春雨の同僚たちにもスポットライト当たって、檸檬連発、能筆の春雨に代筆を頼まない理由などなど面白い。そしてキャンプにいったりして、ほんと、おかしいわ。烏帽子で火をおこしてカレー作るとか、ほんと、なんだろう。なんともいえん平安の雅であります。

『たよスポ!』、就職活動の結果待ちしてるところの描写がくるのかなあ、そう思っていたら、いきなり決めてきましたね。たより、エブリデースポーツの内定ゲットです。でも、ニュースバリューとしては松野選手のプロ初タイムリーなのか。内定がもらえたのはパンサーズのおかげだ、そういってるたよりに、頑張ったお前の力といってあげる兄、いい兄貴だと思いましたよ。さて、内定者昼食会。たよりが見事に中心になっちゃってますね。記名記事を書いた記者は全部名前を覚えてる。それで他の内定者がビビってしまう。そして憧れの菊矢記者。パンサーズへの愛が溢れている。そう、たまりはいうんですが、菊矢記者はファンではないという。最後に、入社したたよりに出た辞令、一般スポーツ担当となって、えっ、とか思っちゃうたよりもずうずうしいですが、これ、きっと記者としてひとつのステップとなる、そんなエピソードに繋ろうとしてるのでしょうね。

『あかるい夫婦計画』、「便利と人情」とか「未来の姿」みたいな、ひとつのことがらを違ったポジションから見て対比させるエピソード、いいですよね。この人のこういう見せ方の素直さ、嫌味のなさ、それは本当に特筆すべきものがある、そう思っておりますよ。そして、最近続いている先輩後輩OLですよ。ついにふたりでキャンプにいっちゃうのか。ウキウキしてる先輩がなんか可愛いな。このふたりの仲のよさ、それがしみじみ感じられる、そんなエピソードでもあります。ええ、このふたり、大好きですよ。

『ぎんぶら』、小石の惑星ストーンズ。その名前でロックバンドを思い出したら、市長の名前がニックジャガ。あー、やっぱりそうですよね! この星にいろんな石がある理由、面白かった。SFだなあ。ちょっとした資源惑星ですよね。多分、この石を売るだけで彼らは莫大な資産を得ることになる、そんなこと考えたのですが、描かれるのはやっぱりもっとほのぼのとした、ほのぼの? なんか鉱物マニアの業みたいな話でした。ハイレベル・フェチ・マイスター、上級の石鑑定士、彼の突き詰めすぎていきすぎてしまったマニア道。なんの価値のない石も、彼が手にして評価すれば、一気に価値をあげる。ああー、千利休のエピソードみたい。ほんと、いいキャラクターでした。今回かぎりとはもったいないです。

  • 『まんがタイムオリジナル』第33巻第10号(2014年10月号)

2014年8月29日金曜日

『まんがタイムきららキャラット』2014年10月号

『まんがタイムきららキャラット』2014年10月号、昨日の続きです。

『ばーどすとらいく!』、クルの夏休みですよ。寮でひとり過ごしてるクルの様子、やたらマイペースで、よいなあ。と、そんなクルを誘いにあとりたちがやってくる。行き先は博物館、恐竜展を見にいきます! あとりが博物館大好きとか、よいなあ。素晴しい。そしてクルも恐竜にはまる。そうそう、恐竜って鳥の先祖っていいますから。むしろ、最初にクルがそうと気付かなかったのに、あれ? って思って、そうか、クルの星と進化の系統が違うわけか。なるほどちょっと面白い。しかし、あの見事に恐竜に魅せられちゃって、まるで神話の世界だ、しびれて震えてるクルが実にいい。総統への報告も、クルの熱意、あの表情が恐竜愛を物語っていて、おかしかったです。

ののかノート』、みんなでお祭りですよ。浴衣着るんですけど、ひよこさん、いろいろエロいです。勘弁してください。穏やかじゃありません。今回は、あやかのののか愛がいろいろ炸裂してまして、久しぶりですよね。ええ、お姉ちゃんのやばさが久しぶりに見られて嬉しいです。ののかはといいますと、いろいろ大人ぶろうとしましてね、けどなかなかそうはいかない。でも、頑張るののかはすごくいい。ののかを甘やかさないように、心を鬼にしてる玲緒奈ですけど、直視すると負けるのか。ののかとひよこのマッチング。発想が似てたり、一緒に遊んだりするところ、その様子、ほんとによかったです。ところで、最後に提示された宿題祭。これどうなるのでしょう。ののかには厳しそうですね。

あまゆる。』、なんでしょう、ハルにアヤ、のっけからものすごく輝いてません? って、ああ、畑だから? 寮の畑、綺麗に手入れされてる。誰が世話してるのかずっと気にしてたアヤ。その様子を真似するハルがすごくいい。ああ、ハルがやるとこんな感じになるんだ。ほんと、すごくいいですよ。先輩たちはもう卒業しちゃうから、畑を後輩に譲るんですね。そうとなったらアヤ、ハイテンション。国名考えちゃうんだ! ほんと、ハイテンションアヤは素敵です。先輩との出会い、ちょっと遅過ぎた、そういって落ち込んでるアヤがいい。この子、人見知りなんだけど、その分なのか、人との縁をすごく大切にしますよね。雪の日、雪合戦して遊んで、ハルのやりたい放題が光ってた。そうなんだ、ユウにも勝っちゃうんだ。そして畑の世話をして、ええ、皆ちゃんと畑を大切にしてる。その様子をうかがう先輩たちの姿からは、これまでみんなで畑を大切にしてた、大切に受け継いできたんだ、ってことが伝わってくる。そういう気持ちの繋がってると感じられるところ、実によかったんですね。

フレラジ☆』、メインの面々、それぞれに動きがあって、なかなか複雑な感じですよ。はじまった当初は、基本ラジオの収録をメインにして、個々人のエピソードはサブエピソードみたいな展開を見せるのかと思ってた。けど、全然そうではない。ひとりひとりのエピソード、それがメインであり、それがフレラジの場で交差するんだ。そうしたことを感じさせます。葵がね、英語の能力を買われて、海外からきた映画監督の通訳頼まれたのだけど、どうも監督は日本語しゃべれるみたい。けど、なにか思うところがある? 映画の撮影を見においでと誘われて、連れてきたい人がいたらその人もどうぞ。なるほど、フレラジメンバーでいくのかな? あるいは茜を呼ぶのかな? そう思ったら、そうはならなかった。ええ、私の予測をまったく受け付けない展開、見事に引き込まれておりますよ。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第10巻第10号(2014年10月号)

2014年8月28日木曜日

『まんがタイムきららキャラット』2014年10月号

『まんがタイムきららキャラット』2014年10月号、発売されました。表紙は『GA — 芸術科アートデザインクラス』。夕焼けの空を背負って、遊んだ後の帰り道? 如月とトモカネふたりが、なんだかすごく楽しそうなんですね。トモカネは自転車を押して、後ろに浮き輪が見える、ということは海で遊んだ帰りなんでしょうね。ニコニコ顔の如月の、あれは段差の上ですね、ひょいひょいとジャンプしながら、そんな様子がすごくいい。笑顔、風に舞う髪、そしてひるがえるワンピースの裾まわり。如月に向けるトモカネの落ち着いた笑顔も素敵。いいイラスト、最高ですよ。

Aチャンネル』は鎌手先生の引っ越しの手伝いに駆り出された鬼頭先生と佐藤先生ですよ。最初に冷蔵庫を空にするところからはじまる、のっけから自由な鎌手先生ですけど、やっぱりやり手といいますか、鬼頭先生に佐藤先生をぶつけると、ライバル心? 負けてられないと必死に働くだろうという思惑が見事にあたって、いやほんと、策士です。鎌手先生の制服の行方とか、いい感じ。うん、鬼頭先生にはぜひ着て見せていただきたい。そして酒飲まされてふたりつぶれる。こればっかりは、鎌手先生、なになさってるの、ですね。ユー子とケイ子が手伝いに入って、変態的要求に間違った応え方するケイ子が最高です。またユー子に抱き付く鬼頭先生。感情がだだ漏れですよね。お酒のせいでちょっと緩くなったところなど、実によかった。今回ばかりは、あんまりユー子も苦手にしてない感じでしたね。

『ホワイトサンドに手をふって』、ゲストです。これは、アクアリウムものなんですね。ショップにて出会った魚が必死に買ってといってくる。見た目幼女、人魚っぽく描かれて、なるほどこれは魚が擬人化されてるんですね。レッドプラティ、体がちいさくて一人だけ売れ残った、その売れ残りという言葉に揺さぶられるヒロインが泣ける。なんか他人事じゃないっす。レッドプラティ購入。あわせてお友達にミックスバルーンモーリーもお買い上げ。こちらは擬人化じゃないんですね。Hello! I will be your friend♥ なんか可愛いな。しかし、これ、悪くないですよ。熱帯魚擬人化。そうかと思えば、水合わせキットとかいろいろ、きちんとしたアクアリウムものの表情も見せてくれて、キャラクターの魅力、コミュニケーションの面白さ、そしてアクアリウムの面白さが見えれば、これはよくなる。実際面白かった。ええ、すごく好感触でした。あの水槽を見守るおねえさんの表情がよかったです。

『すわっぷ⇔すわっぷ』、ゲストです。女の子同士の入れ替わりもの。曲がり角でぶつかって、キスをしちゃったはずみで、中身が入れ替わってしまうというんですね。優等生の一ノ瀬春子とギャルの二階堂夏子、ふたりが入れ替わって、それで互いを知り、仲良くなっていくってことなのかな? 春子が夏子に対して、物怖じしてないところがいいですよね。私のイメージはと聞かれて、うるさく…うざい、と答える。夏子が無茶をして春子が困る、そういう展開になるのかと思ったら、まったくの逆で、無茶するのは春子なんですね。クラス一頭がいい、だからといっておとなしいわけじゃないよ、ノーノー。そうしたキャラづけは面白かったです。

『天使と悪魔のスパイラル!』、ゲストです。小森美咲のもとに悪魔と天使がやってくるんですね。月刊トモダチのつくり方なる雑誌を開いたら、ルシファーを名乗る悪魔が出現。見た目は小娘みたいだけど、えらい大物がきたな! そう思ってたら、なんか変だぞ? 悪魔がルシファーなら、窓から入り込んできた天使、こちらはミカエルあたりじゃないとおさまらんだろう。そう思ったのに、天使アマエル、あれ? あれ? そうなの? そう思ってたら、ああー、悪魔の子、ルシファーといってるけど、ほんとは違うのか。悪魔、天使ともに、美咲の願い、トモダチが欲しいというのを叶えてくれるつもりみたいなんですけど、天使、悪魔を前にするとどうしても争いになるらしく、いよいよ戦争!? 美咲のために!? この目的を見失ってる感、いい感じです。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第10巻第10号(2014年10月号)

2014年8月27日水曜日

『まんがタイムオリジナル』2014年10月号

『まんがタイムオリジナル』2014年10月号、発売されました。表紙は寝坊? 朝の目覚めだそうですが、メインの山下さんは、どうやら遅刻してるっぽくって、目覚まし時計を手にして座り込んだパジャマ姿が実に可愛らしいんですね。榊先生は着替えの最中ですが、どうやら右足を左に突っ込んでるっぽいです。そして『らいか・デイズ』らいかは、さすがですよ。元気にラジオ体操。早起きもへっちゃら、健康優良児ですよ。

『よゆう酌々』は、女将と戸田君がケンカするっていうんですよ。って、なんか今さらなふたりみたいに思ったりもしますけど、今回は女将側の気持ちが違うのかな。むしろ戸田君はいつもどおりだったかも知れません。戸田君の失敗で、女将を怒らせちゃうんですね。といっても、ちょっとヘソを曲げたくらいの感じなんですが、台風接近で調子も悪いしと、なんだか散々っぽいんですね。そのせいなのか、いろいろ文字を読み間違える。踏切を裏切とか関の包丁を闇の包丁とか。闇は面白かったなあ。ひとつひとつならちょっとした小ネタなんだけど、こうして戸田君との関係や台風接近などもろもろと組み合わせることで、なんだかおかしみが増大していたと思うんですね。

『満開!Sister』は、いよいよサツキさんがたけしと急接近ですよ。受験勉強をしにたけしの家にやってくるんですね。目当てはカンナなんですけど、結果的にたけしとカンナと3人で勉強することになって、それでカンナのいろんなアイデア、アイデア? そいつをサツキも試したりしちゃうんですね。たけしに密着とか、ほんと、たけしの勉強はさっぱり進まないわけだけど、その分、やたら羨ましい状況ができあがっていて、いや、ほんと、大変なのかなんなのかさっぱりわかりませんよ!

『みつめるっ!上野さん』、どんどんよくなってる、そんな感じですよ。博物館、特別展が盛況でして、お客さんがたくさん来館するんですね。ということは、ルールを守らない人も自然増えるわけで、ガム食べてる人、カメラ使ってる人、鉛筆以外の筆記具を使ってる人、などなど。もちろんそうした人に注意を促すのが上野さんの仕事なんですが、見事に見逃してしまってるんですね。まだまだ仕事に慣れない上野さんと、彼女にからむ根津、このふたりのやり取りが面白いです。迷子の子供に手を焼いたり、自分の家族来襲に戸惑ったりしてた上野さん、けれど根津の一言で開眼、一気に問題片付けて、ちょっとかっこいいんですね。そして根津さん。高校の制服着てるのに、中身は院卒。最高だと思う。そして最後に化けの皮がはがれる上野さん。ええ、こういうところもいい感じ。ちゃんと勉強しに図書館にいくところがよいですよ。

『かでん屋さんの基礎知識』、面白いなあ。園宮が帰ろうと思ったら、店の前にすごい行列。明日、人気のゲームソフトが発売される。その行列だっていうんですね。列の先頭には草薙がちゃっかり陣取っていて、ほんと最高ですよ、この人。そして翌日、予約の列をさばくために皆で手伝う。最後尾の看板持って、列整理をさせられる園宮がいい感じ。あの戸惑ってる顔、え? っていうのが、なんか可愛かった。そして行列に見える人間模様。行列もまたイベントで、と、ここからがさらに面白い。ウォーターサーバーでお客さんに水を提供。販売が一段落すれば、今度は予約の列整理。店前、炎天下での仕事だから、いつも以上に大変かもですね。ここで語られたポイントカードの話、面白かったです。またポイント割増に予約特典などなど。イベント整理券なんかもあって、ほんと、最近はこういうの、豪華になってしまってますよね。草薙ちゃんオンステージとか、見にいきたい。そして最後のキッチンちゃんグッズ。この企画、さらに発展してたんですね。

  • 『まんがタイムオリジナル』第33巻第10号(2014年10月号)

2014年8月26日火曜日

先生の白い嘘

 Twitterで流れてきたんですね。「漫画家 鳥飼茜さん 「先生の白い嘘」で描こうとしたもの」。女の性、男の性を取り上げて、シリアスに対峙させた、そうしたものと理解されて、これは買ってみよう、読んでみようと思ったのでした。まったくの予備知識なし。冒頭見開きには、男の性、女の性を持つもの持たざるものとして区分するヒロイン美鈴の考えが提示されて、いつも損な側に立っている、そう自身を振り返る彼女の性格、自意識がわかるようになっています。それはつまり、女を被害者として描こうということなのか。いや、違うんですね。むしろ美鈴の鬱屈、その根本にあたるところにこの漫画の核がありそうだ。そう思わされる描写が続くんですね。

男女ともに、性的な搾取を受けることがある。そうしたことが描かれていたように思います。さらにいえば、男女ともに、自分の性に対し向けられる社会的な眼差しに苦しむことがある。そして、そうした苦痛は、自身が被害者となった時により顕著になる。その様子は、かつての美鈴の経験と、そして彼女の生徒、新妻の経験したことに如実に現れていて、美鈴は自分の身に起こった理不尽を、自分が女だからだ、自分のせいだ、そう思っている。対して、新妻は、男である自分の性に押し付けられるもの、それに苦しんでいる。同時に、自分自身の性に割り当てられたものを、理不尽な押し付けと感じながらも、そう思う心を閉ざしてしまった。ともに、性に傷つけられたもの同士でありながら、決定的に噛み合わない対話は、その向こうに傷ついた心とそれを守ろうと必死に抗っている、そうした悲痛さが感じられて、やりきれませんでした。

1巻終盤のふたりの対話は、前提として語られてきたもの、美鈴が身の回りに見て感じてきた、同性間に存在する格差や、男が常日頃から女に対し行っている理不尽としかいいようのない差別的な待遇、それに適応する女の姿など、また新妻が学校でクラスで置かれていたポジション、理不尽に見下され、性的なハラスメントもしばしばある、そうした状況があってこそ生きていると感じられます。ここに山場を持ってくるべく積み上げられてきた、その構成のうまさということになるのでしょうが、同時に彼女、彼の身の回りで起こること、感じているもの、それらが多かれ少なかれ私も見聞きし、経験してきたものである、そうしたリアルさ、ないしは生々しさがあるからなのでしょう。

美鈴も新妻も、当然漫画の登場人物、存在しない架空の人格であるのだけれど、出来事の生々しさ、リアルさ、ありそう、あるよね、そう感じさせるものがあるからこそ、ふたりの苦悩や頑なにもなるその心情が突き付けられるかのように募ってきたのだと思いました。そして、とりわけ私にとって突き付けられるように感じられたのは、一方的に、暴力的に行使される男の性でありました。普段、私はそうしたありようを嫌悪し、否定したいと振る舞っているのですが、それでも時に、自分の性のありようは、傷つけ、奪うものなのではないかと、自身直面させられることがあって、そうした違和感や嫌悪をこの漫画の中に見出したのでした。ひとつ目は、美鈴に向けられた性的な欲望とその身勝手さ。そしてもうひとつは、新妻が自分自身の中に見出した違和感、それだったのだと思います。

現状、どうにも救われようのない状況に置かれている美鈴と新妻でありますが、このふたりがともに直面した自らの性と自身の内面に、この先、より一筋縄ではいかなくなるだろうという予感をさせられて、それでもそのいきつく先に、ふたりの救いがあるのだとしたら、それを見たい。そう思わされるものがありました。そう思ったのは、ふたりの得るだろう救いは、また私自身にとっても救いと思えるものになるのではないか、そう期待するからなのだと思っています。

  • 鳥飼茜『先生の白い嘘』第1巻 (モーニングKC) 東京:講談社,2014年。
  • 鳥飼茜『先生の白い嘘』第2巻 (モーニングKC) 東京:講談社,2014年。
  • 以下続刊

2014年8月25日月曜日

Sky, taken with GR DIGITAL IV

月末は恒例のGR BLOGトラックバック企画です。今月のテーマは空もよう。夏空などが思いうかぶところですが、最近は、なんか入道雲とかあまり見ないような気がします。馬鹿みたいに晴れてるか、馬鹿みたいに降ってるか、そのどっちかみたいな印象。特に今年は、なんか例年のような気象ではなかった、そんな気がしています。さて、GR DIGITALを買った当初は空をよく撮っていたんですが、最近は空にレンズを向けることが減ってきて、なので今回のテーマは、久しぶりに空に意識を向けるきっかけになって、よかったと思います。トラックバック企画「空もよう」に参加します。

以前、空の写真をよく撮っていたといっていましたが、その時にも、そして今回も同じことを思ったのでした。それは、日本の、街中の空は、電線越しであるのだということ。ええ、日本の身近な空の前景は、電線であるのかも知れません。

2014年8月24日日曜日

『まんがタイムスペシャル』2014年10月号

『まんがタイムスペシャル』2014年10月号、一昨日の続きです。

『踊る!アントワネットさま』、最終回でした。もうね、フランス革命があるでしょ? マリー・アントワネットを描くなら、もう不可避ともいえる歴史的イベントでしょう。そうなれば、後は処刑処刑の連続で、王様はもう処刑されちゃったし、マリー・アントワネットももう順番を待つばかりだろうし、さらには我らがヒロイン、マリー・ボヌールも逮捕されているしで、まさか全滅エンドなどあるまいな。なんとかして逃げるのか? ずっと不安に思っていました。アントワネット、マリー・ボヌールに我が子シャルルを託すのですね。逃げるための準備はこちらでした、だからシャルルを連れて亡命して欲しい。ああ、悲しい展開、けれどこうなるほかなかったのだろうなあ。いつもふわふわとしていた、そんな印象のマリー・アントワネット。けれど、あの、子を思う母の顔は真剣そのもので、その意思の強さ、気高さはこの上もなく、そしてふたりのマリーの友情。ああ、よくぞ描かれたものだ、よくぞここまで辿り着くことができた、そう思わないではおられませんでした。ハードな展開、悲しい終わり。最後のマリー・アントワネットの、亡き夫へと語り掛け、そして、Adieu Marie. もう今生の別れである、絶望の中に希望を感じさせる読後感。これまでの積み上げあってのことでしょう。大変、よかったです。

『アテナの初恋』、今回はディオニュソスなんですね。酒と快楽の神。アテナに気があるらしい。なーんだ、アテニャン、もてるんじゃん。そう思いたいところだけど、この人、人っていうか神様ですけど、女性と見れば声をかけるタイプの人。うん、アテナも警戒しますわね。女性をモノ扱いするのはよくない、はっきりいうアテナ、実にいい。けど、ディオニュソスは決して女性の敵ではない。夫婦間でのトラブル、束縛される妻に味方して夫に話し合いをうながす。ええ、アテナの誤解も解けるんですね。けど、ここでじゃあお付き合いとはならないところがいい。あの、ラストの渋い顔してるアテナが最高でした。

メェ〜探偵フワロ』、フワロ商会の仲間がやってきたぞ! すげー高級車に人だかりができている。その車に乗ってきたのが、フワロ氏の部下だっていうんですね。南米、中央アジア、ヒマラヤと世界各地を飛び回る忙しいやつら。気さくで面白い連中なんだけど、仕事は確かなようで、ふらっといなくなったら半年とか帰ってこなくて、それでまた帰ってきたとなったらものすごい大儲け。そりゃ、フワロ氏も田舎で探偵ごっこなどして楽隠居できるわけですよ。皆がアー坊、アーサーのことを心配しているんですね。まだ25歳。田舎に引っ込むには若すぎる。都会に戻って、いろいろ経験を積ませたい。そうした意向を知って、不安になるのがミス・レモン。まさかのヴィヴィ孫との本音トーク。ヴィヴィ孫の本気、それを垣間見た。そうか、決して余裕余裕じゃないんだな。なんか、ヴィヴィ孫のこと、見方がちょっと変わりそうです。しかし、最後のさ、じらされた女ふたりの焦燥、これはもう駄目押しでしたね。ほんと、ちょっと真面目で、そしてめちゃくちゃ面白かったです。

趣味じゃない園芸』、最終回ですよ。ベネズエラから帰ってきた蘭々の前には、更地になった元植物園が……。まあ、夢なんですけどね。まだ、進路をどうしたものか、決めあぐねていたんですね。そんな蘭々の背を押そうという、女子連中。その方法がおかしかったなあ。閉鎖が決定している県の施設に連れていって、植物園もそうなるかもよとプレッシャーかける。だから気にせず、自分の好きな道を選びたまえ。困惑する蘭々の相談に乗って、優しく説得する南方さんがよかったなあ。植物園がなくなるかも知れないというのは、あながち冗談でもない。だから蘭々には、植物園に縛られるんじゃなく、夢を叶えて欲しい。ええ、本当に皆から愛されてる。そんな蘭々と、この子を見守る園の皆の人となり、その心情など感じさせる、この漫画らしい、いいラストでありました。

  • 『まんがタイムスペシャル』第23巻第10号(2014年10月号)

2014年8月23日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2014年10月号

 『まんがタイムきららフォワード』2014年10月号、発売されました。表紙は『ハナヤマタ』、なるとハナが、学校の帰りなんでしょうか、制服姿でかき氷を手にしてまして、なるがイチゴでハナがブルーハワイ? 木の匙にすくってこちらに差し出してくれているんですね。ふたりともにまとめた髪が可愛らしい。ええ、可愛らしい表紙であります。

『がっこうぐらし!』は、本当、泣ける話でした。いよいよ追い込まれた、そんな状況で、多勢に無勢、圧倒的に不利な中、みーくんを守ろうとするくるみの鬼気迫る様子。さらに、逃げることはできたけれど、あまりに過酷な日々に消耗しきっているりーさん。ひとり呑気で、失われた日常に暮らしているゆきの言動に耐えられない。そんな時に、まさかのゆきでした。ゆき、ちょっと行ってきますって、それ自殺行為じゃないの!? 状況をどこまでわかってるのか、不安いっぱいでページをめくったら、彼女なりのフル武装で、さらにはこれまでになかったようなしっかりとした表情を見せてくれた。泣けますよ。今度こそ自分の番、そうした彼女の様子は、あんまりにも健気で、それだけに涙を絞ったのであります。いや、ほんと、やられました。

夢喰いメリー』、いよいよ白儀のもとに夢路、メリーが辿り着きましたね。カルチェを失ったレン。このところ、夢が叶ったという話をよく聞く。なぜなのか、なにが起こっているのか、レンの経験からだんだんにわかってきた。人に夢魔を結び付け、それを殺している何者かがいる。その推測が、夢が叶ったと喜んでいたレンの気持ちを揺らがせて、あのメリーに問うレンの心情痛ましく、そして答えたメリーの言葉の揺るぎなさ。しびれましたね。柊からの情報で向かった神社で白儀と出会う。ほんと、ハラハラさせられっぱなしです。あと、柊さん、めちゃくちゃ可愛かったです。

『病めるときも健やかなるときも』、いよいよやばいな、いばらさん。柘榴にベビードールを着せたらば、もう興奮がとまらなくなって一晩中とか、いよいよ尋常じゃないです、いばらさん。さて、そんないばらは、人形部(仮)に入部することを決めて、そして人形嫌いの詩季の謎に一歩近付くんですね。病欠した詩季の家を訊ねると、やたら失礼な子がお出迎え。詩季のいとこの姫沙羅と名乗る女の子。これが詩季の人形嫌いの原因で、そしてこの子も人形だというんですね。普段は地下牢に閉じ込められている? 今後、姫沙羅がどういばらに関わっていくか、いよいよ物語が大きく動き出しそうですね。

『トリガーハッピーウィッチ!』、なんと、分が悪いと思われていたチーさんでしたけど、それ、遊んどったんか! ああ、タイトルの理由がわかった。魔法を撃ちまくって気持ちいい、最っ高だな! ああー、トリガーハッピーだわ。そうかあ、この展開、最初っからこうなりますよって提示されてたんだ。そうなんだよな、タイトルのトリガーハッピー、なんでなんだろう、そう思ってたんですよ。納得でした。しかし、チーさんの本気の魔法、すごいですよ。けど、それを見て、闘技場の修理費を心配するメイもすごいですよ。ばあちゃんのくだりも最高でした。モモのくだりも本当によかったです。モモを極楽堂にスカウトする時のチーが、なんかすごく素直な可愛さを表現してた、そう思ったんですね。そして黒幕、彼女は魔女ではないみたいですね。なにが目的なのかはまだわからないけど、チーを狙っているっぽい。いや、魔女というもの、そのものをターゲットにしてるのかな? ともあれ、彼女が健在なうちは、チーのトリガーハッピー、思う存分ハッピーになれそうな予感がしますよね。

2014年8月22日金曜日

『まんがタイムスペシャル』2014年10月号

『まんがタイムスペシャル』2014年10月号、発売されました。表紙は『恋愛ラボ』、花火に興じるリコさんですよ。撫子柄でしょうか、浴衣も実に可愛らしい。まとめた髪、手にした花火にぽうっと照らされた笑顔が、優しげで、儚げとな美しさ感じさせる、そんな表紙なんですね。いや、ほんと、この子は可愛いなあ。『だけど温田さんはひとりでデキない』のカットもありますよ。富崎さんを盾にしながら花火に火をつけようとしている温田さんが、なんともいえない可愛さです。

笑って!外村さん』、ようやくきましたよ。ずっと由井さんに酷いことされてきた外村さん。気付いてなかったのかと思ってたら、おおう、全部、全部わかっておいででしたか! びっくりした。由井さんはそういう子だぞ。あの穏やかな表情。もう、あんたは菩薩か。自分は性格悪いから、いつも笑ってないといけない。そういう由井さんに、本当の由井さんのことが好きだ、そういう外村さんの凛々しくもかっこいいこと。憎まれ口たたく由井さんに、その顔がいい。ああ、これまでが長かった。それだけに、この瞬間、心待ちでした。

『なり×ゆきリビング』、素晴しいな! 大人女子ふたり、なんて素敵なの! ほんと、篠峰奏莉も佐藤雪もそれぞれに違う魅力を持ってる。職場でもそう。上司に頼られまくりのできる部下佐藤に、あんまりできないんだけどその気さくさゆえに人気もの、篠峰。ふたりの対比が鮮やかで、そして職場ではあんまり接点のないふたり、そのふたりが互いの価値、よさを語りあう給湯室のシーン。素敵だった。ほんと、ふたり、急速に仲良くなって、あの更衣室での共感とかもね、素敵だった。グッドでした。

『銀河系女子高生ありすちゃん』、ミチコの誕生日ですよ。ありすちゃんに、誕生日を祝うってことを説明する。あの、人類全員の誕生日を祝いそうな勢いのありすちゃんに、身近な人の分しか祝わないと明言するハルがナイスです。自分の誕生日を覚えていないゆせ。ありすちゃんはというと、銀河としてまだ生まれていないっていう。これもまた驚きの話です。面白かったのは、増田ですよ、ヨータですね。ミチコがきっぱりと断わる。って、ロボのプラモデルを渡してるのか。今年はミチコの好みを反映してやる、そう誓うヨータだけど、やっぱり駄目、って、うん、根本があかん。根本が。ハルのプレゼント、ありすちゃんのプレゼントで喜ぶミチコがいい。そしてゆせからのプレゼント、それがミチコにも、そしてゆせにも喜びを与える。あの展開、ほんと、素敵でした。ミチコとゆせは気があうのかもですね。

『ローカル女子の遠吠え』、これ、面白いですね。瀬戸口みづきらしさが出てて、一癖も二癖もある、っていうか、むしろなにかこじらせてしまってるUターン女子、有野りん子がたまりません。モチーフがアリとキリギリスなんですね。面接でこの紙芝居をやってみせて、自分をアリに例えてみせる。勤勉さが取り柄。前職をやめる理由になったのも勤勉さが原因。このやりきれなさよ! 最高だと思う。失礼な同僚雲春もまた面白い。こういうろくでなしを描かせれば、ほんと見事です。そしてキリギリスですよ。桐島。かわいいのが仕事とかいって、甘やかされてるいけすかない女。ああいうのをのさばらせる男性社会とかクソだよねー、そう思ったら、りん子もその男のことゴミを見るような目で見て、素晴しいな。けど、基本的にわびしい、わびしい漫画。でもそれが面白い。さすがです。

  • 『まんがタイムスペシャル』第23巻第10号(2014年10月号)

2014年8月21日木曜日

『まんがタイムきららミラク』2014年10月号

『まんがタイムきららミラク』2014年10月号、先日の続きです。

城下町のダンデライオン』、もうほんと、最高に面白いな。茜様、まだその眼鏡の秘密に気付いてないんだ。ジャミンググラス。これをかけてると、茜様と気付かれない。なんて素敵なアイテム! って、いや、ばればれなんですっていうね。しかし、このアイテムは素晴しい。なんて可憐なんだ茜様。なんて美しいんだ、茜様! もう最高です。一生茜様についていきたい気分です。さて、今回は、王になるとはどういうことか。それを改めて問い直す、そんな回だったんですけど、茜の出会った猫と女の子たち。姉の玉緒と妹の美緒、ふたりが猫を親子を守っている様、そしてそのふたりを猫アレルギーの父が支えている。間接的に猫をも守っているという、そうしたことを気付いていく過程が実に丁寧で、ほんと、しみじみと感じ入りましたよ。素晴しい。あのね、玉緒たちを、そして猫を見てる茜様の目が実にいい。表情豊かで、暖かで、ほんと、この子、いい子だなあ、そう思わされるのでありました。そして、身分がばれる! いや、ぎりぎりで大丈夫だったんですけど、大丈夫だったんですけど! 今までひとり素で気付いてなかった玉緒が、憧れの茜様と知って豹変する、あの輝き! 素晴しかったです。

『箱庭ひなたぼっこ』、これもまた面白いですね。今回は千堂さんのエピソード。いつも丁寧な言葉づかい。友達同士で敬語というのも、なんかよそよそしい。そんな話になっちゃって、それでいろいろ思っちゃう。心の壁、そいつをなんとしても取り払わないと! 敬語はなしにして、あだ名なんかで呼んじゃって、けどどうもそいつが不自然で、どうしたのだろう、心配されてしまうんですね。このやり取りに、さくら草の花言葉、「初恋」に「若い時代と苦悩」それらをうまく組み合わせて、これはすごくよい。そう思わされたのですよ。いつもの千堂さん。それが一番いい、なによりですよね。

『シロクマと不明局』、思い付きなのか綿密な構成があるのか、いや、後者なんだろうとはわかってるんですけど、唐突にチエコが新能力に目覚めました。目を細めると、人と人の繋がりが赤い糸として見えるようになった。それで彼女が見たもの。マリーの枷とか、すごく気になりますよね。そして局長の過去ですよ。うわ、なんだこれ、めちゃくちゃかっこいい! チエコが能力に目覚めた理由、それにも意味がありそうで、なにかこれは大きく動き出しますよ、そうした予兆でありますね。しかし、ほんと、局長サブロウ、かっこいいな。

『隣人リンク』、ボランティア部の面々が、それと意識することなくボランティアを頑張った。そんな話であります。部活をさぼっていたら、迷子の女の子に遭遇。外国人の女の子、日本語がわからない。ジャージの肉体言語が幼女に笑顔をもたらす! なかなかに面白いエピソードでしたよ。児童公園のすべり台の上、派手なポーズで口上のべる雛璃に子供たち大喝采。迷子の子、アリサにすっかり篭絡されてる吉野が可愛かったですよ。黒ヱの不思議能力? そいつでもって問題解決。あの胸の格差、うん、どちらもよろしいものだと思うんですよ。うん、吉野さんとか、実に素晴しい。最後のね、マイペースふたり組、あの様子など、最高でしたよ。

  • 『まんがタイムきららミラク』第3巻第10号(2014年10月号)

2014年8月20日水曜日

『まんがタイムきららMAX』2014年10月号

『まんがタイムきららMAX』2014年10月号、昨日の続きです。

『ぶらまり — 時給800円の吸血鬼』、眼鏡がテーマでありますよ。おお、扉のマリーが超素敵。けど、この好奇心が彼女の運命を変えるんですね。テストの一夜漬けでへろへろになってるななこ、彼女の眼鏡を試しにかけて、壊してしまった。つばめの発案で、接着剤使うも、貼り付ける場所を間違えてしまった。って、そりゃねーだろ! もう逃げるしかない。いや、弁償だと眼鏡屋にいって、そしたらそこで興味のまま視力はかってみたりするんですね。おお、マリー、視力20なのか。って、どうやって計るんだ! 思うようにはいかなかったんだけど、気持ちが汲んでもらえた。あのラストね、駄目なんですけどさ、よかったですよね。

『アイはぐ』は衣替え。夏服になって、ええ、夏服もまた可愛いですね。本番まであと一週間。皐のダンスもよくなったといってるところで、しれっと中間テストが犠牲になったことを明かしてる結音。そうか、皐のテストは犠牲になったのか。衣装を決めます。制服ベースにちょっとアレンジ。ポスターとチラシを作って、宣伝にも余念がない。娘たちのステージを応援しようと頑張る父と常連たちがすごくいいですよね。ママにも知らせたい、けど絶対きてもらえない。ちょっと切ないですよね。そして、ひかり、当日遅刻。起きた時点でばっちり遅刻が確定していて、罰ゲーム。これ、ステージを飾るなにかになったりするのでしょうか。

『みことの一手!』、明日は予選の反省会。みことの気分がすぐれないのは、やっぱりわかってるんでしょうね。なにがまずかったか。だから気分がすぐれない。母のファッション誌を見て、自分も髪形変えようか。これもまた逃避なのかも知れませんね。いや、けど、可愛いですよ。ボブみこと。部屋着もすごく可愛かった。この思い付きのボブが、全敗を反省しての行動と勘違いされて、ゆるされる。あの全然わかってないみこともよかったです。私たちにはなにが足りていないのか。文香が光の側面で、蛍が闇の側面なのか! 悔しさ、妬みといった感情。それは本気で打っているからこそのものだという蛍の言葉に、自分に欠けていたものを思い知る、そんなみことの様子が見えて、ほんと、みことの本気、怖れを超えて本気で打てる日はいつのことになるのだろう。見ていてすごくもどかしくて、だからこそみことから目がはなせない、そんな気持ちになるのだろうと思うのですね。そしてみことの思う蛍の心情。これがなにかのヒントになるのでしょうか。

『ハナイロ』、うるみがなんか調子悪そうなんですね。ぼーっとしてる。失敗続き。心ここにあらずといううるみを見て、ホームシックなのではないか? 昨夜、親からの手紙が届いていた。元気づけようと皆でいろいろやってみるんだけど、うまくいかない。あの笑わせる作戦、あれ明らかに姉に遊ばれてますよね。しかし、これ、うるみがホームシックというのが皆の勘違い? そんな展開もあるかなと思ったら、考えすぎでした。皆が、私達が一緒にいるよ、まっすぐに気持ちを伝えて、うるみが元気を取り戻して、この素直さ、それがこの漫画の美点だなあ、本当にそう思わされました。

  • 『まんがタイムきららMAX』第11巻第10号(2014年10月号)

2014年8月19日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2014年10月号

『まんがタイムきららMAX』2014年10月号、発売されました。なんと創刊10周年記念号でありますよ。小冊子もついてくる! 表紙は『きんいろモザイク』から綾、『ご注文はうさぎですか?』からリゼが、ふたりそろって、ハートマークのコラボイラスト。リボンをとめてるブローチがね、ユニオンジャック、そしてうさぎと、ワンポイントがぴしっと効いて魅力的。手前には、花をまくデフォルメココアと旗を持ったデフォルメアリスが可愛らしい。ええ、素敵表紙です。ちょっとリゼが照れてるのね。対して綾が堂々としていて意外です。

ご注文はうさぎですか?』は、明後日から新学期! って、この子ら、進級するのか! まったくそんなこと意識してなかったので、むしろ驚き。そして千夜でもうダブルの驚きでした。千夜がココアとケンカしたっていうんですね。泣いちゃって、シャロも慌てちゃって、けどよくよく聞けば、なんかケンカって感じでもない? クラス替えがあるんですね。そうかあ、もう、クラス替えとかどんなだったか、忘れちゃったなあ。チノとシャロが、振り回される被害者の会を結成してるのがおかしかった。パズル事件とか、懐かしい! チマメがエダマメになったり、おかしな発想面白く、そして文具店に向かうチノ、リゼのハイテンションに、リゼに頼られて輝くシャロの麗しさなどなど、見せ場たっぷりでありました。ココアと千夜のケンカ? の顛末もよかったです。どういう結果になろうとも、きっと絶対楽しめるよ、私達。そうした前向きさは素晴しく、ええ、やっぱりチノ、リゼ、シャロは振り回され隊だったんですね。そして当日、千夜の満面の笑顔。それに応えるシャロの表情も素晴しく、ええ、実に素敵なエピソードでありました。

いちごの入ったソーダ水』、素晴しいなあ。るなの別荘観、素晴しい。元取れるの? うん、我々庶民の悲しい疑問でありますなあ。金持ちは費用対効果とか気にしないんです。きっと。文芸部の活動で、まずはペンネームを考えてみたらどうだろう。好きなものから取ってみる、そういわれてルナと即答するこひめ。いやあ、るーちゃんが照れちゃって、素晴しいな。どっちで赤面だろう。好きだから? ペンネームっぽいから? こひめの方が似合うから? いいように解釈したい。だってね、親公認っていわれて赤面したりさ、だんだんに姉御が女子校に染まってきてますよ。ピンチですよ、杏奈さん。食事がね、カレーじゃなくって驚いてるるな。明日はバーベキューと聞いて安心するるな。この、るなの合宿観。やっぱり楽しみにしてたんじゃん。ええ、大変によかったです。

『アリノスワンダーランド』、新章スタートだそうですよ。これまではルリとみかの物語だったけど、これからはたかみんとナカちゃんの物語でもある。いや、むしろたかみんナカちゃんが主になってくるのかな? たかみん、高見優羽の部屋にナカちゃん仲間このはがやってくる。いや、一向にやってこないっていうんですね。途中、猫を見付けて夢中で描いちゃってた。ルリ曰く、昔から自由人。たかみんの小学生時代の思い出、そこでもナカちゃんは自由で、大大だーいの苦手だった……。苦手やったんか! この頃のたかみんは、なんかちょっと気取ってる感じ? 父の仕事の関係で転校続きだったせいで、友達を積極的に作ろうとしない、そんな感じだったのかな? けど、ナカちゃんは自分の興味に一直線で、たかみんについても、耳の形が可愛いって。最初は苦手、けど、いつしか好きになっちゃったんだなあ。その過程、それがきっと描かれるこれから。いや違うのかな? ともあれ楽しみでありますよ。

ホームメイドヒーローズ』、おお、夏休み、水着会! と思ったら、烈人さんは父と一緒にロボ作りでありますよ。黒崎さんに誘われたプールも断わって、ロボ作り。父は心配です。いや、けど、このふたりの様子見てたら、烈人さんが後悔する日はこない気がする。黒崎さんは、自分のことを意識してくれない烈人に不満、いや不安なのかな? だけど、烈人の未来設計を知ったら、ねえ。そしてお祭り。いや、もう、黒崎さん、可愛らしい。ほんと、ふたりの様子ね、気取らない、いいカップルじゃないか、そう思うんですね。うん、でも、実際のところはわからん。うん、けどいつかきっとうまくいくよ。

『ノノの神様』、ゲストです。神社にいる仮面の少女。って、仮面って、これ、ポリネシアとかメラネシアとか、そのあたりの感じなのかな? この少女が、生贄を求めるなど、少々物騒な感じでスタートです。ノノ、この子の出自、謎なのですが、この神社の世話になることになった。人が増えてご飯がなくなる、飢えて死ぬ。とまあ、こんな具合。神頼みするには生贄がいる、みはるにそんな風にいわれて、素直に生贄を捧げようとしてた。みはるは神社の娘、妹の方。姉のことが大好きで、だからノノはちょっとライバルっぽいんですね。最初は警戒して打ち解けなかったノノも、だんだんに慣れてきたようで、これからだんだんと、ここでの暮らしや風物について知っていく? そんな感触でありました。

  • 『まんがタイムきららMAX』第11巻第10号(2014年10月号)

2014年8月18日月曜日

『まんがタイムファミリー』2014年10月号

『まんがタイムファミリー』2014年10月号、昨日の続きです。

『軍神ちゃんとよばないで』、扉の凛々しい虎千代。鎧の胸には膨らみが作られていて……、え? なんで? いらないよね? そう思ってたら、本編で見事になくなっていました。うむ、見事である。今回は虎千代の戦ですよ。宇佐美の馬に同乗して本陣に向かう。その姿に、宇佐美への信頼を得、さらに士気をあげる兵士たち。いやもう、宇佐美も兵士も違うから! これら勘違い、そこからの快進撃。もう最高に面白かったです。虎千代がですよ、なにも考えてない。兵士たちに酒をふるまい、って自分が飲みたいからですよね。甘々の笹だんごをふるまい、そして敵の足止めに使うはずの材木でキャンプファイヤー。これが、本陣正面。いやもうありえない話で、しかしこれを好機を攻め込んできた黒田勢を返り討ち。そして追撃に移るっていう、これ、本当に史実どおりなの? わからんのだけど、おかしかった、面白かった、それでちょっと痛快でした。暴れたがってる小島どのもナイスでしたよね。

『火消しなでしこ』、これ本当に面白いな。消防学校は土日祝日がお休みです。というので、梢も帰ってくるんですが、綿密に作り上げた予定表、それがちっともはかどらない。あんまりにも疲れてるもんだから、寝ちゃうんですよね。うん、しゃあない。しかし、これだけじゃないんですよ。兄貴です、兄貴。梢の兄も消防士。しかし、彼の学生時分はというと、ちいさな梢の面倒見ながら筋トレ筋トレですよ。兄ちゃんって凄かったんやな……!! 今になって知る兄貴のすごさですよ。予定してたこと、全然消化できなくて落ち込む妹への兄貴のアドバイス。あれはよかったですね。ほんと、いい兄貴ですよ。

『パパとあそぼう!』、扉の眼鏡かけたママさん、可愛いなあ。さて、父の実家に皆でいくんですね。里帰り。お盆だから? じゃないみたい。米ができたから取りにこいという父からのメール。意味がわからなくって、姉がデキ婚? あわてて帰ったら、全然違ったという話です。この家族、全員眼鏡なんですね。姉も眼鏡。父母も眼鏡。みんなレンズの向こうの目が見えない。夫の実家での妻のポジション、姉、あきこの解説、大人の駆け引きっていうのがらしくってよかった。そしてパパとさくらが近所を散歩。ああ、そうか、ここは父の実家か。昔の友人に出会ったりして、そういうのも面白い。そして最後の寛容な両親。ええ、とてもいいですよ。

『かしこみかしこみ』、めちゃくちゃ面白いなあ。夏休み、補習に森井くんとして出席してるのがなんと山椒。いや、もう、最高だな。クラスの皆がすごく気にしていて、先生はというと、まったく気にしないで、普通に授業を続けてる。ほんと、この学校、この世界観、素晴しいですよ。さて、翌日は山椒に代わってムクがくる。あのね、今日は19日だから、といって本来なら森井にあたるんだけど、あえて違う生徒にあてる先生がいるかと思うと、見事にムクにあてる先生もいて、あの困ってるムクを見て微笑んでるユキ先生、めちゃくちゃ可愛いなあ。心温まるものありました。プチ祈願での授業代行。これ、ちゃんと森井君がペナルティ受けるんですね。うん、神様、奏衣様、いいおはからいですよ。そしてラスト、この祈願がはやらなかった理由。ムク、山椒がくるのに自分がいないなんて悔しい。それを聞いた先生がたが、自分もふたりのいる組で授業したいとかね。そして一緒に授業を受けられる券が学校祭の副賞になるとかね。ほんと素晴しい。最高でした。

  • 『まんがタイムファミリー』第32巻第10号(2014年10月号)

2014年8月17日日曜日

『まんがタイムファミリー』2014年10月号

『まんがタイムファミリー』2014年10月号、発売されています。表紙のテーマは盆踊りでありますね。メインは『ぽちゃぽちゃ水泳部』のカツ代、これは撫子かな? 花の模様の浴衣着て、汗を散らして元気に踊っている姿がいきいきとして素敵です。他に、毘沙門天の面を横に被って、花模様、足元には毘の文字あしらった浴衣で躍る『軍神ちゃんとよばないで』虎千代、そしてミニでフリルな今風浴衣も可愛らしい『村ドル』からあおい、紅子のアイドルペアでありますよ。

大家さんは思春期!』は、熊川さんの扱いが残念で、いやもう、少女小説家熊野はにぃのイメージが、出会うと見事にぶっこわれる。マユが大ファンだったんですね。それだけに、熊川さん見て、魂抜けるレベルでショック受けるんですね。見るからにおっさん。サインを貰うとなれば、目の前でげっぷ。って、そら、おっさん、あかんよ。イメージあえて壊そうとしてるとしか思えない。発想の源泉とかね、それがおかしかった。文字だけで読むと普通に受け入れられることが、おっさんビジュアル前にすると受け付けない。けど、熊川さんのそのビジュアルあってのことなのか、ひどい仕打ちの数々が創作意欲に転化する。ああ、なるほどなあと、納得するものもあったのでした。しかし、最後のマユちゃん、あれはよかったな。

『ダ・ヴィンチ系女子高生』は、前回出会った女流画家、ソフォニスバについて皆で調べるんですね。古代カルタゴの女性の名前に由来する、ということから、進歩的な家だったのだろうと推測される。順風満帆と思える人生を歩んだ女性で、けれど黒中みどりの出会った頃は、まだこれと芽が出てなかった頃なんでしょうか。友人のアナ・デ・メンドーサをモデルに絵を描いている、のはいいんだけど、この人もまたなにかぶっとんだ人だな。今回明らかになったソフォニスバの夢もなんともいえんへんてこさで、結婚の目的は、男性の裸体モデルが欲しいからなのか! ミケランジェロに師事したことがあった。システィナ礼拝堂の天井画、あれが裸祭りというのね、いや、もう、確かにそうなんですが、おかしかったですよ。

『宅飲み残念乙女ズ』、今回はてつ子の話。帰省してた、というわけで、髪を黒く染めたりして、ええ、実家が堅い家だっていうんですね。父官僚、兄医者、姉弁護士、母元大学教授、っていうんです。家族写真見ると、てつ子だけ異質。画風が違うとまでいわれるのか。できる兄姉の下に、ひとりできない妹で、母もついに匙を投げてしまった。てつ子のいう素麺の価値観とかもね、ああ、とにかくこの子は自分の家の普通に馴染まなかったんだなあ。そんな風に思われて、なんとも侘びしくあったのでした。けれど、そのてつ子と相容れない家、家族、そう思われたのが、実はそうでもない。兄も姉も、てつ子が楽しく暮らしてるようならそれでいい、その生き方、暮らしぶりをちゃんと尊重してくれている。ええ、暖かい家族なんじゃないの? そうも思えるラストに、いつか歩み寄ったりする日もくるのかな、なんて思わされたのですね。不思議な余韻が心地良かったです。

『教壇のポラリス』、よいですね。大きなお家と憧れていた、その豪邸のお嬢様が琴音ちゃんでありました。そのお家で勉強会。天川先生も誘われて、そこでの対話が実によかったです。大量のスイカに、木星を思う。木星のエピソードが、人と人のぶつかって、それではじめてわかるものもある、そういった話に繋っていくんですね。先生の昔のこと。人とぶつかるのが怖かったころ。けど、その頃の後悔が琴音の言葉で和らいでいく。琴音の親への思い、周囲からの無理解に傷ついてきた過去が語られて、そして天川先生への憧れに辿り着くなんて、ほんと、丁寧にエピソードを繋いで、心に沁みる、そんな展開、本当に素敵だったと思います。先生、よかったですね。先生、迷いながら、怖れながらだったけど、報われましたね。

  • 『まんがタイムファミリー』第32巻第10号(2014年10月号)

2014年8月16日土曜日

『まんがタイムきららミラク』2014年10月号

『まんがタイムきららミラク』2014年10月号、発売されました。表紙は『幸腹グラフィティ』であります。リョウがバーンとビキニで登場。手にフルーツポンチ? 大きなグラスを持ってましてね、向こうではきりんが優勝カップくらいでっかいのを持って、降ってくるフルーツを受けているんですね。リョウさん、けっこうむっちりしたからだつき、表情なんかも実に可愛らしいです。きりんは、すごく元気、元気ですね!

『ゆずりはコーポレーション』、初月の売上が確定したんですね。18万ちょい。結構いったじゃん、そうは思ったんだけど、皆に給料出すのは難しそう。もっと宣伝などなど、頑張っていかないといけない、そういうんですね。と、思った矢先に雑誌の取材が入る。そこそこ有名な雑誌らしい。しかし、なんで? そんなとんとん拍子? と思ったら、ああそうか、そもそもゆずりはが有名人だった。読み進めれば、ああ、なるほど、刻環静流の策略もあったのか。ゆずりはを、というか夜桜をというべきか、ライバル視してる彼女。全然、ゆずりはからは意識されてなかったわけですが、なるほどこの子とゆずりはコーポレーションがしのぎを削っていくわけですね。というか、最初の売上18万のうち、6万はこの子ですよね。いつかそれにゆずりは達が気付くこと、あるのかな。

アンネッタの散歩道』、メイヴたち、迷ってるんじゃないか? なかなか危ういことになっていますが、ここでメイヴの知識が披露されるんですね。ああ、メイヴの人間への興味は、冒険家という父、トムの影響なのか。トムが持ち帰った人間の書物、それを読んでいたというのか。うん、文字を覚えて本は読んでましたよね。なので、メイヴは地動説を知っている。ええ、知ってるんですね。そしてアンネッタですよ。メイヴからの手紙を待ち侘びている。そんな時に、ふと思うものがあった。昔の自分についてなんですね。幼いころはむしろ健康だったはず。なのに、いつの間にか病弱になった。母の死、それがきっかけなのではないか? ええ、アンネッタの側の問題、それも少しずつ解消していく模様ですね。

『ハルソラ行進曲』、おお、文化祭ですよ。やなぎちゃんがドリルの衣装を身につけて、いやほんと、凛々しくてかっこいいです。文化祭らしい出店、展示もあるんですけど、いろいろ目移りしたりね、機械もの大好きだったりね、けど今日の本番はやっぱり吹奏楽部のステージなんですね。いろいろトラブルありつつも、無事集客できて、って、ああなるほど! 体育館を一杯につかってドリルを見せる。観客は、ぐるりと取り囲む二階席から見るというんですね。なるほどなあ、この発想はなかった。そしてかっこいいやなぎちゃん。素敵でした。そしてお祭りは終わっていく。その侘びしさもまた文化祭なのかも知れませんね。

『ミソニノミコト』、新連載ですよ。もうすぐ夏休みという高校3年生、塚原瑞穂は受験に向けて神頼みであります。毎日お婆ちゃんが神棚に向かってくれる。それで、神様が応えてくれることになったんですね。鯖味噌煮なる神様です。瑞穂を合格させにきた、といっても、この神様、ミソニ様のできることといったら、サバの味噌煮を上手に作ることくらい。他にこれといった力があるわけでもなく、って、瑞穂、神頼みで楽々合格とはいかなそうだなあ。ちょっと報われなくて、人恋しい神様? 瑞穂の助けになるかはわからないけど、いい友達にはなってくれそうでありますよ。

  • 『まんがタイムきららミラク』第3巻第10号(2014年10月号)

2014年8月15日金曜日

鉄仮面のイブキさん

 『鉄仮面のイブキさん』、これ、本当に素晴しい。ゲストで登場した時から、もう夢中だった。そういってもいいくらいだと思います。登場人物は、伊吹さん。クラスメイトの男子、喜多くん。そして伊吹さんの友人、相楽さん。この3人のやりとりが、この漫画の基本形。表情のまるで変わらない伊吹さん。そんな伊吹さんのことが気になってしかたのない喜多くんに、なんと伊吹さんの表情の変化を読み取れる相楽さんが、優越感もって上から目線だ! 素晴しい。ほんと、このシンプルな設定をフルに活かして、ずっと変わらず面白くあり続ける。そのことが、この漫画の地力の高さを物語っておりますよ。

しかしなにがいいといっても、もちろん漫画として面白い、漫画として読ませるということは大前提としましても、登場人物、キャラクターが皆魅力的で、すごくいい。表情がかたい、そういわれる伊吹さんも、喜多くんとアイデア出しあって、表情伝える方法をいろいろ考え工夫してみたりする、その様子がおかしく、またチャーミングでありまして、いやそれ以前にですよ、全身で感情を伝えようとするかのような伊吹さんの振舞い、それがなんだかほのぼのと彼女の可愛さかもしだして、いや、もう、最高ですよ。喜多くん、席をかわってくれ! もう、喜多くんに嫉妬だ! それくらい可愛らしい。ええ、伊吹さん、素晴しいです。

ボーイミーツガールものとしても面白いんですね。喜多くんと伊吹さんの関係が、ただのクラスメイトから、ちょっとずつなんか進行していく。してる? うん、ちょっとは進んでるんだと思う。喜多くんは伊吹さんに恋愛感情に近い憧れを持っている。伊吹さんは、喜多くんに友情的親しみを感じてますよね。ぐいぐい進むわけじゃない、ちょっとずつ、じわじわ? 近しくなっていく、その関係が素敵です。さらには、喜多くんのライバル相楽さんも、あからさまに敵視してくれちゃったり、そう思ったら、たまには微妙に優しくしてくれたり、あるいは共闘したり、いい味出してますよね。そして、そんな相楽さんに心寄せている演劇部部長、哀原先輩も登場ですよ。いや、もう、めちゃくちゃいいキャラクター。最初、うさんくさい男だなあ、そう思ったんだけど、いや、そんな感情は吹き飛びましたね。いや、ほんと、この人たち最高だよ!

第1巻は、伊吹さんの表情がかたいというエピソードから、って全部か、相楽さんがお姫様になって、超素敵! そんな回まで収録されています。ほんと、どれ見ても面白かった。どれ見ても、ああ、この漫画よいなあ。そう思えるものばかりです。

2014年8月14日木曜日

『まんがタイムきらら』2014年9月号

『まんがタイムきらら』2014年9月号、先日の続きです。

『しゅばりえーる』、今日は手合わせ。しかし、それで真剣を使うというの、こいつは怖いな。感覚に慣れるため。それでもって、皆それだけの技量を持っているからというんですね。あ、セリーゼ以外ね。ツヴァイヘンダー振り回すその腕力、おそるべしですよ。さて、手合わせの様子。おお、皆、実力者。ただのナルシストや騎士オタク、夢見る乙女じゃないっていうんですね。サツキ、ヴィオのコンビネーション。姉ツバキはサツキに威厳を示して、そしてジャスマがものすごい。剣聖なのかあ。なんかほのぼので、なんか楽しい。そしてちょっとかっこいい。ええ、かっこいい。素敵でしたよ。

『かなはメランコリー』、猫のミキに相手にされてないかなはがおかしかったですよ。今回は一年の夏川花火、この子のストーカーぶりが発揮されたり、さっそく好実に確保されてしまったり。助けを求める花火を全然助ける様子もないかなはがグッドでした。ほんと、困ってるんだな。かなめとかなはのボクシング対決。それはもうどうしようもなかったんですけど、まさかの展開、そこにいたるまでの友人ふたり、しずねの放任主義とかね、面白かったと思います。キャラクターの魅力、それがしっかり感じられるのがとてもいい。期待できると思います。

『コドクの中のワタシ』は、皆で山にいくんですけど、これも実習か。食欲の秋を体験しようとするのか。山でですね、狐のお嬢さんに出会うんですね。自称山の主。真由に出会って慌てたり、他の面々との接触にパニックおこしたり、ちょっとした被害者でありますよ。妖狐、化けぎつねだっていうんですね。耳と尻尾が隠せない。犬に全身を舐めさせるとか、なかなかの展開であります。葛葉。食べられるもの、食べられないものを教えてくれたりして、意外とフレンドリー。そして最後にやってくれる。さすが狐であります。見事に化かしてくれて、ええ、いいじゃありませんか。また出てきますかね。

My Private D☆V、『水瀬まりんの航海日誌』のフクハラマサヤであります。かくしてテーマは、OLのお姉様(…プラスロリで)、なのだそうですが、そんなものは、そんなものは、現実には存在しないんですよーっ! だからこそなのだと思います。ロマンですよね、夢ですよね。通勤の私服、仕事中の制服、幼なさ、真面目さ、色っぽさ、いろいろな表情が見られる、そうした多彩な魅力。確かに感じますよね。

  • 『まんがタイムきらら』第12巻第9号(2014年9月号)

2014年8月13日水曜日

『まんがタイムジャンボ』2014年9月号

『まんがタイムジャンボ』2014年9月号、 昨日の続きです。

『ヒゲとセーラー』、初の意外な側面が見られて、面白かった。なるほど、もうすぐテストという状況で、すでに諦めている初。いいのかそれで? 友達の毬とちょっと現実逃避しながらも、ちゃんと勉強会開いてね、そこでもやっぱりちょっと逃避。なるほど、音楽番組見て、その振り付け、真似したりするんだ。あの躍る初の姿、すごく意外で、なんだかとてもよかった。そう思ったんですね。例の男子の恋心がばっさり一刀両断だったり、そしてなんとかテストはクリアできて、そしたらやっぱり男子ばっさりで、この初のクールなのかどうなのか、そうしたところも好ましいです。

『タヒチガール』に新たな人物登場でありますよ。タヒチアンダンス部の部員集めを頑張るマイたちですが、そこに現れた大柄の女子、この子がやたらマイペースで面白い。もらってもいいのかしら? チラシだと思うじゃない! なんとマハナを小脇に抱えてつれていってしまう。けど、有名な子なのか。天王寺さんが知ってた。お菓子を与えてた。四季雅、日舞をやってる子なんだけど、日舞以外も経験していらっしゃいとの母の命を受けまして、それでたどりついたのがオリタヒチ? 口下手ながらも、懸命に雅に自分がオリタヒチをやろうと思った訳を説明し、そして誘うマイの様子など、とてもよかったです。しかし、雅、面白いお嬢さんだな。あの、小脇に抱えるのがね、なんともいえん味になってます。

『花の任侠物語しずか』、しずかが学校に復帰して、そしてくれはの受難でありますよ。おお、やっぱりそうか、そりゃそうだよな、って、プールの補習であります。男としての何かを失います。いや、そんなに深刻になるなよ。クールに水着を着込なして、いやもう、素敵素敵。そして裏松原の彼とも、それっぽく話がつきつつある? 悪くない展開でした。そしてアニキのくれは愛。いいっすね、いいっすよ。アニキ! アニキー!

『事件です!シャーロッ子さま』、蓮崎礼子の別荘に佐久夜穂華と渡村潤が招待されて、主にそのプライベート・ビーチのできごとが面白い。うん、心が貧しいといわれる潤。けど、気持ちはわかる気がするのでありますよ。穂華が実にいい感じ。めちゃくちゃ海をエンジョイしてて、大暴れって感じですよね。しかし、穂華がここにくるのは5年ぶり。礼子の誘拐が心の傷になっていたのではないか? いろいろ憶測は飛び交うわけですが、実はそうではありませんでした。ええ、今回の礼子様行方不明!? もたいしたことなくて、けど昔を思い出したりしてね、それで自分たちも強くならないとなど、そうした彼女らの内心が描かれたの、よかったです。そうそう、銀次ですよ。大活躍ではありませんか。有能ボディガードです。

  • 『まんがタイムジャンボ』第20巻第8号(2014年9月号)

2014年8月12日火曜日

『まんがタイムジャンボ』2014年9月号

『まんがタイムジャンボ』2014年9月号、発売されました。表紙は『レーカン!』、TVアニメ化決定! とのことでありますよ。中央にヒロイン天海さんを配置して、その周囲にはデフォルメされて可愛くなった霊たちが集っている。そんな様子。霊とはいっても、なんだかほのぼのとして可愛らしい。天海さんも輝くような笑顔を見せて、この漫画の魅力を見事に発揮している、そんな表紙でありますよ。

『社長と生徒会長』、なんだかちょっとジャンボには異色な感じでありますよ。いきなり自分を社長という若月宗介のアップからはじまって、ええ、実際の社長というわけでもないんですね。信州商業高等学校、通称信商が年に一度もよおすイベント、信商百貨店。これを取り仕切っているのが社長だっていうのです。信商は学校なので、生徒会長もいます。穂苅薫。歴代生徒会長は社長には敵わない、そんな言葉を残しているのですが、今年の社長と生徒会長はどうなのか。生徒の人気は社長に集中している。けれど社長はというと、生徒会長のこと大好きなんですね。皆の前では猫をかぶっている宗介、薫の前では素直になって、これは甘えているのか? なんだか、クールに見えた宗介社長がやたら可愛く見えるというんですね。10年前に出会ったふたり。途中、宗介の転校などあったものの、なおもふたりは友達で、というかなんかイチャイチャ。ええ、なんかボーイ同士のラブの匂いを感じるのでありますよ。

『でっかいんちょ』、新作ゲストですよ。『ちっこいんちょ』から『でっかいんちょ』にバトンタッチ、といったわけで、今度のヒロインは大菊育、中学2年生。でっかい委員長! というわけで、どんだけでっかいのだろう! おおいに期待して臨みましたら、わあ、なんと、ヒューマンサイズ! 巨女ブーム、きてなかったーっ! 舞台は田舎の学校。誰ともかかわるつもりのなかった転校生、相見深が出会ったのは、見た目にものびやか、おおらかで、皆のためにと頑張っている女の子、大菊育であったのですね。深よりも、頭ひとつぶんくらい大きいのか。純情委員長。彼女には親友があって、小崎纏。纏は、純情とは程遠いって感じでありますよ。しかし育、いろいろとちょろい感じ。けど、クラス委員長かつ保健委員かつ風紀委員で、さらに不良グループの頭、ヘッドだっていうんですね。あと、クラスのお母さん。人望厚く、ぱっと明るくほがらかな育。この子もまた、魅力的でありますよ。

『ホームキープアキちゃん』、新人展の一作目です。ハウスキーパーを派遣するマザーズラップには秘密のサービスが、っていうんですが、それがまさかの社長の娘。齢5歳にしてハウスキーピングの天才だっていうんですね。料理ばっちり、洗濯もばっちり。おべんちゃらにも完璧な対応をして見せて、いや、これ、面白いですよ。そして、社長、つまり母からいわれたこと、「家は母のお膝でなければならない」とのモットー。これをめぐるエピソードからなお面白さは増したと思う。なるほど、5歳だけどプライドはあるわけです。子供あつかいは嫌なわけです。あの社長に対する照れ隠しの悪口。それにどうも興奮してる? お目付けさん。あのお客さんの静かなつっこみが、かなり笑えました。「ドン」「ザー」の魅力。さらに耳元で業務報告からの悪口。もうね、これ、いいですよ。こなれたら、きっともっとよくなる。そんな予感をさせますよね。

『妖精と優馬の暮らし方』、新人展の二作目です。お手伝い好きの妖精と男の子のコミュニケーションでありますよ。人に隠れて洗いものはじめ、いろいろやってくれる妖精。その子が、その家の息子と出会ってしまった。とはいえ、その少年には妖精のこと見えないんですけどね。ずっと姉がやってると思っていた家事が、妖精、いや幽霊かも? なんせ見えないですからね、知らない何かがやってくれていたんだと知って、お礼、それからお供え物。妖精からすれば、はじめてのお礼、そして好物のチーズが貰えて嬉しいというんですね。それではじまる、不思議な関係。あの妖精が開き直って、逃げも隠れもせず少年の目の前で大胆に家事をやっつけるところとか面白い。まあ、怪奇現象だよなあ。少年の名前は優馬。最後に妖精に名前を聞いて、はたして妖精は答えるのでしょうか? 悪くない雰囲気でしたよ。

  • 『まんがタイムジャンボ』第20巻第8号(2014年9月号)

2014年8月11日月曜日

目玉焼きの黄身 いつつぶす?

 『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』は、そのタイトルこそは知っていたけれど、どんな内容だかはまったく知らずにいた漫画でした。けれどこれがアニメになる。NHKで4夜連続でやるよ? そういう話を聞いて、好みかどうかはわからないけど、試しにちょっと見てみるか。そう思って録画して、昨日一気に見たのでした。そうしたら、いや、なんだこれ、面白いじゃんよ。番組の見せ方もうまかったのだと思います。アニメをやり、それぞれの食べ物、みんなはどう食べているのか、聞き取りした映像を添える。ほんと、こいつは面白かった。普段漫画やアニメに触れてない人でも、楽しく見られる、そんな感じに仕上がっていたと思います。

あんまりに面白かったので、昨夜、電子書籍で一気に既刊を揃えてしまいました。ちょっとずつ読んでるんですが、基本のテイストはアニメどおり。というか、アニメが原作どおりでありますね。楽しく読んでいきたく思いますよ。

しかし、この漫画の面白いところは、定番の食べ物、それを一体どんな風に食べるのか、それを延々追求していくところでしょう。主人公の二郎が、つきあってる恋人、みふゆの目玉焼きの食べ方を見て衝撃を受ける。それどころか、非難して、バカ呼ばわり。いやいや、そんなにもショック受けること!? いやほんと、めんどくさいおっさんだな! 衝撃なのはこちらだよ、ってやつでして、しかしこれが面白くって、普段そうと気にとめない食べ方の違い、それがこんなにもクローズアップ。そこに加えて、自分はこうやって食べてるなあ、そういうこと思ってしまう、さらには誰かにいいたくなるってところも肝なんじゃないかなって思うんです。

昨日は自分ひとりで見たんですけど、今日はちびっこいのがきてたので、そいつに見せながらの昼食でした。そうしたら、やっぱり面白いらしくって、大人なのにこんなことで泣いてる! とか大喜びで、そしてやっぱり、自分はこうやって食べる、そういうんですね。途中から、そいつの母親が参加したんですけど、面白いから続きを見せなさい、そして、やっぱり自分はこんな風に食べてる。ええ、二郎さんの過剰なこだわりのおかしさ、それも魅力であるのですが、同時に、自分だったらって考えてしまう、ところも魅力。さらには、そんな食べ方もあるんだって知るのも面白い。ええ、みかんを半分に割っちゃうの、その合理性、あれはちょっとやってみたい、そう思わせるものありましたよ。

2014年8月10日日曜日

『まんがタイムきらら』2014年9月号

『まんがタイムきらら』2014年9月号、昨日の続きです。

『スロウスタート』、扉に着物のたまてとドレスの冠。今日はなにかおめかしする回なのかしら? そう思ったら、おおう、これがふたりの普段着とな。そうか、そうか、なるほど、これをあえてカラーで見せてくださるために扉に配置なさったのだな。ありがたいことです。先日花名が知り合った万年さん、彼女が外出できるような服を持ってない。ということで、栄依子が抜擢されるんですね。グイグイいく。それで花名のオーダーをもとに、がっつり仕上げてくださる。ほんと、そしたら見事な素敵お姉さんになって、いや、地味な部屋着の万年さんも素敵なんですが、ええ、栄依子の魔術でありますよ。おそるべしです。

三者三葉』は、なんと、双葉が超可愛い。いや、この子、もともと可愛いんですけど。扉で水着。ええ、キャンプにいったらTシャツ焼けしちゃった。なのでもっときれいに焼きたいと、輝を誘ってプールにいくんですね。いや、もう、部分焼けしてる双葉、超魅力的。どしたらいいのかわからん。それくらい素敵。しかし、今回、プールの主役は輝でしたね。姉、光がついてきた。それで泳ぎの特訓させられて、って、想像以上にスパルタなのだな。日焼けどころか、白くなりつつある輝の弱さ、実に面白かったです。いや、本人からしたら洒落にならないんでしょうけど。

『凸凹□』、いいですね。おきなちゃん、最近雰囲気が和らいだからか、どんどんいろいろ頼まれごとされるっていうんですね。クラスメイトから、そして教師からも。しかし、それで無茶な量の仕事を渡されて、それを地道にやっつけようとしてるおきなは、ほんと、いい子だなあ。けれど、それをただいわれるまま受けてちゃいけないといってくれるすずめ、さらには手伝ってくれる、先生にもいろいろ注文つけてくれる。このふたりは、すごく自然に近しくて、互いを知り、助け合っている。そんなところ見えて、うん、ほのぼのと心に伝わる友情。よかったですよ。

『ギタ×マン!』、ギター組の演目が決まりましたね。るっかもマサもバンドをやりたい。足りないメンバーをやまなん、ゆもちゃんで補って、というあめりのアイデアと、それを実現するためにいろいろ説得する様子。どれだけ有効だったのかわからないけど、でも伝わるものは確かにあったようですよ。ところで、ゆもちゃん、髪を結って制服、加えてツインテールにメガ進化。それはいいとして、この人、やっぱり演奏したいんですね。むしろ、ゆもちゃんのこうした気持ちがあってのことなのでしょう。やまなんも動いた。一歩前進であります。曲は、マサが試しに作ってたんですね。足りない歌詞をるっかが継ぎ足して、うん、さらに前進です。マサがメインボーカル。るっかもボーカルに加わることが決まって、このね、どんどん話が進んで、どんどんついていけなくなりそう、あっぷあっぷしはじめるギター組が面白い。ええ、問題は漫画組にこそありそうだったのに、実際はそうじゃなかったっていうのが、どんどん明らかになっていくんですね。この様、実に面白いです。

  • 『まんがタイムきらら』第12巻第9号(2014年9月号)

2014年8月9日土曜日

『まんがタイムきらら』2014年9月号

『まんがタイムきらら』2014年9月号、発売されました。表紙は『ゆゆ式』、ゆずこでありますよ。セーラー服を着ましてね、それも男の子っぽい水兵ルック、セーラー服なんですね。セーラー服の裾からのぞく背中、短いズボンが、この子の活発さ、元気さを強調するようで、実にいい。すごく魅力的な女の子と感じさせるのですね。

『ラクヱンオトメS』、新連載であります。みーちゃんがおじいさんの形見に貰った懐中時計は、不思議な時計。時間旅行ができるというのですが、試してみれば確かに時間を遡って、時は大正時代、スマートフォンもGPSも使えないというんですね。時計の力で戻ろうにも、頼みの時計は壊れてしまって、って! お尻に踏まれただけでそこまで壊れるのか! どんな硬い尻だよ! 時計を壊してしまったお嬢さんが、姉なら直せるだろう、そういうので家を訊ねたら、それが喫茶店。修理には時間がかかる、だからそれまでは喫茶店の手伝いをしてくれればいい。現代っ子の見る大正時代、その時代の違い、ギャップを見せるのか、そして問題の姉ナツ、この人の本業である小説、しかもエス、百合ものですね、そいつの取材が主になるのか。といったところ。しかし、平成21世紀の人間が昭和を飛び越え大正だなんて、こいつはきっと相当なことになると思いますよ。

『らぶみぃ!』、ゲストです。アイドルもの? と思ったら、夢だったのか。のどかな島にあるアイドル事務所、まだ仮らしいんですけど、に、その子がいってみれば、同じくアイドルを目指してるっぽい女の子が幾人もいて、それぞれに個性的? 変わった子ばかりなんですね。ウミウシが好きなみぃ、ダンボール箱にこもってる引きこもり系のラブちゃん、食べるの大好き、健啖家の姫、そしてつっこみ担当なのかな? 雨音の四人。この子たち、村のやってるご当地アイドルなんですね。なんか、やたらキラキラな市長がプロデュース。特産の塩のPRとかするわけか。そしてさらに加わるメンバー。MO331、エムと呼んでクダサイ。アンドロイドなんですね。なるほど、いよいよ変わり種であります。この子ら、ユニット組むのかな? 皆同じ服なのは、アイドルの衣装? それとも制服? まだまだわかってないこと多しです。

『まんがワークのののassist』、ゲストであります。今回は前編。漫画家ものなんですね。連載持ってる四コマ漫画家ののと、その友達くみ。新連載をどうしようか、担当さんは百合ものを推してくる。けど百合とか、そもそも恋愛とかよくわからない。というわけで、ののとくみ、さらに加えてなのとみこの4人で百合について見識を深めていこうというんですね。とりあえず、のの、くみはよくわからない。なのはというと、結構そっち系の趣味がある? 百合ものをやめようと思うものの、断わりきれなくて、結果ののとくみの絆は強まるばかり? 漫画のために百合を探求して自らはまっていく、そうした趣向が感じられますよ。

『ガールズトーク?』、ゲストです。タイトルどおり、女の子たちがトークする、そんな感じですね。お昼の時間、お弁当を食べながら自己紹介をしあうという。これは、読者にキャラクターを知らせるということでもあるのでしょう。神崎美岬、三宅亜弥、岸辺小閖、そしてマイに萌がレギュラーっぽい。萌は真面目で、けれどドジ? 今日の日直が萌だったんですね。面倒見がいい、そうしたところもあるみたい。とにかく、いろいろ目についたものがきっかけになって、トークがはじまる。そこに、彼女らのキャラクターが見えてくる、そんな感じなんですね。しかし、どんだけおしゃべりが好きなのか。それはお弁当を途中で食べ忘れてしまうくらい。ええ、食よりおしゃべり、なんですね。

  • 『まんがタイムきらら』第12巻第9号(2014年9月号)

2014年8月8日金曜日

『まんがタイム』2014年9月号

『まんがタイム』2014年9月号、昨日の続きです。

『鉄仮面のイブキさん』、ついてない伊吹さんでありますよ。風は強い、信号は常に赤、クモの巣にひっかかって、転んで、宿題もやってない! って、ほんと、こういうこと、しれっといっちゃう伊吹さんが実にいいんですね。伊吹さんは山羊座。朝の占いによると、今日の運勢最悪です。あの、占いなんて信じないっていってる伊吹さん。表情以上に表情豊か。そして実は占いが好きっぽい伊吹さん。今日、運勢一番獅子座の喜多くんを頼ったりするところもいい感じで、ツンデレと本音の対比とかね、おかしかった。ほんと、けど伊吹さん、不運というよりドジという、そういうのが面白いと思いますよ。

『ゆとりノベライズ』、おおう、怖ろしいな。売上、下がっちゃったのか。1巻が売れて2巻はさほどでなかった。それはつまるところ、装丁、イラストでもって売れたけど、ノベルとしては面白くなかった、それが都の分析なんですね。悔しい。可能な限り続ける。ええ、今回の都は覇気が感じられて、ええ、少しずつ自信をつけてきてるんだなあ。戦う力とでもいおうか、これをと自分で信じたものを支えにして前に進もうとする。そういう姿勢が見えてきて、それがすごく心強い。都の成長を思う里美。里美も変わってきてるよ、そういうニア。ええ、ほんとこのふたりの距離感、そして支えあってる、そういう感じがほのかに見える、それが大きな魅力ですよ。

『週末すろーらりー』は、ニコちゃんが百子にお願いですよ。浴衣を作って欲しい。既製品は派手な柄、可愛い柄、フリルがついたりミニだったり、そういうのは好きじゃない。あの、大柄な縞模様を選ぶところなど、この子の性格、それが現われていて、なるほどそういう感じなのか。千枝さんがすごく頼りになりましたね。浴衣を縫う、断つのもずばずば。ほんと、素晴しい。昔の百子の浴衣も、腰あげ、肩あげほどいて、そしたら見事にぴったり。あの格子柄、いいじゃありませんか。お祭り当日、いちこはいちご柄。大きな体を持て余してる、そんな感じもありますが、こういうのもありかもですね。百子は百子で、すごくオーソドックスな感じ。うん、とてもいい。そしてニコですよ。おお、素晴しい。このストイックできりっと凛々しさ引き立つ、そんな柄のチョイスが見事で、ええ、こういった浴衣、魅せられる、そう思いましたよ。伝統柄、そういったものも素晴しい。それをチョイスするニコはじめ、皆の個性、それもとてもよかったです。

『はこいり良品』は面白いなあ。今回はビブリオバトル、あの書評合戦ですね、そいつを描くんですが、参加者は古書店の主たち、売りたい本を推すのはあたりまえだけど、微妙にどろどろとした思惑が見え隠れする。あのあんまり爽やかじゃない感じ、いいよ、これ、いいですよ。まさに商売人のそれじゃないですか! 準備段階ですでに垣間見える人間模様。元営業の悲哀や父の侘びしさなどなど、いや、ほんと、このお父さん、いったになにをなさったんだ? そしてはたしてバトルの結果は? ええ、どうも続くっぽいですよ。いやあ、これはものすごく楽しみですよ。

  • 『まんがタイム』第34巻第9号(2014年9月号)

2014年8月7日木曜日

『まんがタイム』2014年9月号

『まんがタイム』2014年9月号、発売されました。今月の表紙、テーマは水兵さんですね。素晴しい。『おとぼけ課長』の凛々しいセーラー服姿をメインに置きまして、その周囲にはお嬢さんたちの素敵水兵ルックが際立っています。『まりあ17』まりあは、セーラー服に競馬新聞、『大家さんは思春期!』チエちゃんはセーラー服で元気にジャンプですね。普段の制服もセーラーですけど、それとはまた違うさわやかな魅力がありますよ。そして『鉄仮面のイブキさん』伊吹さんが手旗信号ですよ。セーラー服。こちらもいつもとは全然違って、課長、まりあ、伊吹さんとズボンなのも悪くないですね。これは実によいテーマと思わされましたよ。

『ちょっと舞って!ふわこさん』、ちょっと気にいっちゃってますよ。食べるわりに太らない、とかいわれてるんだけど、そもそも浮いちゃうからよくわからない。0から25kgなんだ。体重増やせばふわふわしないだろう、そういってふわこを買い食いに誘うあゆむが可愛いです。しかし、あゆむ、いろいろ考えますね。ふわこにパワーリストを装備させたりね、けど、全然追い付かなくて、最初こそは効いてたみたいなんだけど、ケーキを食べれば食べるほど浮力は増して、いやはやなるほど、食べた分だけ浮かぶエネルギーになるのか。ひとり太って不機嫌なあゆむだけど、ふわこのこと心配して、怒って、それでも手を繋いで、そういうのがよいですね。

『うしろでささえちゃん』、ゲストなのかな? 会社についたら、なんだかコーヒーの香りがする。エレベーターで、廊下で、オフィスで、なぜなのか? 3ヶ月だけの契約なのかな? ささえというお嬢さんがうちの部署にやってきた。ああ、なるほど、会社には常にいるのか。それで、いろんな部に出入りしてるのか。この子がコーヒーいれるのが上手だっていうんですね。仕事もできないわけじゃない、けれどそれ以上に好評なコーヒー。ゆっくりじっくりドリップして、それが実にしあわせそう。一説には、この会社の給湯室で育った……。って、なんという! なぞのお嬢さんと、彼女がくれる癒しの時間。いい感じに安らぎますね。

『おひとり食堂』、これもゲストっぽいです。バンドでギターをやっている誠一郎。テレビに映ったりして、結構な人気っぽいです。けど、昼は定食屋の大将なんですね。めし処せいちゃん。父親の店を受け継いだっていうんですね。マネージャー、カナコも来店して、店のカウンターでバンドの打ち合わせ。しかし、誠一郎、バンドが主なのか店が主なのか、その境があいまいで、いやはや、おかしい。あの、眼鏡のお姉さん、本来ならやってない夜の営業なのに、断われない性格がたたった。けど、それでなんだかほだされて、夜も営業することになった。いや、ほんと、ギター弾いてるときはクールに見せてるのに、実際は全然そうじゃない。その誠一郎のキャラクターがよかったです。

『女神さまと呼ばないで!』、ゲストです。転校してきた早乙女神奈。髪は縦ロール、見た目にもゴージャスで、早々に早乙女様と呼ばれるようになるんですね。前の学校では敬われてしまってて、今度の学校では敬われないといいなあ。なんていってるんですね。勉強もスポーツもできそう、そんな期待に見事に応える早乙女様。って、それがあかんのだ! けど必死なんだなあ。そんな彼女にできた友達、ちょっといろいろいい加減そうな女の子、涼。元気で気さくで、すごくいいやつそう。そんなふたりの友情もの? ちょっと先を楽しみにしたく思いますよ。

  • 『まんがタイム』第34巻第9号(2014年9月号)

2014年8月6日水曜日

『まんがタウン』2014年9月号

『まんがタウン』2014年9月号、昨日の続きです。

『ちょい能力少女あゆむ』、歩の黛に向ける興味がおかしかったですよ。プールの授業。けど黛はプールサイドにいて、さぼり? タトゥーの噂? なんかいろいろいわれちゃってて、それも気になるんですね。しかし、太ももにタトゥーと聞いて、スカートをめくろうとする。超能力使ってまでか! お前、女のスカートめくる趣味があったのかよ? との問に答えて、黛のスカートの中身が見たかっただけなのっっ! よけい悪いよ! けど最後に黛の真実がわかってね、ああ猫アレルギー。そんでもって湿疹。あの最後のふたりの距離ね、ちょっと縮まってますよね。その雰囲気も実にいいじゃないですか。

『涙の数だけ輝いて!』は、直子のIDL108時代の話ですね。直子がIDLをやめることになった、それまでの経緯ですよ。同期の理瀬は、ファンとメール交換して知りあいになっちゃってて、直子、それ知ってすごく焦るんだけど、それをとめることもできなかったんですね。それで、一緒くたに疑われて、一蓮托生で卒業、すなわちクビになってといった顛末。あのね、直子を再びアイドルの道に進ませたファンレター。それまで、どことなく自信に欠けていた、そんな直子の表情が一気に真剣になるところ、ぐっときました。現時点では、直子に届いた脅迫状についてはわからない。ただ晴香がピンクフェアリーちゃんだったってことだけが判明して、ああ、晴香にとって直子がそうだったように、直子にとっても晴香は大きな役割を果たしていたんですね。ええ、いいふたりじゃないですか。ほんと、そう思いましたよ。

『夢からさめても』、おかしかったなあ。美弥さんが家にくる、そんな予知夢を星が見て、すっかり浮かれてるんですが、父母が旅行で家をあける。妹の美幸ひとりが家に残る。女子高生ひとりを放っておけない。なんせ美幸は、夜中まで友達と遊ぶだなんていってる。心配でしかたがないじゃないですか。それで、美幸がなついている美弥さんに頼んで、家にきてもらうっていうんですね。しかし、美幸、面白かったですよ。友達と酒場で待ち合わせ。酒場? ああ、オンラインゲームなのか! 親がいると、10時以降のネットゲームを許してもらえない。それでせっかくお母さんがいないから、友達と思いっきり遊ぼうと思ったのに。いや、ほんと、美幸、可愛いなあ。本気で心配したのにゲームとわかって、ぐったりする星、美弥のふたりもおかしかったです。

  • 『まんがタウン』第15巻第9号(2014年9月号)

2014年8月5日火曜日

『まんがタウン』2014年9月号

『まんがタウン』2014年9月号、発売されました。表紙は『新クレヨンしんちゃん』がメインですね。カスカベ防衛隊とのキャプションついて、しんのすけはじめ、子供たちがずらりと円を描くように並んでるんですね。その先にいるのが『ちはるさんの娘』ちなつなんですが、なんだかしんのすけたちに追われてるみたいな構図になっちゃって、不思議とおかしかったです。

『押しかけ時姫』、どうせ戻り方はわからないんだから現代を堪能しますよとの姫のおおせでありますよ。それで海にいくんですね。水着を買ってもらった。長いパレオを装備。それで地元民の知る穴場の海にいくんですね。時姫にとっては、やっぱり現代の水着ははしたないと感じてしまう。その反面、海斗にはちょっと見ていて欲しい気持ちもあって、そうした様子がしっかり描かれて微笑ましいですね。あの、最後の、気が利くようで利かぬのう、との姫の感想、あの表情、見どころでした。

『大将乙女カルテ』は、おおう、悲しい恋の話? この頃の女学では、お姉様とかSだとか、そういう風習があったっていいますよね。というわけで、お姉様の話。皆のあこがれ真弓お姉様のかなわぬ片思いなんですね。しかし、路乃が相談する相手が清志。ああ、むくわれねえなあ、清志。そして真弓の恋の結末。あれー、なんと、犬!? 遠くの家にもらわれてしまって……。どういうことなのか、わんわん! そう思ったら、ああ、真弓のお慕いするお姉様が遠くにお嫁に……。この真相、ちょっと切なくてよかったです。そして路乃のくーん。ええ、真弓さんもなんとか元気になられたようで、いい落ちでした。

『居間には今外国人がいます。』、おお万希はわりかしものわかりがよいなあ。春休みには戻るよ、そういってた両親が、やっぱり春休みには帰れなさそうだって、けどそういうのを恨みに思うわけでもないんですね。そう思ってたら、どんどんなんか勝手に疎外感深めちゃって、自分の居場所はどこにもないんだ。ミカちゃんにもなんか劣等感を抱いてしまって、どうした、どうしたんだ万希。そう思ったら、ああ、やっぱり両親が帰ってこないっていうの、寂しかったんだ。あのね、最後にね、どーんと爆発しちゃって、じたばたばんばん、って、わお! なんて子供っぽくて可愛いんだ! あんまり感情が素直に出ない子ですよね。その子がこんなにも感情をあらわにして、そして両親とも仲良くしてるあの様。うん、やっぱりなんだかほだされますよね。居候の面々。故郷を思う。人情、心情、しみじみとして、いいラストであります。

  • 『まんがタウン』第15巻第9号(2014年9月号)

2014年8月4日月曜日

創作の極意と掟

 多分、twitterあたりで知ったんだと思います。いやね、ちょっともう覚えてないんですが、筒井康隆が自分の小説観をこの一冊に込めました、みたいな感じの話だったんでしょうか。どんな本なんだろう、そう思って調べたら講談社BOOK倶楽部に紹介ページが作られていて、読もうかなあ、どうしよっかなあ、迷ってたところ、『「創作の極意と掟」について』というエッセイが公開されてるのを発見。ちょいと読んでみて、ああ、本、読んでみるかあ。そんな気になった。さいわいなことに、電子書籍でもリリースされていましてね、ええ、嬉しいですね。即座に購入したんですね。

それ以来、少しずつ、少しずつ読んでいます。ひとつひとつの章というかトピックは、4ページとか5ページくらいですかね、短くまとめられてるから、寝る前にちょっとだけ読むとか、時間があいたから読むとか、そんな感じで読み進めて、もう半分くらい読んだかな? いえね、さすが筒井康隆だ、そう思うほかなかったです。

昔は筒井康隆の書いたのが好きで、友達から貸してもらって読んだりしてたんですよ。短編が多かったなあ。けど、なんか断筆宣言とか、その他、なんたらかんたらでいろいろなっちゃって、ちょっと気持ちが離れてしまっていた。それで久しぶりに読んだ筒井康隆はどうだったかというと、面白い。読ませますよね。極意や掟といってますけど、決して仰々しい話じゃない。むしろ、なるほどこういう趣向や意図でもって書かれた小説があるのか。紹介される例が興味深くて、その本もちょっと読んでみたくなる。また例として取り上げられる本もですね、すごく幅広い。古典から最近のラノベまでカバーして、いやもう、この人はどんだけ本読んでるのだろう。心底感心しました。すごいね。

この本は、小説を書く、小説を書きたい、そういう人向けに書かれている? そんな感じの売り文句ですけれど、普通に小説が好きで読んでいる人であっても面白く読めるんじゃないかと思います。いや、むしろこっちがメインか。だって、書いてる人より、読んでるだけの人の方が圧倒的に多いわけですしね。実際、私もそちら側。書き手がどう思うかとか、わかるわけないですしね。

この本でいろいろを知って、なるほどこういう仕掛けがあったのか、そういう時代、そういう思想があったのか、などなど、そうしたことだけでも面白かった。また、作者本人が体験したこと、うまくいったこと、あんまりうまくはいかなかったこと、そうしたことも知れて、なるほど、筒井康隆という人を知りたい人にもいいのでしょうか。いや、そういうファンの人にとっては、もう知ってる、そんなエピソードばかりであるかも知れません。ともあれ、ちょっと文芸というものに興味ある、そういう人には楽しく読める本なのではないかという感触ですよ。

2014年8月3日日曜日

『まんがホーム』2014年9月号

『まんがホーム』2014年9月号、昨日の続きです。

『黒い大家さん』、海でありますよ。千花と菊美、桃子の三人で海にいったんですが、千花が海にくるのはじめてだそうで、ちょっとハイ。でもって水着がスクール水着で、ええ、こういうところも慣れてない。友達が軽くひいちゃって、それで海で新しい水着を調達するんですね。ビキニはじめて、フリルついて、可愛い路線ですね。対して桃子はセクシー路線? けど大人っぽいといわれるの、あんまり嬉しくないんだ。乙女心も大変です。しかし、今回、桃子に寄ってきたナンパ男を追い払った華織さんの魔除け。いや、ほんと、ものすごいな。いったいどういう仕組なんだ。ほんとに魔女なのか。

『スカートダーリン』、こちらはプール開きでありますよ。はたして新宿さんはどちらの水着を着るのだろう。皆の興味を集めていたんですね。まだ工事してないんだけど、それでもバッチリ女子水着を着こなしてみせるとやる気の新宿さん。けど、学校がそれを許してくれるのか? 体育の教員は決定を保留。校長先生に委ねて、そうしたら女子として参加してもいいよと快諾してくれるんですね。ああ、いい先生だ、いい学校だ。自分がこうありたいと思い、願う、その気持ちをくんで、頭ごなしにこれと決め付けたことを押し付けたりしない。ほんと、いい学校だなあ。そう思わされたのでした。

『うちの秘書さま』、なんかふくれてる七瀬が可愛いなあ。さて、本編は台風の日ですね。非常時、停電にでもなったらどうしよう、その発想から、電気がなくても遊べるゲームを用意して、さらには私たちも一緒に? って、ほんとメイド連中はぼっちゃんのことが好きなんですね。けど、そのぼっちゃんのことが好きというの、恋愛みたいな要素が皆無なのが面白い。駄目なぼっちゃんを見て癒やされている。失敗するぼっちゃんを見て花をとばしている。ほんと、おかしいです。見守るメイドたち、厳しく時に感情を見せる秘書さま七瀬、そのアプローチの違いが魅力であります。

『マチ姉さんの妄想アワー』、なんか、また面白そうなシリーズがはじまった感じですよ。なぜなに図鑑。博士にジョージが問い掛けるんですが、それがプリンセスやプリンスの生態だっていうんですね。あたかも野生の生物のようにその行動を説明して、いやほんと、なんだこのナンセンス。これからが期待されますよ。人魚姫のエピソード、これもまた面白かった。声を失ったので、手紙を書こう! そう思ったら、文字が違った。じゃあ絵だ! と思ったらカウンセリングうけることになった。あのカウンセラーの、声が出ないのも心の傷のためだっていう、それがおかしくて、ほんと、うまいなあって思いますよ。

  • 『まんがホーム』第28巻第9号(2014年9月号)

2014年8月2日土曜日

『まんがホーム』2014年9月号

『まんがホーム』2014年9月号、発売されました。表紙は『らいか・デイズ』をメインに、夏休みの風景といった感じですね。らいかが虫取り、まるで男の子みたいな格好になってて、いや、こういうのもすごく似合ってていいと思いますよ。『主任の一ノ瀬さん』一ノ瀬さんはラジオ体操でありますね。『孔明のヨメ。』孔明、月英のふたりは朝顔でしょうか? 観察日記をつけていて、そして『敗者復活戦!』ニーナと月穂が水着であります。ニーナ、屈託なくて可愛らしいお嬢さんですね。

『孔明のヨメ。』、紫花菜が見事に花咲いて、孔明の荘園経営、いい感じに軌道にのっていますね。つうか、孔明さん、そこでしれっといっちゃいなさいよ。ほんと、なさいよ。紫花菜、もともとは雑草扱いだっただけあって、ほっといても増えて育つのか。こいつはいいですね。カブの畑があり、そして薬草の畑もあり、いろんな人材がそれぞれの知識、技能をもって活躍していることが伺えます。しかし、月英、めちゃくちゃ面白い。油を搾る機械、圧搾機を用意するにあたって、数種類提示して、どれがお好みですか? とくる。しかもこれから作る、自分が作るっていうんですね。ほんと、乗り気です。そして時代が動いています。并州陥落。いずれは塩と鉄の計略が対策されたことも知るだろう。ええ、いよいよ、そんな予感がしてますよ。

『敗者復活戦!』、今回は月穂が可愛い回でしたよ。ニーナが店にいくと、なんだか月穂の口調が変です。なるほど、読んでる本に影響されてしまう人なのか。ニーナ、バイトの件が先生にばれた。ほう、なるほど、バイトには許可がいる。けど、なんだか有名無実化してるっぽい。あの先生ふたりのやりとり、面白かったですよ。ちょっと月穂の過去? そうしたところへも目がいって、昔は結構な高給取りだった? なにがあったのだろう? そうした事情うかがわせ、そしてセミ捕り、不思議な月穂のチャーミングさであります。

『警戒少女いちごちゃん』、夏休みのいちごちゃんですよ。白いワンピース、素敵な美少女! そう思わせたところで、すぐあのぎゅうぎゅう詰めのセミを見せるのか。おお、セミ捕り美少女の系譜が完成しておりますね。なるほど、いちごちゃん虫好き。話すと長いらしいんですが、それくらい好きで、高揚して話すというのに、それでもオマール頼りなんだ。クマゼミが好きらしい。あまりに好きすぎて、オマールと会話してしまうくらいだ。木の上にいるクマゼミをしとめる秘策、オマールでアタックとか、いや、セミって飛ぶだろ! そう思ったら、ああ、冗談か。で、どうやってとってるかっていうのね、あれ、見事! いや、ほんと。いちごちゃん、しびれる素敵女子です。

『宇宙ファラオ☆パトラちゃん』、思いもかけぬよい話。朝の早いパトラちゃんが、近所をぶらりと散歩するんですが、その様子が楽しそうだったりね、そして猫、プトレマイオス星では伝説の生物で神の化身なのか。ほう。朝、歩きまわって、帰ってお風呂。これはいわゆるサービスシーンなのかな? そう思ったら、そうじゃなかったんですね。パトラの星は文明こそ進んでいるけれど、水資源には乏しい。他の星から水を取るとなると、資源の奪い合いとなり、紛争の火種となる。おおう、意外や社会派。かつては水が豊富だったという話から、今使えるからといって無駄遣いしていいわけじゃないという話に展開して、わお、パトラちゃん、見直した! それだけでなく、この漫画の期待値、音をたてて上がった、そんな実感ありますよ。

  • 『まんがホーム』第28巻第9号(2014年9月号)

2014年8月1日金曜日

たまごひこーき MV-22 オスプレイ

 先々月から作ってたターンエーガンダム、残るは武装だけ、といいながら、それが一向にできあがりません。やる気がないんですな! ってのも問題ですけど、やっぱりある程度できあがってしまうと、残りのこんまいものに向ける意欲ってのが減退してしまって、よろしくないなあ。ちょっと思い切って、だだーっ、と作っちゃおう。なんせ切り離してスミ入れして、部分塗装して、組むだけの簡単作業なんですから。というわけで、気持ちはもう次のものに移っております。とはいえ、まだこれをというのは決まってないんですけど、たまごひこーきとかどうかなあ、なんて思ってます。

たまごひこーきっていうのは、ハセガワ人気シリーズですね。名前が示すように、たまごのかたちをベースにアレンジ、デフォルメされた飛行機のプラモデル。ジャンボジェットやヘリコプターもあるけれど、メインは戦闘機なのかな。いや、オスプレイは戦闘機じゃないな。こいつ、輸送機だった。

興味があるのはMV-22オスプレイなんですよ。同じくハセガワから出てるMV-22Bもいいんですけど、これはちょっと難しそうだなあ。というわけで、たまごひこーき。とにかく簡単に作った気分になりたいんだよ! という、私の基本思想が溢れんばかりでありますね。ええ、たまごひこーきだと安いし、小さいし、手間もそんなにかからないだろう。そういった横着なこと考えているんですね。

これを作るかどうなのか、それはまだわかりません。とりあえずボークスにいって、あれば作る、なかったら注文する? どうする? みたいな具合ですので、なかなか思ったとおりに進まない。けど、まあ、自分の場合、それくらいの適当さでいいんじゃないかなあ、って思ってますよ。